ワークプレイスラーニング2009・リアルタイムドキュメンテーション

 昨日のカンファレンスの様子は、神戸芸術工科大学の曽和具之先生・柴田あすか・籾井雄太らにリアルタイムドキュメンテーションをしていただきました。

 リアルタイムドキュメンテーションとは、「今、この場でおこっている出来事を、リアルタイムで記録(ドキュメンテーション)し、振り返りに役立てる手法」です。神戸芸術工科大学の曽和先生、千葉工業大学の原田先生(去年、原田先生にはお願いしました)、同志社女子大学の上田先生などが、先駆者として、さまざまなワークショップで実践、研究をなさっています。

rtd.jpg

 今回はこのリアルタイムドキュメンテーションを、ワークプレイスラーニング2009でも実践していただきました。カンファレンスの間中、5000枚程度のスチル、動画を記録し、それをリアルタイムでエディティングし、4分のビデオにまとめていただきました。
 「リアルタイムでエディティング」とサラリと書きましたが、その作業はまさに戦場です。今回のビデオも、公開1分前に完成した、とのことでした。

 4分のビデオは、カンファレンスの最後、「リフレクティブ参加者全員で見ました。皆さんからは感嘆の声があがっていました。今回は、参加者全員に許諾をいただいておりますので、これをネットでも公開させていただきます。

 ぜひご覧下さい。
 ワークプレイスラーニング2009とは、こんな「出来事」でした。

曽和先生のWebページ:Workplace learning 2009
http://product.kobe-du.ac.jp/sowa/infoGuild/HOME/entori/2009/10/31_workshopwakupureisuraningu2009.html

 Youtubeでも視聴できます。ぜひ、ご覧下さい。また、ブログを執筆なさるときなどは、下記のように貼り付けちゃってくださいね!

Youtube:Workplace learning 2009
http://www.youtube.com/watch?v=DnB6j6DyKos

投稿者 jun : 2009年10月31日 07:55


ワークプレイスラーニング2009が終わりました:ありがとうございました!

 ワークプレイスラーニング2009、何とか無事に終わることができました。冒頭セッションでは、司会の僕に不手際がありご迷惑をおかけしましたが、何とか、無事に終了です。

 企業事例の講演、アカデミアからのコメント、インタラクティブなセッションも盛りあがりました。また、曽和先生のリフレクティブシアターも、非常に素晴らしい作品になりました。本当によかったです。

 何はともあれ、ごめん、いろいろ細かいことを指摘されれば反省するべきところもありますが、今は、無事終えることができたことを喜びたいです。

 最後になりますが、ご講演いただいたCCCの柴田さん、アサヒビールの丸山さん、バンダイナムコHDの紀伊さん、ワークプレイスラーニング2009を支えてくださった企画委員会の方々、当日お手伝いた企画委員会企業の方々、松尾先生、妹尾先生、長岡先生、さらにはバックステージを担当してくれた我妻さん、伏木田さん、彼らをサポートしてくれた、ワークショップ部の館野君、安斎君、牧村さん、本当にありがとうございました。

 詳細なリフレクションは、少し、熱気からクールダウンしたときにさせてください。

 皆様、お疲れ様でした!
 よい週末を!

 ---

 久しぶりに・・・眠らせてください。
 〆切あるのわかってるけど、ごめん、今は眠らせて。
 小生、ヘロヘロで、シオシオのパー。
 zzz....

  ▼

●働く大人の学び論・成長論
  仕事の経験を積み重ね、内省する
  持論と棄論を積み重ねる
  越境しつつ、新たな地平へ

中原淳×金井壽宏 「リフレクティブマネジャー」光文社新書!

投稿者 jun : 2009年10月30日 22:31


ワークプレイスラーニング2009前夜:すべての準備を終えた

 明日は、ワークプレイスラーニング2009。東京大学本郷キャンパス・安田講堂で、一年に一度の、人材育成・組織学習に関する産学カンファレンスが開催されます。

ワークプレイスラーニング2009
http://www.educetech.org/wpl2009/

 今日は、朝から都内某所にて職場見学やら、会議やら目白押しでしたが、何とか、夕方あたりからワークプレイスラーニング2009の準備に合流しました。

 そして、先ほど安田講堂への物品搬入、そして、リアルタイムドキュメンテーションの曽和先生の研究室の方々の機材セットアップが終了し、前日のすべての事前準備を終了しました。

yasuda_auditorium1.jpg

yasuda_auditorium2.jpg

yasuda_auditorium3.jpg

yasuda_auditorium4.jpg

 プレゼンの準備もとりあえず終了です。あとは人事尽くして天命を待つ、という感じですね。

 とにかく、最後まで手伝ってくれた坂本君、脇本君、舘野君、そして、ここ数日、いろいろな買い出しに奔走した我妻さん、伏木田さん、本当にありがとうございます。

yasuda_auditorium5.jpg

 いよいよ、明日、開幕です。

  ▼

●経験の森をくぐりぬけ、対話を通して、内省する
●持論と棄論:持論は常にベータ版である

中原淳×金井壽宏 「リフレクティブマネジャー」光文社新書!

投稿者 jun : 2009年10月29日 22:26


朝っぱらから、青っパナ

●経験の森をくぐりぬけ、対話を通して、内省する
●持論と棄論:持論は常にベータ版である

中原淳×金井壽宏 「リフレクティブマネジャー」光文社新書!

  ▼

 朝、TAKUZOを保育園に送る。

 最近、困っているのが、同じクラスのガキちゃんたちである。
 僕が教室に入ると、なぜか足下にまとわりついてくる。送りは、圧倒的にお母さんが多いので、物珍しいのかもしれない。

 最初のうちは、「よしよし、ほれほれ、いい子だ、いい子だ」と、かまったり、ちょっとだけ遊んだりしていたけれど、かつて現場の先生から言われた一言を思い出した。

 一度、子どもの「おもちゃ」になった大人は、二度と、大人には戻れません。

 おー、危ない、危ない、クワバラ、クワバラ。
 というわけで(笑)、フツーに接しているのだが、これが、相手も、なかなか油断ならぬ。
 中には、ハナをぬぐってくる不届きな奴もいる。朝っぱらから、青っパナをズボンにつけられるとたまらないので、注意深く、様子をさぐっている。

 子どもは、あなどれん。

投稿者 jun : 2009年10月28日 09:27


心に火をつける!

●経験の森をくぐりぬけ、対話を通して、内省する
●持論と棄論:持論は常にベータ版である

中原淳×金井壽宏 「リフレクティブマネジャー」光文社新書!

  ▼

 ちょっと前のことになりますが、授業で、S社のMさん(元教育学部ご出身だそうです)が紹介してくれた名言です。有名なものなので、聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。ウィリアム・ウォードという方の名言です。

 僕は、恥ずかしながら、ウォードさんは知りませんでしたが、この言葉が、学部時代の何かの授業で聞いたことがありました。

 平凡な教師は言って聞かせる。
 よい教師は説明する。
 優秀な教師はやってみせる。
 しかし最高の教師は子どもの心に火をつける。

 The good teacher explains.
 The superior teacher demonstrates.
 The great teacher inspires.

 確かにそうだよね。うん、なるほど。心に火がボーボーになっちゃった学習者ほど、強いものはないかもしれませんね。火力が強すぎるのも怖いけど。
 ウォードさんが何ものか、少し知りたくなりました。

 何かを学ぶためには、自分で経験する以上によい方法はない
(アインシュタイン)

投稿者 jun : 2009年10月27日 10:54


いよいよ今週金曜日:ワークプレイスラーニング2009

 今週は激烈に忙しいです。

 1)文部科学省の科学研究費(いわゆる、科研)の〆切が迫っていること、2)原稿の〆切を3つも抱えていること(泣)、そして、何よりも、3)ワークプレイスラーニング2009を金曜日に控えていることです。

ワークプレイスラーニング2009
http://www.educetech.org/wpl2009/

 ワークプレイスラーニング2009の企画委員会では、現在、準備が急ピッチで進んでいます。印刷やら、インターネットの接続やら、マスクやら、消毒液やら、領収書やら・・・事務局長の坂本君は、本当に献身的に作業をこなしてくれています。ありがたいことです。

 なにせ、満員御礼1200名のゲストの方をお迎えするのですから、とりまとめなければならないスタッフの数も膨大です。スタッフのお弁当の発注だけで、70個近い数になるのです。

 当日朝の窓口には20列を確保します。こちらの方は、講堂外が産業能率大学の古賀先生、講堂内が産業医科大学の柴田先生にご担当いただいております。会場はダイヤモンド社の永田さんにお願いさせていただきました。ありがたいことです。 

 このように多くの人々の献身的努力で、この産学イベントが開催にこぎ着けるのです。
 その努力に恥じぬよう、今年も、ワークプレイスラーニング2009では、いくつかの「挑戦」を行います。

 ぜひ、お楽しみに。

投稿者 jun : 2009年10月26日 10:17


「前のめり」の社会:僕らのまわりには"Pro"があふれている!

 本日土曜日、TAKUZOとママは、「親子製作教室」があるとかで、保育園に行きました。なにやら、「作品!?」を親子で2時間かけてつくるそうです。どんなものができるのか、楽しみです。

 一方、僕は、今日は「仕事」です。
 朝から研究室で「本」を書いております。

 しこ、しこ、しこ、しこ。
 せこ、せこ、せこ、せこ。

 嗚呼、クソも進みません。
 もうスランプです。参ったな。

  ▼

 午後は、「階層的データ分析と協調学習に関する研究会」をやる予定ですので、東京大学・福武ホールに向かいます。

 階層的データというのは、一言でいうと、「データの中に独立の被験者がババーンと複数存在しているようなデータ」ではなく、「データ全体の中に複数の「ハコ」があって、その「ハコ」の中に複数の被験者が含まれているようなデータ」のことをいいます。

 その統計的取り扱いは、近年の人文社会科学でやや問題になっています。今回の研究会では、北村智さん(東京大学大学院 情報学環)の多大なるご協力をえて、「協調学習研究において、階層的データをどのように扱うか」という研究会を開くことになりました。

北村智先生
http://www.satkit-lab.net/

 まずは中原から趣旨説明をしました。その後、北村さんに、1) 集計データでの分析、2)ロバスト標準誤差を遣った回帰分析、3)階層線形モデルなどをつかった分析、4)マルチレベル共分散構造分析などについてレクチャーをしてもらいつつ、議論を深めました。青学、東工大、放送大学などから、協調学習に関心をもつ研究者が集まりました。熱心に議論が進みました。

 ちなみに、個人的には現在、いくつか階層的データを分析していますので、このタイミングで、この研究会に参加することは、既存の知識を整理する意味でも、非常に有益でした。北村さんには感謝します。
 僕が今やっているのは組織調査のデータなので、2)ロバスト標準誤差を遣った回帰分析、3)階層線形モデルあたりが最も利用頻度が高そうです。
 3)の階層線形モデルについては、すでに使ったことがあります。2)については、これから少し勉強しなくてはなりませんね。早速関連書籍と分析ソフトウェアを発注することにしました。何事も、膳は急げです。

  ▼

 明日日曜日、今度は、ママが仕事の日です。
 一方、僕は、一日、TAKUZO三昧、TAKUZO漬けです。
 さぁ、どこに連れて行こうかな・・・。
 あなたの街に、僕とTAKUZOがプラプラしているかもしれません。

 ---

追伸1.
 昨日のエントリー、新入社員が組織にもたらす影響に関して、甲南大学の尾形先生の論文が先行研究としてあったよ、とM0の関根さんが教えてくれました。さっそく関連する文献の複写コピーを図書館にかけています。

新人の参入が組織・職場・個人に与える影響
http://ci.nii.ac.jp/Detail/detail.do?LOCALID=ART0008102435&lang=en

 ---

追伸2.
 昨日、ワークショップ部のインタビューを受けました。Ba design magazineということで、「場作り」に興味をもっている方々を読者としてメルマガを発行するようです。僕は、Learning barについてお話ししました。
 これまで、Learning barのあり方については、新聞・雑誌など、インタビューを受けてきました。それとは異なることを、語ったつもりです。もし、よろしければ、ぜひどうぞ。

ワークショップ部 Ba design Magazineはこちら
http://utworkshop.jimdo.com/

ワークショップ部 Twitter
http://twitter.com/workshop_bu

 ---

追伸3.
 昨日、ハーバードビジネスレビューの別冊「超MBA思考法」をぱらぱらと読んでいたら、大阪大学総長の鷲田清一さんが、「受け身の作法」ということで、こんなことをおっしゃっていました。

 鷲田さんの持論でいらっしゃる「聞く」「対話する」「待つ」にひきつけての小論です。

 曰く、

 現代は、社会も企業も学校も、あらゆる活動が「前のめり」です。そこあるのは「Pro(前)」という概念です。
 たとえば、会社の業務について考えてみると、あちこちに「Pro」がついていませんか。
 プロジェクト(Project)を立ち上げる、そのために利益(Profit)の見込み(Prospect)を確認する。
 見込みがついたらプログラム(Program)づくりに入り、計画書ができたら生産(Production)体制を整えて、販促(Promotion)する。そして、進歩(Progress)の度合いで、昇進(Promotion)が決まる。

(中略)

こういう時代に最も嫌われることは「待つこと」でしょう。(中略)受け身でいることはあまり評価されません。しかし、馬車馬のように、ひたすら前のめりに走っていれば、必然的に視野が狭くなります。

(鷲田清一 2009)

 鷲田先生のおっしゃるように、確かに、僕たちの日常は「Pro」だらけですね・・・。僕を含めて、みんな「前のめり」に生きている。そんな中で忘れ去られがちなのは「待つこと」「聞くこと」なのかもしれません。

 ちなみに、この特集号、かなりオトクだと思います。
 ハーバードビジネススクール教授のエイミー・エドモンドソンが「学習志向の業務遂行」について書いていたり(エドモンドソンは、恐怖が学習を阻害する、という信念のもと、心理的安全とチーム学習の実証研究で有名ですね)、IDEOのティム・ブラウンが「デザイン思考」について書いていたり、佐藤郁哉さんが「ナラティブ」について、小林康夫さんが「ブリコラージュ」について書いていたりして、なかなか面白かったです。いわゆるMBA的知識ではないですが、僕好みです。

 そういえば、もう1点。ご存じの方も多いかもしれませんが、神戸大学・松尾睦先生が、新著を上梓なさいました。「学習する病院組織」です。

 この本では、淀川キリスト教病院、聖隷浜松病院、医療生協さいたまの3病院のリーダー達が、いかに患者志向の理念を仕組み化したのかを事例研究で論じています。理論的には、組織学習とリーダーシップの関係性、ということになるのかもしれません。僕は、草稿の段階で拝見しておりましたが、なるほど大変勉強になりました。精力的な活動、本当に頭が下がります。

 それでは、そろそろ仕事に戻ります。
 夢の続きを見るとするか。

投稿者 jun : 2009年10月24日 10:45


新人が入ることで職場は活性化するか!?

 今度、あるところで「若手人材の育成」に対するシンポジウムのファシリテーターを担当します。先日、その打ち合わせ会合が、東大で開催されました。

 打ち合わせでは、若手人材の育成に取り組んでおられる企業三社のお話しを聞かせていただきました。そして、皆さんの話の中に、「新人育成に関する一見相反する二つのニーズ」があることが、何となくわかりました。

  ▼

 ひとつは、いわゆる「組織社会化」のニーズです。
 つまりは、新人をいかに組織に順応させ、様々な関連知識を覚えさせつつ、「その組織の人にするか」が求められています。
 これは別に目新しいことではありません。もともと、「新人育成」といえば、このことを意味するでしょう。

 もうひとつは「組織活性化」です。これが先ほどの組織社会化とは一見相反するニーズであるような気がします。
 新人が職場に配属されることで、その職場の中を活性化したい、というニーズがあるようです。何も知らない若手が成長する過程で、職場内で様々なコンフリクトをおこすことで、今まで自明視されていたものを疑う契機になってほしい。新鮮な目を職場にもたらしてほしい、ということです。今まで「一番下」だった人が、新人が入ることで自覚をもってほしい、ということも、どこかではあるのかもしれません。

 実際、先日お話しを伺ったどの方も、経験値では、新人が入ると職場が活性化します、とおっしゃっていました。若手の職場への参入は、「組織活性化と言わない組織活性化」なのかもしれません。もしそうだとしたら、「新人を採用する意味」として、積極的にこのあたりを打ち出せばいいのに、とも思います。
(このあたりは、僕はデータを持ち合わせていないので、何とも言えないところです。そういうことが本当にあるのか、ないのかも、実証研究を進めなければならないと思います)

  ▼

 ともすれば「組織社会化」のプロセスでは、若手の「やんちゃな部分」を削除する方向で物事が進みます。やんちゃな部分がなくなって、「その組織の人になったとき」、その若手は他者は、「~君は最近成長したね」と言われます。

 一方で、「組織活性化」のプロセスでは、若手のやんちゃな部分こそがリソースです。これがコンフリクトをもたらすことで、組織にカオスや葛藤が生まれるのでしょう。組織活性化を促すためには、安易に「~君は最近成長したね」となってしまっては困るのです。

 実際には、若手の成長とは「組織社会化」と「組織活性化」のプロセスをいきつ戻りつしながら、ゆっくりと進行するのかもしれません。

 そういうダイナミズムを描く研究があったら、とてもオモシロイのにな、と思いますが、皆さんはどう思われますか。
(若手人材の参入によって、職場にどのような変化がもたらされるのかを調査すると面白そうですね)

  ---

追伸1.
 ワークプレイスラーニング2009の募集が、昨日、締め切られました。最終的な人数は1450名!になりました。本当にありがとうございます。

 開催まで残り1週間たらずです。準備を急ピッチで進めようと思います。なお、当日はかなりの混雑が予想されます。座席は完全自由席になりますので、お早めにお越しくださいますよう、お願いいたします。30日、本郷キャンパスでお逢いしましょう!

 ---

●経験の森をくぐりぬけ、対話を通して、内省する
●持論と棄論:持論は常にベータ版である

中原淳×金井壽宏 「リフレクティブマネジャー」光文社新書!

投稿者 jun : 2009年10月23日 09:01


タバコ部屋と宴会とわたし

●経験の森をくぐりぬけ、対話を通して、内省する
●持論と棄論:持論は常にベータ版である

中原淳×金井壽宏 「リフレクティブマネジャー」光文社新書!

  ▼

 先日、リクルートWorksの取材を受けました。テーマは「コミュニケーション」だそうです(仮題)。特集全体の内容はお楽しみに(僕も全体像は知らない)、という感じですが、わたしの方からは、いくつか話をしました。

 思うに、企業の方とお話ししていて、「コミュニケーションを見直す」という話題になると、いつも出てくる、いくつかの典型的なものがあります。それが「タバコ部屋」「宴会」です。

 要するにこういうことですね。

「かつては、どの企業にもタバコ部屋があって、そこでは緊密な情報交換がなされていたが、しかし、昨今の健康志向の高まりによって、それはなくなってしまった。タバコ部屋的な場所をもう一度復活させなければならない」

「かつては、職場ごとに派手に宴会がなされていて、そこでは本音を言い合っていた。しかし、バブル不況のときに、そういうものは無駄なものとされて失われた。もう一度、宴会を復活させなければならない」

 コミュニケーションというと、本当に、「タバコ部屋」と「宴会」のイメージは頻発します。
 逆にいうと、働く大人が「コミュニケーションの場」として想起するものは、極めて制限されており、この2つが多くの人々に広く共有されているということです。皆さん、他には、コミュニケーションの場はないのでしょうか。

  ▼

 これら2つには、実は、大きな特徴が2つあります。
 ひとつめは「もともとはあったものが、今は、なくなってしまったので、復活させよう」という論法です。
 つまりは暗黙のうちに「昔」を「よきもの」としているのです。一言でいえば、メッセージは「昔に帰れ」ですね。

 ふたつめは、コミュニケーションを見直す手段として、これらが語られるとき、「そこで、どのような情報がコミュニケートされていたのか」は問われないことです。
 タバコ部屋で、やりとりされていたコミュニケーションは、どのようなことですか? 宴会が実現していたコミュニケーションとは、いったい、どのようなものですか?

  ・
  ・
  ・

 問いが脳裏に浮かびます。

 わたしが、今、コミュニケーションを見直す、というとき、本当にやりとりされたり、共有されなければならない情報とは何でしょうか。

 それはタバコ部屋でやりとりされていた情報ですか。それとも宴会で共有されていたものですか?

 それらで達成されるコミュニケーションは、今職場で起きている問題を本当に解決してくれますか?

  ▼

 何となく「コミュニケーションの場」として「タバコ部屋」や「宴会」をあげたくなる気持ちはわかります。

 しかし、それらのイメージは、私たちを「思考停止」に導かないでしょうか。
 また、一方で、働く大人のひとりとして、僕は、これらに、どうもリアリティやアクチュアリティを感じることができません。世代的な問題なのかもしれませんが、どうしても無理です。
 厳しい言い方をすれば、それらは、僕の目には「もうひとつ行かなければならない場所が増えただけ」「もうひとつ仕事が増えた」だけのように思えてしまうのです。

 タバコ部屋でもない、宴会でもない、第三のコミュニケーション、第三のメタファを模索することが、今、求められているように思います。

投稿者 jun : 2009年10月22日 09:26


映画「トップガン」に見る「育成の仕組み」

●経験の森をくぐりぬけ、対話を通して、内省する
●持論と棄論を繰り返して、越境する

中原淳×金井壽宏 「リフレクティブマネジャー」光文社新書!

   ▼

 「トップガン」の「育成の仕組み」、ご存じですか?

 昨日の大学院ゼミでは、軍隊における訓練と熟達化に関する論文を山田君が紹介してくれて、みんなで読んだ。
 誤解を避けるためにいっておくが、中原ゼミは、「軍事」を研究しているわけではない(笑)。軍隊の論文が、熟達化の論文集の中に含まれていたのである。

 その中に、トムクルーズ主演の映画「トップガン」にでてくる「海軍戦闘機兵器学校:これがトップガンと呼ばれている」の育成の仕組みがあった。

 米海軍は、1968年にトップガンを設置した。ある時期のソ連ミグ戦闘機の撃墜数25機のうち、約半数は、トップガンの卒業生であった、という。

 トップガンの育成の仕組みは、下記の3点だという。

1.フライト記録機器
 すべての行動は記録され、後に、パイロットは、これを参照することができる。いわゆる【フィードバック】の仕組み。

2.実際より強い敵
 米海軍の中で最も優秀なパイロットが「敵軍」に扮し、リアルなシュミレーション訓練を行った。いわゆる【ストレッチ】の仕組み。

3.行動後の反省的評価
 訓練パイロットが「敵軍」に撃墜されたあとは、深い自己内省が促された。発生した出来事は何だったのか、自分見たものは何だったのか、あのとき、どんな音をきいたのか、そして、そのとき、ど自分は、どのような行動をとったのかを自己反省した。いわゆる【リフレクション】の仕組み。

 論文によれば、「軍隊の主要な任務は、戦争中ではなく、訓練によって戦争に備えること」なのだという。
 僕は軍隊訓練については、全く門外漢だけど、その仕組みの中にも【フィードバック】【ストレッチ】【リフレクション】というものが組み込まれているのだな、と思った。

  ▼

 映画「トップガン」が封切りされたのは、1986年。僕は、当時小学校6年生くらいだった。
 アタリマエのことであるが、当時の僕の目には、この映画は「戦闘機」と「いまだ知らぬ大人の恋」の映画に見えた。
 前者のシーンでは、ケニー・ロギンスの「デンジャーゾーン」、後者のシーンではベルリンの「愛は吐息のように」が印象的に用いられていたように思う。

 いやー懐かしい!

 それから、23年後・・・まさか、この映画に「人を育てる仕組み」を見るとは思わなかった。

 嗚呼、人生、何が起こるかわからない。

  ▼

中原のTwitterはこちらです!
http://twitter.com/nakaharajun  

投稿者 jun : 2009年10月21日 08:20


Academic TribeとAcademic Territory

経験をくぐり、対話を通して、内省する
持論と棄論を繰り返して、越境する
中原淳×金井壽宏 「リフレクティブマネジャー」光文社新書!

  ▼

 ちょっと前のことになるけれど、オックスフォード大学のSさんとお逢いした際、「Academic tribe」「Academic territory」というコンセプトを教えてもらった。大元は、社会学の考え方だそうだ。詳しいことは、僕は知らない(笑)。でも、Sさんのお話しは非常に面白く感じた。以下、元ネタに加え、さらに想像力をふくらませて書く。

 ▼

 「Academic tribe」「Academic territory」という考え方にたった場合、世の中、競争しているのは、企業や個人だけでない。マクロな視点から眺めたとき、「学問」と「学問」の間にも競争があり、淘汰がある、ということになる。

 つまりは、ある学問を「Academic Tribe(民族)」とみなして、その学問が扱う問題領域を「Academic Territory(領土)」とみなした場合、そこには学問間の競争、いわゆるサバイバルゲームが存在する、という見方である。

 こういうと、「私たちは真理を追究しているのである。Tribe、Territoryという概念は不謹慎だ」とおっしゃる方もいらっしゃるかもしれないけれど、あくまで「見立ての問題」である。それ以上でも、以下でもない。

  ▼

 Academic Tribe間の競争は激烈である。
 アプローチ(武器)が古くなってしまい、問題領域に切り込めなくなってしまった学問は、他の学問との戦に負けて、領土を失っていく。次第に後継者がいなくなり、Tribeを維持できなくなる。Tribeの人口の年齢構成が上がっていけば、いつかは、Tribe自身は消滅する。

 時には革命的な変化も訪れることもある。パラダイムが変化し、アプローチ自身に急激な変化がおとずれることもある。
 昨日までの問題領域は、もう、今日はない。新しい問題領域を見つけるために、新たな狩りにでなければならない。

 競争は内部にもある。
 アプローチによって、誰が統治者にふさわしいかを、Tribe内部において競争している。時には民族内紛争によって、競争力が失われることもある。愚かな統治者が王になることもある。そんな様子を、他の民族は、じっと見つめている。

  ▼

 もし、あなたが研究に関係しているのなら、一度、自分の専攻する学問を「Academic Tribe」「Academic Territory」という観点から、見つめ直してみると、「気づき」があるかもしれない。

1.あなたの所属しているTribeは、どのTribeを相手に、どんなTerritoryをかけて、闘っているのか?

2.その闘いを有利にすすめるために、あなたのTribeが有している武器は何か? その武器はいつまで有効か。

3.あなたの所属しているTribeが、最終的に到達するゴールとは何か。そのゴールは明るいのか。未来を明るく描くために、あなた、或いは、あなたのTribeが、為さなければならない決断とは何か。

 中には「どのTribeを相手にしているのか」「自分のTerritoryとは何か?」「自分のTribeの有している武器とは何か」を見失っているTribeも存在しているかもしれない。

 はたまた、「他のTribeに攻められ、もう四面楚歌の状況にありながら、そのことにすら気づいていない」ような「頭がお花畑系のTribe」もあるかもしれない。
 そんなTribeを「相手」にするのはいいけれど、決して自分が「所属」はしたくない。

  ▼

 ライオンは夜ごとジャングルで眠りにつく。夜があけ、朝が来て、いちばん足の遅いガゼルに追いつかなければ、うえてしまうことを知りながら。
 ガゼルは夜ごとジャングルで眠りにつく。夜があけ、朝がきて、いちばん足のはやいライオンに勝てなければ、誰かの朝食になってしまうことを知りながら。
 だが、ひとつだけ眠りに落ちるライオンとガゼルの、どちらも知っていることがある。夜があけて、朝になったら、すぐに走り出した方がいいことを。

(Freedman, T.)

投稿者 jun : 2009年10月19日 07:51


そうか、もう、秋だったんだ・・・

経験をくぐり、対話を通して内省する
好評発売中! 「リフレクティブマネジャー」

 ▼

 朝、TAKUZOの保育園の運動会。運動会といっても、2歳児のTAKUZOの出番は、プログラム冒頭の体操だけである。
 家では甘え放題、わがままし放題(僕は、ダメな教育学者である)。「本当に集団活動ができるのかなぁ・・・」と少し不安だったけれど、意外に、しっかりと踊っていた。わが子の意外な一面を見て、すこしびっくりする。

 お昼、ドライブ。TAKUZOを連れて、某公園に併設された某レストランへ行った。久しぶりに、「緑のあるところ」をゆっくり時間をかけて歩いた。木々は、ところどころ紅葉している。

DSC_0156.jpg

 そうか、もう、秋だったのか・・・。

 日々忙殺されていて、季節の移り変わりをすっかり忘れていた。いかんな、と思う。でも、気持ち良かった。

 やることはたくさんある。でも、明日もしっかりと休みたい。
 やりたいことや、やらねばならないことを、しっかり「やりぬく」ためにも、そういう時間が、今、必要だ。

DSC_0175.jpg

 ---

付記.
ナカハラジュン on Twitter
http://twitter.com/nakaharajun  

投稿者 jun : 2009年10月17日 21:36


組織全体のコンセンサス・・・

好評発売中! 「リフレクティブマネジャー」

  ▼

 「組織全体のコンセンサスをとって、物事を進めなければならない」と会議で口にする人が、心の奥底で本当に言いたいことは、「俺は絶対にやりたくない」である。

 逆説的ではあるが、「組織全体のコンセンサス」は絶対にとれない。人は、そう簡単にコンセンサスしない生き物である。

  ▼

ナカハラジュン on Twitter
http://twitter.com/nakaharajun  

投稿者 jun : 2009年10月17日 08:09


本日発売! リフレクティブマネジャー(光文社新書)

 遂に、、、出ただよ。

 中原淳・金井壽宏(著)「リフレクティブマネジャー」は、本日発売でございます。めでたい!

 本書は、「リフレクティブ」という題名のとおり、「内省」それも、「他者に開かれた内省」「アクションにつながる内省」をてーまにしています。働く大人が成長・学習するときに、キーワードになるのが、この「内省」である、ということです。

 想定する読者は、「働くみんな」といったら、広すぎるのでしょうか。今日も朝から忙しくしている方々、現場のマネジャーの方、そして、人材育成担当者の方、研究者の方にお読みいただけると大変嬉しいです。
 中原の部分は、まだまだ詰め切れていないところがありますが、これをスタートポイントとして、今後、研究を進めていきたいと思っています。

 巻末には、中原も自ら内省を行っています。
 執筆のプロセスの中で、私自身も「内省を心がける人間」のひとりであること、つまりは「学ぶ大人」のひとりでありたい、と願っていました。
 ややこっぱずかしいですが、ぜひお読みいただければ幸いです。

 そして人生は続く。
 今日も、夢の続きを見に行こうじゃないか。

 ---
追伸.
 Twitterをはじめています。ブログよりもさらに「全く役にたたないこと」を、たまーに、不定期につぶやきます。

ナカハラジュン on Twitter
http://twitter.com/nakaharajun

投稿者 jun : 2009年10月16日 10:19


LearningとWorkの分離:GEの挑戦

【お詫び】
 ここ数日、メールサーバの不調が生じていたようです。僕にメールを送られた方で、エラーメールがバウンスしてしまっていた方、申し訳ございません。特に、添付ファイルがついたメールは、受け取れなかった可能性が高いです。本日に関しましては、おそらく、通常のメールでも届いていなかった可能性があります。なお、本メールサーバの不調に関しましては、本日昼12時に復旧しました。もう大丈夫です。ご迷惑をおかけしました。心よりお詫びいたします。

 ---

 先日、日本CHO協会の須東さんの依頼で、中央大学大学院/日興シティの中島豊さん、GEのクロトンビルジャパンの責任者の田口力さんらと一緒に、シンポジウムに登壇した。

 シンポジウムのテーマは、組織開発(Organizational Development)である。

 組織開発については、様々な定義が存在するけれど、あくまで僕の言葉でいうのならば、「組織開発とは、組織がうまく動くために、組織構造・組織システム・組織特性・文化を「変化」させる長期的なプロセス」ということになる。

 よりプラクティカルには、組織(ハコ)・制度(ルール)を変革する「ハードな組織開発」と、文化・価値観・理念・マインドセットなどの変革する「ソフトな組織開発」がある。当日は、これらを「組織開発1.0」「組織開発2.0」とよんで解説した。

 組織開発については、ある程度のことは知っていたけれど、「これも、よい機会」だと思い、ちょっくら真面目に勉強した。

 詳細はここでは述べないけれど、組織開発をめぐる言説には、様々な誤読や、過度の一般化や単純化などが存在していて、なかなかとらえどころがないな、というのが印象だった。
 おそらく、これが我が国において、組織開発が広まらない理由のひとつであると思ったし、「組織開発のマネジャーが日本で探せない」という理由の一員になっていると思った。これについては、また別の機会に論じる。

 ▼

 シンポジウムでは、須東さんの問題提起、中島さんのお話し、田口さんのクロトンビルの話など、どれも印象深いものであった。

 最も印象深かったのは、本当にGEのやっている人材開発施策は、教育という目から見ても、理にかなっているな、ということである。
 特に「研修で学んだことをいかに仕事に生かすか」という「学習転移モデル」に関しては、それを超える地道な努力をしているな、と感じた。
 さすがは年間1200億の教育投資、リーダーシップ開発だけでも160億円を投資する会社である(日本企業の教育投資を全部あわせても、5000億から6000億のあいだのハズ・・・)。

 ▼

 例えば、近年、GEでスタートしたというLIG(リグ)というリーダーシップ開発プログラム。これは、職場のチームを丸ごとクロトンビルによんで行うチームベースドトレーニングである。

 いわゆる通常の研修だと、参加者は職場のメンバーの中のひとりである。ゆえに、研修でたとえどんなによいことを学んでも、それを職場に持ち帰ったときには、影響力を行使することは難しくなる。つまり、Learning と Workが分かれやすい。
 しかし、研修を職場単位で行うことができれば、研修で学んだこと(Learning)は、仕事(Work)に直結する可能性が高くなる。

 また、近年、GEでは研修を「プレトレーニング」「ポストトレーニング」とわけて、それぞれ強化しているとのことである。特に、「ポストトレーニング」については、最重点の課題だそうだ。
 プレトレーニングでは、例えば「研修をやる前に、研修に部下を参加させるマネジャーと電話会議を行い、その趣旨を説明する」。 ポストトレーニングでは、徹底的なフォローアップを行う。あるリーダーシッププログラムは、研修終了後、90日間フォローを行うそうだ。具体的には、コールと呼ばれる電話会議を開催するのだという。非常に興味深い。

 ▼

 Learning と Work の間の分離をいかに超えるのか。つまりは、Learningful workを実現するのかは、企業人材育成が抱える最大の課題のひとつであり、実は、もっというと、教育学や学習科学が抱えるアポリアのひとつでもある。1980年代 - 1990年代に吹き荒れた転移論争は、まさにこの問題であった。

 今、先進的な企業では、このアポリアを超える努力が少しずつはじまっている。

 あなたの会社のLearning と Workは、分かれているだろうか?

投稿者 jun : 2009年10月15日 12:10


大学院・中原ゼミがはじまった!

 はぁ、長い一日が終わった・・・。
 今日は本当に長かったです・・・最近、ディープ系の会議が多いです。僕もお年頃なのでしょうか・・・。
 
  ▼

 ともかく・・・本日から、大学院・中原ゼミ冬学期が開始しました。今期は、下記の英語文献を読みます。「プロフェッショナルのもっている知を開発・測定すること」をテーマにした研究論文を集めた、アンダース=エリクソンの本です。

 熟達化研究は、これまで3つの特徴がありました。

1)非常に特化されたタスクの熟達を扱っていたこと

2)熟達には時間がかかるとされ、一定の時間(多くは10年と決められていた)を分水嶺としたNovice - Expartの比較のパラダイムで実験がなされていたこと

3)表象の違い(記憶の体制化の違い)が問題にされる傾向があったこと

 今回読む本は、こうした従来の熟達化研究の流れに対して、エリクソンが新しい一歩を踏み出そうとしている本だと思います。
 特に、冒頭のエリクソンの序章から、「近年の研究によると、10年ルール(時間)というのは熟達化の指針にならない」と言いきっているのが(エリクソン自身は、この10年ルールの研究で非常に有名)、非常に特徴的なところです。
 それに変わって、エリクソンが提唱しているのが、Expart performance approach・・・さて、このアプローチ、どのように、これまでとは違ったかたちで、熟達化を切っていけるのかが、非常に興味深いところですね。

  ▼

 今日は、新M0の関根さん、伊澤さん、吉村さんが、ゼミ初参加でした。今年、中原研究室は、3名の社会人の方を、新しいメンバーに迎えます。

 ゼミ修了後は、M0の新入生歓迎飲み会でした。
 敢えて、今年M0の皆さんには、学生時代の感覚に戻っていただくため、趣向をこらしました。
 博士の島田さんに、本郷で最もディープな学生居酒屋「White thread(白糸)」を予約していただきました。歓迎会をひらきました。歓迎会は盛り上がり、無事、終了。

 ともかく、「中原研2009冬」が、今日からはじまります。
 今期の中原研のテーマは、「アカデミックケミストリー(Academic chemistry)」と「アカデミックタフネス(academic toughness)」に決めました。略して「ケミる」「タフる」です。どちらも造語です。また意味に関しては、今度、時間のあるときにでも。

 なんか、こう書くと、「北の国から2007夏」みたいだけど、そんなことはどうでもいいとして、半期、精いっぱい楽しもうと思います。

 そして人生は続く。

 ---

追伸.
 ゼミ歓迎会では、中原の誕生日を祝っていただきました。超サプライズです、びっくりしました。
 よほど、小生が飲み足りないと思われているのか、学生さんに送られたプレゼントは、ウィスキー3本です。ありがたいことです。感謝。山田君によると「違いを愉しんで欲しい」とのことです。承知しました。飲み過ぎにならない程度にたしなみたいと思います。早速帰宅後、ちょっと飲みました。

daigakuin_present.jpg

 ありがとうございました。

投稿者 jun : 2009年10月14日 00:19


丸の内朝大学

 東大大学院の卒業生の牧村真帆さんに教えてもらった(ありがとうございます)。丸の内朝大学というのがあるらしい。

丸の内朝大学
http://www.asa-univ.jp/

 ほほー。

 夜出るのは、ちょっとシンドイ。週末は家族サービスか、疲れて行き倒れてる、という人は少なくないと思うんだけど、「朝」なら何とかなるかも。

 シブヤ大学(開催地は渋谷)、自由大学(世田谷ですね)に続き、ついに丸の内地区で、「大学」が・・・。

シブヤ大学
http://www.shibuya-univ.net/

自由大学
http://www.freedom-univ.com/

 取材?、あるいは参加してみたい。
 しかし・・・その前に原稿を書け>自分>(泣)

投稿者 jun : 2009年10月11日 15:26


リフレクティブマネジャー

 新刊「リフレクティブ・マネジャー」が本日自宅に届きました。ここまでくるまでに、足かけ2年かかっただけに、この瞬間は、嬉しかったです。いろいろな皆さんに支えられて、ここまできました。ありがとうございました。

reflectivemanager1.jpg

 早速、愚息TAKUZOにも読んでもらいましたが・・・

reflectivemanager2.jpg

  ・
  ・
  ・
  ・ 
  ・
  ・
 バカウケでした(笑)。
 「あいうえお」が最近わかるようになったばかりのTAKUZOでも、面白くおかしく読めてしまう「スゴイ本」です(笑)。「面白かったし、ためになったよ」といっておりました(笑)。

reflectivemanager3.jpg

 店頭には一週間後の10月16日にならびます。ぜひ、お読みいただけたら嬉しいです。

投稿者 jun : 2009年10月 9日 21:51


適切な仕事なんて、ない!

 一般に、人を熟達させるためには、「スモールステップで、難易度が向上する「適切な背伸びの仕事」を与え、即時フィードバックやサポートを行うことだ」という風に言われています。

 様々な理論的な立場や言い回しの細かい違いはありますが、この「大枠」に関しては、大筋で合意できるのではないか、と思います。いわゆる「教科書的な解」としては、上記の命題はコレクトです。

  ▼

 一般に「人がなかなか育たない」という場合によく言われるのは、上記のような「教科書的な解」を、マネジャーやメンターにあたる人が「理解」しておらず、行き当たりばったりで対応しているからだ、とされる傾向があります。

 もちろん、そのことも「一理」はあるでしょう。そもそも「育成」という視点に理解がなかったり、「わたしの教育論」に呪縛されているマネジャーやメンターも少なくない、と思います。そういうマネジャーやメンターは、もしかすると、「人が学びための原理」「人が成長するための原理」について学ぶ必要はあるのかもしれません。

  ▼

 しかし、実は、最大の問題はそこにはないのではないか、と僕は密かに思っています。
 つまり、マネジャーもメンターも、上記のような「命題」はとっくに頭ではわかっている。しかしながら、現代のビジネス環境は、それが実現できないような環境に既になってしまっている。そこが問題ではないか、と思うのです。

 つまり、こういうことです。

 上記の命題を構成する二つの要素「適切な背伸びの仕事を与える」と「フィードバックを与える」のうち、後者の方は、マネジャーやメンターが心がけていれば、まぁ、何とかなることです。

 しかし、前者の方はそうはいきません。
 仕事は、そもそも、新人を育成するために存在しているわけではありません。
 結局、今職場でこなさなければならない仕事のうち「適切なサイズの仕事」を、新人に切り分けて渡さなければならないのです。

 しかし、問題は「適切な背伸びの経験」の「適切さ」にあります。様々なビジネスパーソンのヒアリングを通して見えてくるのは、この「適切さ」が脅かされている、という事態です。

 現代のビジネス環境においては、

 1)仕事の規模事態がかつてないほどの大きさになっている
  (仕事の大規模化)

 2)かつてないほどのスピードを求められるようになっている
  (仕事のスピード化)

 3)それぞれの仕事が相互に結びついていて、
  そもそも切り分けできない
  (仕事の複雑化)

 のいずれかであることが多いのです。

 かつてのビジネスの現場には、新人が担うべき「他の仕事とは独立した仕事で(つまりは新人のおかすエラーが局所に限定され職場全体に波及しない仕事)、適切なサイズと納期のある仕事」があったのかもしれません。しかし、それが、今、少なくなってきている。

 仕事の規模が小さければ、納期を求められる
 スピードが求められない仕事は規模が大きい
 そもそも最初からチームでコラボするような複雑な仕事が多くて、適切に新人に案分することができない

  ・
  ・
  ・
  ・

 つまり、一言で言うと、

 「新人に与える"適切な仕事"がないんだよ!」

 ということです。
 もちろん、こう言い切ってしまうと、話はそこから前には進みません。「だから、ごめんね、無理」とケツまくられても、新人は困ってしまいます。それで話が終わり、一生、新人は新人のままです。

 結局は、大規模化・スピード化・複雑化している仕事の中から、どのように「適切さ」を切り出していくのか、ここがマネジャーやメンターの「考えるべきところ」ではないかと思います。

  ▼

 誤解を避けるためにいっておきますが、人が熟達化するプロセスに関する知識が必要ない、といっているわけではありません。それが重要なことは、言うにおよばずです。人は常に「わたしの教育論」を相対化する必要があります。そのために、formal theoryの果たす役割は少なく兄でしょう。

 しかし、本当に重要なことは、新人(僕の場合は学生)を育成しようとするマネジャーやメンターにあたる人々が、自分の職場の仕事を分析し、その構造を見極め、適切な課題を切り出すこと、つまりは「仕事を考え、見直すこと」にあるのではないか、と僕は思います。

 そして、答えは、理論にはありません。
 むしろ、答えは、それぞれの現場にあるのです。

投稿者 jun : 2009年10月 9日 11:35


M&Aと学習

 日本企業と米国企業M&A(Mergers and Acquisitions)、企業再生などを手がけてこられたコンサルタントの船川淳志さんと、先日、お逢いする機会をえました。

 きっかけは、僕が、ある方(一緒に仕事をしていた生方さん)に「M&A後(Post Merger Integration)におこる学習って、実際、どんなものなのでしょうね・・・きっとそれは学習という言葉では表現できないくらい生々しくて、エグイものでしょうね・・・」とつぶやいたことにあります。

  ▼

 一般的に、組織学習論において、「M&A時におこる学習」は「知識の移植・移動」と考えられています。

 要するに、ある知識Aを有する会社A'と、ある知識B'を有する会社Bが合併した場合には、知識A'と知識B'を有する会社が生まれる、ということです。

 この説明において知識は物象化されています。知識が、あたかも「移動」するかのように、PMI時の学習が説明される傾向があります。非常に「綺麗な説明」ですね。

 しかし、M&Aや企業再生の現場に居合わせたことはないので、僕はよくわかりませんけれど、それは、そんな「綺麗な学習」だけではないような気になるのです。

 確かに、組織のレベルでは、組織的知識の移動という側面はあるのかもしれない。
 でも「働く大人」の視点にたった場合、そこにはまた違ったパースペクティブが広がります。そこには、激しい不安、恥辱、葛藤、喪失感を伴うような学習、学習棄却が存在するような気がします。

 昨日まで自分が働いていた職場は、もう、ない
 昨日まで自分が働いていた仕事のやり方は、もう、通用しない
 昨日まで自分は、もう、通用しない

 新たな職場への文化適応の問題も噴出してきます。職場のネットワークも強制的に寸断されることもあるでしょう。そうしたPMI時の非常に生臭くて、リアリティがあって、アクチュアルな学習、実態が、非常に気になりました。そのような経緯があって、船川さんとお会いすることになりました。

 ▼

 船川さんとはいろいろな話をしました。PMI時には、人はどのような反応をするか。明確な敵意をもった人を対象に、どのようなワークショップをするのか。

 僕らが仕事をするのは、いつも、アフターマッキンゼー(AM)でした
(戦略コンサルのマッキンゼーが、戦略・ストラクチャーを決めて企業を去ったあとに、現場で統合の仕事をすること)

 という言葉が印象的でした。僕の予想通り、それは、非常に生臭くて、リアリティがあって、アクチュアルな現場でした。そのすべてを理解できているわけではまったくありませんが、少し感じることはできた気がします。
 学問は、そのアクチュアルさに、どの程度、肉迫しているのかなと思いました。

 ▼

 話は全く変わりますが、船川さんとの話の中で、もうひとつ印象的だったことがありました。

 それは、船川さんのやっておられる講座に、柔道・金メダリストの山下泰裕さんがゲストとしてこられたときのエピソードです。

「金メダリストの山下」「五輪監督の山下」は何を語るのか。皆がかたずを飲んで見守る中、山下さんが発した一言は、期待を超えるものだったそうです。

「自分が死んだときに、ロサンゼルスオリンピックで金メダルをとったシーンをテレビで流されているのだったら、残念ですね。それは過去のことですから。
これから私がやろうとしていることを取り上げてもらえるように、私は精進していきたいのです」

(グローバル社会と柔の心)

 1984年、山下さんはロス五輪柔道無差別級で金メダルをとられました。エジプト・ラシュワン選手との決勝戦は、誰もが見たことのある映像ではないでしょうか。
 
 現在、山下さんは東海大学で教鞭をとられる一方、NPO法人柔道教育ソリダリティを組織し、柔道の普及、柔道を通した文化交流、青少年育成をめざされているそうです。

 いやー、背筋が伸びますね。

  ▼

 最後になりますが、このような機会をいただいた船川さん、生方さんに感謝いたします。ありがとうございました。

 そして人生は続く。

投稿者 jun : 2009年10月 8日 08:00


早稲田大学ラグビー部監督・中竹竜二さんとお逢いした!

 先日、早稲田大学ラグビー部の中竹竜二監督とお話しする機会を得ました。Coach Aの鈴木社長のご紹介で、このような機会が実現しました。鈴木さんには心より感謝いたします。ありがとうございました。

  ▼

「日本一オーラのない監督」

 これが、中竹さんが自らが好んで使っているキャッチコピーです。

 通常、私たちは、ラグビー部の監督と聞くと、「強靱な肉体」「厳ついマスク」「大きな声」をもつ、いわゆる「強いリーダー」を想像してしまいます。しかし、中竹さんは、そういう、いわゆる「ラグビー部の監督」とは、容貌もスタイルも異なっています。

 加えて、中竹さんは「リーダー」に過剰に焦点をあてたリーダーシップ論を語りません。むしろ、中竹さんが重視しているのは「フォロワーシップ」のほうにあります。

 学生ひとりひとりが考えてプレーをするためには、どうすればいいのか。学生が「考えるための場」を創出するために、自分がなすべきことは何か。

 リーダーシップ論の世界であるならば、「配慮型リーダーシップ」「分散型リーダーシップ」とよばれるような自らのあり方によって、フォロワーが主体的に物事を考える場を創出しようとしているように見えました。

 中竹さんとは、いろいろな話をしましたが、最も印象に残っているのは、中竹さん自身が、自分のチームに毎年「変化」を与え続けていることです。早稲田ラグビー部は2007年、2008年と連続で優勝していますので、フツーに考えれば、去年と同じやり方を今年も踏襲したくなります。

 しかし、中竹さんはそこに「変化」をつくりだそうとしているように見えました。外部からコーチを招聘したり、内部のコーチを外部に派遣したり、敢えて今までのやり方を否定したり、チーム内に流布する「新しい言葉やコンセプト」を創出したり。そうやって、様々な変化をチームにもたらそうとしていることが、非常に印象的でした。

 また、中竹さんは、それぞれの選手がもっている「解釈の枠組み(認識の枠組み)」に敢えて「ゆさぶり」をかけるような「問いかけ」を、様々な場面や機会で実施なさろうとしているように見えました。実際、中竹さんは、130名の部員すべてに面談を実施しているそうです。

 通常、ラグビーというと「体力勝負」「肉体勝負」だけをイメージしてしまいます。それも重要なのかもしれませんが、それと同じくらい重要なのは、「認識の枠組みを問うこと」なのかもしれません。

  ▼

 恥ずかしながら、僕はラグビーに関しては、ズブズブの素人。にわか勉強で会合に向かいました。でも、おかげさまで、ラグビーというスポーツをもう一度違った目で見てみたいな、と思うようになりました。
 そして、ラグビーという世界にも、今、僕が取り組んでいるような事と結構似ている世界が広がっているのだな、と思いました。

 面白いですね、世の中は、広くて、つながっている。
 そして人生は続く。

 ---

追伸.
 昨日の日本経済新聞・夕刊「仕事って何? ミドルも迷う 大人の語り場ひろがる」という記事で、ラーニングバー(Learning bar)が紹介されました。非常に嬉しいことですね。取材いただいた野村浩子さん、ありがとうございました。

投稿者 jun : 2009年10月 6日 07:26


俺が芋食って、お前の尻から、プッと屁がでるか?

 お前と俺は
 別な人間なんだぞ!

 早え話がだ!

 俺が芋食って、
 お前の尻から
 プッと屁がでるか?

(男はつらいよ #1)

  ▼

 いわずもがな、「男はつらいよ」、寅さんの名言である。至極名言、そりゃ、ごもっとも。
 僕が今芋食って、他人のケツから屁がでるわけがない! みんな違う人間だ。

 先日、本屋で偶然に、下記の名言集を見つけて読んでみた。

 同じ名言でも、イギリスのそれはアイロニーとウィットに富んでいるものだが、寅さんのそれは、そんなものとは無縁だ。

 皮肉もなけりゃ、こざかしさもない。まっすぐ、威勢がよく、スカッとしている。何より、人を「元気にする力」があるから不思議である。

  ▼

 コンセプトだ、オリジナリティだ、ロジックだ。僕は、いつも「理屈の世界」に生きている。それが僕の仕事なのだけれども、そればかりやっていると、だんだんと煮詰まってくることもないわけではない。常に「新しいこと」「尖ったこと」を生みだそうとしていると、それに押しつぶされそうになるときがある。

 そういうときに、寅さんの言葉を聞いていると、全身に入っていた力がすっと抜けて、「今日のところは、まぁ、いいじゃねーか。明日、またやるか」という気分になる。
 僕にとって、寅さんの言葉は、一服の清涼剤のようなものなのかもしれない。

  ▼

 そうよ、
 仕事ってのはね
 何しても
 楽なものってのは
 ないんだよ、
 うん。

 じゃ、また、
 夢の続きを見るとするか。

(男はつらいよ #41)

 ---

追伸.
 次回Learning barは、「組織文化・組織理念のマネジメント(仮称)」を扱います。12月4日(金曜日)の予定です。三井物産の渡辺さんに、物産の組織理念のマネジメント「よい仕事」の事例、ほか1社の方にご登壇いただけることになりました。ありがとうございます。

 今年最後のLearning barということもあり、特別ゲストをお招きすることになりました。なんと、神戸大学大学院教授の金井壽宏先生に、ご出講いただくことになりました!ありがたいことですね。

 今年最後のLearning bar、参加希望のご案内は11月初旬になる予定です。参加希望はメルマガにご登録いただいた方に行います。下記メルマガへのご登録をお願いいたします。

NAKAHARA-LABメルマガ
http://www.nakahara-lab.net/learningbar.html

 なお、10月30日には年に一度の恒例イベント「ワークプレイスラーニング2009」も開催されます。こちらの今年のテーマは、「成長をいざなう組織と個の関係」です。運営の形式は、Learning barと同等。会場は、東京大学・安田講堂です。1200名もの多様な人々との対話をお楽しみ下さい。こちらの参加は、下記にて募集しています。 こちら、本当にあと少しで募集〆切、満員御礼となります。

ワークプレイスラーニング2009 申し込みサイト
http://www.educetech.org/wpl2009/

 どうぞお楽しみに。

投稿者 jun : 2009年10月 5日 13:10


羊毛とおはな

 週末。

 朝っぱらから、くしゃみを連発したので、鼻炎の薬を飲んだ。なぜか、強烈にきいてしまった。一発でくしゃみは止まったものの、一日、副作用で眠たい。「意識朦朧子ちゃん」で過ごす。
 嗚呼・・・せっかくの週末なのに。パブロン、恐るべし。

 TAKUZOを連れて、ショッピングへ出掛ける。
 ふらふらと、ヴィレッジヴァンガードに入ったら、BGMが気になった。
 アコースティックギターに温かな声。「羊毛とおはな」というグループだとわかった。「Learning barのBGMにいいな」ということで、早速大人買い。

羊毛とおはな
http://www.youmoutoohana.com/

 このサイトでは視聴もできる。iTunes Music Storeでも買うことができるようだ。

 まず、おすすめは、「ディ・ドリーム・ビリーバー」である。

羊毛とおはな1 視聴できます
http://www.youmoutoohana.com/disco.html

 おつぎは、「All you need is love」「ルパンのテーマ」などがおすすめだ。

羊毛とおはな2 視聴できます
http://www.youmoutoohana.com/disco_lrtcd-031.html

 最後は「English man in newyork」「人魚」などがおすすめ。

羊毛とおはな3 視聴できます
http://www.youmoutoohana.com/disco_lrtcd-020.html

  ▼

 なかなか癒される。次回のLearning barでは、密かにかかっていると思います。

投稿者 jun : 2009年10月 4日 08:49


ワークプレイスラーニング2009にお越しになりませんか?

 パンパカパーン!

manin_onrei.jpg

 でました、この「くす玉」が!
 めでたい。

 既にご案内さしあげている産学共同シンポジウム「ワークプレイスラーニング2009」ですが、本シンポジウム、おかげさまで「満員御礼」です。

ワークプレイスラーニング2009
http://www.educetech.org/wpl2009/

 今もなお、多数の方から参加希望をいただているため、2階席を開場し、さらに当日のキャンセルを見越して、追加で参加者の募集を行うことにいたしました(当日の座席は自由です)。

 追加で募集をしております。ぜひ、お近くの方、職場の仲間をお誘い合わせの上、お越しいただけますようお願いいたします。下記のフォームは転送自由です。本メールをお近くの興味・関心のありそうな方にご転送いただけますと幸いです。

 職場の方々と一緒にお越しになりますと、会終了後の対話、ディスカッションも、より実り多いことになると思います。

それでは、皆様、本郷キャンパス・安田講堂にてお逢いしましょう!

=================================================
    ワークプレイスラーニング2009
     成長をいざなう個と組織の関係

 「組織」と「学習」に関する産学共同シンポジウム

  2009年10月30日(金) 午前10時 - 午後5時
    東京大学本郷キャンパス・安田講堂

お申し込みは http://www.educetech.org/wpl2009/

満員御礼のため2階席をさらに開場することにしました
あと100名ほど座席がございます。お早めにご登録をお
願いします

=================================================

※本案内は転載自由です。お近くの方への転送を
お願いします

あなたの会社は、「人を育てる会社」ですか?
   それとも、「人が育つ会社」ですか?

   ・
   ・
   ・

「企業・組織における人材育成」の「明日」を提案
するカンファレンス「ワークプレイスラーニング2009」
を、来る10月30日(金)、東京大学本郷キャンパス・
安田講堂にて開催いたします。

今年でこのカンファレンスも3回目。ワークプレイス
ラーニング2007では「ミドルの学び」。ワークプレイ
スラーニング2008では「企業教育の新たな役割」とい
うテーマで、約800名の方々にご参加いただき、ピア・
ディスカッション、携帯電話を活用した質疑応答が行
われ、新たな知の交流の場を産学共同でつくりだすこ
とができました。   

今年度のテーマは、「成長をいざなう個と組織の関係」
です。今、時代は急速に変化しています。従業員の能
力向上や成長を、企業が「丸抱え」で支援する時代は
終わりました。個人が主体的に自らの学習や成長をデ
ザインする一方で、企業には、個人に成長する機会や
場を創出することが求められています。

同時に、企業は、もうひとつの課題にも取り組まなく
てはなりません。ともすればアトム化・孤立化しやす
い個を、いかに組織化するのかが問われるのです。

ワークプレイスラーニング2009では、「個人と組織の
関係」という古くて新しい課題を、参加者全員で考え
る機会を持ちたいと思います。

現代のビジネス環境において、人材育成のあり方とは
どのようにあるべきなのでしょうか。 企業の人材開
発部に求められることは何でしょうか。外部の民間教
育ベンダーには「何」ができるでしょうか。

本カンファレンスでは、「個人と組織の関係」という
課題から派生する様々な問いについても探求を深めた
いと思います。

本カンファレンスは、公共性の高い学術会議が開催さ
れる東京大学本郷キャンパス・安田講堂を会場として
産学協同の体制で開催します。教育学、経営学、社会
学、心理学のアカデミックバックグラウンドをもつ大
学研究者と、企業・組織の担当者が、ともに知恵をだ
しあい、ディスカッションを深めることをねらってい
ます。「企業・組織における人材育成」に関係するす
べての人々のご参加をお待ちしております。

ワークプレイスラーニング2009企画委員会一同

 -----

■主催:
東京大学 大学総合教育研究センター
 
 
 
■共催:
非営利特定活動法人 Educe Technologies
(エデューステクノロジーズ)
 
 
 
■企画協力団体
エム・アイ・アソシエイツ株式会社
株式会社 グロービス
株式会社 ダイヤモンド社
株式会社 日本能率協会マネジメントセンター
株式会社 富士ゼロックス総合教育研究所
株式会社 リクルートマネジメントソリューションズ
株式会社 レビックグローバル
学校法人 産業能率大学
学校法人 産業医科大学
NPO法人 日本アクションラーニング協会
日本CHO協会
らーのろじー株式会社
 
 
 
■後援
日本教育工学会(申請中)
 
 
 
■日時:
2009年10月30日(金)
午前10時 - 午後5時00分(9時30分開場) 
 
 
 
■定員:
800名
※定員にいたり次第、申し込みを締め切らせていた
だきます。おはやめにお申し込みください。
 
 
 
■場所:
東京大学 本郷キャンパス 安田講堂
http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_00_01_j.html

地下鉄丸の内線本郷三丁目駅より 徒歩14分
地下鉄大江戸線本郷三丁目駅より 徒歩12分
地下鉄南北線東大前駅より 徒歩10分
 
 
 
■参加費
1名につき4000円
 
 
 
■カンファレンス内容

○開場 (09:30)

○趣旨説明・問題提起 (10:00-10:30)
・ワークプレイスラーニング2009の愉しみ方
 中原 淳(東京大学)
・問題提起
 長岡 健(産業能率大学)

○ケーススタディ1(10:30 - 12:00)

「社員が自ら変わる環境づくり」(30分)
 カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社
 代表取締役COO
 柴田励司氏

「人は育てるものではなく育つもの。だから、本人
の意思が主で会社の意思は従」。こうしたパラダイ
ム転換のもと、CCCは、個人が主体的に動き、か
つ、人と人とがつながるための仕掛けづくりに挑ん
でいる。その成果と課題をトップ自ら解説する。

○解説・コメント(20分)
 妹尾 大(東京工業大学) 経営学の立場から
 松尾 睦(神戸大学) 組織心理学の立場から
 長岡 健(産業能率大学) 社会学の立場から
 司会 中原 淳(東京大学) 教育学の立場から

○会場ペアディスカッション(20分)

○質疑(20分)
 質疑は携帯電話を活用して実施
 司会 中原 淳(東京大学)

○昼食(12:00-13:00)

○ケーススタディ2(13:00-:14:30)

「熱く、温かく、人から人へ、そして未来へ」(30分)
 アサヒビール株式会社
 執行役員人事部長
 丸山高見氏

社員は仕事を通じて成長します。社員が職場で持
てる力を100%発揮できるように、上司・先輩
・同僚・社員OBがよってたかって個人の成長を
引き出す取組を行っています。皆様との意見交換
を楽しみにしています。

○解説・コメント(20分)
 妹尾 大(東京工業大学) 経営学の立場から
 松尾 睦(神戸大学) 組織心理学の立場から
 長岡 健(産業能率大学) 社会学の立場から
 司会 中原 淳(東京大学) 教育学の立場から

○会場ペアディスカッション(20分)

○質疑(20分)
質疑は携帯電話を活用して実施
司会 中原 淳(東京大学)

○休憩(14:30-14:45)

○ケーススタディ3(14:45-:16:15)
「『人が成長する』って・・?」(30分)

株式会社バンダイナムコホールディングス
グループ管理本部人事部
デピュティゼネラルマネージャー
紀伊 豊氏

「成長=レベルアップ=できなかった事ができる
ようになる事」は嬉しいことで、楽しいはずです。
会社が育てるのではなく、自ら成長するための仕
組みを皆さんと考えたいと思います。

○解説・コメント(20分)
 妹尾 大(東京工業大学) 経営学の立場から
 松尾 睦(神戸大学) 組織心理学の立場から
 長岡 健(産業能率大学) 社会学の立場から
 司会 中原 淳(東京大学) 教育学の立場から

○会場ペアディスカッション(20分)

○質疑(20分)
 質疑は携帯電話を活用して実施
 司会 中原 淳(東京大学)

○リフレクション(16:15-16:50)
 リフレクティブシアター(10分)
 ペアディスカッション(25分)
 司会 中原 淳(東京大学)

○ラップアップ(16:50-17:00)
 中原 淳(東京大学)

○閉会(17:00)
 
 
 
■お申し込み
http://www.educetech.org/wpl2009/
にアクセスいただき、各自、お申し込みをお願いします。
お申し込みが終了次第、「確認メール」をお送りいたします。
お手数でも、そちらのメールを各自印刷のうえ、当日
お持ちくださいますよう、お願いいたします。

お申し込みいただいた参加者の皆様には、下記の条件を承諾いただけているものとします。

1. 本イベントの当日の様子は写真、ビデオ等で撮影い
たします。本イベントはインタラクティブなセッション
を含みますので、参加者の方々も撮影されます。
これらの写真・動画は、当日のリフレクション時、およ
び、NPO Educe Technologies、東京大学 中原研究室、
本シンポジウムの運営スタッフの所持・利用・作成す
るWebメディア、広報手段、講演資料、書籍等、研究資
料として許諾なく用いられる場合があります。

2.本イベントで剰余金が発生した場合は、東京大学
中原研究室および、NPO法人 Educe Technologiesが
企画する、組織人材育成・組織学習に関係するシン
ポジウム、研究会、ワークショップ等の非営利イベ
ント等の準備費用・運営費用、および研究開発費用に
充当します。
 
3.欠席の際には、お手数でもその旨、
educejimu[at mark]educetech.orgまで
ご連絡下さい。
 
 
 
■本カンファレンスに関するお問い合わせ先
特定非営利活動法人 Educe Technologies
事務局長 坂本篤史

educejimu[at mark]educetech.org

[at mark]を@にかえてメールを送信下さい

=================================================

投稿者 jun : 2009年10月 2日 14:15


俳句はよくデザインされた「学習システム」である

「俳句」というのは、つくづくも、シニアにとって素晴らしい学習システムだと思う。
「自己で学ぶ」観点、「ともに学ぶ」観点、そして「身体づくり」につながる観点から、それははよくデザインされたシステムである。

  ▼

 ひとつめ、自己学習の観点。

 まず、俳句をたしなむためには、季節に「敏感」にならなくてはならない。
 花の名前を覚え、見て、触って、識別できるようにならなくてはならない。日々変化する草の色を感じ、毎時毎分変わる風の匂いを知る必要がある。

「変化」を感じることができなければ、そして「変化」に応じて必要であるならば柔軟に「学び」、そして思考することできなければ、言葉を紡ぐことはできない。

 ふたつめ、ともに学ぶという観点。

 多くのシニアは、俳句を独りでは愉しまない。月に1度、仲間と集まり、お互いのつくった作品を鑑賞し、吟味するといった会に参加している人も多い。会では、時にコメントを求められ、時にアドバイスをすることがあるのだとしたら、俳句会には協調学習が埋め込まれている。

 独りで家に籠もりがちになってしまうシニアにとって、この定期的なエキシビジョンは、非常に重要な意味をもつ、と思う。

 最後に「身体づくり」の観点。

 上記2点を満足させるためには、何より身体を整える必要がある。 自然の変化を感じるために、日々外にでて歩く必要がある。俳句を詠むことは、一見知的な作業だと思われがちだが、その中には、いわゆるウォーキング、外にでて動くことが埋め込まれている。

  ▼

 つくづく、俳句はよくデザインされているな、と思う。
 それは、「学びとは言わない学びのシステム」である。

投稿者 jun : 2009年10月 2日 11:23


楽しくて怪しい34歳

 本日、10月1日は、僕の誕生日です。

 なんと、、、知らず知らずのうちに、34歳になってしまいました。「あっ、オレ、34になったの、マジで? 気づかなかったわ」という感じです。全色力で、無我夢中で、走りぬけてきました。

 「身体」は無臭サロンパスだらけで(無臭といいますが、ちょっとは臭いがあるんだよね・・・一応、見えないようにはっております)、少しずつガタがきておるのですが、「気持ち」は20歳です。

 ともかく、34歳も、よい1年でありますように。この一年も「楽しくて、怪しいこと」をしたいと思います。「楽しくて怪しいことをする」は、最近の僕の座右の銘です(なんじゃ、そら)。本来は「楽しくて、怪しい、意味のあることをする」なのですが、最後の「意味のあることをする」のは、社会人として当然なので、オミットしました。
 ちなみに、来年の35歳の誕生日を迎えれば、四捨五入すればフォーティズ(40s)になりますね。今年やる仕事は、僕にとって、キャリアの節目になりそうな予感がするんだよなぁ。

 そして人生は続く。

 ---

追伸.
 昨日今日と、同世代の研究者と2日間にわたり、みっちり勉強会をしました。定期的に開催しているものです。一応テーマはありますが、勉強会というよりは、情報交換会に近いかもしれません。お互いのキャリアを見直す機会にもなっていると思います。
 同世代の研究仲間というのは、気兼ねも遠慮もいりません。お互いをリスペクトしつつ、いろんな話題について話し合い、終わる頃には「また頑張ろう」という気になれます。
 研究者は「独り」です。誰に指示・命令されることはないですが、誰もリスクや責任をとってくれません。
 でも、一方で、「独り」では、研究生活という長い航路を歩んでいくのは難しい、と僕自身は思います。そういう意味で、研究仲間というものはとても大切です。そして、そういう仲間は、大学院の時代、下積み時代など、若い頃につくるものだと思います。僕はよい仲間に恵まれました。

 感謝!

投稿者 jun : 2009年10月 1日 14:43