映画「トップガン」に見る「育成の仕組み」

●経験の森をくぐりぬけ、対話を通して、内省する
●持論と棄論を繰り返して、越境する

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 「トップガン」の「育成の仕組み」、ご存じですか?

 昨日の大学院ゼミでは、軍隊における訓練と熟達化に関する論文を山田君が紹介してくれて、みんなで読んだ。
 誤解を避けるためにいっておくが、中原ゼミは、「軍事」を研究しているわけではない(笑)。軍隊の論文が、熟達化の論文集の中に含まれていたのである。

 その中に、トムクルーズ主演の映画「トップガン」にでてくる「海軍戦闘機兵器学校:これがトップガンと呼ばれている」の育成の仕組みがあった。

 米海軍は、1968年にトップガンを設置した。ある時期のソ連ミグ戦闘機の撃墜数25機のうち、約半数は、トップガンの卒業生であった、という。

 トップガンの育成の仕組みは、下記の3点だという。

1.フライト記録機器
 すべての行動は記録され、後に、パイロットは、これを参照することができる。いわゆる【フィードバック】の仕組み。

2.実際より強い敵
 米海軍の中で最も優秀なパイロットが「敵軍」に扮し、リアルなシュミレーション訓練を行った。いわゆる【ストレッチ】の仕組み。

3.行動後の反省的評価
 訓練パイロットが「敵軍」に撃墜されたあとは、深い自己内省が促された。発生した出来事は何だったのか、自分見たものは何だったのか、あのとき、どんな音をきいたのか、そして、そのとき、ど自分は、どのような行動をとったのかを自己反省した。いわゆる【リフレクション】の仕組み。

 論文によれば、「軍隊の主要な任務は、戦争中ではなく、訓練によって戦争に備えること」なのだという。
 僕は軍隊訓練については、全く門外漢だけど、その仕組みの中にも【フィードバック】【ストレッチ】【リフレクション】というものが組み込まれているのだな、と思った。

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 映画「トップガン」が封切りされたのは、1986年。僕は、当時小学校6年生くらいだった。
 アタリマエのことであるが、当時の僕の目には、この映画は「戦闘機」と「いまだ知らぬ大人の恋」の映画に見えた。
 前者のシーンでは、ケニー・ロギンスの「デンジャーゾーン」、後者のシーンではベルリンの「愛は吐息のように」が印象的に用いられていたように思う。

 いやー懐かしい!

 それから、23年後・・・まさか、この映画に「人を育てる仕組み」を見るとは思わなかった。

 嗚呼、人生、何が起こるかわからない。

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