「リフレクション」は難しい

 ワークショップや企業研修の最中に用いられる言葉に「リフレクション」がある。しかし、この言葉ほど用い方が難しいものはない。先日、ある民間人材育成会社の経営者の方とお話したとき、そんな話題がでた。

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「さぁ、ここで、今までやってきたことをリフレクションしてみてください。

 ワークショップや企業研修などでは、その進行に応じて、こう指示したい瞬間が生まれる。

 しかし、まず「リフレクション」というカタカナ用語は、多くの参加者にとって未知の用語である。だから、このまま用いることはできない。

 ならば日本語に訳すことを考える。しかし、それを「反省」と訳せば、「ネガティブ」な雰囲気がただよう。参加者が、「何か悪いこと」をしでかし、それを文字通り「反省する」といったような意味に聞こえてしまう。程度の差こそはあれ、「振り返り」という言葉にも、参加者は萎縮してしまいがちである。

 ならば、これはどうだ。「リフレクション」を「内省」とか「省察」と訳す人もいる。しかし、「内省」や「省察」は一般用語ではない。この言葉も、その意味するところを敢えて説明を要するという意味において、やや問題がある。

 これならばどうだ。「清水の舞台から飛び降りる覚悟」で「超訳」を試み、「リフレクション」を「成果の実感」と訳す方法もある。しかし、今度はあまりにポジティブすぎて、ややニュートラルさが失われる気もしないわけではない。やはり、リフレクション本来の意味にならない。

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 日本語で「何」といえば、「リフレクション」をさせうるのか。なかなか悩ましい。もしよいアイデアがあれば、ぜひ、教えてください。