青山学院大学大学院・集中講義「組織行動論」のシラバスができた!

9月、青山学院大学大学院で開講する集中講義のシラバスできました。詳細はよくわからないのですが、科目等履修生制度もあるようです。今年は「海外勤務における組織適応・学習」をフィーチャーしたいと思っています。受講なさる予定の皆さん、お会いできますこと、愉しみにしています。

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青山学院大学大学院・組織行動論2012
中原 淳
シラバス最終
大学院修士1年生・2年生向け・科目等履修生制度あり
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中原 淳
東京大学 大学総合教育研究センター 准教授

■講義の目的・概要
 人は、人生の一定期間、学校という場所「だけ」で学ぶわけでは
ありません。学校を「卒業」した後でも、会社や組織の中で、新た
な知識を獲得したり、他者と知識を共有したりしながら、仕事に日
々取り組んでいます。人は年をとっただけでは、学びをやめません。
人は、生けとし生きる限り、学び続ける存在なのです。

 本授業では、経営学習論(Management learning)という分野
の基礎的文献の購読、ディスカッションを行います。
 近い将来、組織における学習、人材育成システムを実際に「分析」
したり、あるいは「構築」したりする場合に必要になる基礎的概念
を理解することをめざします。

 講義は受講者によるプレゼンテーションを中心に進行します。
 経営学習論の主要概念をレビューするほか、今年度は特に「海外
赴任・海外勤務における組織適応や革新行動」に焦点をあてます。
生産拠点やマーケットがグローバル化する中、海外赴任・海外勤務
において日本人マネジャーがいかに行動するべきかを考えます。
 これらの基礎的文献を購読し、今、企業経営者・人事担当者が何をなす
べきかを、議論します。


■評価
 下記の3点から成績をつけます。
1.出席(20%)
2.プレゼンテーション(教員評価40%)
3.資料のクオリティ(教員評価40%)

 なお評価のポイントは下記の5点。
  1.スライド・配付資料のわかりやすさ( / 5)
  2.プレゼンテーション手法(声・身振り)( / 5)
  3.質疑応答の適切さ( / 5)
  4.理論の解説がわかりやすいか( / 5)
  5.考察がなされているか( / 5)
 
 
■連絡先
 中原 淳(なかはらじゅん)
 東京大学 大学総合教育研究センター 准教授
 Blog : http://www.nakahara-lab.net/
 
 
■場所
 青山学院大学 青山キャンパス
 

■参考書
 中原淳(2010)職場学習論. 東京大学出版会
 中原淳(2012 8月近刊)経営学習論. 東京大学出版会


■日時
 9月2日(土) 9時ー17時  
 9月8日(日) 9時ー17時30分
 9月9日 10時ー18時


■プレゼンテーションのやり方
・文献購読は1セッションあたり「受講生2名」(2名が難しい場合は3名)で担当・要約・発表してください。担当した文献の発表には責任をもってあたってください。万が一、2名ともに当日事情が生じた場合には、受講生同士で調整をお願いをいたします。くれぐれも欠席や遅刻のないようにお願いします。

・過去の平均的な準備時間を見ると、おおよそ2名で「1ヶ月程度」必要のようです。前もって授業資料、プレゼンテーション資料の準備をお願いします。資料作成にあたっては、各文献の購読をそれぞれが行い、しっかりとその内容をグループで「議論」することが必要です。担当部分の「寄せ集め」を発表するのではなく、グループでの議論を踏まえ、しっかりとした資料を作成下さい。本授業の「評価」はプレゼンテーションと資料のウェイトが大きいです。十分な時間をとってください。

・文献の割り振りと、発表日時は青山学院大学の事務局(コース内)にて決定し、結果をお知らせいたします。なお、ご希望に添えない場合もあります。その際はどうぞお許しください。文献の割り振り、発表日時等については、中原の方では行いませんので、ご了承ください。

・課題文献、図書を個人で役割分担をしながら購読し、ひとつのストーリーにまとめ、プレゼンテーション20枚以下にまとめてください。複数の課題文献が1セッションに割り当てられている場合は、文献内容をそれぞれ要約し、その総合的な意味を考察してください。
ひとりにつき発表時間は35分程度です。

・プレゼンテーションには下記の情報を最低限含むようにしてください。「初学者」の方が聞いても、わかるように説明することがポイントです。

  1.著者の背景情報
  2.文献の概要
  3.先行研究など、研究の背景情報
  4.文献の要旨 
  5.文献の要旨 
  6.文献の要旨 
  7.理論的示唆、実践的含意
  (8.文献が複数の場合は、総合的意味など)
  9.興味をもったところ、ディスカッションのポイント 
 
・配付資料は「パワーポイントの配付資料」を各自印刷して、用意してきてください。何部印刷するかは、事務局に受講者数をおたずねください。

・配付資料のデジタルデータ、当日行ったプレゼンのデジタルデータは全員で共有するので、当日USBメモリなどに入れてもってきてください。

・当日のPC・プロジェクタは各自用意してきてください。


■授業内容
#1オーバービュー「経営学習論の視座」
 ・中原がプレゼンテーションしますので、こちらを担当することはできません
 ・中原淳(2010)職場学習論. 東京大学出版会
 ・中原淳(2012)経営学習論. 東京大学出版会

●「組織社会化論」(担当:   ・    )
・Ashforth, B. E., Sluss, D. M. and Harrison, S. H.(2007) Socialization in organizational context. Hodkinson, G. P. and Ford, J. K.(eds.)International review of industrial and organizational psychology. Vol.22 pp1-70

●「組織社会化論」(担当:   ・    )
・Louis, M. R.(1980) Surprise and sense making : what newcomers experience in entering unfamiliar organizational settings. Administrative science quarterly. Vol.25 No.2 pp227-251
・Gundry L. and Rousseau, D.(1994) Critical Incidents in communicating calture to newcomers. The meaning is the message. Human relations. Vol.47 No.9 pp1063-1088

●ダイアログ

●「経験と学習」(担当:   ・    )
・Kolb, A. Y. & Kolb, D. A. (2009). Experiential Learning Theory A Dynamic, Holistic Approach to Management Learning, Education and Development. In Armstrong, S. J. & Fukami, C. V. (Ed.), The SAGE Handbook of Management Learning, Education and Development (pp. 42-68). London: Sage Publications Ltd.

●「経験と学習」(担当:   ・    )
McCall, M.(1988)Developing executives through work experience. Human resource planning. Vol.11 No.1 pp39-49
McCall. M. et al(2011)リーダーシップ開発ハンドブック―The Center for Creative Leadership:CCL. 白桃書房(各自入手ください)
※後者の日本語の本は前者の延長上に書かれています。適宜捕捉して、リーダーシップの経験アプローチについてまとめてください。

●「海外勤務研究のフレームワーク」(担当:   ・    )
Black, J. S. and Mendenhall, M. and Oddou, G.(1991) Toward a comprehensive model of international adjustment : An integration of multiple theoretical perspectives. Academy of management review Vol.16 No.2 pp291-317

●ダイアログ

●「海外勤務研究1」(担当:   ・    )
・Black, J. S. and Mendenhall, M. and Oddou, G.(1990) Cross-cultural training effectiveness a review and a theoretical framework of rthe future research. Academy of management review. Vol.15 No.1 pp113-136

・Takeuchi, R., Shay, J. P. and Li, P.(2008) When does dicision autonomy increase expatriate managers adjustment. Academy of management Journal Vol.51 No.1 pp45-60

●「海外勤務研究2」(担当:   ・     )
Spreitzer, G. M. et al (1997) Early identification of international executive potential. Journal of applied psychology. Vol.82 No.1 p6-29

Caliguri, P, M. (2000) Selecting expatriates for personality characteristics : a moderating effect of personality between host national contact and cross-cultural adjustment. Management International Review. Vol.40 No.1 pp61-80

●「海外勤務研究3」(担当:   ・     )
・Stahl, G. K. and Caliguri, P.(2005) The effectiveness of expatriate coping strategies : the moderating role of cultural distance, position level and time on the international assignment. Journal of applied psychology. Vol.90 No.4 pp603-615

●「海外勤務研究4」(担当:   ・     )
・Schneider, S. C. and Asakawa, K.(1995) American and Japanese expatriate adjustment : a psychoanalytic perspective. Human Relations Vol.48 No.1 pp1109-1127
・Nicholson, N. and Imaizumi, A. (1993) The adjustment of Japanese expatriates managers in Britain. British Journal of Management. Vol.4 pp119-134

●ダイアログ

●「海外勤務研究5」(担当:   ・     )
・Yamazaki, T. and Kayes, C(2007) Expatriate learning : exploring how Japanese managers in the United states. International Journal of Human Resource Management. Vol.18 No.8 pp1373-1395

●「海外勤務研究6」(担当:   ・     )
・Yamazaki, Y. and Kayes, D. C.(2007) An experiential approach to cross cultural learning : A review and integration of success factors in expatriate adaptation. Academy of management learning education. Vol.3 No.4 pp354-79

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