肉が焼けるのも待てない日本人

 アメリカのレストランで「おひとりさま」で食事を楽しんでいたときのこと。まだ時間が早かったせいもあり、僕以外には客はおらず、ウェイターと少し話し込んだ。そのときに、彼が言っていたことが、印象深かった。

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日本人は、「せっかち」だと思うよ。レストランに入るなり、すぐに僕たちをつかまえて、注文を急ぐ。少し料理がくるのが遅くなったら、すぐに”大丈夫?オーダー通ってる?”と確認してくる。会計も、食べたらすぐに手をあげて、すませようとする。本当に「忙しい」んだ。

だから、僕はそういうのがわかっているから、日本人のお客さんのときには、アメリカ人のお客のときの2分の1くらいの時間で、テーブルに注文をとりにいくことにしている。

注文を決めたり、食べたり、会計を待ったりすることに、アメリカ人は、日本人の2倍くらい時間をかけるんじゃないだろうか。

そういう意味では、アメリカ人は、ほっときゃいいんだ。彼らは「待つ」から。でも、日本人は「待てない」。

厨房の奴らは、口が悪いからね。「肉が焼けるのも待てない日本人」って言ってるけど。

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あとね、日本人のお客さんで、困るのは声の大きさなんだ。レストランでの会話って、少しトーンを落として、ゆっくり話すものでしょう。すこし照明もおちているし。

でも、日本人のお客さんは、本当に声がでかい。店の全員に聞こえるような声の大きさでしゃべるんだ。それは困る。

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 彼は僕を韓国人だと思っている(笑)。
 だから、正直に日本人について感想に述べているのだけど、こういうのを聞くと、ちょっとドキッとしますよね。「早弁早グ●」をモットーとするヒトも多い国だからね、そりゃ、ある意味、仕方ないような気もするけれど。

 まぁ、食べるときくらい、時間をかけて、余韻を楽しめってことなんだろうね。

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