「キャビンアテンダント」と「漁師」は似ている!?:「うちの職場は特殊だから」の背後をさぐる!?

 朝っぱらから、皆様に「質問」です。
 このリスト、「何」だと思われますか?

 救命救急センターの医師
 新幹線の車両清掃員
 飛行機のCA
 東京糸井重里事務所
 能楽師さん
 ベーカリー&カフェ
 美容室のトップスタイリスト
 漁港の漁師さん
 テーマパークのスタッフ
 保育園の保育士さん
 江戸切り子の職人さん
 落語家さん
 水族館の飼育員さん
 日本料理店の板前さん
 家政婦さん
 農園で自律をめざす人々
 現代美術館のキュレーター
 歯医者さん
 お寺の住職
 タクシーの運転手さん
 アウトドア専門会社のスタッフの皆さん
 羽田空港の高級管制官
 テレビ局のアナウンサー
 宇宙ステーションのフライトディレクター
 テーラーメードスーツの職人さん
 大学病院の看護師さん

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 これは、僕が5年間連載させてもらっている人事専門誌「人材教育」の「学びは現場にあり」というコーナーで、僕が、過去に訪れた「仕事の現場」の一部です。
 ていうか、そんなもん、わかるわけねーよ(笑)。朝っぱらからごめんなさい。

 連載「学びは現場にあり」は、ふだんは、わたしたちが、あまり目にすることのない「他人の仕事の現場」を、小生がコロスケじゃなかった、ヨネスケ?風に「突撃隣の晩ご飯?」的に訪問させていただき、そこでどのような仕事がなされ、そこで必要なスキルや知識などが、どのように獲得されているのかを、明らかにする、という連載です。

 要するに、ワンセンテンスで申しますと

「他人の人材開発の現場を拝見させてください!」

 ということですね。他人の現場って興味深くないですか。僕は飽きないなぁ。毎回毎回、面白くって仕方がないです。楽しいぃぃぃぃ!(ふなっしー風にどうぞ!、笑)

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 この連載、一応、5年間も続いているところ?をみると(そろそろヤヴァイですか?)、読者の皆様に何が好評なのか、どうかわかりかねていますが?、ぜひ、ご要望がございましたら、編集部までドシドシと仰せ下さい。

 過去に取材をさせていただきました各仕事現場の皆様には、お忙しいところ貴重なお時間をいただき、この場を借りて心より御礼させていただきます。ありがとうございました。

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 この連載、もはや盟友?・井上佐保子さんと、歴代の編集者の方との「珍道中」によって、他人の現場を訪問させていただき、えっちらおっちら、あーだこーだいいながら、創られているのですが(笑)、先だって、現編集者の西川敦子さんから、過去28回分の連載記事をまとめておおくりいただきました。ありがとうございます。

 で、過去5年間の連載をざっと見てみるのですけれども、まぁまぁ、いろんなところに行かせて頂きました。改めて読んでみますと、面白いことがいくつかわかってきます。

 もっとも印象的な発見は、

「人材開発には、いくつかのパターンがある」

 ということです。まぁ、アタリマエのコンコンチキなのですが、いくつも、全く違う職場を横断して、その人材開発のあり方を比較検討してみると、

 「経験」によって人を育てようとする仕事現場
 「人」によって人を育てようとする仕事現場
 「演じるさせること」によって人を育てようとする仕事現場

 など、人材開発のあり方に、いくつかの「パターン」らしきものが見えてくるのです。

 表面的には、全く違う仕事、全く違う現場でも、

おや、某テーマパークの人材開発のやり方と、某日本料理の板前さんたちの人材開発は似ているぢゃないか!
(仕事や置かれている環境には違いがありますよ!誤解なきよう!)

 となったり、

ほほー、キャビンアテンダントの皆さん達と、漁港の漁師さんたちの人材開発は、似ているぢゃないか!
(仕事は全く違うのですよ。人材開発のやり方が似ているところがあるということです。誤解なきよう!)

 となったりするのです。当のご本人さんたちは、全く違うとお思いかもしれませんが、抽象化して、そのエッセンスを比較すると、かなり似通っているところが見えてきます。
 くどいようですが、全く違う職種であり、仕事です。しかし、そこで行われている「スキル形成のあり方」は、かなり似通っています。

 一方、まことに興味深いのは、そうした現場に伺いますと、当事者の皆さんの中には、

うちの仕事(組織)は「特殊」だから、参考になるかどうかはわかりませんよ

 とおっしゃる方が少なくないことです。
 一見「特殊」に見えるかもしれませんが、量を集めて、比較検討していくと、そこに一定の構造やパターンが見えてくる。非常に面白いことですね。

 僕は、「なんちゃって!」かもしれませんが、一応「研究者」なので(笑)、いわゆる一般的な仕事の現場で、実際に仕事をしたことはありません。そういう意味では、僕は「仕事」を知りません。
 しかし、僕は一方で、通常の方々よりも、圧倒的に多くの仕事現場を「見て」います。そういう自分の強みを活かして、そこにあらわれる一定の構造やパターンを、今後の仕事で、共同研究者(今回は井上さんと)言語化していきたいものです。それが僕の役割でしょう。

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「学びは現場にあり」は、ダイヤモンドさん×人材教育さんのコラボで「ダイヤモンドオンライン」で、近いうちに、その記事が無料公開されるそうです。こちらは、また公開されましたらお知らせさせていただきます。

ダイヤモンドオンライン 経営×人事
http://diamond.jp/list/sp-jinji

 また、この記事は、来年には、ダイヤモンドさんにて書籍化も予定されています。こちらは間杉俊彦さん、井上佐保子さんとのお仕事になりそうです。

 重ねて、どうぞお楽しみに!
 そして人生は続く