「店長の力量」はここでわかる!?:環境に顕在化する個人の資質!?

「店長のマネジメント力がどの程度あるかは、その店に入ったときの"臭い"でわかるんですよ」

 これは、ある外食産業におつとめの方が、僕にもらした印象深い一言です。昨日は大学院・中原ゼミでした。ゼミでは、それぞれのゼミメンバーの研究報告にくわえ、様々なことが議論されます。その中のひとつの話題に、先だって、ある外食産業の方が、おっしゃっていた、こんな一言を紹介しました。

 外食産業におつとめの方がおっしゃっていた先の一言は、やや抽象的な物言いをいたしますと、

 店長の個人的資質であるマネジメントの能力・スキルというものは、潜在的でなかなか目に見えないけれど、それは店舗という「環境」に顕在化する

 と考えうるということです。

 ちょうど先だっての院ゼミでは、

 個人の資質として還元されがちなものを描き出すときに、個人の資質をそのまま描くのではなく、周囲や環境から描き出すこともできるね

 ということが話題になっておりましたので、小生、ちょうどいいやと思い、これにゆるく関連した話題をだしました。

 すると、興味深いことに、社会人大学院生である研究室のゼミ生から、それ以外の事例もでてきました。

 運送業の場合、「支店長のマネジメント力」みたいなものは、「支店のトラック」とか「荷台の並び方」にでるっていわれますね

 あの子できるな、っていう看護師は、ワゴンの上が綺麗でとりやすいようになっています。ワゴンを見れば、何となくわかります。でも、いくら綺麗にしなさいっていっても、できない子はいつまでたってもできません。

 ある小学校の教室にお邪魔したとき、異なる先生がうけもつ2つの教室に入ったんですよ。お客であるわたしに子ども達が拍手をくれるのですが、その拍手の順番が違うんです。
 ひとつの教室では、子ども達が、わーっと最初にわたしに拍手をして、先生はそれをみている。もうひとつの教室では、先生が拍手をして、子どもがそれにシラーッと従っている。
 先生と子どもの関係とか、先生の力量が、何となく感じられるんですよね。

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 ICレコーダをもっていたわけではないので、一字一句そのままということではないですが、こんな話題が皆さんからでました。まことに興味深いですね。

「潜在的なもの」が「環境に顕在化」していると実感しうる事例は、これ以外にも、職種・業態によって、それぞれ、いろいろありそうです。

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 今日は、「個人の資質・能力」と「環境」のお話をしました。人材開発のような仕事をしておりますと、ふだん、わたしたちはものごとを個人に還元し、その「資質・能力」の多寡について議論してしまいがちですが、少し目をズラすこともできそうです。
 
 敢えて個人から目を離し、「個人の資質・能力」が顕在化するであろう「環境」「周囲」に目を向けてみると面白いことが見えてくるかもしれませんね。

 あなたの会社の人々の業務能力は、
       何に顕在化していますか?

 そして人生はつづく