アタタタタタタタタ、アターッ! おまえは、もう「形骸化」している!? : 「手法のオワコン化」に潜む6つのパターン!?

 人材開発・人材育成の世界には、様々な「手法」があります。部下育成の手法、会議運営の手法、ファシリテーションの手法、評価の手法・・・「手法」の数をあげつらっていけば、枚挙に暇がありません。

「手法」の中には、世の中に広く広まるものもありますし、そうでないものもあります。「一時期のブーム」をつくるものもありますし、中には「定着するもの」もあります。場合によっては、手法だけが「独り歩き」したりするケースもありますし、「内部崩壊」する場合、オワコン化する場合もあります。

 僕は、この領域を長く見続けておりますので、「手法」が衰退したり、普及に失敗したり、オワコン化したりすることには、一定のパターンがあるような気がしています。それは下記の6つのパターンに分類されるのではないでしょうか。きっと、これ以外にも多々あるのでしょうけど、目につくものは、この6つ。もし不足があると思われた方は、ぜひ足してみて下さい。

①ムーブメント形成の失敗
 ある特定の「手法」がブームになる手前の失敗です。
 ある特定の「手法」に興味をもち実践する人々の間に生じる「大同小異の差(認識の差)」が乗り越えられず、関係者内部のゆるやかなつながりや協力関係が生まれず(場合によっては仲間割れする)、ムーブメント自体をつくれないことから生じます。

②資格付与における失敗
 ある特定の「手法」に関し「資格」などを設けた場合に起こります。本来、資格を与えてはいけない人に、何の質保証を行うことなく、大量資格証明を行ってしまい(選抜と資格付与の仕組みが機能しない)、資格の価値がインフレーションをおこし、その領域自体の経済的価値が地盤沈下することによって起こります。

③人材育成における失敗
 ある特定の「手法」の普及のスピードに、「手法」を実践・指導する側の「人材育成」が追いつかず、結果として、「品質劣化をおこした手法」が普及してしまうこと、ひいては、手法自体にレピュテーションリスクが発生し(悪い評判がついちゃうってことですね)、地盤沈下していくことによって起こります。

④概念定義の失敗
 ある特定の「手法」の概念定義・手続きがゆるく定められ、かつ、普及スピードがはやい場合、おおよそ元々存在していた「手法」とは思想的背景が異なる「亜種」が複数生まれます。複数ある「亜種」のひとつに問題がある場合、もともとの「手法」そのものの価値が疑問視され、普及しないことがあります。

⑤外部環境への変化拒絶による失敗
 ある特定の「手法」自体の教条化・固定化が進み、それを金科玉条のように守ることが「自己目的化」する。しかし、外部環境は変化し、手法自体がそれへの「適応」をはたせないことによって、徐々に衰退していくことがあります。

⑥カリスマ化による失敗
 ある特定の「手法」の創設者・古参者が「カリスマ化」ないしは「サロン化」すると新参者の参入が減るか、ないしは多様性が失われます。新規参入と多様性劣化は、徐々に創設者・古参者の現実認識を曇らせていきます。次第に外部環境への環境適応ができなくなり、徐々に衰退していきます。

 こう考えてみますと、手法の「普及」や「伝承」には、様々な「リスク」が存在していることがわかります。そして、そのリスクは、誰かひとりが注意していれば防げる、といった類のというよりも、むしろ「普及」というものに関係する利害関係者(ステークホルダー)すべてに分散して存在しています。ということは、こうもいえるのでしょう。

 何もケアしなければ
 手法は「形骸化」し「オワコン化」する運命にある。

 まぁ、むしろ、それはそれで少し悲しいことですが、反面、それでいいのかな、という思いもあります。
 以前にも申し上げたことですが、手法それ自体は(手法が印刷物等に固定化された場合は別)、そもそも著作物ではありませんし、著作権法によって保護はされません。
 弁護士の福井健策先生によると、アイデア・着想・技法といったものが、原則として「著作物」として認定される可能性が少ないのは、わたしたちの社会・文化の功利のためでもあるといいます。つまり、手法・技法・アイデアといったものによって私たちの文化がよりよくなるために、「手法を思いついた個人に不利益を生じさせること」があったとしても、しかし、それでも「社会全体の功利」を優先したいという思いが、著作権法には存在するのだそうです。

 むしろ、手法は、固定化・教条化され、ある特定の個人の団体を利するというよりも、むしろ、様々な人々の目にふれ、それぞれの状況にあわせ、オープンソースのように改変・流通、ゆるやかに継承されていく方が、僕としてはしっくりくるような気がします。たかが手法なのです、もちろん、されど手法でもありますが。

たかが手法、されど手法:方法知を伝える
http://bylines.news.yahoo.co.jp/nakaharajun/20140414-00034468/

 そして人生は続く