東京タワー、オカンと僕と、時々、オトン

 リリーフランキーの「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」を一気に読んだ。

 炭坑のまち「筑豊」に生まれ、オカンとともに暮らしてきた彼は、上京し、職を転々としつつも、晩年のオカンとともに暮らすことになる。そのとき既に、オカンには病魔がせまっていて。

 リリーフランキーさんの文章ははじめて読みました。それは淡々と冷静ではあるけれど、時にほろ苦い笑いを感じさせたり、寂しさを醸し出させたりする感じで大変よかった。

 特に、節の最初に必ずでてくる「五月にある人は言った」のくだりは、素晴らしい。告白体の文章を引き締めておりました。

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春になると東京には、掃除の回転するモーターが次々と吸い込んでいく塵のように、日本の隅々から若い奴らが水集められてくる。

 暗闇の細いホースは、夢と未来へ続くトンネル。転がりつづけながらも、胸躍らせて、不安は期待が押さえ込む。根拠のない可能性に心惹かれた。そこに行けば、何か新しい自分になれる気がして。

 しかし、トンネルを抜けると、そこはゴミ溜めだった。埃が舞って、息もできない。薄暗く狭い場所はただ、モーターの機械音が鳴り響き、ぶつかり合ってはかき消される。

 ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる

 愚鈍に見える隣の塵も無能に思える後ろのくずも、輝かしいはずの自分も、ただ同じ、塵、くず、埃は同じ方向に回され続けるだけ。

 ぐるぐるぐるぐる、同じゴミだ。

 (省略)

 五月にある人は言った。
 「東京は、そんなに楽しい所ですか」

(リリーフランキー 同書 p167-168より一部引用)
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 告白体でつづられているオカンとの関係、オカンとの生活に関しては、感想を敢えて書きません。行間から、オカンへの愛情がにじみでていました。最後のあたりは、泣いてしまったよ。

 仕事柄本を読むことは多いのですが、そのほとんどが専門書かノンフィクション。たまには、フィクションもいいですね。いやーよかったぁ。

投稿者 jun : 2006年1月31日 23:01


リタイア

 リタイア・・・

 まだ30になったばかりの僕にとって、それは「遠い未来」のように思うけれど、それは違う。

 人は日々老いていく存在である。一歩一歩、死に近づいていく、そのことは悲しいかな真実である。そして、リタイアは、まだ若いと思っている僕にとっても「遠い未来」なんかじゃなく、「確実な未来」である。

 でも、リタイアのかたちにもいろいろある。
 そんな話を親戚の方から聞いた。

 まずは「昔を引きずる人」がいる。大企業の部長などをやった人で、リタイア後、「僕はマネジメントができます」と言って、地域のNPOやボランティア組織などに顔をだす。でも、そういう人に限って、「使い物になったためし」は一度もないのだという。でも、プライドだけは高いので、非常に始末が悪い。

 ちなみに、「昔をひきずる」といえば、「おばあちゃんの原宿」で有名な「とげ抜き地蔵界隈」では、今日も、おじいちゃん、おばあちゃんが出会い、恋をしている。で、そこの「おばあちゃんたち」にモテる条件ってのは、「昔とった杵柄を自慢しない」ってことらしい。「オレは昔部下が100名いてー」とか「昔はオレのところにお歳暮がひっきりなしに届いたんだ」というのは論外。昔は昔、今は今。

 「リタイアできない人」もいる。要するに、引き際が美しくない。もう意志決定のスピードに限界がきているのに、いつまでたっても、人に任せることができず、引退しようとしない。ひどい場合には、「院政」や「傀儡政権」をひく場合もある。周りの視線は冷ややかだが、いつまでたっても、「オレがいなくては」「オレがやらなくては」と思っていて、それには気づかない。

 そういう「困ったちゃん」がいる一方で、うまくリタイアする人もいる。引き際美しく、第二の人生を謳歌する。「昔とった杵柄」を隠しつつ、新たな出会いを愉しむ人もいる。

 リタイアは、僕にとっても、あなたにとっても「遠い未来」かもしれないが、「確実な未来」である。できることなら、美しく去りたい。若いときには皆そう思い、そしていつの日か、「困ったちゃん」になっていくのかもしれないが、そういう話を年配の方々から聞くたびに切実に思う。

 皆さんは、どんなリタイアしたいですか?

投稿者 jun : 2006年1月31日 21:17


公教育と私教育:韓国のeラーニング事情

 昨日に引き続き、クーリエジャポンによる韓国eラーニングの特集のお話。今日は、韓国にある「地方-都市」、「江北-江南」にひろがる貧富の格差の側面から。

 下記、クーリエジャポン 2月2日号 p44-47より引用

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▼学校と予備校の授業を受けたあと、就寝前に自宅のコンピュータにすわって、インターネット講義を見るのが受験生の習慣になっている。

▼EBSの行っている無料の修能講義と江南区庁の行っているインターネット講義などは、たとえば生活保護の対象になっており予備校にいくことのできない受験生の助けになっている。

▼ソン代表いわく、「メガスタディのオンライン講義は、これまで江南地区の学生だけが得られた特権を、他の地域の学生にも提供するという点に意義があると思います。しかし依然としてお金を払って動画講義を見る余力のない学生にとっては悪なのではないでしょうか」

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 韓国の「公教育-私教育のせめぎあい」については、これまでもいろいろな場面で書いてきました。

http://www.nakahara-lab.net/blog/2006/01/e_1.html

http://www.nakahara-lab.net/blog/2005/09/eulearning.html

 要するに、韓国では「塾」などの私教育がどんどんと拡大しており、公教育が押されてきている。で、家庭によってはものすごい金額の教育費をかけて、子どもの受験にそなえる。
 「ソウル在住者 - ソウル非在住者」には明らかに格差が存在する。ソウル内部においても、漢江の北と南では経済格差があり、それによる学歴の再生産がある。
 政府をこれを解消しようとして、「公教育の復権」のためのひとつの手段としてeラーニングを位置づけている、という話でした。でも、それは拡大しつつある私教育を圧迫するようなかたちで進行している。

 このようにeラーニングが、「公教育と私教育がせめぎあっている」中で発展しているのが、非常に特徴的ですね。

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 なんだかオモシロクなってきたねぇ。

 今度、東大で「韓流eラーニング」をフィーチャーしたシンポジウムとかやりたくなってきました。韓国からはたまにお客さんがきていますし、彼らに声をかけたら話をしてくれそうな気がします。

 動いてみるか・・・朝っぱらから仕事を増やしてどうする>自分

投稿者 jun : 2006年1月30日 07:46


メガスタディ:韓国eラーニング事情

 クーリエジャポンで「世界に学ぶ理想の教育」ということで、韓国のeラーニング、オンライン予備校最大手の「メガスタディ」がとりあげられていました。

 下記、クーリエジャポン 2月2日号 p44-47より引用。

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▼大学受験生を主に対象としているオンライン予備校「メガスタディ」は、2000年に資本3億ウォンではじまったが、わずか5年で最大手になった

▼メガスタディ代表は、江南地区のスター講師のソン・ジュウンさん。一流講師を集めて、予備校に所属しながら、メガスタディでも授業を配信するということを行った。

▼当初は、電子黒板を用いてモニターには教材をうつし、講師の出番は音声のみといった、かたちの教材であったが、2001年、教室の収録動画の配信サービスを行う。

▼ソンさんいわく「従来の予備校としては、オンラインとオフラインの講義は代替的なものと考えるでしょう。オンラインに勢いがつけば、オフラインの予備校収入が減ってしまうと。しかし学生の立場からすると、両者は補完的な役割を果たしているのです。つまり、夫フライ如備考で基本的な内容を受講し、のちに不足分をオンラインでおぎなうのです」

▼会員数は01年12月に7万人(無料会員)。1年後には24万に。03年には50万人。現在、無料会員100万人、有料会員24万人。売り上げは01年42億ウォン。翌年200億ウォン。現在売り上げは500億ウォン。05年は700億ウォンの見通し。

▼02年にはオンラインではじめた事業をオフラインにも展開。6カ所にオフラインの予備校開設。

▼ソンさんいわく「メガスタディは大手芸能プロダクションのようなものです。多くのスター講師をかかえ、彼らを管理するからです。

▼メガスタディによって、講師の淘汰がはじまる。「動画を通じて誰でも講義を評価できます。なのせ、実力がなく興味本位の講義しかできない講師は残れないのです。逆にチカラの認められたスター講師は、全国規模でファンサイトができる」

▼ある人気講師には25000人があつまった。1つの講座で2億8000万ウォンの収入。この人気講師は37の講座をもつ。その一方で、「人気の高い講座ばかりに受講生が集まり、講師間の不平等が生じてしまう」

▼韓国教育放送公社(EBS)が04年に無料で提供する教材とテレビ講義の中から、収納試験(センター試験)の問題が出題されるというニュースがあった。一時期利用者落ち込む。が、EBSの教材からは、あまり出題されなかった。EBSの講師は他人がつくった教材をもとに講義をしなければならず、能力が発揮できない。

▼今後は、公務員試験やロースクール試験などにもチャレンジ。

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 なるほどねぇ・・・それにしても、「人気の高い講座ばかりに受講生が集まり、講師間の不平等が生じてしまう」っていうのは、まさにインターネットならではですよね。

 インターネットの世界では、「勝者がすべてもっていく」なのですよね。2番手、3番手なんか、必要とされない。時間とか、場所の制約がないから、どうせサービスを受けるんだったら、1番のものがいい。そういう風に人気が集中しやすいのですね。なんだか薄ら寒い気がするねぇ・・・教える側の人間のハシクレとしては、堪忍してくれってーの。

 それにしても、もう一度、韓国に調査にいきたいですね。前回はシステム関係、官庁関係が多かったので、今度は、予備校なんかを調べたい。韓国からは目が離せないですね。

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 この他にも、アメリカの事例やイートン校の事例がのっていて、非常にオモシロイ記事でした。

投稿者 jun : 2006年1月30日 01:04


僕の週末

 土曜日

 午前中、田町、キャンパスイノベーションセンターにて教育工学会の大会企画委員会。今年の学会シンポジウム・パラの方のコーディネーターを、堀田先生とともに仰せつかった。気合いをいれて企画に励もうと思う。

 午後、時間がないので、タクシーぶっ飛ばして東大へ。組織エスノグラフィーの研究会。1時から8時までぶっつづけで、組織エスノグラフィーの研究をみんなで読んだ。終わったときには、マラソンを完走したときに近い感じがした。

 日曜日

 午前中、ひたすら原稿書き。次から次へとくるのだよ。
 午後、高校講座「情報A」の収録に参加させてもらった。ユビキタスネットワーク社会の未来として、「おやこdeサイエンス」が登場します。インサートVも見せて頂きましたが、とてもわかりやすく感動しました。

 放映は、2月23日午後3時から午後3時30分の予定です。ぜひ、ご覧下さい。

 終了後、大房さん、佐藤さんとSHIGEZO SHOTOで一杯会。その後、番組の打ち上げに飛び入りで参加して、さっき帰ってきたところです。

 帰ってきたら、札幌の舞台収録からカミサンが、先に帰宅しておりました。あいかわらず、インフルエンザウィルスをまき散らしておりますが、元気になった模様。よかった、よかった。

 そして人生は続く。

投稿者 jun : 2006年1月30日 01:03


stay hungry, stay foolish

 スタンフォード大学の卒業式で、スティーヴ・ジョブスがおこなったスピーチをビデオでみた。いい時代になりましたね、Stanford on iTunesで公開されています。(ちょっと前にAERAでも特集されていましたけど、見た方いらっしゃいますか?)

 スピーチの最後、ジョブズはいう。

 Stay hungry, stay foolish!

 そうだ、その通り!、よっ、中村屋!・・・じゃないか。

 それにしても、ブラボー、ジョブズ。
 スピーチは14分間。最初から最後まで全く飽きない、完璧なスピーチであった。

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 最近、思ったこと。

 「あれがない」「これがない」・・・「ない」ことをグダグダ嘆いても仕方がない。
 そういうとき、多くの人は本当に嘆いていない。僕は知っている。嘆くふりをして、誰かが作ってくれることを待っている。

 「ない」のがわかっているのなら、そこまでわかっているのなら、自分でつくればいい。「あとでやる」「いつかやる」のではなくて、「今すぐやれ」。

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 ジョブズのスピーチを聴いたせいか、週末の僕は、なんだか熱い(暑苦しい)。

 Stay hungry?、stay foolish?>自分

投稿者 jun : 2006年1月29日 08:41


使用前・・・使用後

 今週はきつかった。ただでさえ忙しいのに、さらに、ちょっと自分としてはチャレンジングな論文を書いていたから。

 執筆中の中原机は下記(山本さん撮影)。

before.JPG

 執筆後のワタクシの机はこちら・・・ようやく一段落つきました。

after.JPG

 忙しいけれど、今となって考えれば、充実はしていたように思う。あー、枯れた。

 でも、まだ忙しさは終わらない。
 週末は、土曜日は教育工学会の大会企画委員、それが終わったら午後から組織エスノグラフィーの研究会。日曜日は、NHKにてスタジオ収録。カミサンは北海道へ!

 そして人生は続く。

投稿者 jun : 2006年1月29日 07:52


みんなに

 「みんなに好かれるもの」というのは、ひとつ間違えば、みんなに嫌われてしまう可能性を、たぶんに孕んでいるのです。

 一方、一部に好かれるものというのは、マニアックに好かれ続ける可能性があるのではないかなと思ってしまいます。

 何、怖いことがあろうものぞ。
 「みんなに好かれない」ことなんて!
 「いい人と言われぬ」ことなんて!

投稿者 jun : 2006年1月28日 21:39


ベノアの紅茶

 大阪大学大学院 教育システム工学講座・・・僕が大学院生時代を過ごした場所です。

 そこの後輩の岡田さんが、先日、東京大学に遊びにきてくれました。この日はあいにく午後から会議で、あまり話す時間がなかったのですが、彼女が、おみやげにもってきてくれた紅茶、おいしかった。

 ベノアのヴィンテージアールグレイという紅茶です。

ベノア ティーバッグ・ヴィンテージアールグレイ

 僕はコーヒーはいっさい飲めません。で、おうちで飲む紅茶は、フォションのアールグレイと決まっているのですが、ぜんぜん香りが違いました。お湯を入れると、ベルガモットオイルの香りが漂ってくる。これがよかった。お味は、非常にフルーティで上品でした。

 アールグレイ、先日は、またひとつその魅力を知りました。

投稿者 jun : 2006年1月27日 21:32


桃缶

 なぜ人は、風邪をひいたり、熱があがったときに、桃缶を食べたくなるのでしょうか。確かに、レアなお品です。ふだんは食べません。でも、なぜ、桃に魅せられるのか、これは人類の永遠の謎かもしれません。

momokan.jpg

 ちなみに、僕は幼い頃はカラダが弱かった。今でも弱いですけど、その比じゃないんです。幼稚園は入園してすぐに1ヶ月休んだくらいですから。

 で、熱をだすたびに、桃缶や季節はずれのグレープフルーツを親にねだった覚えがあります。こんなときじゃないと、買ってくれないから。熱とは、そういうものなのかもしれません。熱だったら、いくら高くても買ってくれる。いいのだな、そういうときは甘えても。

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 ちなみに、うちの親は、まだ僕が幼かった頃、ホタテやエビ、そして牛肉を夕食にだすたびに、「今日は高級品だよ、こんな高いもの食べて口が曲がる」と言っていました。いまだに、ホタテ、エビ、牛肉を見るたびに、僕は「おー、今日は高級品だ、口が曲がるぞ、おい」と思ってしまいます。貧乏性は抜けません。

 三つ子の魂、三十路までも。
 嗚呼、10倍、僕は生きたのですね。

投稿者 jun : 2006年1月27日 21:10


バイオハザード

 カミサンが朝起きてカラダのフシブシが痛い+熱っぽいとのこと。

 まさかとは思いましたが、「インフルエンザA型」でした。予防注射うったのに。今、ウミガメのような涙を流して「死ぬー」とうめいています・・・かわいそうに。

 でも、この狭い家でひとりがインフルエンザにかかるということは、僕の身にも危険が迫っていることを意味しますね。まさに「今、そこにある危機」です。

 ということで、中原家の「茶の間」「ダイニングキッチン」に「バイオハザード(bio hazard)」を発動しました。

bio.jpg
   で、そこでアメリカから買ってきたN95マスクをつけて、ひーひー論文を書いています。
biohazard.jpg

 一応このマスク、米国国立労働安全衛生研究所が定めたN95という基準をみたしているマスクで、SARSにも勝てるらしいです。いつか使うときがくるだろうと、ボストンのドラッグストアで思わず買ってしまいました。結局2年間、押入にはいったままだったけど。

 今頃マスクつけても、もう遅いかなぁ。
 オレ、今日、このマスクつけたまま寝るのか?
 めちゃめちゃ寝苦しいでホンマに・・・勘弁してケロ。

投稿者 jun : 2006年1月26日 18:16


SPSS

 OYAKOプロジェクトのミーティングで、この2日間缶詰になっている。4人でSPSSなどの統計パッケージをブンブン回して、あーでもないこーでもないと議論をしている。

 ピアソン相関、重回帰分析、マクネマー検定、ウィルコクソン、主成分分析、因子分析、クラスター分析・・・・ありとあらゆる可能性をさぐっている。

 結果は・・・芳しいものもあるし、芳しくないものもある。まだ一番ほしい結論には達していないのだけれど、こういうのは黙ってシコシコとやっていくしかない。

 大変な作業ではあるけれど、これが研究だと思う。事務作業や調整作業に比べて、なんとすがすがしいか。こういう時間は、いくら増えてもよい(キターという瞬間が無さすぎるのも精神的にイタイけど)。

 自分は、やっぱり研究が好きだとココロから思った。
 地道に、地に足のついた研究がしたい。

投稿者 jun : 2006年1月25日 15:39


【先行受付】ザ・親子:ニッポンの親子を元気にするシンポ

 インチキコピーライター中原、またヘンチクリンなネーミングをしてしまいました。
 次回のBEAT講座のシンポジウムは、

 ザ・親子!

 です。チカゴロの親子が丸ごとわかる一日になるはずです。よくある年末の成果報告会とはひと味違う斬新な内容になるはずです。

 最近、BEAT講座のシンポジウム・研究会は満員御礼が続いています。ということで、今日から先行受付を開始します。ぜひ、お早めにお申し込み下さい。下記のフォームで、sato@beatiii.jpまでご連絡下さい。

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「ザ・親子」:ニッポンの親子を元気にする
親子の学びの形が変わります!

「BEAT 2005年度研究成果報告会」開催について
2005年3月25日(土) 東京大学小柴ホール 入場無料
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 東京大学情報学環・ベネッセ先端教育技術学講座(BEAT)では、
携帯電話などのモバイル・ユビキタス技術と学習と結びつけ、
新しい利用法を探るプロジェクト研究を展開しています。

 今年は特に、ニッポンの親子を元気にする「学習テクノロジー」
「教育のあり方」を中心に研究を行ってきました。

 このたび、BEATの本年度の研究成果をご理解いただくことを
目的として、研究成果報告会を開催いたします。
 この中で、親子がケータイとワークショップで科学について学ぶ
プロジェクト「おやこdeサイエンス」プロジェクト、小学校と家庭において
ケータイを活用する「Kids Keitai」プロジェクトについて、実践結果を
ご紹介いたします。

 また、家庭教育メルマガ最高の読者数を誇る「親力で決
まる子供の将来」を主催し、「親子で決まる」「プロ親に
なる」などの著書を上梓なさっている親野智可等さんをお
呼びし、BEAT客員助教授・堀田龍也との対談を組んでおります。

 親野智可等さん
 http://www.oyaryoku.jp/

 今回の研究成果の報告は、学校の先生方や学習テクノロジーを
開発している企業のみなさんにもお役に立つこと間違いなしです。

 年度末ご多用の折とは存じますが、ぜひご予定に加えて
いただき、ご参加くださいますよう、よろしくお願いいたします。

             記

■開催概要

●主催:
 東京大学大学院 情報学環 ベネッセ先端教育技術学講座
(BEAT)
 http://www.beatiii.jp/

●日時:
 2006年3月25日(土) 午後1時より午後5時まで

●場所:
 東京大学 本郷キャンパス 小柴ホール
 理学部1号館内
 http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_06_01_j.html

●定員:
 170名(参加費無料)
 このところBEATセミナーは満員が続いています。
 キャンセル時には、他の方に席をお譲りしますので、
 恐れ入りますが、sato@beatiii.jpまでご連絡ください。
 
■プログラム

1.趣旨説明
 BEATフェロー/東京大学助教授 山内 祐平

2.基調講演(対談)
「子ども・家庭・学校でのメディア教育を考える」
 小学校教諭/「親力できまる!」著者 親野 智可等氏
 BEAT客員助教授/「メディアとのつきあい方学習」著者 堀田 龍也

3.「おやこdeサイエンス」、そのインパクト
 BEATフェロー/東京大学講師 中原 淳
 BEATアソシエイツ/宮崎大学助教授 山口 悦司
 BEATアソシエイツ/NIME助手 西森 年寿
 BEATアソシエイツ/神戸大学助手 望月 俊男
 http://www.oya-ko.jp/
 http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/0511/11/news083.html

4.「Kids K-tai」プロジェクト報告
 BEAT客員助教授/NIME助教授 堀田 龍也
 お茶の水女子大学附属小学校教諭 辰巳 豊氏

■参加方法
 参加費は無料です。参加登録は2月13日(月)より
 BEAT Webサイトhttp://www.beatiii.jp/seminar/
 にて、開始いたします。

 ※2月13日以前の特別事前参加申し込みも受け付けます。
下記フォームにてsato@beatiii.jpまでお願いいたします。

〆ココカラ切り取り---------------------------------
 BEAT 2005年度研究成果報告会・参加申し込みフォーム

 氏名:
 メールアドレス:
 ご所属:
 懇親会に参加  する/しない

--------------------------------------------------------

■問い合わせ他
 本報告会に関する最新の情報は、BEAT WEBページ
(http://beatiii.jp)に掲載されます。ご確認ください。
 本件に関するお問い合わせは、担当:佐藤 (sato@beatiii.jp)
までお願いします。
 この案内は、自由に転送していただいて結構です。

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投稿者 jun : 2006年1月23日 17:36


おすすめDVD

今日は一日仕事で疲れました。

 帰ってきて、カミサンのつくってくれた夕食を食べて、なんだかもう仕事をする気がしないので、おうちでナツメロDVD鑑賞大会です。酒を飲みながら絶叫マシーンですね。

マイケルジャクソン(2005) ビデオ・グレイテスト・ヒッツ・ヒストリー.
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000BNM8B0/nakaharalabne-22

 マイケルジャクソンのスリラーとかビリージーンが流行したのは、僕が、小学校2年くらいのときですよね。僕の母親は、料理をしているとき!?、ラジオをかけるのが好きで、幼い頃の僕は、そこではじめてマイケルジャクソンを知りました。
 スリラーのPV見ましたが、20年たった今でも、その振り付けは新鮮。

Dreams come true(1995) WONDERLAND’95 史上最強の移動遊園地 ドリカムワンダーランド’95 50万人のドリームキャッチャー.
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0000QX222/nakaharalabne-22
   このドリカムのDVDは、涙なしでは見ることができない。  まずは、絵が本当に綺麗なんです。湾岸でのライブの様子を撮影したものなのですが、ライブが盛り上がってくるにつれ、だんだんと日が落ちてくる。そこで歌われる「眼鏡ごしの空」・・・その背後に広がる夕焼けは本当に綺麗なんですね。  そして、これでもか、これでもか舞台を疾走しつつ歌う吉田美和の姿には、涙を落とさずにはいられません。

 歌も、「決戦は金曜日」からはじまって「Eyes to me」「うれし恥ずかし朝帰り」「あなたにサラダ」「沈没船のモンキーガール」「Love Love Love」「めがね越しの空」「すき」「うれしい楽しい大好き」「サンキュ」と続く。ほとんど、ドリカムがドリカムだったときのベスト版ですね。

 どちらのDVDも、疲れた日には最高です。これらを見て、酒を飲みつつ、一緒に歌っていたら、明日も頑張ろうと思うから。

投稿者 jun : 2006年1月22日 22:41


センター試験の朝

 雪はふっていないみたいですね。ずいぶんと残ってはいますが。

 今から12年前、僕もセンター試験を受けましたが、そのときは、朝っぱらから吹雪いていたのを思い出します。なんかあったら困るから、ということで会場の旭川医科大学に早めにつきすぎて、誰もいなかったことを覚えています。

 受験生の皆さん、全力だせることを祈っています!
 (このblog、受験生の皆さんは誰一人として見ていないと思うけど・・・受験生の親御さんならありえるかも)

投稿者 jun : 2006年1月22日 21:30


センター試験監督

 明日はセンター試験監督。

 朝8時30分に駒場集合だから、うちを出るのは7時だ。はやく寝よ。今日は大雪だったけど、明日は天気回復するとよいですね。

投稿者 jun : 2006年1月22日 21:29


コラム:韓流eラーニングの先に広がるもの

 今度、大総センターから出されるニュースレターに掲載されるコラムです。もったいないので、ここでもご紹介。

投稿者 jun : 2006年1月21日 14:56


Traditional class is gone!

 今週は本当に忙しい週でした。

 MITからセンベンさんがきていましたし、いろいろなプロジェクトが年度末を迎えて佳境にはいっているのですね。論文もいくつか抱えているし、査読も、統計分析も。この状況、方言で言うなら「もうワヤだ、ワヤ」ということになるのかもしれません。

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 センベンさんの話、とてもオモシロかったです。僕は何度も彼の話は聞いているのですが、毎回、何らかの発見がある。

 今回、彼の話で一番印象的だった一言は、

 Traditional class is gone!
 We are doing it in TEAL format!

 というものです。

 何を言っているかっていうと、TEALは革新的な協調学習のクラスルームなのですが、すべての学生がこの形式で初等物理の授業を受けているわけではなかったのですね。僕が留学したときは、たしか2分の1くらいだったような気がします。

 TEALは、そこで教える教員に教授法の転換も強いるのです。だから、ファカルティからたくさんの抵抗もあったし、なかなか前に進まない時期もあった。

 TEALをはじめて1年目は失敗。全く有意差がでなかった。2年目から3年目は成功した。だけれども、「普及(dissemination)フェーズ」にはいると、新規で今までやってこなかった先生がはいっている。それで、また失敗した。

 TEALといえども、成功するまでには5年近くの年月がかかっているのです。その数々の失敗をへて、「Traditional class is gone!」と言えるまでになる。すべてのMITの1年生が、TEALの形式で、授業を受けるようになった、ということです。

 ここで我々が学ばなければならないことは2点あるように思います。

 1.継続的に評価を行うことが重要であること
 2.教育には長い時間がかかること

 どちらも常識です。教育学の常識であり、教育工学の常識。でも、言うは簡単だけど、その意味は深い。

 特に1に関しては、シンポジウムで登壇した際にも、話をしました。

 革新的な教材や教育環境を僕らがつくるとする。で、そこで生まれた学習がとてもステキなものであったとする。

 でも、それを持続していくためには、どうしても組織的に動かなければならないし、様々なステークホルダーを説得しなければならない。そのときに一番必要なのは、あなたのステークホルダーが、一目見てわかる説得材料なのです。

 ここで重要なのは、ステークホルダーは必ずしも、あなたの教育観や教育思想などに共感的であるわけではないし、必ずしも、あなたの研究をすべて見られるほど時間があるわけじゃない。短い時間で、説得を行える材料が必要です。

 革新的な教材や教育環境には、革新的な評価法が求められる。そうでなければ、そこで生まれる学習は把握することができない。

 ともすれば、教育関係者の中には、そういう思いこみをもっている人もいます。いいえ、革新的な教材に合致した革新的な評価法を樹立することが可能ならば、それにこしたことはない。

 だけれども、従来まで、こういう認識をもっているプロジェクトの多くは、評価をしない傾向にありました。

「あまりに自分たちのやっていることが革新的すぎて、そこで生まれたものは評価できない・・・だから評価はしない」

 と考えることが多かったように思います。で、評価を行わないから、なかなかステークホルダーを説得できない。で、最後には、

 「アイツ(ステークホルダーの一人)は、教育をわかっていない」

 という文句をたれる結果になる。で、プロジェクトは長続きしないことが多い。

 振り返って、TEALのやっている評価はスタンダード中のスタンダードです。いわゆる比較実験とプレポストを組み合わせたものです。たとえ、それだけシンプルでいて、いろいろ取りこぼしがある評価法だとしても、そうだとしても、継続的にそれを行っていくことが重要なのです。社会科学の領域に、アクターネットワークセオリーというのがありますね。その言葉を借りるのなら、僕が以上で述べていることは、「ステークホルダーのコミットメント」を向上させ、革新的な教育実践を支えるアクターネットワークをつくりなさい、ということなのです。

 そして、さらに違った学習の側面をみたいと思うならば、違う評価法を試していけばよいのだと思います。

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 センベンさん、ご家族と今頃ハコネに行っているのだと思います。今日はあいにく雪だけど、雪見露天は最高ではないかな。エンジョイしてほしいものです。

投稿者 jun : 2006年1月21日 13:12


RSSの更新ができていない

 中原です。おはようございます。
 皆さんの中で、詳しい方がいらっしゃったら教えてください。

 実は、今、NAKAHARA-LAB.NETでは、RSSの更新ができていないのです。いくら新しいエントリーをしても、RSSにかかれているのは12月のエントリーの情報。つまり、新しい記事のXMLが書き足されていっていないのです。

僕のblogのRSS
http://www.nakahara-lab.net/blog/index.rdf

 3.17からのアップグレードを行ったのですが・・・。ざっと管理ツールを見たところ、そちらは設定をうまくおこなっているようです。一方、RSSの中身を見たところ、旧システムで使っていたアドレス

 http://www.nakahara-lab.net/mt/

 というのが入っているのが見えるのですが、このあたりが原因かなと思っているのですけれど、どこで設定するのかわかりません。

 もしご存じの方がいらっしゃったら、ぜひ、ご教示下さい。どうぞ宜しくお願い致します。

投稿者 jun : 2006年1月19日 08:47


同通付シンポ MIT TEALプロジェクトを知る最後のチャンス

 2年前・・・(おぉ・・もう2年前になってしまったのか!)僕が留学していたマサチューセッツ工科大学から、1週間の日程で、センベン=リャオ先生が、いらっしゃっています。

 リャオさんは、MITの僕のオフィスの隣に、研究室をもっていて、留学時は本当によく御世話になりました。そういう縁は長く続くモノですね。去年も東大にきていただいたのですが、それに引き続き2年連続の講演旅行になります。

 月曜日は、リャオさん夫妻、カミサンと僕で、銀座の「自然式食堂 銀座 餉餉」でディナーをしました。

自然式食堂 銀座 餉餉
http://r.gnavi.co.jp/a364900/

 息子のテンテン君は、ジェットラグの関係で、少しお疲れモードでしたが、大変楽しい時間でした。

 火曜日、この日は東大工学部で講演でした。この講演、僕はちょっと大変重要な用事があり、出席することはできなかったのですが、とても充実したものになったようです。

 次の講演は、金曜日1月20日になります。こちらは、株式会社丸善さんが企画なさったもので、東京国際フォーラムのD1という会場で、シンポジウムをやります。リャオさんだけでなく、山内祐平さん@東京大学、美馬のゆりさん@日本科学未来館・はこだて未来大学、僕も登壇致します。

 申し込みはかなり盛況な模様ですが、本当にごくわずか残席があるようですので、もしご興味がある方がいらっしゃったら、ぜひいらっしゃっていただければ幸いです。

 なお、英語に自信がなくても大丈夫です(ていうか、英語でやられたら、オレもアカンわ)。同時通訳が入ります。

 下記、案内になります。

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丸善 Education & Learning セミナー
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■日時
 1月20日 金曜日 13:00-17:00

■会場
 東京国際フォーラム ホールD1
 http://www.t-i-forum.co.jp/function/map/index.html
 (JR有楽町駅でてすぐです)

■主催
 丸善株式会社

■後援
 東京大学大学院 工学系研究科

■協力
 東京大学 TREEプロジェクト

■内容
 1. 学習環境デザインという考え方
   (山内祐平・東京大学)

 2. TEAL、そのインパクト
   (センベン=リャオ・MIT)

 3. はこだて未来大学における学習環境デザイン
   (美馬のゆり・日本科学未来館)

 4. 東京大学 TREEプロジェクトの展開
   (中原 淳・東京大学)

 5. 英語の自立学習支援環境
   (フィリップ=マーフィ・神田外国語大学)

■お申し込みは

 m_yano [at mark] maruzen.co.jp(丸善・矢野さん)
 までメールでご連絡いただければ幸いです
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投稿者 jun : 2006年1月18日 19:59


論文が進まない

 書けない・・・このまま書けないで一晩すぎたらどうしよう。
 それを考えると、さらに書ける気がしない。

投稿者 jun : 2006年1月18日 16:09


カラダに素直に

 体調が悪くなるとき、僕には予感があります。まず、クチビルが荒れる。先週はそうだったのですが、やっぱり悪くなりました。「熱でるぞ、熱でるぞ」と思っていたら、そうなるのです。

 予感あるときに、素直に従い、休むことができればいいんだけど、先週はそうはいきませんでした。

 こういう予感、誰にでもあるのでしょうか。ある人は、クビのリンパが腫れるといいます。これは、なんか違う病気じゃねーの、と思ってしまいますけど。でも、こういう予感があるおかげで、Fatalなエラーにはならないのですね。「休んでおこ」と思う。

 とにかく素直になることです。それにしても、人間のカラダはよくできているね。

投稿者 jun : 2006年1月18日 11:36


研究を愉しむ

 研究をやっていれば、1つや2つの - いえいえ、それで済むなら、まだマシですね - ニサンシゴロクシチハチ個の壁にぶつかるモノのように思います。

 先行研究が見つからず、どこから手をつけていいのかわからなかったり、はたまた、指導教官に「リサーチクエスチョンがイマイチ、ていうか、そんな君がイマイチ!」と罵倒されたり(なんてヤツ!)、せっかくオモシロいアイデアを見つけても、技術的なフィージビリティがたたなかったり、統計検定の方法がわからなかったり。

 そういうときは本当にツライですね。本当に目の前が真っ暗になる。
 でもね、そのたびに一喜一憂していたら、「胃」が持ちません。わたしのような元・ピロリ小僧だったら、なおさらです。だって壁だらけですので。

 「真摯に研究すること」は言うにおよばず非常に重要なのですが、同時に、どっかで、ふっと気を抜かないとね、と思います。

 僕の場合、いつもこう考えることにしてます。

 「これでヘタうっても、明日、地球が危機に瀕するわけじゃない」
 「万が一シクっても、北海道の自然がある日突然変わるわけじゃない」

 こんなことを言うと、「不謹慎だ」とか「ずいぶん呑気ですねぇ、まだ仕事できるんじゃないですか」と、イヤミ言われそうですが、そんなことはありません、もう手一杯ですから(笑)。

 でも、そう考えると、ふっと力が抜けるんですよね。「そうだよなチッポケな迷い」だったな、と思うんです。「あの大地を見よ!」みたいな感じになって、松山チハルの物まねをしながら、歌いたくなってくるのです。
 で、なんだか、だんだんと楽しくなってくるんです・・・。「オレって、アホやなぁ、どーしょもねーな、でもいいや、ガタガタ言ってもしゃーねーな。でへ」と思って、楽しくなってくる。

 こう言ったからといって、力を抜きすぎて、いつ見ても「先行研究は調べないわ」「リサーチクエスチョンも前と同じで全くシンポしないわ」じゃ困ります。そういうのは論外。

 でもさ、「いくら頑張ってもダメなときはある」のです。そういうときは、ボケたり、自然を高らかに称揚したりして、ボケる、ボケまくる。あんまり思い悩んでもツライだけですからね。そんなに自分をイジメなくてもいいのよ、と思います。

 研究は<愉しむもの>ですので。

投稿者 jun : 2006年1月18日 02:16


中村屋

 メディア教育開発センターのH先生より、教えてもらった「オバカフラッシュ」です。スピーチだったはずなのに、だんだんクイズになっていく。爆笑、お暇なときにでも。

中村屋
http://fileman.n1e.jp/?mnu=filelist&cate=1&system=FILEMAN

 中村屋、千駄ヶ谷、カイヤ!

投稿者 jun : 2006年1月16日 14:04


マネージャの仕事

 ちょっと先週から具合が悪かったので、シンナリとおうちで過ごす週末(きっと疲労だろう・・・ようやく落ち着いてきた・・・それにしても長引いたな・・・)。

 28日に大学で開催しようと思っている研究会の課題図書、ヘンリー・ミンツバーグ「マネジャーの仕事」を読む。

ヘンリー・ミンツバーグ(1993) マネジャーの仕事. 白桃書房, 東京
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/456124218X/nakaharalabne-22
 

 この研究会は「組織エスノグラフィー」に関するもの。内外の組織を対象にしたエスノグラフィー、あるいは、その研究方法論に焦点をあて、参加者全員で勉強することが目的である。

 ミンツバーグの「マネジャーの仕事」は、やはり組織論の基礎文献と言われているだけあって、素晴らしいものであった。研究方法論は素朴ながらも、彼は、それまでの研究者が見いだしていなかったものを見いだそうとした。

 それは、

 「マネジャーは、本当のところ、どのように仕事をしているか」

 である。

 「マネジャーなら○○すべきだ」「マネジャーはかくあるべきだ」といったマネジャーの仕事に関する規範的なアプローチの研究はたくさんあった。
 はたまた、マネージャを功利的な意志決定者とおき、その目的を最大化するためには何が必要か、何を行わなければならぬのかを論じる研究はあった。

 しかし、彼がたてた問いは、一見、それと似ているが、微妙に異なる。彼は「~べき」が知りたかったのではなく、「本当のところ、どのように働いているか」をリサーチクエスチョンにした。

 「マネジャーのことを、我々はほとんど知らない」

 彼はそのようにいう。そして、経営学者は、本当はマネジャーのことを知らないのにもかかわらず、彼らが「すべきこと」を論じるという奇妙な芸当をやってのけていることを指摘する。

 彼は、マネジャーの選択は、制約条件の中で「できるところで満足する」ために行われるものだとし、その即時的活動の様子を明らかにしようとした。そのために、5人のマネジャーに「黒子」のように張り付いて、その動きを観察した。

 すぐれた研究は、リサーチクエスチョンと方法論で決まる。本研究は、その好例である。

 そして彼が見いだしたのは、

1) マネジャーの仕事は断片化、多様化していること

2) マネジャーの仕事は、下記の10に分かれること
 【対人関係役割】
  1. フィギュアヘッド(組織を代表する)
  2. リエゾン(交流役)
  3. リーダー(動機付けや人員配置)
 【情報関係の役割】
  4. モニター(情報を受信し、統制する)
  5. ディセミネーター(情報を伝える) 
  6. スポークスマン(情報を外部環境に伝える)
 【意志決定】
  7. 企業家(職場に変革をおこす)
  8. 障害処理者(リスクヘッジ)
  9. 資源配分者(資源配分)
  10. 交渉者(組織の利益を極大化する)

 であった。

 ---

 ミンツバーグの「マネジャーの仕事」は通常、経営学の範疇に入る。しかし、そのリサーチクエスチョンや方法論は、教育学の領域にも十分適応可能である。

 たとえば、私たちは本当に知っているだろうか。

 校長がどのようなことを行っているか?
 教師が何を行っているか?

 について、本当のところを、自信をもって、知っていると言える人はどのくらいいるだろうか?

 たとえば後者の場合でいうならば、ランパートの著作における「ディレンマ=マネージング」の概念や、ピーターウッズの研究における「サバイバルストラテジー」の概念を思い出す。

 しかし、それらは授業内における教師の動きの記述である。教師の「ある場面」について説明する研究ならある。だが、教師が過ごす「一日」「一週間」「一月」を、キチンとデータで説明した研究というのは、たとえあったととしても、それほど多くないと推測する。勉強不足きわまりない僕が言うことだから、なかなか、信用はならないけれど。

 ---

 いずれにしても、関連する領域ですでに行われている研究が、ある領域では試みられていないことであったりする。そして、ハッとした新しい世界が生まれたりする。

 僕のような凡庸な人間にとって、オリジナリティは、ある日突然生まれ、天から降ってくるものではない。僕にとって、研究会は、「ハッ」を生み出すよい機会である。

投稿者 jun : 2006年1月16日 11:19


松輪鯖

 先日、ある寿司屋さんで、「松輪鯖」というのを食べた。大房さん夫妻、カミサン、僕での新年会だった。

 「松輪鯖」とは、太平洋は三浦半島の松輪地区沖合を回遊している旬の鯖のこと。秋になると、東京湾入り口にやってきて、静かな湾内の豊富なえさを食べて、本当に脂ののった鯖となる。

 恥ずかしながら、この鯖、僕ははじめて食べた。
 実は、僕は「光り物」の刺身があまり好きではないのだけれども、この日行った店は、大房さんの信頼する店であったし、大将は、必ず、珍しくて、おいしいものを食べさせてくれるので、「えいっ」と食べてみました。

 そしたら、アンビリーバボーよ。

 これまで食べていた「あの鯖」はなんだったのか、という感じ。光り物は、どこか生臭いってのがイヤだったのですが、全くそんなことがない。身はしゃっきり締まっていて、コリコリとしている。

 ぜひ、鯖嫌いの皆さん、ぜひ、松輪鯖をトライしてみてください。僕らのいったお店はこちら。

蛇の健寿司
東京都渋谷区道玄坂1-20-4
TEL:03-3461-4288
http://maps.google.co.jp/maps?q=%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E9%83%BD%E6%B8%8B%E8%B0%B7%E5%8C%BA%E9%81%93%E7%8E%84%E5%9D%821-20-4

 ここは、先付け、お造り、お鍋、寿司と、食べて飲んでも、7000円から8000円くらいで食べられると思います。飲み過ぎたら、知らんけど。

 この日は、松輪鯖の他にも、ブリのいきのいいのがでてきたり、白子の柳川風鍋を食べたり。全員酒が進んで、飲み過ぎ注意報点灯しましたけれど。

投稿者 jun : 2006年1月15日 10:28


ムシキングとおしゃれ魔女

 前からいろいろなところで話題になっていたので、存在は知っていたのだけれ
ど、先日、はじめて子どもが、そのゲームをやっているところを、この目で見た。

ムシキング
http://www.mushiking.com/index_j.html
おしゃれ魔女 ラブ&ベリー
http://osharemajo.com/

 対戦型カードゲームといっていいのか、なんといっていいのかわからないけれど、これらのゲーム機のまわりには、本当に何組もの親子が列をつくって並んでいた。カードホルダーにたくさんのカードを携えてね。本当にすごい人気なのですね。

 子どもがやっているのを、僕は、後ろの方で見ていたんだけど、ある男の子に、

 「おじさん並んでるの?」

 と聞かれて、ムッときた。
 オレはおにいさんだ、このク○ガキ、どこに目がついとんのじゃ。

 ムシキングは「昆虫」「対戦」、「おしゃれ魔女」の方は、「きせかえ」「対戦」という風に、昔から子ども達が好んできたものを組み合わせたゲームだと思うんだけど(一昔前だったら、ポケモンでしょうか・・・時代ごとに手をかえ品をかえ流行するんですね)、それにしても、よくできていますね。見てるだけでも、楽しかったよ。

 それにしても、男の子ってのは、「虫」が好きなんでしょ(ステレオタイプとしては)。でも、大人になっても、好きな人は、そういない。

 だけど、僕、昔っから嫌いなんだけどね・・・。たぶん、僕が子どもの頃、ムシキングにであっても、惹かれなかっただろうな。

 どちらかというと、「おしゃれ魔女」の方がいいや。そんなこと、このblogを読んでいただいているみなさんには、どうでもよいことだとは思うけれど。

投稿者 jun : 2006年1月14日 16:19


特色作り・・・

 酒井君@東大山内研、中野さん@ベネッセとお昼にソバを食べにいった。そこで話題になっていたことは、昨日の朝日新聞の下記の記事。

「進学指導」広がる外注 実績で特色づくり
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200601110009.html

 高校ではこれまで非常に多かったことではあるけれど、小学校や中学校でも、授業や補習、進路指導などを予備校や進学塾の先生に委託する動きがでてきているという。これを、いわゆる「外注」と呼んでいる。

 これまで聖域であった教育の世界に市場の力が入り込んできているということだろう。

 記事にもあるように、「特色作りをめざす学校」と「少子化のため新たな市場を開拓したい塾」との利害が一致している。さらには、生徒も受験指導を喜んでいるのだという。塾、教育ビジネス界にとっては、大きなビジネスチャンスになるのではないか。

 もちろん、外注を積極的に進めているのは、まだ一部の学校である。しかし、こうしたことがもし仮に一般的なものとなった場合、個人的には残念に思うのは、「成績向上などの実績をあげるのに、学校で先生方の力を結集して、取り組めないのか」ということである。まして、それを「特色」というのなら、「学校」としての創意工夫が試されるべきものであるようにも思う。

 こう言うと、やれ「教員の負担がましている」だとかという批判が聞こえてきそうだけど、僕は、ちょっぴり懐疑的だ(というか、世の中的に通るのかなぁ・・・と思ってしまう)。

 そもそも教員の勤務時間が、通常のビジネスパーソンとどの程度違うのかを議論する必要がある。これは、ごめん、あまり手元に詳しいデータがないから確固ことはいえないんだけど、下記のウェブを見ると、どうもなぁと思ってしまいます。

http://www.satsuma.ne.jp/kjtu12/zaikouzikann.htm

 そりゃ、教員とビジネスマンの仕事は違うという反論もきそうだけど、それが世の中的に通るかどうかは別の話だと思う。

 むしろ、教員の負担が増しているのなら、特色作りのために、まずは学校内部で「業務を見直したり」「組織のリストラクチャリング」を進めるべきであるようにも思える。

 うーん、「特色作り」を、外にゆだねることが本当によいことなのだろうか。そういうことがきっかけで、公教育の存在意義そのものが問われるようにならなければいいのだが・・・。

 いや、僕の懸念はそこだけなのです。そこだけが心配・・・別に「学校の先生にもっと働け」と言いたいわけでは断じてありません。

 この小さな記事から、学校の解体を想像をしてしまうのは、僕が心配性だからでしょうかね。

 皆さんは、どう思われますか?

投稿者 jun : 2006年1月12日 13:22


語りとしてのキャリア

 チマタ(というより僕の周囲)で話題になっていた本、「語りとしてのキャリア」をようやく読み終えました。

加藤一郎(2004) 語りとしてのキャリア―メタファーを通じたキャリアの構成. 白桃書房, 東京
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4561264175/nakaharalabne-22

 この本、とてもマニア度は高いですが、これまでのキャリア論とは一線を画するキャリアのとらえ方をしていて、非常にオモシロイ。

 一言で要約すると、「キャリアは、他者に語られるときに構築されるのだ」ということになるでしょうか。キャリアに対するナラティヴ・アプローチといってもいいかもしれません。

 筆者も述べるように、「構築主義というと、切れ味はするどいが何も生み出さない」とよく言われますね。でも、そういう批判は、この本には当たらない。「キャリアは社会的に構成されている」という命題以上の緻密な分析が展開されています。社会人MBAの学生さんたちの語りをもとに、「タイトストーリー」「ルースストーリー」「メタファ」という概念を用いて、緻密に緻密に分析を行っています。

 思うに、こういう分析の方法は、たとえば、教師のライフストーリー研究とか、やっている人には参考になるのではないかな、と思いました。

 ---

 キャリア論といいますと、一部の秀逸な経営学者をのぞいて、非常に怪しい議論が展開されることもあるように思います。なんといっても、「キャリア」「キャリア教育」は行政も注目する流行語ですから。お金も動いていますし。

 そんな中で、非常に読み応えのある本でした。

投稿者 jun : 2006年1月12日 07:01


青山学院大学「教育方法」、最後の講義

 今日は、僕が担当している青山学院大学「教育方法」が最後の日でした。

 ふうっ

 本当に何とかかんとか、最後までたどり着いたという感じです。毎週毎週、「教材作り」に追われた一年間でしたが、それも今から考えてみると楽しかったと思います。

 あらゆる「艱難」がそうであるように、苦労はしたけど、終わってみると、あっけなかったなぁと思うものなのでしょうね。きっと、そんなものですよね。

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 今回の「教育方法」では、「授業を見ること」に徹底的にこだわりました。授業を見るといっても、160名のマスプロ授業ですので、実際の授業を見に行ったり、あるいは、マイクロティーチングをしてもらうことはできません。

 ですが、彼らには「授業」を、「現場」を、学生さんたちに、なるべく知ってほしいと思いました。そんな思いから、1年間かけて40本ほどの教育現場のビデオを見ました。

 部分視聴で、なるべく多くの教育現場を見せていく。そして、「自分がもし教師だったら・・・あのとき何ができただろうか」という風に問いかける。まずは自分の意見をまとめ、あとでグループで話し合う。主に、こうした活動を1年間実践してきました。

 学生たちは、いろんな授業を見ました。

 明治の授業
 アメリカの授業
 フィンランドの授業
 日本の授業
 ベテランの授業
 イギリスの授業
 夢を書かせる授業
 基礎基本を徹底的に教え込む授業
 都会の授業
 農村の授業・・・etc

 そういう授業の中には、いろんな教師や子どもがいました。

 近代日本を支える教師
 緊張の中で授業を進める新任教師
 学校改革に奔走する校長
 疲れはてて教壇を去る教師たち
 
 立身出世を夢見る子どもたち
 交流学習で問題解決を行う子どもたち
 歌を歌いながら法則を丸暗記していく子どもたち
 学びに疲れ人生からも逃走してしまう子どもたち
 はじめて教育テレビにふれた子どもたち

 学生さんには、「授業」という出来事を通して、そういう「教師」や「学習者」の現実も知ってほしかった。教育学といいますと、まず「理想の教師」や「理想の学習者」を議論しやすいのですね。で、「理想」に「理想」を重ねて議論して行きやすい。そうではなくて、「現実」を見てほしかったのです。

 中には、これから教職をめざす若い学生にとって、辛いビデオもありました。何人かの学生が、コメントカードで、「こんな現実は見たくなかった/知りたくなかった」と書いていました。
 しかし、それが、教育現場で起こっている「生の現実」であり、将来ぶち当たるであろう「課題」なのです。学生さんたちが選ぼうとしている仕事の現実なのですね。

 教員採用試験の勉強をすることは重要です。テストにでる知識を丸暗記するのも重要。
 ただし、それと同時に、教育の「すさまじさ」、そういうものを丸ごと受け入れた上で、教師になってほしいと僕は思うのです。

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 僕は電車で2時間かけてキャンパスに通っていました。

 今日は「せんせいの通信簿」ということで、生徒たちから無記名で書いてもらった感想を読んでいました。

 「勇気づけられる感想」が多かったですが、それは、まぁ、割り引いて考える必要があるので、ここでは述べません。でも、授業の最後は拍手で終わりました。これは嬉しかったです。
 一度授業では、自分の内なる教育観や学習観をさぐるために、メタファの研究を紹介しました。「授業とは○○のようなものである」と喩えるアレですね。僕個人としては、「授業は舞台」「教師は演出家」だと思っています。だから嬉しかった。

 僕に寄せられた感想で、一番多かったものは、「もっと実践的な授業」を求める声でした。

 確かに今回の「教育方法」では、「教育現場を見ること」「自分の考えること」はやったのですが、

 「自分で授業をつくる準備をすること」
 「自分で教材をつくること」
 「実際に授業をすること」
 「自分たちで授業を批評しあうこと」

 に関しては、全く触れることができませんでした。「これをやらずに、何が教育方法だ」と僕自身も思います。そうだよなぁ・・・。

 ズルいんだけど、実は、僕は来年は、授業はないんですよね(笑)。今期でクビ。いや、クビじゃないんだけど(笑)、最初から一年限りの代打だったのですね。

 でも、もし次に、どこかで、そういう授業をまかされることがあったとしたら、ちょっと実現してみたいと思っています。

 その場合、どうするのかね・・・・。今、病院なんだけど、待ち時間が長いから、ちょっと考えてみようか。

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 まずは新任教師のビデオを見せて、「授業をする」ってことがどのくらい大変かをわかってもらうかな・・・。そして「授業を批評することの大切さ」とか、そういうのを次にわかってもらうかな・・・。校内研修のビデオなんかがよいのではないでしょうか。

 これらのビデオで、まずは「つかむ」。「つかみ」は重要です。

 で、いよいよ、生徒に一人ずつ題材をわたします。身近で取材できる題材なんかがよいかもしれませんね。生徒には、取材をしてもらいます。授業作りの準備ね。

 それで、授業では毎回、生徒にミニ授業をしてもらってお互いに批評させる。まずは、ここまでをやってもらいます。

 でね、最初は、敢えて「失敗」させるとよいと思うんです。あまりごちゃごちゃと周辺知識とか、コツとかは言わない。いわゆる教育的失敗というヤツですね。

 でも、この失敗を通して、はじめて、真剣に「授業をすることのつらさ」がわかってもらえるんだと思う。で、そこから「なぜ失敗するのか」をみんなで考えてもらう。

 で、その段階になったら、たまーに、教材作りの方法とか、動機を維持する方法とか、そういう周辺知識を教えてもよいかもしれませんね。

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 とまぁ、こんな風に夢は広がりますね。

 でも、大変だろうな、この授業やるの。生徒に与える題材を考えるだけでも一苦労だし、それぞれのテーマにしたがって、僕も勉強しなくてはならないからね。

 まぁ、でも、いつかは実現してみたいと考えています。

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 あと、生徒たちから寄せられた僕の授業の改善点には、

 レジュメの空欄のスペースが小さい
 授業で扱った授業は、小学校・中学校のものが多すぎた

 みたいなものがありました。確かにそのとおりです。
 
 また、ある学生は、僕の発問の未熟さを指摘していました。確かに、僕、下手なんだよねぇ。次回、もし「教育方法」を担当するときには、そうしたことに気をつけようと思います。

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 この授業を担当しないか、と言われたのは、今から一年くらい前でしょうか・・・。そのときはまさか、自宅から2時間かかる淵野辺キャンパスではなく、青山キャンパスだと思っていたのですが、とにもかくにも、いい勉強をさせてもらいました。

 学生さんたちが、近い将来、どんな「12000分の1の授業」をつくってくれるか、楽しみでなりません。

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 最後にこの授業は、実は、僕だけで行われていたのではありません。ビデオのエアチェックをしてくれたカミサン、スペシャルゲストとして講演を行ってくれたNHKの宇治橋プロデューサーに、この場を借りて感謝致します。

 本当にありがとうございました。

投稿者 jun : 2006年1月11日 18:56


旭川のおすすめレストラン

 旭山動物園のせいでしょうか、僕の故郷である「旭川市」が、にわかに人々に知られるようになって、ずいぶんたちます。数ヶ月には一回ですが、

「中原さん、僕、来週旭川にいくんですが、おいしいラーメン屋とか、レストランとか、そういうのあったら教えてくださいよ」

 と言われます。
 これまで、旭川といえば、「マイナス44度を記録した最果ての街」としか記憶されていなかったことを考えれば、嬉しく思います。

 一年前、僕は、自分のもっとも好きなラーメン屋として「ふるき」を紹介しました。

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ラーメンふるき
http://www.walkerplus.com/hokkaido/gourmet/contents/hor062.html

 濃厚な味噌スープに、こしのあるちぢれ麺。至高の味噌ラーメンといえるでしょう。旭川に帰ったときにはかならず食べにいきます。うちのカミサンは大好きで、汁まですべて飲みほしてしまいます、おかわりしそうで怖いくらいに。

 「ふるき」は旭川駅からタクシーで20分くらいのところ、住宅街のホントウにど真ん中にあります。ほとんど観光客はいません。地元の人ばかりです。この交通の便の悪さ故に、観光客は足が遠のくのでしょう。でもね、地元の人でいつも満員です。

 11時あたりから店はやっていますが、麺やスープがなくなり次第、営業は終了。先日行ったときは2時で終了でした。もちろん、お昼はものすごく混んでいます。きっとPHSを渡されて少し待つことになると思いますが、絶対におすすめです。タクシーでいくだけの価値はある。いや、ホントウにあるから。

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 もちろん、超有名店の「山頭火」は言うまでもなくうまいですよ。本店は旭川です。いまや、日本で一番有名なラーメン店のひとつではないでしょうか。

山頭火
http://www.jalan.net/kanko/SPT_174831.html

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 以上がラーメンでした。

 今回、それに加えて、スープカレーのお店と、飲み屋さんを紹介しますね。

 まずはスープカレーの方ですが、名前はベタです、「インド」というカレー屋さんが大変おいしい。

 スープカレーといえば、本来、札幌なのですね。札幌には、「心」とかね、名店があるわけです。ただ、観光できた方には、旭川でも、スープカーレーを食べてみたいと思うわけですよね。そういう方には、インドがおすすめです。

インド
http://gourmet.yahoo.co.jp/gourmet/restaurant/Hokkaido/Hokkaido/guide/0203/WV-HOKKA-3RANF001.html
kari.jpg

 ここはですね、スープカレーが大流行になる前から、「スープカレーのようなカレー=カリー」をつくっていたのですね。

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 あとは夜でしょうか、「夜、どこに飲みに行ったらいいですか」っていうことね、聞かれます。

清本(旭川市4条8丁目)
0166-23-8016 ※旭川は碁盤の目の街です。住所さえわかれば、場所はだいたいわかってしまいます。
居酒屋バンガロー
http://www.jalan.net/kanko/SPT_154388.html

 他にもいろいろありますが、いちおう、2つおすすめしておきます。この2つは、ボリュームもあるし、おいしい。必ず予約をしていった方がいいと思うよ。

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 とまぁ、こんな感じです。
 旭川、ぜひ、エンジョイしてくださいね。

 最後にひとつ言っておくわ。冬に行くんだったら、北海道の自然をナメないでください。マイナス15度以上はアタリマエです。かっこつけないで、大いに着込んで。

投稿者 jun : 2006年1月10日 23:24


kiyo's kitchen (キヨズ・キッチン)

 カミサンと一緒に、麻布十番にあるレストラン「Kiyo's kitchen」にいきました。南清貴さんという方がオーナーの自然食品のお店で、最近、「アンチエイジング」だとか「ロハス」とかのキーワードで、いろいろな媒体に登場しているお店です。モデル御用達らしい。確かに「きれいなお姉さん」がたくさんいました。

Kiyo's Kitchen
http://www.kiyos.jp/

 ここのお料理、本当においしゅうございました。ランチは、前菜としてお野菜のビュッフェ、かぶのスープ、メイン(魚かチキンから選べた)、デザート、コーヒーから成立していました。

kiyo0.jpg
kiyo1.jpg

 特に本当にお野菜の甘みが感じられるのですね。どのお野菜もすごかったけれど、一番感動したのは、「かぶのスープ」ですね。これはいい。

 デザートは、3種類の中から選びます。僕が選んだのは、「青汁のプディング」。店員さんのおすすめだったので。甘みの中に、ほんの少しだけ苦みを感じる。ほとんど抹茶プリンのような感じです。それよりは奥行きがある味でしたけれど。

 ここはね、オススメします。やや高いけれど、その価値はある。
 僕は院生のときあまりに金がなく、毎日関西スーパーで、「メンチカツ+カニコロッケ+ごはん」の200円で過ごしていたんですね。そんな食生活を長く続けていたから、ずいぶん、きっと「からだ」が悲鳴をあげてると思うんだよね。今になって、もう遅いかもしれないんだけど、「労ろう」と思うんです。

 ただね、あんまりおいしいからといって、やりすぎはいけません。
 ウチのカミサンのように、野菜のビュッフェのプレートを山盛り2枚+ごはんを2杯、おかわりしてはいけないのです。それは単なる「食い過ぎ」。「からだにいいもの」だからといって、食い過ぎてはいけない、これ教訓。

 「からだがよろこぶごはん」・・・kiyo's kitchen、ぜひ、サンデーブランチなどに行ってみてください。

投稿者 jun : 2006年1月 9日 10:57


マインドストーム最新版

 LEGOマインドストームに最新バージョンがでるらしい。

IT MEDIA http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0601/05/news060.html

 Bluetoothで通信するみたいですね。買いですね、買い。

投稿者 jun : 2006年1月 8日 12:20


英語教育・・・すさまじき世界

 BEATセミナー「使える英語を身につけたい!:語学学習を支援するデジタル教材のこれから」に参加した。

 当日は、下記のようなプログラムだった。満員御礼。のべ70名をこえる方々が参加した。

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 ■思わず話したくなるゲームで
  使って通じる楽しさを育てる
  『BE-GO』
  http://be-go.benesse.ne.jp/be-go/
  子ども向け・在宅学習・音声認識CD-ROM教材
  ベネッセコーポレーション/BEATフェロー 中野 真依
 
 
 ■新旧メディアを連動させて、
  教室に楽しい英語活動を実現する
  『えいごリアン』
  http://www.nhk.or.jp/eigorian3/eigorian3/top.html
  初等教育向け・学校放送とWebの連動
  NHKエデュケーショナル 箕輪 貴氏
 
 
 ■徹底した集中訓練で、伸び悩みの壁を突破する
  『ぎゅっとe』
  http://gyuto-e.jp/
  高等教育・一般向け・短期特訓e-learning教材
  広島市立大学 青木 信之教授

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 どの発表もオモシロく、ホントウに興味深かったです。発表者の皆様、お疲れ様でした。ありがとうございました。

 うーん、かなり考えさせられた数時間でした。特に、僕が、今年「英語のプロジェクト」を立ち上げるせいもあるんでしょう。
 皆さんの発表をお聞きして、「英語の世界でコンピュータでできること」がよくわかりましたし、自分のやりたいことがよくわかりました。

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 下記に述べることは、全くデータに根ざしていないので、ほとんど「酔っぱらいの戯言」だと思ってください。あくまでタワゴトとして、下記に「英語をどうやって学べるか?」ってことに関する私見を書きたいと思います。

 ちなみに、この場合の英語は「第二言語」の場合ね。その場合ですね、僕は、今回の研究会の中で青木先生の主張なさっていた「英語学習はスポーツの習得に似ている」っていう認識に近いものをもっています。

 端的にいうと「反復練習によって築かれる基礎のない人は、なかなか、キチンと話せるようにならない」と思う。そして「英語はダラダラやるのではなくて、一時期集中的にやった方がうまくなる」と思う。「なかなか」という言葉と、「キチンと」っていうのが、ポイントです。これらが入っていることが重要です。

 そりゃ、「How're you doing?」に対して「Great」とかは言えるようになります。そういう「たわいのない会話」なら何とかなると思うんですね。
 また、何年も何年も、海外で暮らしていれば、やがては話せるようにはなるでしょう。だけど、そのスピードは「基礎のある人」に比べたら、遅いんじゃないかと思うんです。

 繰り返しいいますが、これは僕の経験に基づいた、根拠レスな「わたしの理論」です。こういう「わたしの理論」がはびこっているところが、英語教育の問題だと思うのですが、まぁ、僕も荷担してしまった(笑)。まぁ、blogは論文ではないので、お許しあれ。

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 実は、こういう認識を留学前の僕は全く持っていなかった。でも、留学中、いろんな学生を見ました。基礎のない人もいたし、反復練習をいやがって、いきなりコミュニケーションに取り組むような人もいる。まさに十人十色。英語の学習の仕方はいろいろです。

 でも、これは全くデータに根ざしていないので、個人的な経験でしかないのだけれども、結果として英語をうまく話せるようになっていくのは、基礎のある人、反復学習を行った人のように思うのです。そして、そういう人は、ある時期どっぷり英語につかっていた気がします。

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 ちなみに、昨日、第二言語習得や英語教育を専攻している方が何人か研究会にきていらっしゃったので、お聞きしました。下記のようなセオリーはあるのですか?、と。

1)反復学習による文法習得などを行った上で、コミュニケーションをやった方がいいという理論

2)英語は集中的に学習した方がいいという理論

 でも、皆さん、聞いたことはないとおっしゃるのですよね・・・。うーん、わからなくなってきますよね。

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 本当に考えさせられた一日でした。
 英語教育・・・すさまじい世界だな。

投稿者 jun : 2006年1月 8日 10:58


Think like educator

 先日、ハーバード教育大学院の桑原さん、マサチューセッツ工科大学大学院のサイカチさんと、目白のおでん屋で飲みました。トマトのおでんで、とっても有名だけど、僕としては半熟の「タマゴ」がとってもおいしいと思ったけど。

目白のおでん屋「田のじ」
http://www.den-no-ji.tokyo.walkerplus.com/

 留学していたときに知り合った人たちが帰国なさったときに連絡をもらうのはとても嬉しいものですね。久しぶりに、楽しい時間を過ごしました。

 話していて、ボストンに留学していた頃を思い出してしまったよ・・・僕は。それに彼女たちの奮闘ぶりを聞いて、僕もさ、初心に戻ってがんばらなければなと思いました。

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 そういえば、飲んでいたときに、興味深い話を聞きました。

 なにやらハーバード教育大学院では、「Think Like an Educator」という修士向けのコアコースを開発したのだそうです。

 「Think Like an Educator」は、ケースメソッドを導入した授業なんだって。ハーバードのファカルティたちが、そのコネクションをいかして、いろんな教育現場と共同で、ケースを執筆したのだそうです。

 ロースクールとかビジネススクールに続いて、教育大学院でも、ケースメソッドで授業が行われるってーのがオモシロイねー。

 さらには、そうした方法で教育関係者を育成することに決めたってのは、突き詰めて考えると、「Educatorってのは、どういう職業で、どういう風な仕事をするのか」っていう問いに、ひとつの答えをだしているってことだからね。あとは、現場と大学の関係、教育研究者と実践家についても、ひとつの答えをだしているよね。正月からあんまりややこしいことはいいませんが、これはとってもオモシロイ。

 できればケースとか実際に見てみたいけど、きっと門外不出なのでしょうね・・・。あと、これを受けた人に話を聞いてみたいですよね。

 まぁ、しばらくしてうまくいったら、ビジネススクールみたいに「売る」っていうビジネスモデルができそうですね、Graduate school of educationでも。

 いや、絶対に、それを最初から狙っていると思うけど、ハーバードは。うちのやり方を、ほかでもやってもいいよ。でも、ケースはお金払って買ってねー、みたいな。ハーバード教育大学院は、世界でもっとも進んだ教育の大学院でしょうけど、ほかの大学院と比べるとあまり裕福な大学院ではないと思うので、それを狙ってると思うんだよね。まぁ、これは僕の想像の範囲を超えないけどね。想像、想像。

 日本でも、教職大学院が話題にのぼる昨今ですが、そこでの教育手法をもう一度見直すべきとき、なのかもしれませんね。

投稿者 jun : 2006年1月 6日 20:24


インターネットと動画

 インターネットテレビ「GYAO」でマドンナのMusic videoが見られますね。

マドンナ
http://www.gyao.jp/music/madonna/

 いやー、懐かしい。「ラ・イスラ・ボニータ」「ライク・ア・プレーヤー」「ヴォーグ」とか、聞くとね、思い出します。小学生の頃、僕はまだCDプレーヤとかもっていなかったからね、イトコにテープにダビングしてもらって、よく聞いていました。

 それにしても、伸びてるねー、インターネットでの動画配信。日本政府もはじめたようですね。

政府インターネットテレビ
http://nettv.gov-online.go.jp/

 うーん、こちら、Webのデザインとか、サイトのネーミングは、いかがなものか、とは思いますけど。スタートとしてはいいのではないでしょうか。

 先日読んだ本「プロフェッショナル広報戦略」によると、今まで、全く政府や自民党の行う広報には戦略がなかったといいますからね。

世耕弘成(2005)プロフェッショナル広報戦略. ゴマブックス, 東京http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4777102998/nakaharalabne-22

 どんなに良い政策でも、国民にその異議を伝えることができなければね。

投稿者 jun : 2006年1月 5日 19:54


NANA

 ちょっとオクレバセながら、去年大流行したマンガ「NANA」を読んでいます。かなり遅れているかもしれないけれど。一応、世の中の動きはすべて目をとおすのです。勉強、勉強(これは単なる娯楽かな?)。

NANA
http://www.s-nana.com/

 このマンガ、なんて言っていいか、よーわからんけどなぁ・敢えて一言でいうならば「バンド恋愛もの」!? いやー、違う気がするな。

 小松奈々と大崎ナナという2人の全く性格の異なる女の子が、ひょんなことから一緒に同居することになって・・・その2名には、ブラストとトラップネストという2つのバンドが関係あって。そのメンバーをめぐる人間模様の中で、恋愛ストーリーが発展していく。
 
 まぁいいや、なんだかうまく言えないから、ぜひ、読んでみてくださいね。「のだめ」もオモシロかったけど、こちらもよかった。

矢沢あい(2000) NANA. 集英社, 東京 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4088562097/nakaharalabne-22

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 ところで、これを読みながら、なんだか知らないけれど、ふと、昔に流行ったマンガを思い出しました。「瞬きもせず」ですね。なんか読んでて切ないっていうかね。そのあたりが似ている気がするんだけどね・・・ちょっと違うかな。

 「瞬きもせず」は、僕が中学生の頃に流行ったマンガです。中学生の頃、女子(ジョシ・・・ジョシっていうのもスゴイ響きだな・・・流行らせたいね、もう一度)がみんなハマっていて、それを授業中に借りて読んでいたのですね。みんなで回し読みしていた記憶があります。勉強しろよ。

紡木たく(1999) 瞬きもせず. 集英社, 東京 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4086174650/nakaharalabne-22

 どんなマンガだったっけな。たしか山口かどっかの話で、主人公は紺野君とかよ子ちゃんだったような気がするんだけどな。なんだか告白からはじまって、東京に出て、やっぱり山口だよなぁっていう話だったような・・・。ごめん、ディテールは忘れた。どなたか教えてください。

 もう一度読んでみたくなったよ。その前に、24時間働き続けても終わらないほど仕事たまってるけど。
 でも、正月ってことで、なんだか、やる気にならねーよ。もう少しだけ、忘れさせて。

 かんにんして。

投稿者 jun : 2006年1月 3日 23:48


親父

 どんな会話の流れの果てに、そうすることになったかは忘れたけれど、帰省中、僕が「親父」をマッサージすることになった。

 「そこにうつぶせに寝て」

 ぶっきらぼうに僕は言う。親父は決まりが悪そうに、それに従った。

 しかし、その次の一瞬、僕は言葉を失う。
 親父の腰、背中、首を触って、すごく驚いた。指が筋肉に全く入っていかない。そこは鉄板のように堅く、部分によっては盛り上がっている。

 僕も筋金入りの「肩こり」症である。しかし、これは自分以上だ。自分以上に、筋肉が緊張している人間に、久しぶりに出会った。

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 親父は、電話交換機の技術者として北海道の電話事業を支えてきた。アナログからデジタル、携帯電話、IP電話・・・めまぐるしく変わるテクノロジーの中で、学び続けた人であった。ここ数年は、札幌で出向生活をしていたが、今夏、また現場に戻った。
 仕事はオモシロイらしいが、どうも腰痛がひどく、首も痛いのだという。

 1時間にわたって、親父をマッサージしながら、僕が一番最後に彼の腰、背中に触れたのは、いつであったかを考えた。

 それはおそらく、20年くらい前のことではなかったと思う。子どもの頃、父の日か何かに「肩もみ券」をプレゼントしたのが、最後ではなかっただろうか。誰もが一度は、やってみたいと思う贈り物の定番である。「肩もみ券」は1回か2回試されたものの、やがて、親父の机の奥深くに消えた。

 その後、僕は思春期を迎え、18歳には北海道をでた。
 世間一般の父親と息子がそうであるように、僕と親父も、たまにあっても、それほど長い会話を交わさなくなっていた。

 決して関係が険悪であったというわけではない。そういうものなのではないかと思う。もちろん、父親の体に触れることは皆無であったといってもよい。

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 おそらく20年ぶりに親父の体に触れる。その硬直した筋肉を揉みほぐそうとした。

 過去の記憶は曖昧である。子ども時代、彼の体が、そこまで硬直していたのかどうかは記憶にない。
 しかし、ひとつだけ確かなことがあるのだとすれば、それは、僕が今手で触れているものが、40年にわたる労働の結果、何者も受け付けなくなってしまった鋼鉄のような腰、背中、首であるということであった。

 どの家にも受難の時期があるように、うちにも大変な時期もあった。今だから笑って話せることもある。その時でも、彼は働き続けた。否、働き続けるしかなかったのだと思う。その結果を、今、僕は手に感じている。

 何とも言えない時間だった。テレビでは紅白歌合戦をやっている。僕の知らない歌手が、僕の知らない歌を、歌っている。

 「これからは体に気をつけてください」

 とだけ、心の中で呟いた。
 来年、また帰省しようと思う。

投稿者 jun : 2006年1月 2日 18:26


Happy Horidays

 皆さん、ステキな年末・年始を過ごしていらっしゃいますか。
 昨年、僕は不幸があって、年始のご挨拶は辞退させていただきました。2年連続です。来年は、また「週刊女性」ならぬ「年刊中原」を発行できるとよいのですが。

 2006年、いよいよはじまりましたね。
 「一年の計は元旦にあり」ということで、実は、僕は、毎年自分のテーマを一文字で表現し、その上で、研究の目標を立てています。

 2005年1月1日、つまりはちょうど一年前、僕は日記でこんなことを書いていました。

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 2005年は「新たな研究の輪郭を描く年」である。
  2005年、僕も30歳になる。孔子曰く、「吾十有五而志于学、三十而立」。

 ということで、2005年は、下記の文字に設定したい。

 「起」

 様々な人々とのネットワークの中で、これまでの経験を生かしつつ、何かを成し遂げたい。

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 うーん、僕は「起」ったのだろうか?

 と思ってしまいますが・・・まぁいいでしょう。
 手前味噌になりますが、新しいことにチャレンジし、成し遂げたことは、それなりにはあった一年だったように思います。多くの人たちに助けられ、彼らの知恵と専門性を結集して成し遂げられたのだと思います。

 正直言いまして、25歳で働き始めてからというもの、去年は一番忙しかったと思います。それまでの忙しさを「1」としたら、去年の忙しさは「5」くらいでしょうか。夏以降なんて、まったく土曜日・日曜日がありませんでしたから・・・。

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 うーん、今年は何にしようかな、とずーっと年末から考えていたのですが、「紅白」が終わり、「行く年来る年」が放映される頃になって、一文字を思いつきました。

 「堅」

 です。「堅実」の「堅」です。今年はこれだろうな、という気がします。あのね、今年は「堅実」な研究知見を集める、少し研究にこだわる一年にしたいと思います。

 研究といっても、別に実験室に籠もるとか、そういうことがやりたいわけじゃないんだけど、「キチンとデータをとって、データからモノをいう研究」をやっていきたいと思うのですよね。で、堅実に集めたデータをもとに、大胆に発表するみたいな。

 堅実にやって、大胆に出す!

 みたいなイメージです(意味わからん)そんなかたちで、新しい学習の可能性、新しい学習の姿を「社会に提案したい」と思います。今までも、いくつかの研究ではそれにこだわってきましたが、今年は、そういうかたちで進められる研究が多くなるような予感がします。そういう意味では、2007年以降の礎になる年になるような気がします。

 来年のゴールは下記のように設定しました。

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来年のヴィジョンとゴール
http://www.nakahara-lab.net/info.html
1.アクションラーニングを導入した「協調・競争型」英語学習リスニング教材の開発
2.「企業に対する学習研究」の研究知見を生み出す
3.対面型協調学習環境の創造(マイクロソフト寄付講座における共同研究への参加)

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 今年はどんな出来事がおこるでしょうか。
 まぁ、まだ言えませんが、4月までにはかなりサプライズがおこると思います。
 
 2006年、とても楽しみです。
 堅実に、だが大胆に!

投稿者 jun : 2006年1月 1日 08:17