ドラマ「CHANGE」と小児科医療

 月曜日9時のドラマ「CHANGE」を密かに楽しみにみています。

 毎夜、星を見ながら静かに暮らしていた小学校教師が、ひょんなことから父親の地盤をついで政界デビューすることに。

 さらには、前総理の不祥事の影響で低下した支持率をあげるために、悪役官房長官に担ぎだされて、わずか1ヶ月で総理大臣になってしまう、という話です。

 議員経験わずか1ヶ月の総理がつとめる政権は、当初は、官房長官がすべてを握っている「完全なる傀儡政権」。総理は、いわゆる「操り人形」。しかし、次第に「人形」は「意志」を持ち始めます。

 バラマキ型の補正予算成立をめぐって官房長官と対立。小児科医療の充実のために300億を捻出しようとするのですが・・・。

 総理大臣に木村拓哉さん、官房長官役に寺尾聰さん、総理大臣主席秘書官に深津絵理さんですね。寺尾聰さんの悪役っぷりが、なかなかいい味をだしています。

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 ところで、僕がこのドラマに心惹かれる理由に、「小児科医療の充実」というテーマが掲げられていることがあります。

 愚息TAKUZOはわずか3週間の入院でしたが、そこで見た「小児科医療の現場」は過酷という言葉では表現し尽くせない、すさまじい世界でした。

 愚息TAKUZOが入院したのは、小児科入院病棟の他に、小児科救急機能もかねそろえた大規模な病院でした。その病院のお医者さんたちは、病棟と救急を兼務して、本当に朝早くから深夜に至るまで、仕事をしていらっしゃいました。本当に「いつ寝てるんですか?」というような感じです。「先生、大丈夫ですか?」と声をかけたことも、何度かあります。

 今日が救急なら、明日は入院病棟勤務。でも、救急でも、入院病棟では、何が起こるかわかりません。
 たとえば入院患者に突発的な症状がでると、朝でも夜でも、容赦なく携帯で呼び出され、患者さんの病状が落ち着くまで帰ることができません。しかも、その次の日は、朝早くから深夜まで救急が待っているのです。

 こうした過酷な労働環境がどの程度、他の病院にもあてはまることなのかはわかりません。しかし、その現場は本当に「戦争」でした。お医者さんたちは「闘って」いました。

 ドラマ「CHANGE」は、小児科医療は「金が動かない=票にむすびつかない」ので、予算がなかなか回されないものとして描かれています。それが本当のことなのかどうかは僕にはわかりません。

 でも、あの過酷な、すさまじい世界で働くお医者さん、看護士の皆さんが、もう少し人間らしいスケジュールで働くことができればいいのにな、と思わずにはいられません。

 ちなみに、TAKUZOの担当だった先生は、小児科医が全く足りていない四国の大学病院に異動なさいました。