あなたの組織では、何が「禁止」されていますか? : 自分の組織の「特殊性」「文化」を考える

 先日、都内某所(!?)で、高尾隆さん(東京学芸大学)にご出講いただき、ワークショップを開催しました。参加者の方々の御協力もあり、ワークショップは成功し、参加者の方々のあいだにも、僕自身にも、非常に興味深い、数々の問いが生まれました。
 参加者の方々も、高尾さんも、本当にお疲れ様&ありがとうございました。

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 ワークショップで印象的だったのは、

「自分の会社で禁止されていることを、できるかぎり、ホワイトボードに書き出してみよう」

 というワークでした。
 これは、高尾さんが、かつて「大学生」を対象に行ったことがあるワークの変形版だそうです。

 学校の場合には「禁止されていること」として、1)頭髪や服装に関すること、2)異性交遊に関することや、他人とのおしゃべりに関すること3)遅刻などの時間に関することが、多くあがったそうです。

 高尾さんは、学校は、様々な「タブー」を自己規定することで、主に、1)身体の管理、2)関係の管理、3)時間の管理を実施していると、まとめていらっしゃいました。

 思うに、「教えられる主体」をコントロールするため、すなわち、効率で合目的な均一の学習機会の提供(一斉講義)を成立させるべく、これらの諸管理が発達したのではないか、と思います。もちろん、詳細な分析と結論は、歴史社会学的なアプローチを待つことになることは、言うまでもありません。

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 さて、ひるがえって、会社の場合はどうか?
 会社では、いったい、何が「禁止」されているでしょうか? ここでの「禁止」は、明文化されているものから、暗黙の前提になっているものまで、多種多様なタブーを扱うものとします。
 
 参加者の多くは一般企業につとめる方々でしたが、

 ・飲酒しながらの執務禁止
 ・遅刻禁止
 ・上司にもの申すことの禁止

 などの他、たくさんの項目があげられ、2枚のホワイトボードが裏面 / 裏面ともに一杯になりました。

 中には

 ・食堂での湯飲みを2つとることは禁止
 ・連休にあわせて有給をとることの禁止
 ・社内交際禁止
 ・ブーツ禁止
 ・部長にため口
 ・髪の毛の色は7番まで

 なものもありました。

 なぜ、湯飲み?
 なぜ、連休と有給?

 参加者の方々からは

「へー、そんなの禁止されているんだ」
「なんで、これが禁止なんですか?」
「これは明文化されているんですか? 暗黙の雰囲気ですか?」

 と口々にいろいろな意見が寄せられ、大変、盛り上がりました。印象としては、学校よりも会社の方が禁止されている項目は「多種多様」。そして、組織によって全く異なるな、と思いました。

 けだし、会社でもっとも優先されていることのひとつは「生産性・利益の追求」という観点です。
 その観点から、これら諸管理を通じて1)組織のブランド・イメージの管理、2)身体の管理、3)関係・秩序・風土の管理、4)安全の管理などがなされている印象でした。

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 このワークをふりかえって思うに、「自分の組織で禁止されていること」をあげてみることは、逆にいうと、

「自分の組織では、何が大切だとされているのか」
「自分の組織では、何に価値をおいているのか」
「自分の組織では、社員に何を求めているのか」

 が「逆投射」されるのではないか、と思います。
 中には「禁止されていること」の理由をいくら考えても、理由が思いつかない「トンでもな、禁止項目」もありましたけれども(笑)

 もし異なる組織の人々で集まったら、ぜひ、このワークをやってみると、盛り上がると思います。きっと、「意外なもの」「えっ、なんで?と思わず唸ってしまうもの」まで禁止されているから(笑)。

 それは自分の組織の「特殊性」や「これまでの歴史」、そして「現在おかれている状況」すらも、逆投射することになるのかもしれません。
 このことを考え、他の組織と比較するだけでも、自分の組織の「文化」が朧気ながら見えてきそうな感じがいたします。

 あなたの組織では、何が「禁止」されていますか?
 そして、
 それは、なぜ「禁止」されているのですか?

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■2012/07/03 Twitter

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