公教育と私教育:韓国のeラーニング事情

 昨日に引き続き、クーリエジャポンによる韓国eラーニングの特集のお話。今日は、韓国にある「地方-都市」、「江北-江南」にひろがる貧富の格差の側面から。

 下記、クーリエジャポン 2月2日号 p44-47より引用

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▼学校と予備校の授業を受けたあと、就寝前に自宅のコンピュータにすわって、インターネット講義を見るのが受験生の習慣になっている。

▼EBSの行っている無料の修能講義と江南区庁の行っているインターネット講義などは、たとえば生活保護の対象になっており予備校にいくことのできない受験生の助けになっている。

▼ソン代表いわく、「メガスタディのオンライン講義は、これまで江南地区の学生だけが得られた特権を、他の地域の学生にも提供するという点に意義があると思います。しかし依然としてお金を払って動画講義を見る余力のない学生にとっては悪なのではないでしょうか」

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 韓国の「公教育-私教育のせめぎあい」については、これまでもいろいろな場面で書いてきました。

http://www.nakahara-lab.net/blog/2006/01/e_1.html

http://www.nakahara-lab.net/blog/2005/09/eulearning.html

 要するに、韓国では「塾」などの私教育がどんどんと拡大しており、公教育が押されてきている。で、家庭によってはものすごい金額の教育費をかけて、子どもの受験にそなえる。
 「ソウル在住者 - ソウル非在住者」には明らかに格差が存在する。ソウル内部においても、漢江の北と南では経済格差があり、それによる学歴の再生産がある。
 政府をこれを解消しようとして、「公教育の復権」のためのひとつの手段としてeラーニングを位置づけている、という話でした。でも、それは拡大しつつある私教育を圧迫するようなかたちで進行している。

 このようにeラーニングが、「公教育と私教育がせめぎあっている」中で発展しているのが、非常に特徴的ですね。

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 なんだかオモシロクなってきたねぇ。

 今度、東大で「韓流eラーニング」をフィーチャーしたシンポジウムとかやりたくなってきました。韓国からはたまにお客さんがきていますし、彼らに声をかけたら話をしてくれそうな気がします。

 動いてみるか・・・朝っぱらから仕事を増やしてどうする>自分