アルバイト、FD、安田講堂でのカンファレンスのこと

 最近、オモシロイと思っていること。あるいは、密かにオモシロがって企画していること。

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 ひとつめの「オモシロがり」。
 先日、来研したHさんに頂いた論文集の中で、下記の論文が興味をひいた。

見舘好隆(2007)顧客接点アルバイト経験が基礎力向上に与える影響について―日本マクドナルドに注目して―. Works review. Vol.2
http://www.works-i.com/flow/survey/download.html#140


 本論文は、マクドナルドで働くアルバイト学生、フリーター諸氏が、どのような能力を、どのような契機で獲得したのか、を明らかにしたもの。マッコールの「Quantum leap experience=一皮むける」の概念を用いて、コンパクトにまとめている。

 分析の結果、学生やフリーターは「建設的・創造的な討議」と「主体的行動」といった「能力」をアルバイトを通して向上させていた。この能力向上に寄与したイベントとは「同僚」と「顧客からの視線」が関係している・・・。

 本論文のユニークなところは、通常は能力形成という文脈で論じられることが非常に少ないアルバイトを、その土俵に引き込んだこと。また、exective educationの方法論として開発されたマッコールの方法論を、そこに適応したところだろうか。

 特に、マッコールの方法論は、あまり教育学においては利用されることが少ない。「これ、こんな風にも使えるんだ」と思った。

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 ふたつめ。
 今、9月にある公開ワークショップの企画を密かに練っている。テーマはFD!(ファカルティディヴェロップメント)。

 通常は、「授業のカイゼン」というコンテキストで語られるファカルティディヴェロップメントを、「様々な大学内メンバーによる教育価値の共創活動」と位置づけ直す、というお話である。
 エティエンヌ=ウェンガーの提唱したコミュニティ・オブ・プラクティス(実践共同体)の概念を活用し、それにチャレンジしている。

 FDは、今、「旬」である。大学学部、大学院とFD義務化の話が、教育行政では盛り上がっている。FDとは、そもそも何なのかをもう一度考え直す契機になれば、と思っている。

 こちらの方は、CFP(Call for participation)ができあがり次第、またこの場で募集いたします。某大学からステキな方をお呼びいたします。

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 みっつめ。
 9月には、実は、もうひとつ大イベントを企画している。キャッチコピーは、

 安田講堂をジャックせよ!

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 9月7日 東京大学・安田講堂で、「ワークプレイスラーニング2007 - 変革するミドルを支援する」という700名規模のカンファレンスを開催します。

 ワークプレイスラーニングとは、「研修と職場における仕事経験を連携させた学びの姿」。本カンファレンスでは、「変革するミドルの支援」をテーマにかかげ、研修と仕事経験を接合することをめざす人材育成事例とそれに付随する理論(組織学習理論、教育学理論)をご紹介したいと思います。

 こちらのカンファレンスは、リクルートさん、日本能率協会さん、産業能率大学さん、ダイヤモンドさんのご協力を得まして、企画を進めてまいりました。アカデミズムからは、僕と産能大学の長岡先生が企画に参加しています。ようやく実現にこぎつけそうな予感です(笑)・・・。もう少しですね、もう少し。

 こちらの方も、情報が確定次第、このblogでお知らせいたします。ぜったい、オモロイよ。ぜひ、今からスケジュール帳に書き入れておいてくださいね。

 そして人生は続く・・・

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追伸.
 オモシロがるのはいいんだけど、最近、困っていることに、眠りが浅いってーのがあります。ちょっと前まで「快眠君」だったのに、あまりに早く起きてしまう。オレはニワトリか。まいったなぁ・・・。仕事が進むのはいいんだけど。