「女性リーダーをいかに育成したらよいのか?」研究をはじめます!

「女性リーダーをいかに育成したらよいのか?」

 この問いに対して知見を提供する、実証的な共同研究を開始させていただくことになりました(正式なプロジェクトスタートはもう少しだけ後です)。

 この研究は、過去2年間にわたり、「中小企業の人材開発の実態」をともに共同研究で明らかにしてきたトーマツイノベーション株式会社様からいただきました「ご縁」となります(現在、こちらの研究は書籍として編むために分析中です)。

 トーマツイノベーションさんと東京大学 中原淳研究室は、今後1年、このテーマに基づいた共同研究に取り組まさせていただきます。まずは、このご縁に心より感謝いたします。

 プロジェクトには、トーマツイノベーションの眞﨑大輔社長をはじめとして、田中敏志さん、井手真之介さん、国崎晃司さん、山﨑彩子さん、伊藤由紀さん、村上美奈子さん、星原安希さん、長谷川弘実さんにご参画いただける予定だそうです。お忙しいところ本当にありがとうございます。中原研側は、中原と保田江美さんが参加する予定です。
 
 5月以降、様々な取り決めがなされ、プロジェクトが本格化すると思いますが、愉しみで一杯です。どうぞよろしく御願いいたします。

  ▼

「女性リーダーをいかに育成したらよいのか?」

 準備期間である今は、この問いを考察するため、管見ながら、国内で出版されているおおよその研究知見、書籍に目を通させて頂きました。

 もっとも僕が興味深かったのは、おおよそ、女性リーダーを論じている言説空間の論理構造は、下記のようになっていることです。

 女性リーダーについて論じている既存の言説空間は、ほぼ2つの種類に大別されます。

1.かつて活躍していた女性リーダーの経験談
 かつて企業で輝かしい女性リーダーが、回顧をおこない、自らの経験談を語っているもの

2.「女性リーダーのための」という枕詞のついた一般的なマネジメント原則
「これって一般的で、男性にも言えるマネジメント原則でもあるんじゃないの」とも解釈できる「一般的なマネジメントの原理・原則」に、しかし、「女性リーダーのための」という枕詞がついており、中身は、若干、女性向けにコーティングされているものの、しかし、内容は「一般的なマネジメント原則」であるもの

 1は「貴重な先人のご経験」に耳を傾けるとして、特に興味深いなと思ったのは2です。
 
 ここでフツフツとわいてきた疑問を、ワンセンテンスで申し上げますと、

 本当に「女性リーダー」と「男性リーダー」は違うんでしょうか?
 
 いや、「女性リーダーの研究をする」と先に自分で述べておいて、ほとんど、「自分が乗っているちゃぶ台を自分でひっくり返す」みたいな問いを投げつけていますが、繰り返して申し上げますと、

 本当に「女性リーダー」と「男性リーダー」は違うんでしょうか?

chabudai_gaeshi.jpg

 もし、その行動や認知に本当に「差異がない」だとすれば、「女性リーダー育成論」という言説空間は「存在しなくなる」し(このプロジェクトは論理上「女性リーダーの育成論という言説空間がなくなる」ことをも覚悟したプロジェクトであるということになります)、もし「違う」のだとすれば、「何」が「どの程度」違うのかを、しっかりとしたデータ、エビデンスに基づき明らかにすることが大切だと思うのです。

 現在流通している「女性リーダー向けにコーティングされた一般的なマネジメント原理原則」では、前半部で「女性リーダーと男性リーダーが違うこと」を前提としながら、しかし、後半部では「それらが一緒であることを前提に一般論を語る」という「論理矛盾」を内包しているように感じるのは、僕だけでしょうか。

 そもそも、「女性リーダー」と「男性リーダー」は何がどの程度違い、何が同じなんでしょうか?

 今回のプロジェクトは、この問いを明らかにするため、いくつかの「群」をつくり、徹底的に行動の違い、出会う葛藤の違い、認知の違い、キャリア意識の違いに、焦点を宛てていきたいと思っています。非常に基礎的な研究になりますが、しかし、いろいろな知見が生まれうるのではないかと期待しています。
 管見ながら、こうした研究はいまだなく「世界初?」だと思います。
 ごめん、いつものようにハッタリかまして(笑)
 でも、そうやって自分を追い込んで、40年生きてきたんです(笑)

  ▼

 トーマツイノベーションさんからこのたびいただいたご縁は、わたしにとっては、かなりのチャレンジです。
 ぜひ同社の皆様と「同じ船」にのりながら、よき航海をおこない、面白い知見を生み出して行ければと考えています。

 どうぞお楽しみに!
 そして人生はつづく

 ーーー

新刊「会社の中はジレンマだらけ 現場マネジャー「決断」のトレーニング」が4月19日発売されました。おかげさまでAMAZON「経営学・キャリア・MBA」で1位、「光文社新書」で1位、「マネジメント・人材管理」で1位を瞬間風速記録しました(感謝です!)。

「働かないオジサン」「経験の浅い若手」などなど、現場マネジャーなら必ず1度は悩むジレンマを解き明かし、決断のトレーニングをする本です。どうぞよろしくご笑覧いただけますよう、御願いいたします。

4月15日発売、新刊「アクティブトランジション:働くためのワークショップ」もどうぞよろしく御願いいたします。