僕の苦手なオトナ語たち : ~しながら、~しつつ

 「真実らしきもの」をひとつ見つけた。

 大人が会話の中で頻繁に使用する「~しながら」「~しつつ」という言葉の「~」の部分は、達成されることが少ない

 という発見である。

 たとえば、下記のような「オトナ・センテンス」がある。

 この問題に関しましては、最新の研究動向をキャッチアップしつつ、現在提案されている案をもとに、最善な解決策を探していきたいと感じている所存です。

 先ほどの発見にしたがうならば、この場合は「最新の研究動向のキャッチアップ」は行われる確率が極めて低い。結局は、なし崩し的に、おそらく、「現在提案されている案」がそのまま採択されることになるだろう。

 つまり、「~しながら」「~しつつ」という言葉は、単に「~の部分も僕は配慮してるんですよー」というポーズのために、「その場しのぎ」的に使用されているだけであることが多い。要するに、はなっから「やる気がない」ことが多いのである。「わたしは気にかけているってことはわかってくださいね、だけど、全く本当に配慮する気はないんですけどね、でへ」という感じである。

 「~しながら」「~しつつ」のような「語り口」が支配している場に参加することは、僕はあまり好きではない。生粋の「せっかちさん」なので、だんだんと本心が読めなくなって、イライラしてくる。いや、本心が読めてイライラするのかも。

 僕は使わないようにしよう、と思う。