プロを見抜くコツ

 空間プロデューサーの平野暁臣氏の著作「プロデューサー入門」に、「プロフェッショナルの見分け方」というお話がなされています。今、研究室にいないので、手元に本がなく、正確に内容を再現できるわけではないのですが、たしか、こんな内容でした。

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「どんなクライアントにでもできる、プロフェッショナルを見抜く簡単なコツがある。

それは、プロが考えたすえに持ってきた提案に対して、本当に脳裏に浮かんだ"思いつき"をパーンとプロに投げかけてみることだ。たとえば、「ここ、ちょっと、こう変えてくんないかなぁ・・・」という具合に。

その後のミーティングで、そのプロが、あなたの"思いつき"をそのまま受け入れたら、そのプロはまず信用できない。なぜなら、素人の"思いつき"に本当のプロが負けるわけがないのに、クライアントのいうことなら、そのまま受け入れてしまう人物だから。そういうプロは信用ができない。
もちろん、本当に素人の"思いつき"に負けてしまっているのなら、やっぱりプロ失格。専門知識と技量がないプロは存在しない。

本当のプロフェッショナルは、変えるべき部分と変えてはいけない部分をしっかりと識別し、場合によってはクライアントを説得・説明し、さらにバージョンアップした提案をもってくるはず・・・・」

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 平野氏がおっしゃっていたのは、だいたいこんな感じであったように思います。非常に印象的な一説でした。
 これまで、僕も様々な研究プロジェクト、開発プロジェクトを率いてきましたが、そこで、様々なプロフェッショナルの人々とつきあってきました。多いときには30名ほどの大規模研究プロジェクトをマネジメントしていたこともあります(教育工学のプロジェクトは、カリキュラムの開発プロジェクトになると非常に大規模なのです)。その経験から、平野氏の言葉には共感しました。

  あなたがつきあっている「プロ」が、信頼にたる人物なのか、「本当のプロ」なのか、そうでないのか。本当のプロは、変えるべき部分と、変えてはいけない部分を「見抜き」、「変えてはいけない部分」を守る、ということですね。

 思わず、「ニーバーの祈り」を思い出してしまいました。

  変えられるものを変える勇気と
  変えられないものを受け容れる心の静けさと
  両者を見分ける叡智