「変わり続ける研究室」:大学院ゼミの英語文献購読のやり方を変える!?

 昨日は大学院ゼミ。
 ゼミでは、医学教育におけるPBL(Project-Based Learning)に関する論文を舘野君が、アンダースエリクソンの熟達概念に関する論文を木村君が報告した。研究発表は、島田さんが「元留学生新入社員の組織社会化」に関して報告した。

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 今年度の大学院ゼミも、もう終わりに近づいている。ゼミの回数は、残すところ、あと数回。この頃になると、教員としては(小生はなんちゃって教員だけど)、少しずつ、来年度のゼミ運営のことを考えなければならない。

 来年度に関しては、ゼミの英語文献購読のあり方を、大学院生の意見を聞いた上で、少し変えようと思っている。
 具体的には、課題を「自分の研究にとって"最も影響を与えた英語の実証雑誌論文"を紹介する」という内容にしようかな、と思っている。

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「自分の研究にとって"最も影響を与えた英語の実証雑誌論文"を紹介する」という課題は、簡単なようでいて、実はなかなか難しい。
 なぜなら、この課題をこなすためには、下記のような下位課題をクリアする必要があるからだ。

 ●しっかりとした論文誌を見極め、
  その中から、しっかりとした論文を選ぶことができるか?
 ●論文を要約することができるか?
 ●なぜ、その論文を選んだのか?
  なぜその論文すごいのか?を主張できるか?
 ●どのような影響を自分の研究に与えたのか?
  をきちんと言語化できるか?
 ●その研究がゼミの他のメンバーに与える
  サジェスチョンも、きちんと言語化できるかどうか?

 これらすべてを満たすためには、実はその論文だけを読んでいたのでは不足である。その文献に関連する内容、あるいは自分の研究に関係する先行研究の全体像を大枠でつかんでおく必要がある。

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 実は、この課題、僕がオリジナルで考えたものではない。先日、神戸大学の金井壽宏先生とお話ししていた際、僕が大学院教育の「悩み」を述べたら(あのね、結構、悩むのですよ)、アドバイスをくださったものだ。非常にありがたいことである。

 僕が研究指導を行っている東京大学大学院・学際情報学府という大学院は、非常に多様な年齢構成、多様なアカデミックバックグラウンドをもった、多様な人々が集う大学院だ。それらの学生に完全にフィットする英語文献の購読というのは、非常に難しい。
 今までは、僕がイニシャチブをとって英語文献を決定していたが、それを変革し、大学院生にイニシアチブを渡そうと思う。

 うまくいくかどうかはわからない。
 でも、やってみなけりゃ、わからない。

 中原研究室は「自ら変わり続ける研究室」である。