地方教員養成系大学・学生の都市への大量流入:NHKクローズアップ現代

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 数日前のNHKクローズアップ現代では、「地方教員養成系大学の学生が、都市に大量流入している」という内容を扱っていた。

 事例として出ていたのは取り上げられていたのは、秋田県。
 今年の秋田県の教員採用数はわずか16名。対して、東京都は1600名。地方で教員になることを夢見ていた学生も、東京、川崎などの大都市での試験にのぞむことが増えているのだという。

 どうして、このようなことがおこるのか。そのキーは「団塊世代の大量退職」にあるのだという。

 地方も都市も、団塊世代が大量退職することは変わらない。しかし、もともと人口の少ない地方では、大量退職よりも、子どもの数の急減のスピードの方がはやい。対して、人口の多い都市では、大量退職したあとの補充をすぐに行わなければならない。

 かくして大量の教員採用をすぐに行わなくてはならない「都市」と、教員採用を手控えたままでいられる「地方」という構図が生まれる。

 この問題、「大人のための教育学」の研究が近年増えている僕としては、やはり気になるのは首都圏で大量に生まれる若手教員の熟達の問題である。彼らをどのようにサポートし、力量の形成を行うか。悪いことに、大量退職で熟達者は抜けている。

 深刻な問題が生まれようとしている。

 ちなみに、NHKクローズアップ現代では、かつて大阪大学大学院で一緒だった姫野完治准教授がコメントを述べていた。

 寿司屋で寿司をつまみながら番組を見ていて、「なんか聞いたことがある声だなー」と思って、振り向くと、姫野君だった。

 何だか訳もなくうれしかった。

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