公務員の人材育成

 先日、某中央省庁の方が来研。短い時間であったが、「公務員の人材育成」のことで、相談を受けた。

 曰く、「公務員は、今、逆境にある」のだという。景気がよいので、人材が民間に流れていることもあるんだろうけど、

「保守的で創造性の高い仕事ができない」
「前例主義である」
「給料が安い」

 として、学生から忌避されているんだという。

 先に人事院が示したアンケート調査では、法学部3年生の第一希望の就職先は法科大学院が3割強、民間企業がやはり3割強、国家公務員は1割強という風になっている。民間企業の中では、給料のよい「金融」「コンサル」「シンクタンク」「マスコミ」などが人気だそうだ。

 採用の問題だけでなく、公務員という仕事の中で、「これからのキャリアが見いだせない」というのも問題らしい。仕事のできる有能な人たちが、官庁を去るケースが増えているのだという。

 有能な人たちが仕事を辞めれば、さらに現場は忙しくなる。多忙化すれば、本人のワークプレイスでの経験、学習が阻害される。そればかりか、その人の下につけられた若手の育成も阻害される。あとはデフレスパイラルが待っている。

 これらの背景には、「公的なものを支える」という自負が揺らいでいることもあるんだろう。ほんの一部で起きた不祥事は、あたかもそれが全体で起きているかのような印象を与え、バッシングがはじまる。

 過剰なバッシングに耐えることができるほど、人間のプライドは強くない。「公的なものを支えているという自信」が揺らぐ。「教師」や「医師」同様の状況が、ここでも起きている。

 僕の友人の中にも、公務員は多い。中には、朝7時から深夜2時、3時まで働く人たちもいる。官庁を去ってしまった人も多い。

 人材のマネジメント、あるいは育成に問題を抱えているのは、民間企業だけでない。ここにも大きな問題が横たわっている。