「もじゃりん」と「研究者アライアンス」

 WMUTE2006(Wireless Mobile and Ubiquitous Technology in Education)というIEEE(アイトリプルイー・Institute of Electrical and Electronic Engineers)の学会に出席している。

 この学会は、モバイルラーニングの特に工学系のワークショップとしては定評がある。学会参加者は100名前後。主催者のひとり、台湾のタクワイチャンによると、「敢えて出席者をしぼり、論文のクオリティを担保した上で、強いコミュニティをつくりたい」とのことであった。昨年の論文採択率は10%程度であったという。

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 今日のキーノートスピーチは、ミシガン大学のエリオット=ソロウェイさんだった。ソロウェイさんといえば、1990年代中盤にアメリカ計算機学会の学術雑誌で、「学習者中心者主義」の特集をぶちあげた一人である。

 彼は、近年「PDAを活用したインタラクティヴな学習」の研究を主導し、自らベンチャー企業(GOKNOW, Inc)をつくり、その普及に努めている。この日の話は、そんな内容だった。

 下記が講演の様子。内容は既知のものが多かったけれど、ものすごい迫力のプレゼンテーションに圧倒された。

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(ソロウェイさんを「もじゃりん」と密かに命名した・・・内緒)

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 午後、興味をもったのは「G1:1」の特別セッション。

 G1:1とは、「協調学習研究やモバイルラーニング研究の研究者たちのグローバルアライアンス」のこと。お互いの強みをいかして、国際的な研究を推進しようとしているらしい。この日は、組織のあり方、ゴールについて熱心な議論が行われた。

 実は、「研究者のアライアンス化」は近年学習研究において進んでいる動きである。
 欧州の研究者たちは、カレイドスコープというアライアンス組織をつくり、ヨーロッパユニオンから多額の研究費を獲得している。
 また、アメリカでも、何人かの大学のLearning Labが集まって、NSFより多額の研究費を獲得している。

 こうした「学習研究者のアライアンス」を、「航空会社のアライアンス」にたとえることは、ちょっとフザケすぎかもしれないけれど、結構、それに似たところもある。

 どの組織に入って、どのような貢献を行い、どのような成果をだすか・・・誰もが、それに無関心ではいられない時代に突入している、のだと思う。

 この日の議論は結構紛糾していた・・・「研究者のアライアンス」は口で言うのは簡単だけれど、実際はいろいろな思惑がからみ、非常に難しいのが現状である。将来的に、僕自身はどう動くか・・・結構考えさせられた。

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 夕方にはポスターセッションが開かれた。僕も、ここで「おやこdeサイエンス」の発表を行った。「携帯電話」と「親子」をむすびつけた研究は、ほぼ世界的に事例がないということもあり、かなり多くの方々が来てくれた。よかった、よかった。

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 あー、今日も一日疲れたな。
 そして人生は続く。

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備考.下記はほんとうに自分のためのメモ

 学習スタイルを分類するとき、Kolb(1984)のExperimental Learning理論、Kolb(1994) Learning style inventoryは結構使える。Ching-Chiu chaoがそれを使っていた。