多声的混沌

 神戸大学大学院 金井研究室のご出身で、「マネジャーのキャリアと学習」を著した谷口智彦さんが、先日来研した。

 せっかくの機会であったので、荒木先生、長岡先生をお呼びし、4人でディスカッションをした。
 ディスカッションのトピックは、「ナラティブ」「キャリア」「エスノメソドロジー」「批判教育学」「批判経営学」など。

 ポストモダンの思潮の中、「組織における人の成長や学習に対する研究アプローチは、いかにあるべきなのか」・・・非常によいインスピレーションをいただくことができた。詳細は、現在、執筆している本の中で論じるものとする。

 谷口さんは経営学、僕は教育学。
 微妙にバックグラウンドは違うけれど、多くの部分で共通点があるような気がした。大げさにいえば、「底流に流れる思想」というのかな・・・もちろん、そう感じていたのは、僕だけかもしれないけれど。

 最近、ビジネスの実務家の方々ばかりでなく、組織の学びを研究対象にしている心理学や経営学の先生方とお話しする機会も多くなってきた。以前は、わずか数年前は、全く「別の世界」であったものが、急速につながりつつあるのではないか。そう感じている。

「人間の学び」は誰の「縄張り」でもない。心理学、経営学、教育学、社会学。様々な分野のアプローチがあっていい。
 自分たちにしかわからない価値を、自分たちにしかわからない言語で、自分たちの身内だけで消費する学問に未来はない。

 真実はいつも「多声的混沌」の中にある。

 そして、より重要なこと。 
 「多声的混沌」とは「ある」ものではない。
 あなたが、自分の動きを通して「つくりだすもの」である。
 
 
 
 
 
 
 ・・・なんてね。