2999234

ヒューレットパッカードのコミュニティ・オブ・プラクティス

 The learning organizationという学術雑誌に掲載されていた、コミュニティ・オブ・プラクティスの事例論文を読みました(荒木さんに頂いた)。

 ヒューレットパッカード・コンサルティング・インテグレーションという日本の会社において、「Learning Community」っていう名前のコミュニティ・オブ・プラクティス(実践共同体)をつくりましたよ、という事例論文なんですけど。

 HPさんでは、「知識共有」に関する試みは、従来からいろいろやられていたそうですね。

 年に一度、その年のサクセスストーリーを共有する「ベストプラクティスフォーラム」を開いたりしていた。
 あと、ベテランコンサルタントが、経験のないコンサルタントを救うためにつくったサクセスメソッド集「サービスデリバリーキット」ってのがあるらしい。

 で、それに加えて、先ほど書いた「Learning community」があるわけですね。

 このLearning communityは、同じビジネスユニット内で働く社員がつくる場合もあったし、部門は違うけれど同じ職種(profession)ごとに集まった場合もあった。Webやメーリングリストの仕組みもあって、virtualとrealをむすびつけたような場でったようです。

 ・・・てなことを、事例として紹介する論文だったのですが、特に興味をもったのは、このLearning communityが、KM部門(Knowledge Management部門)のハンドリングというか、支援によって実施されていた、というところなんですよね。どこか自然発生的におこるのが、CoPsの特徴かな、とも思うんですが、この会社ではそれをprofessionに見る人がいて、管理していた。

 うーん、どうなんだろう、やっぱり、社内のナレッジ環流を専門的に見る人って必要なんだろうか、と考え込んでしまいました。でも、なかなかそれぞれの事業部をまたいで活動するのって難しそうですよね。話している内容だって、それぞれコミュニティにspecificな話題になるだろうし。

 そういう部門にいる人は、どういうスキルをスペシャリティとして持てばいいんだろうね、と思うんですよね。やはり、ジェネラルなファシリテーションスキルとかなんだろうか。

 ちょっと昔の本になりますが、名著に「リクルートのナレッジマネジメント」というのがあります。いわゆる「ナレパラ」の事例ですけれども。ここにも、そういう専門の人がいましたね。

 やっぱりそういう風な外部からのお膳立てがあって、CoPってできるものなんだろうかね?・・・もちろん、ほおっておいても、自然発生的にCoPが生まれちゃう会社、あるいは、そもそもCoP的な活動が、ディリーオペレーションの中に埋め込まれている会社はあるんだろうけど、やっぱり、いろいろタネはまかないとアカンのかなぁ。

 ちょっと疑問です・・・モンモン。

  

投稿者 jun : 2007年06月19日 07:00

コメント

全体を見る人が必要かどうか。それが可能かどうか。
さらに、現実に居て、組織メンバーとして動いてくれるかどうか。
そういう視点が、大切になってくると思いました。

現実メンバーの能力によって、あるいは組織の内容によって、組織の形は違っていいでしょうし。

もちろん基本形、理想形を持つことは、大切だと思います。

簡単に答えの出ない問題だと思いますが、先生と一緒に考えてみたい気もします。(^_^)

投稿者 しげまつたかし : 2007年06月19日 12:44

いつも楽しく拝見しています。

今は、プチリタイヤの身ですが、以前KMの研究をしてたので、ひと言。
コミュニティオブプラクティスっぽい、日本のKM事例をいくつか調査したことがありますが、結論から言うと、ファシリテーターは必要だと思います。
しかも、トップの後ろ盾を貰った上で、業務としてアサインすべきとも思います。
ただし、実際の活動の中では、決して目立ってはいけなくて、あくまでも縁の下の力持ち、上下左右に対するネゴシエーターとして、暗躍(笑)するスタイルが、成功しているように見受けられます。
そして、コミュニティの参加者に、あたかも自分達が自然発生的に活動してるかのように思わせているのも特徴です。

もちろん、自然発生的にはじまって、後から社内でオーソライズされたケースもありますが、やはりファシリテーターは存在
していました。

必要な能力は(スペシャリティと言えるかどうか微妙ですが)、まず社内に顔が利くこと、マメで明るい性格、へこたれない/楽観主義、自分の手柄にこだわらない、人を楽しませることが好き、自分を馬鹿に見せることができる。。。等々
あ、D論で書くはずのことを、ここでバラしてしまったかも(笑)

投稿者 RIKIPON : 2007年06月20日 00:17

>結論から言うと、ファシリテーターは
>必要だと思います。
>しかも、トップの後ろ盾を貰った上で、
>業務としてアサインすべきとも思います。
>ただし、実際の活動の中では、決して
>目立ってはいけなくて、あくまでも
>縁の下の力持ち、上下左右に対する
>ネゴシエーターとして、暗躍(笑)する
>スタイルが、成功しているように見受
>けられます。
>そして、コミュニティの参加者に、あ
>たかも自分達が自然発生的に活動して
>るかのように思わせているのも特徴です。

トップのアサインをもらいつつ、目立ってはいけなくて、「自然発生的に活動しているか」のように思わせる、なかなかハードな仕事ですね。

このテーマに関連するD論ご執筆中とのこと、とても面白そうですね。

なかはらじゅん

投稿者 なかはらじゅん : 2007年06月21日 07:53