阿鼻叫喚、不眠不休、四面楚歌の研究室合宿!? : 先行研究レビューのブートキャンプトレーニング!?

 今年の中原研究室の大学院ゼミは、数年ぶりの「源流合宿」となりました。「源流合宿」とは、研究室メンバーが、ある特定の学問的概念をひとつ選んで、その概念に関する歴史的経緯、言説の布置、先行研究のレビューを行う合宿です。「概念」の「源流」をたどり、読み込み、まとめる合宿なので、誰が名づけたのか「源流合宿」と呼ばれ、恐れられています(笑)。

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 例えば、今仮に、参加者のひとりが「リーダーシップ」を選んだとします。その場合には、

 そもそも「リーダーシップ」という概念は何か? いつ、なぜ、どのように生まれたのか?

「リーダーシップ」の先行研究には、どのようなものがあるのか? 何がわかっていて、何が課題なのか?

 などなどについて、個人は、ひたすら論文・書籍を読み込み、それを数十ページのレビュー論文にまとめなければなりません。

 合宿では、みんなでレビュー論文を持ち寄り、検討しますので、研究室全体では数百ページの「レビュー論文集」ができることになります。本当に一冊の本になります。びっくりするくらいの厚さの(笑)。
 
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「源流合宿」は、想像に絶するほど、ウルトラハードな準備が求められます。だって、参加するにはレビュー論文を1本書くことになりますし、もっというと、博士論文の1章の1節を書く合宿になるからです。

 この1週間、研究室所属の大学院生の皆さんのFacebookをチラチラと垣間見ておりますと、阿鼻叫喚、不眠不休、四面楚歌の様子がよくわかります。

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 机は荒れ果て、人によっては家族の協力を得て、何とか原稿をまとめている様子が見て取れます(号泣)。まことにお疲れさまです。研究室に籠もっている方もいらっしゃったようです。

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 しかし、ちなみに、「この合宿をやろう!」と申し上げたのは、わたくしめではございません(最近、古典を読んでないね、くらいは申し上げたような気もしますが・・・)。大学院生のみなさまの方から「数年ぶりに源流をやりたい!」ということになりました。その心意気に小生は涙いたしました(笑)。

 しかし苦労した分だけ、必ず、力になるのが「源流合宿」です。もちろん、これだけで先行研究をレビューする力がつくわけではないですが、自分の力不足を知る上でも確実によい経験になります。
 ちなみに、大学・大学院のゼミ合宿というと、観光地にみんなで遊びに行き、社会的縁を温める「遊び合宿」が多いのかもしれませんが、これ以上の「インテリジェントな遊び」「社会的絆を強くする契機はございません(笑)。
 合宿準備では、ナチュラルハイになるのは必至です。心ゆくまで「知的に遊べます」できます。Have fun!
 また、また、このハードシップを皆で乗り切れば、乗り切った人々の間には、確実に社会的縁が生まれます。要するに「イニシエーション」です。

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 というわけで、今年の合宿も、楽しみです。

 ちなみに、源流合宿は、中原研研究室のメンバーにご縁のある方で(研究室メンバーの紹介でお願いしております)、かつ、数十ページのレビュー論文をお書きになれる方なら(この作業を共有いただける方のみ)、来年度以降ご参加いただけますよ。今年も何名か有志が挑戦なさっているようです。

 来年度、我こそはと思う方がいらっしゃったらぜひ!
 そして人生は続く