認知科学会のワークショップが終わった!

 認知科学会のワークショップが昨日終わった。今回のワークショップは、三宅なほみ先生@中京大学、白水先生@中京大学、大島先生@静岡大学、中原の4名が登壇した。

 ワークショップのテーマは、「学習転移」。僕のお題は「学校外の転移」ということで、「企業教育と学習転移」の話をさせていただく機会を得た。

 自分の発表は
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 うーん、完全に「浮いた」(笑)。「浮く」だろうな、とは思っていたけど、もれなく「浮いた」(笑)。

 ただ、自分としては、ある種の「覚悟」をもって、「企業」を教育研究のフィールドとして選んでいるので、多少の「浮きっぷり」は覚悟はしている。データをもってモノが言えるようになるまで、現在自分が取り組んでいることを粛々と進める他はない。

 自分の発表はともかく・・・収穫はたくさんあった。もっとも大きな収穫は、近年の「学習転移」にいつもモヤモヤ感じていることが、実は、みんなわかっていないことだとわかったことであった。昨日は、大島さん夫妻、望月君、山口さんらとその後飲みに行ったけど、所々で議論になった。忘れないように下記に記す。

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●何がおこったら転移と見なすか、という話は、今も論争中である。1)転移するのは内容知識だとみなす立場、2)学習方略(学び方)が望ましい方向に変われば転移と見なす立場などがありそうだ。「何が起こったら転移と見なすか」という問い自体が、イシューのひとつである。

●「何がおこったら転移と見なすか」はさておき、それをどうやって促進するか、という教授学的な問いが、次のイシューである。これは、○○したときは○○する、のようなパターンを見極めていきたいということなのだろう。しかし、これは言うのは簡単だけど、ものすごい労力が必要である。そのような組み合わせは無限に存在するであろうから。

●わからなくなっていったことは、「熟達化」と「転移」の関係である。僕の理解では、「熟達化」とはドレイファスの5段階モデルにあげられるように、人間が若手から一人前、そしてエキスパートに至るまでの、きわめてロングスパンな線形の学習プロセスであると考えている。別の言い方をすれば、人間の学習を、きわめてマクロに見た場合のかたち。

一方、転移というのは、熟達化プロセスのうちの構成要素であり、どちらかというとミクロの事象なのではないか。

でも、いったんは、この説明で落ちたかな、と思ったんだけど、どうもうまくいかないことにあとで気がついた。非常にツライのは、ダン=シュワルツ的の「Preparation for the future learning」パラダイムのように、転移を「long span」の現象と見ていけば、転移をミクロなものとして把握することはできなくなる。熟達化ほど、ロングスパンではないけれど、少なくともミドルスパンではありそうだ。「time span」といったような切り口は微妙である。

うーん、わからん。正直にわからん。どなたか教えてください。間違いないことは、いずれも、「人間の学習」というとっても現象を、いろいろな角度からアプローチした結果だということ。

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 最後に、このような機会を与えてくださった三宅なほみ先生に感謝いたします。ありがとうございました。

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追伸.
 TAKUに「冬のお帽子」を買ってあげた。

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