「お勉強の正解」と「リアルワールドの正解」のビミョーな「ズレ」!? : ズレを読み解き、笑い飛ばせ!

 もうそろそろ調子が戻ってほしいのだけれども、いまだGWボケの中原です。このまま、週末に突入してしまいそうで怖いのですが、今日は、GW中に感じたひとつの出来事から。
 一応?、僕も親なので、小学校3年生になるTAKUZOのお勉強をみてあげるのですが、彼が今やっている算数の文章題の問題というのが、まことに読んでいて面白い。

 ワンセンテンスで述べると、

「文章題の正解」と「リアルワールドの正解」がビミョーに「ズレ」ていること

 が興味深いのです。

 たとえば、下記のような問題。

【問題】今、82ページの本を読んでいます。一日9ページずつ読んでいくと、何日で読み終わりますか?式と答えを書きなさい。

 せっかくなので、皆さんもぜひ考えてみてください。これ、昨日、TAKUZOがやった問題です。

  ・
  ・
  ・
  ・
  ・

 この問題はこたえを見ますと、こう書いてあります。

 式は 82÷9=9日  余り1

 で、このままだと「ひっかけ」に見事にひっかかり、ドツボにドンなわけですね。
 余り1ページに関しては、もう1日かけて読まなきゃならないから(すごい理屈ですね)、

 9日+1日=10日

 解答書を読むと、答えは10日と書かなきゃならない、とあります。
 これって、算数の問題としては「まー、わからなくもない」んだけど、よくよく考えてみると「わからなく」ないですか?

 だって、リアルワールドなら、読書の最後の日は、

「あっ、TAKUちゃん、最後の日だけ、10ページだわ。いつもより1ページ多いけど、これで終わりだから、まとめて読んじゃいなよ!」

 にならないですか?

 で、答えは9日(笑)。
 でも、9日って書いてたら、不正解だよね、算数的世界では。

 TAKUZOも、この問題は意味がわからない、と申しておりました。

「なんで、最後の日は1ページだけ読むの? 最後の日に10ページじゃだめなの?」

 親としてなんと答えたらいい??
 
  ▼

 もうひとつだけ。
 こないだTAKUZOが面白いことを言っていたのは、下記の問題。

【問題】今日、劇場には、昨日より81人多くお客さんが入りました。今日の入場者は4050人でした。昨日は何人でしたか?

 この問題、皆さんは、どう感じられますか?

  ・
  ・
  ・
  ・
  ・


 この問題を読んだTAKUZOは、こう一言、いっていました。

「あのさー、ふつーさ−、昨日のお客さんの数がわからない場合ってさ、どうしてそれより81人多いとか、わかるのかなぁ。。。」

 要するに、この問題は「さんすうの問題」としてはわかるけど、TAKUZOが疑問に思っているのは、リアルワールドでこの問題の状況が「ありえなくない」?と聞いているのですね。

 面白いね。
 うーん。
 確かに・・・今日の「お客さんの入り」と「昨日と今日の入りの差」を知っているけれど「昨日のお客さんの入り」については知らない劇場マネジャーって、なかなかシュールだよね。

  ▼

 今日は、文章題とリアルワールドの違いについて書きました。
 これに関する僕の立ち位置は比較的マイルドです。僕はこの問題には研究者としての立ち位置よりも、親としての立ち位置の方が先行してしまいます。
 口角泡をたてて「文章題のナンセンスさ」に怒り狂う気にはなれないし、「それをリアルワールドに近づけろ」と言う気にもなれない。程度の問題はあるだろうとは思うけれど、そもそも文章題の世界とリアルワールドの世界は「違う」から。

 むしろ、我が子には、文章題とリアルワールドが「違う」ということを批判的に読み解き、いったん「理解した」うえで、「文章題」をゲーミフィケーションして、笑い飛ばして欲しい。そのうえで、リアルワールドを「力強く」に生きて欲しい、と思います。この「文章題」と「リアルワールド」をメタにたって「批判的に読み解く力」には興味がありますね。

 そして人生は続く