情報を運ぶ懲りない人々

 組織の中では、「非公式の人間関係」が「情報」を運びます。
 先日、テレンス=ディール他著の「シンボリックマネジャー」を読んでいたら、おもしろそうなキャラが、たくさんでてきました。

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1.語り役
 組織にとって伝説となっている事柄、英雄について語る人。1対1で情報を伝える。

2.聖職者
 相談役であり、過去の経験や先例とともに教訓をつたえる人。1対1で情報を伝える。

3.耳打ち役
 権力者の背後にいる、情報通の陰の権力者。

4.うわさ屋
 聖職者の語らないような個別具体的な日常の出来事を語る。ランチタイムなどに大人数に語る。

5.秘書
 組織の情報、組織のすすむ方向性がもっとも集まってくる。

6.スパイ
 経営幹部に組織の実態を伝える人

7.秘密結社
 共通の目的のために、2名以上で結託する人々。

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 こんなキャラ、あなたの組織にもいないですか?
 大学にはいますよ(笑)、会社にもいるでしょう。
 怖い人たちもいるんですけど(笑)、「聖職者」なんてふうに比喩で書かれると、どことなくユーモラスに感じてしまいますね。
 
 閑話休題。

 この本では、「強い文化」の維持に、こうした非公式ネットワークが活用されているということで、それに荷担する人々をユーモラスに描いています。

 が、これは見方を変えれば、立派な「学習環境」でもあるわけですね。「学習」といったって、必ずしも、「よいこと」だけを学習するわけではないのです。いろんなことを学ぶのです、人間は。

 ちなみに学習の話になったので、ついでにいうと、エティエンヌ=ウェンガーの「Community of practice」の中にも、「ブローカー」という人がでてきます。複数のコミュニティのメンバーシップをもちながら、間を行き来しながら、相互の関係を「調整」したり、情報を「翻訳」したりする人のことです。

「ブローカー」という言葉からは、一般には、なんかあんまりいいイメージわかないんだけどね、「人体ブローカー」とかさ。ネーミングがオモシロイですね。
 でも、ブローカーはコミュニティの発展や、新しいアイデア創出、そしてそこにつどう人々の学習のために、非常に大きな役割をしているのです。
 
 オモシロイねぇ。

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追伸.
 今日は大学院博士入試です。これで入試は最後・・・。