北村文・阿部真大著「合コンの社会学」を読んだ!

 合コンはおおいに語られている。参加者からも非参加者からも、一般人からも専門家からも。だから、みんな知っている、「出会うための場所」だと思っている。しかし、それを疑ってみよう、合コンで私たちは本当に「出会える」のだろうか。

(p11より引用)

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 北村文・阿部真大著「合コンの社会学」を読んだ。

 合コンは、参加者同士が自由に交流し、運命の人を偶然見つけることのできるような「出会いの場」ではない。

 そこは、社会階層、ジェンダーなど、様々な社会的規範やコードにがんじがらめにされた、ゴフマン流の「相互儀礼行為」が満ちた世界である。

 「相互儀礼行為」が支配する場では、参加者は一定のルールに暗黙のうちに従うことが求められる。そしてルールに従わないものには、社会的サンクションが科される。

 合コンは自由であって、自由ではない。

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 僕は専門家ではないので、本書の学術的価値は知らない。しかし、合コンという題材を、社会学的に見ると、こういう風に解釈できるのね・・・興味深く読むことができた。

 それにしても、

「盛り上げ役になるときはうまくいかない。いい人、おもしろい人で終わるか、がんばっているのに嫌がられるか。ピエロの役」
(p57より引用)

 は少々めげた。どおりでうまくいかないワケである。そんなルールがあったなら、もっと早くに言ってくれ。もう遅いけど(笑)。

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1章 出逢いはもはや突然ではない―合コンの社会学・序
2章 運命を演出するために―相互行為儀礼としての合コン
3章 運命の出逢いは訪れない―合コンの矛盾
4章 運命の相手を射止めるために―女の戦術、男の戦略
5章 運命の出逢いを弄ぶ―自己目的化する遊び
6章 それでも運命は訪れる―合コン時代の恋愛と結婚
7章 偶然でなくても、突然でなくても―合コンの社会学・結び
補論 合コン世代の仕事と恋愛―自由と安定のはざまで