科学ショーを見た「後」に:仮説をもつこと、なぜを問うこと

 ちょっと前のことになりますが、都内で開催された、おそらく数千人規模の「科学ショー」に家族で出かけました。

 このショーに出かけた理由のひとつは、ひとつには「TAKUZOに科学を好きになってもらいたい」というのもあるのですが、実際には、親である僕たちの「思い」もありました。僕もカミさんは、学習系の仕事をしておりますので、

 
「大規模な人数相手に、科学の実験を、どこまでエンターテインメントにして、魅せることができるのだろうか?」

 というところも興味があるのです。
 
 出かけたのは、そういう「演出的」な側面を見てみたかった、というのもあります。
 なるほど、数千人を相手に、お客さんを巻き込みつつ、科学実験を「魅せていく」やり方は、とても勉強になりました。さすがだなぁ。感服しました。

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 科学ショーには、家族全員満足しました。TAKUZOは、それから、折に触れて、この話をすることもあり、それは喜ばしいことでした。

 一方で、僕自身は、「痛感」したこともありました。
 それは、こうした科学ショーで「科学を好きになる最初のきっかけ」を子どもが得た「後」の重要性です。

 このあたり、科学教育は全くの門外漢ですので、専門的な議論は何一つ知りませんが、僕が思ったことをひと言でいうと、

「実験をする前に、自ら考え、問いや仮説をもつこと、なぜを問うことの大切さ」

 を、子どもには同時に伝えなければならないな、と思いました。

 言うまでもなく、「科学」という営みにおいて、大切なことのひとつには「問いをもつこと・仮説をもつこと」があります。「実験」と「それによって起こる現象」はその「問いや仮説」を検証するための営みです。
 ショーの中では、お客さんとのあいだに「答えを予想する」などの活動は含まれていましたが、数千人を相手にしますので、やはり、深くは踏み込めません(後述しますが、それでいいのだと思います)。
 ですので、そこのところは、僕が、子どもを巻き込んで、自宅で、実験などをしながら、伝えて行かなくてはならないのだな、と感じました。

「科学という活動は、誰かがやってくれる"面白い現象"を見ること」

 であると、子どもが「思い込まない」ためにも、科学ショーを「みた後」が、実は大切なのかもな、と感じていました。「自ら仮説をもって、自ら実験すること、なぜを問うこと」に近づけていくということです。

「誤解」を避けるためにいいますが、僕は、「科学ショー」にネガティブな印象は1ミリももっていません。むしろ、科学を好きになる最初のきっかけとして、日本全国にもっと、もっとこうした場や機会が増えていけばいいと思っています。この国は、科学技術立国です。それにしては、子どもがハンズオンで、科学にふれあう環境は、まだまだ十分とは言えないのではないかなと思います。
 また、「科学ショー」を実践なさっている方々も、そのことはよくわかってやってらっしゃるのだと思います。その実践の、素晴らしいことだと思います。

 要するに言いたいことは、「役割分担」なのかもしれません。科学ショーを見せた「後」で、子どもに「問いかける」のは、「親である僕の役割」なんだろうな、と思ったということです。あたりまえのことですね、、、全くすみません。

 週末、なぜか、「わたしの子育て日記」になりました。
 すみません(笑)全く一般的な議論ではないので、ご放念ください。

 そして人生は続く。

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追伸.
 昨日は、、Academic Hack(研究会)を開催しました。当日場所変更などがあり、ご不便をおかけいたしましたが、皆様の御協力とインプロヴィゼーションでおかげで、何とか終えることができましたこと、心よりお詫びと御礼申し上げます。そして、ありがとうございました。
 ご登壇いただいた、山口さん、安達さん、松葉さん、心より感謝いたします。また、舘野さん、学生スタッフの方々もありがとうございました。
 そして、昨日、研究会に参加し、熱心に対話を頂いた皆様、本当にありがとうございました! 皆様に感謝をこめて、素晴らしい週末を!