OJTにおける、はじめての後輩指導経験は、指導した本人に一体何をもたらすのか?

 OJTなどで「部下を育成すること」「仕事を教えること」は、「育成する側」や「教える側」にどのような影響をもたらすのか?

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 これらリサーチクエスチョンをかかげた新たな縦断研究を、関根さん(中原研M2)と計画しています。

 ひと言でいえば
 「仕事を教えることの効果研究」。

 別の言葉でいうならば
 「はじめての後輩指導経験は、育成した本人に何をもたらすのか?」
 (長いよ)

 企業につとめる方々に「はじめて下ができ、彼 / 彼女に仕事を教えるという経験」をしたとき、どのような変化がもたらされるか、を共同研究として探究しようとしています。

 幸い、本研究に関しましては、いくつかの企業の方々に打診をさせていただき、よい方向に話が進みつつあります。心より感謝です。お忙しい中、ありがとうございます。

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 けだし、組織社会化研究においては、今から約30年くらいFeldman(1985)などにおいて、社会化の影響が、社会化を「行う側」の個人、集団、組織に対しても、影響を与えるという理論ベースの仮説が提案されていました。

 しかし、これまで「社会化される側」の変化に関する研究はたくさん産出されていますが、「社会化する側」の変化については、まだ、十分に、わかっているわけではありません。先行研究がゼロではありませんが、まだまだ不足している印象は否めません。今回の一連の研究は、この先行研究の不足を補う可能性があるのではないか、と考えています。

 このたび、関根さん、また志にご賛同頂いた企業の方々との一連の共同研究では、「社会化のサプライサイド」、別の言葉でいうならば、「育成する側」に焦点をあてて、その変化を、縦断的に追っていこうと考えています。さて、結果はどうでますことやら。

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 話はかわりますが、ここ数年ホソボソと、僕は、マネジャー研究を行ってきましたが、そこで痛感していることがひとつあります。

 それは、

 マネジャーの育成は
   マネジャーになってから、行うのでは遅い
 
 リーダーシップの開発は
   リーダーになってから、行うのでは遅い

 ということです。

 むしろ、

 マネジャーの育成は
   組織参入後には、すでに始まっている
 
 リーダーシップの開発は
   新人の頃から、すでに始まっている

 ということを「痛感」します。

 実はレンジをもっと広く取れば、それより以前、すなわち組織参入前の、中等教育・大学時代の経験、過ごし方というのも、実は関係はあるのですが(このあたりの話は、京大 - 東大共同研究で論じていきたいと思っています)、この話は、また別のところでいたしましょう。

 今回探究する「はじめて後輩ができ、彼 / 彼女に仕事を教えるという経験」も、おそらく、このマネジャー育成、リーダーシップ開発のひとつの契機になることが予想されます。
 今回の共同研究において、このあたりの「関係」がどのようになっているのかについてまで、探究していくことができたとしたら、非常に嬉しいことです。

 今週は学位授与式。
 大学のキャンパスには、アカデミックガウンをまとった学位取得者たちが闊歩するでしょう。

 始まりあれば、終わりがあり
 終わりがあれば、始まるものがある
 
 そして人生は続く・・・