映画「アマデウス」を見た!

 先日、ザッピングをしていたら、NHKBSで映画「アマデウス」をやっていた。懐かしくなって、つい最後までみてしまった。

 夭折の天才音楽家ウォルフガング=アマデウス=モーツァルトと、彼の才能に嫉妬する宮庭音楽家アントニオ=サリエリの間に生ずる様々なコンフリクトを通して、モーツァルトの人生を描こうとしている

 一般に、この作品では、「天賦の才能」に恋いこがれ、それが「自分の才能ではないこと」が許せず、ついには「神」を呪い、「天賦の才能の持ち主」に殺意をいだく「サリエリの狂気」に注目が集まる。
 僕がこの作品を見たのは、中学か高校の頃だと思うけれど、今の今まで「そういう作品」だと思っていた。

 でも、今回改めて見直してみると、それと同時に、「モーツァルトの孤独」を表現した作品でもあるのかな、という思いがしてきた。 
 晩年のモーツァルトの音楽は芸術的な志向性が高く、当時の人々にあまり理解されなくなってくる。
 人々はオペラに「不条理な笑い」「軽さ」を求める。しかし、そういう音楽にモーツァルトは抵抗する。
 音楽としては完成していても、決して受け入れられない。今回改めて「アマデウス」を見ると、そうした「モーツアルトの孤独」が目についた。

 長い作品であるけれど、全く飽きを感じさせない。
 特に、アントニオ=サリエリ演じるF・マーリー・エイブラハムの名演は、賞賛に値する。