教員免許更新制の導入

 本日朝日新聞14面には教員免許更新制度のニュースが掲載されている。

 それによると、教員免許の更新制導入を柱とする答申を、中央教育審議会が文部科学大臣に提出したとのこと。導入はもっともはやくて2008年度になるらしい。

 現在は、終身有効の免許に10年の期限を設けて、更新時に30時間の講習を受けさせる。その上で、教員の資質を持ち得ているか、評価するとのことである。

 評価の結果修了と認められない場合は、免許は一時失効するらしい。こうした改革の背景には「国民の教員に対する信頼の低下」がある、とのことである。

 もし、この答申通りに免許制度が改革されたとすると、更新時に受講する講習の内容、および、その評価基準の妥当性が、極めて重要になる。これまで終身であった免許を、一時的であれ「失効」させるほどの重大な評価なのだから、適当では困る。
 かつ、その評価とは「国民の教員に対する信頼」を向上させるものでなければならないし、「教員の資質」の維持につながるものでなければならない。

 そうだとすると、

 「教員の資質」とは何だろう?
 かつ、「教員の資質を、講習で、どのように評価するのか?」

 という疑問が当然わいてくる。

 僕は教師教育の専門家ではないので、上記に対して自信をもって答えることはできない。ただ、なんとなく、もし、この30時間の研修を教育工学の研究者として設計せよ、と言われたとしたら、かなり頭を抱えるのではないかなぁと思う。
 学習目標を設定出来ぬものは、教えられない。学習目標の設定で、大変な困難を経験することが容易に予想出来る。

 いずれにしても、仮に2008年からはじまるとすると、準備にはあまり時間がない。
 事態の推移を見守りたい。

追伸.
 本来、扱う知識ドメインが指数関数的に増え、かつ、国民の信頼が揺らいでいる医者に免許更新制度が導入されず、教師にのみ適用されようとしている理由は、考えてみるとオモシロイと思う。