いまだないものを夢見る

 ジョージ・バーナード・ショーといえば、19世紀 - 20世紀に最も活躍した英国の劇作家にして、ノーベル文学賞受賞者。彼は数多くの名言を残した人物としてよく知られている。

 僕が最も好きなのは下記だ。

君たちは既にあるものを見て「なぜあるのか」と問う。でも私は、いまだないものを夢見て「なぜないのか」と問うのだ。

(Bernard Shaw)

 僕の考える経営学習研究には「いまだないものを夢見る力」が必要である。

 夢を笑うな。
 夢はなかなか実現しない。
 しかし、夢しか「実現」するものはない。

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 ちなみに、バーナード・ショーは、皮肉とウィットにあふれた毒舌家としてもよく知られていた。

 最も有名な毒舌は、美貌あふれるダンサーのイザドラ・ダンカンと聡明な頭脳の持ち主ショーとの、次のやりとり。

「私とあなたが結ばれれば、あなたの頭脳と私の美貌を併せ持った素晴らしい子供が出来ます」

 ダンカンがこう述べると、ショーは少し考えてこう答えた。

「そうなれば最高だ。だけど考えてみたまえ。逆も場合もあり得ることを。もしも、私の美貌と君の頭脳を併せ持った子どもが生まれてきたら、その子どもは、何と悲惨な人生をおくることになるかを」

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 こんなやりとりもある。犬猿の仲と言われたサー・ウィンストン・チャーチルとショーとのやりとり。

 ショーは、開幕寸前の自分の芝居のチケットを、チャーチルに2枚おくりつけて、手紙にはこう書いた。

「友だちと一緒にぜひおこしください。あなたに、友だちがいらっしゃれば、のお話ですが」

 負けじとチャーチルもかえす。

「当方多忙につき、今は、拝見できません。再演された際には、必ず参ります。再演されれば、の話ですけども」

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 英国人のウィットと皮肉には、舌をまく。

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追伸.
 昨日までの対談は無事終了しました。金井壽宏先生、光文社の黒田さん、秋山さん、ありがとうございました。大変楽しい、知的興奮にとむ時間を過ごさせていただきました。
 講演では、日本経営協会の浅川さんに大変御世話になりました。こちらも重ねて御礼申し上げます。
 明日から学会のため、上越に向かいます。

 そして人生は続く。