人前で話をするとき「あがらなくなる」ための3つのコツ!?

「中原さん、講演とかで舞台にあがっても、めっちゃ"フツー"にやりますよね。全然緊張していない。あがらないコツって、なんか、あるんですか?」

 つい先日、ある方から、こんな一言をいただきました。
 なるほど、「あがる」ね。なかなか難しい問題ですね。
 今日は、それについて書きましょう。

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 まず最初に、誤解をといておきますと、僕は「全然緊張していない」のではなく、また「あがらない」のでは「ない」ということです。

 それが証拠にー機会があったら、講演前・講演中にぜひ僕の背中を触って頂きたい(辞めた方がいいね、こ汚いから)ーのですが、「汗びっしょり」です、、、いや、気持ち悪いくらい。

 僕の場合、めちゃめちゃ緊張してくると、滝のように背中に汗が流れます。

「こりゃ、サウナか?」

 というぐらいに汗が流れるのです。
 ですので、講演終了後は、早々に「水風呂に入りたく」なります。その後は「すんません、おかみさん、ビール1本ね」という感じです。

 あと、講演前にトイレ付近での、僕との遭遇する確率は、かなり高いのではないでしょうか。なぜなら緊張しはじめると、僕の場合、

「講演中に、便意をもよおしたらどうしよう」

 という強迫観念にかられはじめるのです。ですから、事前には、無用に便所に行きます。実際は1ミリリットルもでないのですが・・・。

 ただ、こんな風に「緊張」もしますし、「あがり」ますが、それでは仕事になりません。
 僕も相当の場数を踏んでおりますので、その中で「あまり緊張していなく見えて、かつ、自信をもって話している風の演技」をすることはできるようになってきました。そう、演題にあがった後は、「あがらないように見える演技」をしているのです。

 「あがってもいい」んです。
 「あがっていない演技」ができさえすれば。

 とはいえ、「あがらない演技」をするのも、なかなか勇気がいります。だって、もともと「あがっている」のですから、そんな余裕はなかなかないわけです。

 じゃあ、その「あがらない演技」を成功させるために、僕がいつも心がけていることは何か。あがっていなく「見える」ためには、緊張していなく「見える」ためには、どうしているか。3つのポイントがあります。それを下記に書きましょう。

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1.お客さんを「仲間」にしちゃう
 ひとつめは「聞いて下さる方々と、事前に仲よくなっちゃう」ということです。

 講演などでは、よく開始時刻より30分くらい前から、お客さんが入ります。僕は講師控え室があまり好きではなく(準備をしてくださっている場合は感謝です!)、会場をウロウロして、お客さんと名刺交換や雑談をします。

 そうすると、なんか「お仲間」ができたような気がして、自然体に振る舞うことができる気がします。また、お客さんの知りたいことや、興味関心、様子がわかるので、その後の講演中での話し方も工夫することができます。

2.いつもどおりの言葉と、いつもどおりの道具
 ふたつめは、舞台の上では「いつもは使わない言葉を使わない」「いつもは使わないPCや道具は使わない」ということです。

 僕は講演では、極力、いつも自分が使っている言葉遣い、いつも慣れ親しんでいる僕なりのものの言い方、そうしたものを、そのまんまお届けするようにします。また、使っているPCや道具も、他人のものを借りることはしません。

 いつもどおりの物事が近くにあり、それに満たされていると、僕の場合は、自然体に振る舞えるような気がします。
 それがもし講演のときだけ、妙な丁寧語や敬語を使い出すと、僕は破滅できる自信があります。

3.ペアトークを入れる

 僕の講演を聴いて下さった方はおわかりと思いますが、僕は、たとえ一方向の講演をご依頼いただいた場合でも、60分話し続けることはありません。おそらく15分に一度くらい、お客さんお隣同士で、少し講演内容について自分が思うことを話し合っていただく時間ーペアトークの時間ーを3分ほど設けます。

 学びを深めるためには、内化(物事を頭に叩き込むこと)と外化(自分の考えをだすこと)のバランスが必要です。講演では一般的に「内化」の機会になりますが、ときに「外化」を行っておかなければ理解が深まりません。ですので、ペアトークは講演内容の理解をますためにやっております。

 が、実際は、このペアトークをしてくださっている5分間が、僕にとっては「自分を立て直す作戦タイム」です。進行が時間通りにいっているか、捕捉しておくことはないか。会場をまわり、お客さんの様子を観察しながら、そのことを考えています。
 ペアトークの時間をもうけると、自分的にもリラックスできますので、自然体に振る舞うことができるようになります。

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 駆け足になりましたが、今日は、舞台であがらないコツについて3点ほど書かせて頂きました。上記の3点は、あくまで僕のやり方であり、どの程度一般性があるかはわかりません。

 おそらく、もっとも重要なことは、それぞれの方々が、自分のスピーチの後、講演のあとをリフレクションしながら、上記3点のような「自分なりのマイメソッド」を自分自身で創り上げることなのではないかと思います。
 
 皆さんが、どういうやり方で、ステージフライト(あがり症)を克服なさっているか、シェアできると面白いかもしれませんね。たぶん、いろんな「マイメソッド」があるんだろうなぁ。。。

 そして人生はつづく