新入社員におすすめする「違和感メモ」の3つの効果!?:うちの会社の「変な習慣」を笑い飛ばせ!

 春、新年度です。
 首都圏は、桜も葉桜にかわってきました。
 まぁま、新年度なんだからでしょうか、本当に最近、息つく暇もなく、桜も、ちゃんと立ち止まって鑑賞できていません(笑)。
 せめて週末くらいは、家族とピクニックにでも行きたい気持ちです。

 ところで、春といえば「新入社員」。
 テレビをつければ、入社式、新入社員研修など、新入社員にまつわる、様々なニュースが聞こえてきます。

 入社から1週間。まだまだ落ち着いているとは言えないとは思いますが、最初の一週間が終わる頃でしょうね。

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 ところで、新たに社会人として組織で働く学部生などに、僕が、ときおりおすすすめしていることが、「違和感メモをつけること」です。

「違和感メモ」とは新入社員の皆さんが、自分の組織に入って感じる「違和感」を、ほんの数文字でもいいので、どこかに書きつけておくことです。
 毎日やっていれば、それがかなりの分量にもなるでしょう。

 例えば、

 うちの会社では会議で自由に発言して良いよ、と言われるけれど、発言しているのは「課長」と「係長」だけ

 とか(笑)

 うちの会社では、傘立てに、各人が傘を入れる場所まですべて決まって最適化されている
 
 とか(細かい!)

 そういう日頃感じている「違和感」を書き付けておくのです。これは新入社員だけが多くの場合感じるものです。そうした「違和感」をどこかにメモしておくと、あとで見返したときに結構面白いものです。

 それらの違和感の中には、多くの場合、新入社員の皆さんが入った「組織の文化」をあらわしていることが多いものです。

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「違和感メモ」は3つの意味でよいことがあります。

 ひとつめの違和感メモの効用。
 それは、違和感メモを新入社員で見せ合えば、結構「愉しい!」ということですね。

 へー、あんた、そんなの発見したんだ・・・・ 

 みたいな会話で盛り上がることができます。新入社員というのは「未開の大地」におりたったフィールドワーカーのようなものです。「未開の大地にいる原住民の生態」をぜひ観察してみてください。変な人、変な習慣、変な癖、結構たくさんありますよ(笑)。

 もし、少したって気の合う先輩を見つけたら、先輩にも見せてあげると面白いものです。

 確かに言われてみれば、そうだよね

 と、多分なるでしょう。
 そうした機会を使いながら、ぜひ、はやく自ら社会化を成し遂げてください。

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 ふたつめ。
 それは、違和感メモを「あとあと」見なおすと、成長を実感できる、ということです。

 「違和感メモ」に書かれていることは、おそらく3か月後には、まったく違和感を感じなくなるはずです。
 組織の中にいれば、組織に固有のルーチン(毎日繰り返されているもの)や文化は、毎日「アタリマエ化」しているからです。

 しばらくして、そうした組織参入時の違和感を見詰めると、

 へー、こんなこともわかんなかったんだ

 と成長を実感できます。
 また、1年たち、組織の中で働くことにくたびれ始めた頃には、初心を思い出すことができます。

 成長実感は、他人がなかなか与えてはくれません。
 ぜひ、成長実感を自分で感じる工夫をなさってください。
 
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 みっつめ。
 それは、組織新規参入したときに感じるストレスや違和感を「耐える」のではなく「笑い」に変えるということです。

 これは、社外の気の合う友人ーできれば同じ新入社員の境遇にある社外の友人などに違和感メモを見せてあげることで達成されます。
 そうすると、結構盛り上がるのではないかと思います。

 へー、オマエの会社、へんじゃねー

 とか

 うわっ、やべー。おれ、オマエの会社がいいな

 とか

 そういう会話で盛り上がれるのではないかと思います。
 この含意は、

 どんな組織であろうと、外の人からみれば奇異に思える慣習や文化は存在する

 ということであり、それをストレスとして貯めるのではなく、笑い飛ばす、ということです。

 組織なんて、どこだって、たいした変わらないから(笑)
 
 新たな組織に入って、「隣の芝生」が青く見えたときには、ぜひ、一寸だけ思いとどまってみてください。

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 今日は新入社員におすすめする「違和感ノート」について書きました。これは中途採用社員の方にもおすすめの方法です。

 大丈夫、その「違和感」も、きっと何にも感じない日がくるよ。
 あそこでハナクソほじってる課長だって、仕事できそうにしている先輩だって、最初は、みんな、違和感メモで一杯だったんだから。

 そして人生はつづく 

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