【プレスリリース・拡散お願いします!】東京大学、「高校におけるアクティブラーニング型授業」を推進するための高大連携プロジェクトを開始

 以前、このブログでもお知らせしていましたとおり、東京大学・中原研究室では、日本教育研究イノベーションセンターさまのご支援を賜り(心より感謝いたします)、2015年4月より「高校ー大学ー就業をつなぐ新規プロジェクト」を開始します。

 テーマは「アクティブラーニング!」

 東京大学、「高校におけるアクティブラーニング型授業」を
 推進するための高大連携プロジェクトを開始

 日本全国の高校を対象にした基礎調査を実施!
 全国のアクティブラーニング先進授業事例を収集し
 ポータルサイトで無償公開!

 詳細は、下記のプレスリリースをご覧下さい。

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【プレスリリースPDF】東京大学、「高校におけるアクティブラーニング型授業」を推進するための高大連携プロジェクトを開始
http://www.nakahara-lab.net/temp/active_learning_koukousei.pdf

【東京大学・公式記者発表】東京大学、「高校におけるアクティブラーニング型授業」を推進するための高大連携プロジェクトを開始
http://www.u-tokyo.ac.jp/public/public01_270313_j.html

 春以降組織されるプロジェクトのアドバイザリーボードには、東京大学の三宅なほみ先生、京都大学の溝上慎一先生、立教大学の日向野幹也先生に就任いただけたらと思っております(正式依頼は4月のプロジェクト立ち上げ以降です)。心より感謝をいたします。

 このプロジェクトをはじめるにあたり、僕には3つの「信念」があります。皆様の前に、子のプレスリリースをようやく発表できるようになった今日は、まずは、その「信念」だけを述べさせて頂きます。

 まず第一に、このプロジェクトでは、アクティブラーニングを「これから新しく始める物事」と「見なさないこと」です。

 むしろ、これまで多くの高校には、「アクティブラーニング」とラベルづけはされていないものの」、「インタラクティブで、かつ、優れた問題解決をなす授業があったはず」であるという当然の前提に立ちます。僕たちのプロジェクトでは、事例調査、実態調査を通じて、そうしたものを「Rediscovery(再発見すること)」をめざしたいと考えています。
 
 二つめの信念は、「学校の取り組み」というよりも、「先生、個々人」に焦点をあてるということです。
 とかく、この種のプロジェクトでは,「学校全体の取り組み」が注目されますが、最終的に、子どもと常にふれあい、日々奮闘しているのは、個々の先生方です。結局、現場のフロントラインにたつ方が、勇気をもって何かをなすことを誘発しなければ、どんな物事さえも、絵に描いた餅です。
 このプロジェクトを為すにあたり、わたしたちは、機関調査によって全国の実態を明らかにすることと同時に、「志ある先生」方の現場での奮闘やストーリーをすくい上げ、紹介していく「コミュニティメディア」になることをめざします。

 3つめの信念は、プレスリリースにも書かせていただきましたが、僕は、この取り組みを「高校のプロジェクト」だとは捉えていません。むしろ「高校ー大学ー社会(就業)」をトータルにとらえたプロジェクト運営を行いますし、それらのトランジションを、より円滑にすることをめざします。

 僕自身10年以上にわたり、企業研究、人材マネジメント研究をなし、実証研究をなす一方で、企業研修の現場にも立ち、様々なビジネスパーソンと接していく中で、ここ数年ふつふつとこみ上げてきた思いがあります。

 それは、多くの企業研修で学ばれている内容で、特に、下記に類するような経験は、いくら「前倒し」してても「早すぎる」ということはないということです。

 特に、

 コンフリクトの中から、人々と合意する経験
 多種多様な社会的背景をもつ人々と協働する経験
 リーダーシップを発揮して、人を巻き込む経験
 論理的に物事をとらえ、アウトプットを行う経験

 などは、変化の早い時代にあっては、教科や教科外で教育機関でも学ばれるべきであると感じます。誤解を避けるために申し上げますが、単に、企業で必要になる能力開発を、教育機関に押しつけたいわけではないのです。そうではなく、上記のような経験は、学齢の早いうちから学び、さらに、企業に入ってからも、学び続けられることが重要だと思うのです。

 ワンワードでいうと、

 企業に入ってから、それらを「はじめて」学ぶというのは「遅すぎる」。

 できれば、もっともっと前から、大学、そして、高校段階から、こうした経験学習を積んでいくことが求められるのではないでしょうか。

 このプロジェクトをはじめるからといって、僕の研究が、企業研究・人材開発研究からシフトすることはありえません。むしろ、これまで培ってきた組織研究のスコープをさらに広げ、「高校ー大学ー企業」というトランジションにまつわる、人々の学びを描いていきたいと考えています。

 今は紹介することはできませんが、4月新たに加わる3人のスタッフとともに、この研究を成功させたいと思っています。どうぞお知恵、御協力を賜れれば幸いです。
 そして人生は続く!

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【プレスリリース】東京大学、「高校におけるアクティブラーニング型授業」を推進するための高大連携プロジェクトを開始
http://www.nakahara-lab.net/temp/active_learning_koukousei.pdf