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どん!

 その菓子の本当の名前は、なんというのだろう。

 昔、舗装すらされていなかった自宅近くの通り道に、ときおり、米菓子をつくるおじさんがやってきた。

 大砲みたいな大きな機械とビーチパラソルのついたリヤカーをひいて、彼は、時折、忘れた頃に僕らの街にあらわれる。

 彼の姿をみつけると、子どもたちが、自宅から米1合と300円を持参し、どこからともなく集まってくる。

 おじさんは、子どもたちから300円を受け取ると、持ってきた米を大砲につめ、そいつを火でゆっくりと熱する。

 しばらくすると、火で熱せられた大砲は、「どん!」というものすごく大きな音とともに、破裂する。大砲の先からは、サクサクとした菓子になった米が勢いよく吹き出す。それを大きなゴミ袋にいれて、子どもたちは家路につく。

 当時、米菓子の名前は、そのまんま「どん」とよばれていた。子どももオトナも、それを「どん」と呼んでいた。

 こういう行商が、全国どこにでもあるものなのか、僕は知らない。そして、その米菓子の正式名称も知らない。

 「どん!」という大きな音!
 300円と米1合のはいったビニール袋を握りしめ、その音に歓声をあげていた頃のこと。

 なぜか、昨日、僕の夢の中に、その光景がでてきた。懐かしかった。

 そういえば、中学校に入る頃になったら、急に、あの「どんのおじさん」の姿を見なくなった。「見なくなった」のではなくて、「見えなくなった」? はたまた気づかなくなった? 真相はわからない。

 いずれにしても20年も前の、遠い昔の話である。

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 ほらほら、そっちに行っちゃいけないったら

  

投稿者 jun : 2005年06月23日 23:32

コメント

実演は見たことないですが、大阪ではポン菓子と呼んでました。
行商のおじさんいるんですねぇ。
http://www.hi-ho.ne.jp/~ohsamu/now9/spa/n9_spa01.html

投稿者 まつかわ : 2005年06月24日 00:35

京都(上の方)では今でも時々回ったはりますよ。
私はポン菓子と言いますが、うちの母親は「どん」と言ってます。

投稿者 通りすがり : 2005年06月24日 01:29

懐かしいなぁその米菓子の話。私の町である横浜市泉区にも25年位前にそういうおじさんが時々来ていたよ。そうそうやっぱり私が中学に入った頃には見かけなくなったなぁ・・・。友達があのお菓子を好きでした。「また来ないかなぁ。最近見かけないなぁ・・・。」と中学時代その友達が言っていたのを思い出しました。
そうですか・・・他の地域では「どん」とか「ポン菓子」と呼ばれていたんですね。私のところではなんと呼ばれていたのかわかりません。
駄菓子屋にいくとにんじんのような形の袋に米菓子のようなものが入って売られていますよね。それを目にすると私は時々米菓子を作っていたあの光景を思い出すことがあります。

投稿者 早苗 : 2005年06月24日 10:41

なるほど、地域によって呼び名がかわるのですね。
「ポン」ですか・・・。
実際は、もっと大きな音だったよねぇ、確か。記憶があいまいなので、自信はないのだけれども。

なかはらじゅん

投稿者 なかはらじゅん : 2005年06月24日 21:03