"簡単に納得しないけれど、傾聴できる人"、それとも、"簡単に納得しないけれど、さっぱり話を聞かない人"?

 昨日日曜日は仕事で、本郷キャンパスへ。

 本郷三丁目の駅についたら、「きゃーきゃー」と若い人?(こういう言葉を使い始めるようになったら、オッサンです)の歓声が聞こえるので「どうしたのかな?」と思ったら、なんと、本郷キャンパスは「五月祭」だったんですね。知らなかった。。。

 なにやら、あとで聞いたところによると、安田講堂前で「永ちゃん:矢沢永吉」が熱唱したとか。ミーハーな僕としては、見てみたかった、リアル永ちゃん。

  ▼

 今日の仕事は「科研(文部科学省科学研究費の助成を受けた研究)の会議」への参加です。科研のテーマは、「人とロボットの共生する社会」をつくる、というとてつもない目的をもった、大型研究です。

 科研会議は、三宅なほみ先生(東大)、神田祟行先生(ATR)、大島純先生(静岡大学)、野口孝文先生(釧路高専)、白水始先生(中京大学)らと議論をしました。今年、何をやるか・・・少しイメージがまた深まりました。これは、もう一度、僕は、プロポーザルを見直そうと思います。

  ▼

 この科研における僕たちの挑戦は、

「ロボットを"よい聞き手"にして、人間にリフレクションを促すことで、さらに深い学習をつくりだそう」

 ということですね。一言でいえば、「Robot as cognitive partner」「Robot supported collborative learning」です。

「ロ、ロ、ロ、ロボット?」といぶかしがる方もいらっしゃるかもしれないけれど、かつて「コンピュータ」が黎明期には、それを学習に活かそうという話をすると、「コ、コ、コ、コンピュータ?」ということになったので、新規なメディアがでてくるというのは、そういうものです。詳しくは下記をご覧ください。

あなたのリフレクションを促してくれるロ、ロ、ロボット?
http://www.nakahara-lab.net/blog/2010/01/post_1631.html

 会議の中では、協調学習にも話が及んだのですが、

「簡単に納得しない聞き手は、学びを促進しますよ」

 という三宅なほみ先生の言葉が非常に印象的でしたね。これはわかる方はわかると思うのですが、1980年代の三宅先生の「ミシンの研究:建設的相互作用」の研究を一言で表している言葉だと思います。

 要するに、人が共同して学ぶときに、お互いの仮説や考えに対して、なかなか納得しないんだけど、それでも、何とか説明をつけようとしていることこそが、お互いの考えを深くすることに役立つ、ということですね。

 僕は、これにもう1つ軸「アクティブに聞く/聞かない」を加えて、

"簡単に納得しないけれど、
  アクティブに聞くことができる聞き手が、学習を促進する"

 という仮説?妄想?を、今回の科研の趣旨に基づいて、思いつきました。
 ほんの、思いつき(笑)。

 軸を増やして2軸にした、ということは、4つの象限が生まれます。具体的にいうと、"簡単に納得する/しない"、"傾聴できる/できない"の二軸のマトリクスからは、4象限(4つのタイプ)が導き出されます。

1."簡単に納得しないけれど、
  傾聴できる人"

2."簡単に納得しないけれど、
  さっぱり話を聞かない人"

3."簡単に納得しちゃうんだけど、
  傾聴する人"

4."簡単に納得しちゃうんだけど、
  さっぱり話を聞かない人"

 学習の観点からいうと、やはり「1:簡単に納得しないけれど、傾聴できる人」がいいと思うんですね。「2:簡単に納得しないけれど、さっぱり話を聞かない人」ってのは、「ガンコもの」ってこと? これ、避けたいですね(笑)。

「3:簡単に納得しちゃうんだけど、傾聴する人」ってのは、「癒し系」?
「4:簡単に納得しちゃうんだけど、さっぱり話を聞かない人」ってのも、また、痛いね(笑)。

 学び的には、もしかすると、"簡単に納得しちゃうんだけど、さっぱり話を聞かない人"ってのは、マズイかもしれないですね(笑)。おそらく、本人的にも、この人は学べないし、この人の近くにいる人も学べないんじゃないかな、と。でも、「2」もイヤかな。。。あんまり近くに寄りたくないですね。

 嗚呼、書いてて悲しくなってきた。僕、この2つのどちらかだよ、絶対。基本「話を聞かない」もんなぁ・・・ごめんなさい。

 さぁ、皆さんは、どのタイプ?
 そして、あなたの周りには、どんな人が多いですか?

 "簡単に納得しないけれど、傾聴できる人"?
   それとも
 "簡単に納得しちゃうんだけど、さっぱり話を聞かない人"?
   それとも、
 "簡単に納得しないけれど、さっぱり話を聞かない人"?

 ---

■2010年5月30日 中原のTwitterでの発言

  • 20:48  RT @red_data_sl: @nakaharajun 「センセイは話を聞かない」は、ホントその通りですね...。聞いてない、聞いてても覚えていないことを前提に仕事をする習慣が身に付きました...でもサブリミナル効果にしかならないとしても、プレゼンはしておかないといけないのですよね。
  • 20:48  RT @clione: このマトリクスでいくと「簡単に納得しない×傾聴できない」が多数派になりそうな気がします。特に傾聴はトレーニング受けないと難易度高いと思います。RT "簡単に納得する/しない"、"傾聴できる/できない"の二軸のマトリクスからは、4象限(4つのタイプ)
  • 20:22  おぉ、、、今日は大学にいたのに、リアル「永ちゃん」、見たかった・・・。小生、ミーハー。矢沢の永ちゃん、東大で熱唱「ヨロシク!」:http://ow.ly/1RK6H
  • 19:29  RT @okamoto4433: @nakaharajun 私の場合、社会人デビューが広告業界だったので「聴いてもらえない前提」のコミュニケーション(プレゼンしかり)が骨身に凍み、叩き込まれました。
  • 19:28  なるほど、それもこまりますね、、RT @Setsuko_412: 簡単に納得するけどちゃんと聞いてない人のほうが大変かも。いわゆる学習能力のない人(苦笑) RT "簡単に納得する/しない"、"傾聴できる/できない"の二軸のマトリクスからは、4象限(4つのタイプ)が導き出されます。
  • 18:28  僕は新人の頃、「他人は話を聞かない」ということを前提にして、プレゼンをつくることを学びました。RT @okamoto4433: 他人はあなたの話を聴かない。御意 RT : 「お習字プレゼン」中。お習字プレゼン: http://ow.ly/1RH7O
  • 18:25  RT @ymajima: @nakaharajun 私が一番成長したと思う期間の上司がこのタイプの聞き手でした。でもそんな幸運がない場合は、良い聞き手を見つけ(1)、かつ自分に付き合ってもらうインセンティブを与える(2)という2つのハードルがありますね。
  • 18:05  RT @y_ski_25: 端的で、第三者的で、建設的な質問がこのアクティブさを醸成すると、個人的には考えます。 RT @nakaharajun "簡単に納得しないけれど、アクティブに聞くことができる聞き手"が、学習を促進する。
  • 18:02  "簡単に納得する/しない"、"傾聴できる/できない"の二軸のマトリクスからは、4象限(4つのタイプ)が導き出されます。簡単に納得せず、頑迷で、しかも人の話を聴かない人というのもいます。RT "簡単に納得しないけれど、アクティブに聞くことができる聞き手"が、学習を促進する。
  • 15:14  "簡単に納得しないけれど、アクティブに聞くことができる聞き手"が、学習を促進する。
  • 14:12  1)出来事をいかに記録するのか(Active:ロボットから学習者へ問いかけすることによる記録、Passive : 学習者の客観的記録)、2)記録した情報をいかに可視化・ハイライトさせるか(Visualization)、3)学習者にいかに要約させ・センスメイキングを可能にするのか?
  • 13:57  三宅なほみ先生(東大)、神田祟行先生(ATR)、大島純先生(静岡大学)、野口孝文先生(釧路高専)、白水始先生(中京大学)らと議論中。僕の中では、ロボット研究、ライフログ研究、リアルタイムドキュメンテーション研究、ワークショップ研究が1つの線でがつながった気がする。
  • 12:26  「お習字プレゼン」中。途中までできた。あとは「習字」で書いたスライドを、スキャンして、プレゼンにはっつけるだけ。時間切れなので、帰ってやる。お習字プレゼン: http://ow.ly/1RH7O
  • 10:00  本郷三丁目駅。今日は、いつもより、若い人が多く、いやに混んでいるなぁ・・・と思ったら、本郷キャンパスで「五月祭(http://ow.ly/1RFlu)」なんですね。いいねぇ、、、みんなは「祭り」、オレ「仕事」(泣)。これから学術創成科研の会議です。
  • 09:22  国立大学の現状がリアルにつたわってくる。RT@next49「メモ:国立大学法人化後の現状と課題について(中間まとめ(案))を読んで」をトゥギャりました。 http://togetter.com/li/25197
  • 07:39  東大が配信している授業ビデオ(Podcast)を100講義ほど視聴したToshismが、涙ながらに・・・泣く泣く・・・たった5つ!たった5つに厳選!RT @yuuhey: 大人になった今だからこそ楽しめる東大Podcast5講義 http://bit.ly/bLPsdl
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投稿者 jun : 2010年5月31日 06:59


学会課題研究「組織・職場における学びの組織化」でお会いしましょう!

 先週一週間は忙しかった・・・。あまりの「忙しさ」に、何か飲み物を飲んだりすると意識が遠のき、口元ゆるんで、コーヒーだだ漏れするほどでした(泣)。忙しいのは「ビジョン」がなく、かつ、「内省」しないからであります。小生、猛省。

 先週最後の仕事は、産能大学の長岡先生、武内先生らが、代官山でプロデュースしている「イブニングダイアローグ」への出講です。

産能大学イブニングダイアローグ
http://ow.ly/1R2Xt

 イブニングダイアローグでは、新しい対話形式として、「がちゃトーク」をやりました。やり方は下記にあります。

がちゃトーク
http://jigajisan.net/byo.html

 がちゃトークは、一言でいえば、「話す・聞くの役割の固定化を避けるための新しいコミュニケーション手法」だと思います。誰もが対話に参加することを求めます。長岡先生によれば、がちゃトークは「オープンソース」だそうですので、ぜひ、皆さんもチャレンジなさってみるとよいのではないでしょうか。

 ともかく、長岡先生、武内先生、そしてご参加いただいた皆様には大変お世話になりました。ありがとうございました。心より感謝いたします。

 ▼

 そういえば、、、そろそろ日本教育工学会の課題研究の締め切りが、6月24日だそうです。

日本教育工学会 課題研究申し込みページ

http://www.jset.gr.jp/taikai26/announcement/announcement_02.php
 
 以前、このページでアナウンスさせていただきましたが、今回、僕が提出していた課題研究のプロポーザルが、大会企画委員会で正式に採録決定になったという通知を受けました。金沢大学の山田先生、学研の栗原さんらに、ご理解・ご支援をいただいたとのことです。この場を借りて御礼いたします。

 プロポーザルのタイトルは、

「組織・職場における学びの組織化」

 です。

 趣旨分は、下記のとおりです。

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 近年、病院、企業を中心に「組織・職場における人々の学習をいかに組織化するか」に関する研究が注目を浴びている。仕事に必要な知識や技術を、様々な他者の支援やコミュニケーションの中で、仕事の経験を通じて学ぶことを意図したものである。仕事の経験のみならず、顧客、上司、同僚、後輩など職場内外の人間関係、さらに異業種交流会といったインフォーマルな場での人間関係も、学習に影響を与える。

 しかし、このような組織における学習について、経営の観点では研究や調査が進められてきたが、教育・学習の観点ではまだ研究が始まったばかりであり、研究知見の蓄積、情報の共有、議論もまだ十分ではない状況にある。
 本セッションでは、組織における人々の学習・成長、および、組織内の知識獲得、知識共有、知識の制度化、学習棄却、組織社会化に関する研究に関する議論を行いたい。企業、病院、はてには大学や学校において(大学や学校等の教育機関も組織のひとつである)どのように人材育成を進めればいいのか、業務能力向上に資する組織要因は何なのか。組織の境界を越えた学習(越境学習論)など、組織と学習に関する幅広い研究の応募に期待する。

 ---

 いかがでしょうか・・・皆様。

 教育工学会の大会において、組織の学習研究・組織の人材育成研究・組織デザイン研究などが、課題研究のテーマになったことは、これがはじめてではないかと思います。この「小さな小さな火種」を消さないためにも(笑)、ぜひ、皆さん、ご投稿をお願いできれば幸いです。もちろん、僕も投稿します。

 趣旨文をご覧いただければわかるように、

 1.組織は企業・病院・大学など、何でもOK(ひそかに入れてある)
 2.経験学習や職場学習も、何でもOK
 3.密かに組織学習論や人的資源開発論も視野に入れ込みつつ
 4.はてには「越境による学習」にも言及している

 になっています(笑)。

 これまで、「企業・組織における学習研究」は、日本教育工学会において、「生涯学習・企業内教育」という一般研究のカテゴリーで発表されていました。しかし、必ずしも、その研究が「生涯学習研究」と併置されることが適当だったのか、また、「企業内教育」というカテゴリーが適当だったのかについては議論が残ると思います。

 ぜひぜひ、こちらでのご発表を願っています。今年の学会は、9月18日・19日・20日、名古屋の金城学院大学です。

 課題研究会場でお会いできますこと楽しみにしております!

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■2010年5月28日 中原のTwitterでの発言

  • 18:31  長岡先生が「がちゃトーク(http://jigajisan.net/byo.html)」で本当にやりたいことは、「新しいコミュニーケーションの開発」なんだろうな、と思う。「誰かが教えて、誰かが答える」という関係を変えたいんだろうなぁ・・・ @kussy_y
  • 18:28  産能大学イブニングダイアローグ(http://ow.ly/1R2Xt ) 長岡先生、武内先生らが、代官山で開催している「オシャレな学びの場」をプロデュース。これから、「がちゃトーク(http://jigajisan.net/byo.html)」が始まります。 @kussy_y
  • 13:45  アパレルにつづき銀行でも、ipadの活用。商品説明のメディアとして。RT @tatsuro: なんと!みずほ銀行も各支店でiPadを活用するようです。http://bit.ly/bPThwl
  • 13:39  JR東日本本社、共同研究打合わせ。新研修開発、研修効果測定などなど。
  • 13:19  日本一寒い陸別町は現在4度でストーブ大活躍。東京は23度、半袖ちらほら。日本は広いんだねえ、、、RT @rikubetsu: 現在の陸別町は約4℃です。寒くて息が白くなりますね。もうすぐ6月ですが多くの家庭でストーブが活躍しています。今年の夏はまだまだ先になりそうです
  • 12:09  「東大式 世界を変えるイノベーションのつくりかた LIVE!」東大ischoolのワークショップを体験することができます!&社会的起業家の現状を知る。5/29(土)東大・本郷キャンパス 入場無料。上記に興味をお持ちの方誰でもご参加できます。http://ow.ly/1QY8a
  • 09:19  RT @massless1008: すげーこの発想はなかった RT @swmemo うわ、桃ラー風ってテンプレになるのか。その発想は無かった。 RT @clione RT @TanakaLaJunko: ラインMGRが「部下ができそうでできない少しできる仕事(桃ラー風)」を任せる
  • 09:18  RT @mitate1123: DeNA南場社長のエース級を引き抜く方法など経営者だからできる経験デザインはDVD「プロフェッショナル仕事の流儀・南場智子の仕事」で詳しく述べられています。 http://ow.ly/1QSAJ
  • 08:25  RT @yuuhey: RT @Yusuke_Otsuji: 多くの委員会が憂慮。RT @noricoco: 教科書のデジタル化に関して http://bit.ly/9OKZJB
  • 08:15  RT @TanakaLaJunko: 2.のラインMGRが「部下ができそうでできない少しできる仕事(桃ラー風)」を任せる、が課題だと顧客先でよく聞く。「自分がやったほうが早いし上手!」の誘惑を断ち切るにはが難しいらしい RT ブログhttp://ow.ly/1QSAJ
  • 06:46  ipad発売、銀座前:各メディアが7時のニュース中継?の準備中、リアルですね。UST映像は、メディアリテラシー育成になるかも? @softbank_ichiro @masason @ アナウンスの練習中。マスメディアはこうして作られる。 http://ustre.am/crCv
  • 06:42  ブログを書きました。「経験のデザインとは、いったい、誰が何をなすべきことなのか?」です。「経験が人を成長させる」とはよく言われる言葉ですが、それが指し示す意味を、少しだけブレークダウンして考えてみました。 http://ow.ly/1QSAJ
  • 05:47  ipad発売日、アップル銀座店前からのUST中継?RT @kiban: アップルストア銀座店は、予約済み20名、予約なし150名ぐらいで増加がストップ。RT @cka_wai: 今銀座で何人ですか? (@kiban live at http://ustre.am/crCv )
  • 05:44  電子書籍の戦国時代?:電子書籍のオープンプラットフォーム構築へ ソニー、KDDI、凸版、朝日新聞が新会社 iPad、Kindle対応の可能性も - ITmedia News - http://goo.gl/dYIE
  • 05:43  曽和哲人(著)+藤田晋(監修)「成長するしかけ」を読了。サイバーエージェントの人事施策について、紹介した本。離職率30%超を続けたベンチャー企業をいかに立て直すのか。人事施策を「挑戦」と「安心」のセットで考える、という指摘が興味深かった。 http://ow.ly/1QR4A
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投稿者 jun : 2010年5月29日 10:00


「経験のデザイン」とは、いったい、誰が、何をなすべきことなのか?:コンセプトからアジェンダへ

 最近の企業人材育成の言説では、「経験のデザイン」という言葉が、よく語られるようになりました。
「経験からリーダーシップを学ぶ」「経験を通して業務能力を向上させる」など、数年前から企業人材育成の領域は、「経験学習モデル」を下敷きにした育成手法が注目されており、そうした言説を背景にして、この言葉が使われ始めています。

 ともかく、要するに、ざっくりいいますと、

人間を成長させるには、「一皮むけるような経験」「決して易しくはないハードルの高い仕事」を割り当てて、きちんと他者からのフィードバックを与え、内省させるとよいのだよ

 ということだと思います。

 企業人材育成の言説においては、「人間を成長をうながすための、課題・仕事の割り振りや配列の組織化・構造化」のことを「経験のデザイン」と呼ばれていることが多いと思います。簡単にいうと、「成長をうながすための仕事をふること」です。

 ▼

 ちなみに、この言葉、企業人材育成では、最近になって語られるようになりましたが、僕がはじめて耳にしたのは、それこそ今から15年も前でしょうか。おそらく出自は、情報デザインやデザイン教育などの研究分野です。

SE7EN DESIGN:情報デザインと経験デザイン
http://www.respect-design.net/blog/?p=232

上平 崇仁先生の解説
http://www.adobe-education.com/vanguards/interview03.html
 
 今から15年ほど前、多摩美術大学の須永剛司先生らが中心になって、従来のグラフィックデザインやプロダクトデザインにかわるデザインとして、「経験のデザイン」や「情報のデザイン」ということが主張されていた、と記憶しています。
「プロダクト」や「グラフィック」というものだけでなく、これからのデザインとは「ユーザーの行動や経験」をデザインすることが重要かもしれない。そのための方法論などが探求されていた、と思います。

 閑話休題

 ▼

 さて、話をもとに戻しますと、企業人材育成で「経験のデザイン」という事が主張されるようになって、おおかた、リーダーシップ開発などの分野では、それに注目が集まってきているように感じますが、これを「インプリメンテーション(実際に実行にうつすため)」ためには、今一度、この概念を細かく考え直す必要があるように、僕は感じます。

 経験のデザインって重要だよねー

 という事は、誰しも納得するのですが、それがいったいどういうことを意味するのか、ということに関しては、あまり考えられていない気がするのです。

 これを考えるためのひとつのヒントは、「経験のデザインとは、誰がデザインするものなのか」を考えることが重要ではないか、と思います。

 結論から申し上げますと、

「経験のデザイン」というコンセプトは、様々な担い手によって、様々なレベル感をもった学習支援が可能ではないか、と思います。
 逆にいうと、各組織において、「経験のデザイン」を実行にうつすときには、実際に、「誰」が、「何」をなすことを「経験のデザイン」とよぶのか、を、それぞれの組織ごとに考える必要がある、ということです。

 ▼
 
 「経験のデザイン」の主なステークホルダーは、下記でしょう。

1.本人による経験のデザイン
2.ラインマネジャーによる経験のデザイン
3.HRによる経験のデザイン(支援)
4.経営者による経験のデザイン(支援)

 最もわかりやすいのは、「1.本人による経験のデザイン」でしょうか。
 会社は義務教育ではないので、大人である本人の成長のドライバーは、やはり「本人」です。
 どこかの会社の「社是」ではありませんが、「自ら機会をつくり、自らを成長させること」、言葉を換えるならば、「自ら経験をデザインし、自らを成長を促すこと」は、多くのビジネスパーソンにとって重要だと思います。

「2.ラインマネジャーによる経験のデザイン」も理解しやすいですね。
 先ほど述べましたように、経験学習とは、「ストレッチ課題をフィードバックのもとになしとげ、内省をなすこと」です。そうであるならば、マネジャーが「部下の成長をうながすような仕事課題=できるかもしれないし、できないかもしれないような仕事」を部下に任せて、フィードバックをなすことが、このレベルでの「経験のデザイン」ということになるのかもしれません。

 それでは「3.HRによる経験のデザイン」ということにどうでしょうか。他の言葉を用いますと、「HRは、自社社員の経験学習をうながすため」に何ができるでしょうか。これは、様々な答えがありそうです。

 もっとも想像がつくのは、ジョブローテーションです。人事がなす「異動」を、経験のデザインというコンセプトで、戦略的かつ意図的になすことができれば、本人の成長にとってはプラスになるでしょう。

 また、間接的であるかもしれませんが、「経験のデザイン」をなすラインマネジャーを支援するということも重要だと思います。

 まずは「経験のデザイン」というコンセプトをマネジャーや職場の上位者に理解してもらう機会をもつことが一番かもしれません。具体的には、研修などのデリバリーを通して、この理解を深めることでしょうか。

 次にマネジャーがしっかりと部下育成に取り組めるように、彼らの負荷を軽減したり、様々なツール群を準備することも、そのひとつかもしれませんね。このあたり、何をどこまでやるべきかは、ぜひ、実務を担当なさっている方々のご意見をお聞きしたいところです。

 最後に、「4.経営者による経験のデザイン(支援)」とは何でしょうか。僕は、経営者も重要な「経験のデザイン」の担い手であると思っています。たとえば、経営者にしかできないような抜擢人事などはその典型です。

 ちょっと変わったところでは、DeNAの南場社長のマネジメントには「エース級を職場から引き抜く」というのがあるそうですね。昨日、日経さんの取材で、酒井さんからお聞きしました。つまり、職場のエース級を引き抜くことで、その下にいる人たちは、その穴を埋めるためにストレッチをせざるをえないということですね。これは、おそらくフィードバックとセットだと思うのですが、面白い育成手法ですね。

 そして、経営者がなす最大の経験のデザイン(支援)は、実は、「経営者自身が挑戦し、他者からのフィードバックをうけ、学んでいることを、社員に魅せること」ではないか、と思います。そうした様子を観察学習してもらうことが、最大の支援ではないか、と僕は思います。

  ▼

 今日は、朝っぱらから、つらつらつらと、「経験のデザイン」について語ってきました。一言で今日の記事を述べるのであれば、「経験のデザインとは、誰が何をなすべきか、もう少しブレークダウンして考えていきたいですね」ということです。

 けだし、学習研究者にとって「経験」とは、あまりに「所与」の概念です。
 なぜなら「学習」の一般の定義とは、「経験により比較的永続的な行動変化がもたらされること」(中島 1999)だからです。定義自体に「経験」という言葉が内包されているわけですね。

 要するに、

「学習することって、経験だよねー」
 
 というのは「まー、そうだよね」と感じます。
 そして、「それはそうなのはわかるけど、で、そこから何をするの?」ということがとても気になる、ということですね。

  ▼

 経験学習、あるいは、経験のデザインという概念が、企業人材育成の領域にもたらしたインパクトは、非常に大きいものがありました。また、その理論や言説の重要性は、失われることはないでしょう。

 しかし、そろそろ、この言葉を「コンセプト」から「アジェンダ」にするべき時が、きているような気がします。

 ---

■2010年5月27日 中原のTwitterでの発言

  • 23:20  こちらは大学院に合格したあとで、4月に入学するまでに読んでねーとお渡ししているものです。教育・学習・組織・情報あたりの文献が多いと思います。RT 大学院生さんに渡しているブックリスト http://ow.ly/1QDP0 @twitty_sw: @hoshinonaoka
  • 23:16  研究室ツアーをやるわけにはいかないので(笑)、こちらは、僕が大学院生さんに渡しているブックリストです。ご笑覧ください。http://ow.ly/1QDP0 RT @twitty_sw: @hoshinonaoka RT 本棚凝視派? 本棚無関心派?
  • 22:51  面白いですし、本質的だと感じました:ツイッターというもののしくみは、参加している人たちの「環境」どうしをつなげるものらしい。RT @hatebu: 糸井重里さんがツイッターをはじめて2週間で気が付いたこと:http://bit.ly/b7PyFg
  • 22:24  僕は講義をしているので、tsudaれませんが(笑)、 #keiomccにみんなが参加して、いわゆるlearning cpmmunityになるといいですね!RT @yamakawajunko: 先日、夕学をkeiomccのハッシュタグでtsudaりました。#keiomcc
  • 22:07  愉しんでいただけたようでなによりです。RT @sugimana: 久々に見る本や、そういう文脈だったのか!という未読本がたくさんあって興味深かったです。通って読みたいくらいでした。本は並べ方に尽きますね。RT 研究室にいらっしゃる方には、2種類の人がいる、と気がつきました。
  • 18:50  慶應MCC授業「ラーニングイノベーション論」開始。本日のゲスト講師は、一橋大学の守島基博先生です。はじまりました、今日も。今日のディスカッションは、日本型の戦略人材マネジメントについて。
  • 16:15  本棚を見ると、その人の知性がわかる、と言う名言を残した人がいましたよね、、、名前は忘れましたが。そう考えると頭の中をのぞかれてるようなもの? ダハハ、愉快ですね、小生、知的露出系をめざします。RT @yoshiwo14: 本棚は持ち主の頭の中身。 QT 本棚を見る人、見ない人。
  • 16:12  RT @hoshinonaoka: 私は前者です。興味津々です。 RT @nakaharajun: 研究室にいらっしゃる方には、2種類の人がいますね。「本棚を見ていいですか?とおっしゃる人」と「本棚には興味がなく何も見ない人」。なぜか?嬉しいね「どんどん勝手に見てください」。
  • 16:05  研究室にいらっしゃる方には、2種類の人がいる、と気がつきました。「本棚を見ていいですか?とおっしゃる人」と、「本棚には興味がなく何も見ない人」です。。。今日のお客さんは、皆、本棚を見まくる人でした。なぜか、訳もなく嬉しいね、、、「どんどん勝手に見てください」。
  • 16:02  英治出版の杉崎さん、研究室で議論する。僕が喋りすぎたが(2時間)、面白かった。Learning bar、あるいは、それに付随する「場づくりの本質」についてまとめる機会を、そろそろもつべきか・・・。
  • 16:00  今日はありがとうございました!楽しかったです。RT @joesakai: おつかれさまでした! RT 自分の仕事に関するインタビューをうけ、考え、他者の問いに答えることとは、「自分の仕事のあり方」を振り返るきっかけになるな、と思った。「リフレクティブインタビュー」ですね。
  • 11:06  自分の仕事に関するインタビューをうけ、考え、他者の問いに答えることとは、「自分の仕事のあり方」を振り返るきっかけになるな、と思った。「リフレクティブインタビュー」ですね。
  • 10:42  酒井穣さんと対談中。専修のLearning barを振り返りながら、人材育成についてお話ししています。日経ビジネスオンラインに3週分掲載される予定です。
  • 09:30  MT @junglecity: アップル社が時価総額でマイクロソフト社を抜いて世界最大のテクノロジー企業に。RT @KING5Seattle: Apple passes Microsoft as world's biggest tech http://bit.ly/cv98XL
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投稿者 jun : 2010年5月28日 06:37


本棚を見に来ていいですか?

 今日、研究室で、非常にたくさんのミーティングを持ちました。インタビュー、打ち合わせ、交渉、議論、、。本日は、多くのお客様がお越しになりました。ありがとうございました。

 お客さまと研究室でお会いして、本日お越しいただいた皆さんには、ひとつの「共通点」があることに、小生、気がつきました。それは「僕の本棚に興味を示し、じっくりとご覧になること」です(笑)。
 ある方は、「今度、本棚を見に来ていいですか? 子どもを連れてこようかな」とおっしゃっていました(笑)。面白いですね、お子さんは、僕の本棚を見て、どう思うのかな?

 なるほどねぇ、、、人間には、2種類の人がいるようです。
「他人の本棚に興味をもつ人」と「他人の本棚には興味を持たない人」ですね。この違いは、どこに由来するのでしょうね、、、非常に興味深いことですね。
 
 名前は忘れましたが、「本棚を見れば、その人の知性がわかる」という名言を残した人がいましたね。そう考えると、自分の本棚を見られるのは、なんか頭を覗かれているようですね。愉快ですね、ダハハ。僕は「知的露出系」をめざしているので、ぜひ、どうぞ。

 ---
 
■2010年5月26日 中原のTwitterでの発言

  • 21:27  「大学を創造的組織にする」という授業を受講している研究室の院生さんから、インタビューの依頼。「中原先生、なぜ先生は忙しいのですか?月~金曜日までどのような日常を過ごしているのかを教えてください」とのこと。思わず、コーヒーふいた(笑)。が、改めて考えると深い問いだ。ただいま内省中。
  • 21:20  instructorの方々の勉強会なのですね。USTで、こういう勉強会も配信されているというのは、すごい時代ですね。Have fun! (@onlinedojo live at http://ustre.am/hAgD )
  • 16:47  RT @AkikoSugaya: 「建築家・隈 研吾 & MIT Media Lab 副所長 石井 裕 (@ishii_mit) 〜夜更けのクリエイティブ・トークセッション inアクシス」6月16日(水)21:30~23:00 参加者募集 http://bit.ly/9K9rzA
  • 13:54  ロバの寓話、面白いですね!他者からのフィードバックは重要だとは思いますが、一方で、真に受けすぎてもダメということですね。月並みですが、バランスが難しい。RT @Lilac_log 新しいことを始めようとするとケチつける人は世界中にいる http://bit.ly/9B3o3b
  • 13:21  「Twitterによる公開読書」「ソーシャルリーディング」のまとめサイトはこちらです(http://togetter.com/li/23120)。手続きは http://ow.ly/1PW6Z 。@ToshioOkada @TanakaLaJunko
  • 12:54  RT @TanakaLaJunko: キャリア入社者は「外から来たんだから新しい空気を」と期待され、「前の会社では」と数回言うと「だったらそこ辞めなければよかったじゃない」と嫌がられ、大変だ。@nakaharajun: http://ow.ly/1PV1H
  • 12:27  ウルリッチ他著「人事大変革」を読了。人事部門をどのように変革するかを解説した良著。「HR部門が単独で仕事をすること」「HRを個人の意思ですすめること」を戒め、多様なステークホルダーへの信頼構築と積極的関与を通して、成果をだすことを主張。 http://ow.ly/1PVpv
  • 12:23  RT @tatsuya_urushi: 専門性を重視した中途採用の結果、俺流に拘り新しい会社のスタイルを受容しない人が伸び悩むとよく聞きます。RT 日本企業のOJTは、企業特殊スキル開発が目指されます。余計に、前職スキルの何を捨て、何を維持し、何を新たに学ぶのかが重要になるかも
  • 12:04  日本企業のOJTは、企業特殊スキル(特定の企業で機能するスキル)開発が目指されます。余計に、前職スキルの何を捨て、何を維持し、何を新たに学ぶのかが重要になるかもです。RT @tatsuya_urushi: 中途入社はun-learn。RT http://ow.ly/1PV1H
  • 11:57  RT @tatsuya_urushi: un-learnが難しく重要ですね。私は中途入社(前職銀行)ですが、「銀行員っぽいなぁ(銀行では通用しても、うちでは通用しないよ)」と言って頂いたことが自分を変えていくきっかけになった。RT http://ow.ly/1PV1H
  • 11:55  一橋大学の守島基博先生のご著書「人材の複雑方程式」を読了。プレジデントでの連載をまとめた本。日本企業の職場、リーダーシップ、ワークライフバランスなど企業経営と「人」との関係について論じた新書。 http://ow.ly/1PV0U
  • 08:28  RT @sundy: これは記事の書き方が悪い。イギリスのNQFのようなものだと思います。職業資格枠組みの制度のこと。(PDF注意)http://bit.ly/bAj09W @cosmicfizz74: RT @nakaharajun: 職業分野ごとに「キャリア段位」
  • 08:14  6月12日13時から、東京大学大学院 学際情報学府 修士課程 入試説明会が開催されます。午後4時から、研究室ごとに教員と大学院生がポスターセッションをします。僕も参ります。もし大学院に興味がおありの方は、ぜひ、本郷キャンパスでお会いしましょう!http://ow.ly/1PRbe
  • 08:07  RT @kanaya: 大学教員も序の口〜横綱に段付けするとよさそう.結果を残さない横綱は引退.RT @y_yatsuzuka: 段ごとに給料が決まる? RT @nakaharajun: 職業分野ごとのキャリア段位制度 http://ow.ly/1PNxy
  • 08:07  RT @okamoto4433: 看護師と比べて、保育士はキャリアパスが皆無。正直驚いた。で、それが少なからず離職率の高さに繋がっているので、保育士業界には朗報となる可能性もあるかな? RT @nakaharajun: 職業分野ごとに「キャリア段位制度」年度内にも導入。
  • 08:05  RT @majohina: 「中途入社のためのメンター制度」所属する病院にありました。経験者のプリセプターってちょっと違う。だからプリ初挑戦の人にはふらない。Oh!再組織化という話から考えるとスッキリします。朝から目が覚める話題です。(^o^)http://ow.ly/1PON4
  • 07:38  RT @k0150: とてもニーズのある研究だと思います。会社は宗教みたいなもんなので改宗は苦痛。知識よりも「ものの見方」の変更を強いられるからこそ苦痛。しかし成長のプロセスでもありますよね。RT 組織再社会化研究の必要性 http://ow.ly/1PON4
  • 07:22  RT @cosmicfizz74: 大学職員三段(黒帯)とか? うーん。RT @nakaharajun: 職業分野ごとに「キャリア段位」年度内にも導入。鳩山政権は、6月にまとめる新成長戦略に、職業分野ごとに「段位」を設ける「キャリア段位制度」の導入を盛りこむことを決めた。
  • 07:11  笑、そして同感!大臣3級? RT @kei770227: キャリア段位?まずは政治家から始めれば良いのに。リーダーは「行動」で示すものなり。 RT @nakaharajun: 職業分野ごとに「キャリア段位」年度内にも導入。http://ow.ly/1PNxy
  • 06:25  ブログ更新。中途採用が職場に適応し、仕事をなすためには:組織再社会化研究の必要性。Learn(学び)、Unlearn(学びほぐし)、Relearn(学び直し)の果てないプロセス・・・雇用流動化・組織再編のまっただ中を生きる現代人のリアルです。 http://ow.ly/1PON4
  • 06:09  RT @twitettaseattle: 雇用の流動化が必要なのは、簡単に「職業分野」じゃくくれないとこだと思いますが。いっそコンピテンシー段位とか。RT職業分野ごとにキャリア段位 年度内にも導入。//雇用の流動化を促す?。(ASAHI) http://ow.ly/1PNxy
  • 05:57  RT @wakida: 同技量でも場の差で見え方が違うと思う RT 職業分野ごとに「キャリア段位」年度内にも導入。鳩山政権は、6月にまとめる新成長戦略に、職業分野ごとに「段位」を設ける ... 雇用の流動化を促すのが狙い。(ASAHI) http://ow.ly/1PNxy
  • 05:41  職業分野ごとに「キャリア段位」年度内にも導入。鳩山政権は、6月にまとめる新成長戦略に、職業分野ごとに「段位」を設ける「キャリア段位制度」の導入を盛りこむことを決めた。雇用の流動化を促すのが狙い。(ASAHI) http://ow.ly/1PNxy
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投稿者 jun : 2010年5月27日 19:07


中途入社社員が職場に適応し、仕事をなすためには!?:組織「再」社会化研究の必要性

 組織研究において、組織社会化とは「新参者が、組織目標を達成するために必要な知識・技術・価値観を獲得し、組織成員になっていくプロセス」をいいます。要するに、一言でいうと「新人が職場に適応し、一人前になっていくプロセス」ということになります。

 例えば、今は、新入社員がそろそろ研修を終え、職場に配属された頃でしょうか。この場合、新入社員は、まさに組織社会化のまっただ中にあるということになりますね。

  ▼

 昨日、大学院中原ゼミで、「組織社会化」の文献レビューを関根さん(M1)が報告してくれました。なるほど、この領域は膨大な研究知見があるのですが、印象的だったのは、「組織再社会化」という概念です。

 要するに、いったんある特定の組織に「社会化」された人が、それ以外の組織に参入したり、組織間の境界を渡ったときなどに、「ふたたび社会化されなおすこと」を、「組織再社会化」といいます。
「組織再社会化」と「組織社会化」を明確に区分する境界は曖昧です。「組織再社会化」は、「組織社会化」の「ひとつ」とみなすこともできますが、ここでは、敢えて分けて考えることにしましょう。

  ▼

 現在は、組織は常に揺れ動いています。また、組織間の人の移動も、どんどんと激しくなることが予想されます。
 M&Aや事業再編が繰り替えされ、「組織の境界」は常に入れ替わっています。一方、かつての「終身雇用」という雇用慣行(というよりも心理的契約)は、もう過去のものになりはてています。

 いったん社会化され、組織に適応したとしても、その組織自体がステイブルであることはあまり期待できません。組織自体が揺れ、再編成されているからです。また、今後、雇用の流動化、グローバル化は、望むと望まないとに関わらず、進むでしょう。これは、ひとつの企業の選択、経営判断というよりは、マクロな社会構造の変化です。

 このような中では、かつてからの「組織社会化」に加え、「組織再社会化」の研究の重要性が上がってくるのではないか、と推測します。実は、「組織社会化」の研究量に比べて、「組織再社会化」の先行研究量は少ないのです。

  ▼

 例えば、ある会社で、ITのプロジェクトマネジメントの経験をかなり積んだ人が、その経験をかわれて、他の会社に中途入社するとします。

「中途入社」ということですので、本人にも「俺は経験者だ、仕事はできるんだ、誰にも頼れないな」というプライドありますし、また、周囲も、当然のことながら「即戦力」と見なします。望むと望まないとにかかわらず、彼には「即戦力」としてのラベルがついてまわります。

 多くの会社では、中途入社の場合、新入社員のように、様々な「組織社会化」のための機会は設けられていないことが多いでしょう。中途入社のためのメンター制度なんて話は、新人のメンター制度の比べて聞くことは少ないと思います。中途入社した人は、プロマネの「即戦力」になることを期待され、職場にすぐに配属されます。

 しかし、わたしたちの経験則からは、必ずしも、この人が、十全たる仕事のパフォーマンスを発揮できるかというと、そうではありません。

 ある特定の会社でつんだ経験が、他の会社での仕事に「転移しない=活かせない」ということが往々にして起こるのです。つまり、仕事がなかなかできない。最悪の場合によっては、職場に適応できない、ということが起こりうるのです。また、仕事のパフォーマンスを十全に発揮するまでには、長い時間がかかることも、ままあります。

  ▼
 
 この現象の理由は、複雑であり、かつ、多要因です。

 外から見ると同じプロマネの仕事であったとしても、ある仕事をなしえるために、本来は必要な背景知識や業界の常識などを知らなかったりすることも、理由としてはありえるかもしれません。

 特に日本企業の人材育成の特徴であるOJT(On the job Trainng)で開発されるのは、企業特殊スキル(特定の企業で機能するスキル≒特定の企業でしか機能しないスキルともよべる)だと言われています。ですので、前職で学んだことは、次の職場で活かせないことが起こる可能性は低くはありません。

 この場合は、必要な知識を「学び直す(Re-learn)」必要がでてきます。場合によっては、今までの「知識・技術」を「捨て去る=学習棄却する(Unlearn)」必要がでてくる場合もあります。

 また、仕事をなすためのコンテキストが、会社がかわれば、全く変わるということもありえます。コンテキストを理解するまでに相当の時間はかかるでしょう。あらゆる仕事の能力は、文脈や状況に埋め込まれています。
 
 こうした場合、おそらく「組織再社会化」が必要になるのでしょうが、実は、あまり、これらについてはわかっていないことが多いように思います。そして、これからの時代は、こうした研究が増えてくることが求められるようになるでしょう。

  ▼

 組織の境界を越えるとき・・・
 人は、今までもっているものの何を捨て、何を得なければならないのでしょうか。何を学び(Learn)し、何を学びほぐし(Unlearn)、何を学びなおさなければ(Re-learn)しなければならないのでしょうか?
 また、どのような経験を活かし、どのような経験の意味づけを再び行わなければならないのでしょうか。

 いずれにしても、間違いのないことは、私たちは、望むと望まないとにかかわらず、いつまでたっても、組織社会化が終わらない時代を生きることになってしまった、ということです。
「組織再社会化」「組織再再社会化」「組織再再再社会化」が連綿と繰り返され、その矛盾と葛藤のプロセスの中をサバイブしなければならないということなのかもしれません。

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追伸.平成23年度東京大学大学院学際情報学府修士課程入試説明会のお知らせ

 今年の大学院入試説明会が、6月12日開催されることになりました。この1日で、大学院のシステムがご理解いただけるものと思います。また、16:00~17:00からの「学環・学府めぐり」では、各研究室がポスターセッションをします。僕もポスターセッションで、研究のご説明をいたしますし、また中原研究室の大学院生もたくさんおりますので、お話をお聞きいただけるものと思います。もしよろしければ、ぜひ、お越しください。

■平成23年度東京大学大学院学際情報学府修士課程入試説明会
日時:2010年 6月12日 (土) 13:00 ~ 17:00
会場:東京大学大学院情報学環・福武ホール(赤門横) 福武ラーニングシアター(B2F)

詳細はこちらでお願いします

http://blog.iii.u-tokyo.ac.jp/iii/news/201123.html

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■2010年5月25日 中原のTwitterでの発言

  • 22:25  RT @fujisiro: 日本のマスメディアは専門性は必要とされてこなかったから当然だがシステムもないし、専門記者も非常に少ないRT @tamdai99: RT RT @yuuhey: 多くの新聞社やテレビ局では専門性向上のための研修システムが整備されていない
  • 22:06  海外のマスメディアはどうなのでしょうね。ジャーナリズムスクールなどの果たす役割もあるのだと予想しますが。RT @yuuhey 新聞社やテレビ局では専門性向上のための研修システムが未整備。
  • 22:04  研究分野的に様々な会社の人材育成システム、体系を目にしますが、マスメディアは最も、その整備や意識が遅れている業界のひとつだと感じます。ただし、ここ1年で志や危機感のある企業は、整備をはじめています。RT @yuuhey 新聞社やテレビ局では専門性向上のための研修システムが未整備。
  • 21:59  RT @yuuhey: 多くの新聞社やテレビ局では専門性向上のための研修システムが整備されていない。影響力を持っているのでせめて統計的な考え方ぐらいは研修でフォローして欲しい。
  • 21:57  嬉しいことですね、応援します。RT @yohei917: 1つ実践コミュニティが生まれた! RT @YurieSONOBE 成人教育の勉強会始めました!第1回は6/16教育学研究棟社会教育学ゼミ室付近にて。まれびとハウスでの中原先生のお話をきっかけに先輩と始めました。感謝です☆
  • 21:42  "大人の学び"勉強会開催 メジロー、ノールズなどかな。Have fun ! RT @yohei917: 支援!RT @YurieSONOBE 成人教育の勉強会始めました!第1回は6/16教育学研究棟社会教育学ゼミ室付近にて♪興味ある方是非!
  • 19:59  京都大学大学院・教育学研究科の集中講義(7/28-7/30)の準備をそろそろ進めなければならない。参加人数未定とのこと(笑)。課題文献をいくつ選ぼうかな。経験学習論、職場学習論、組織学習論、組織社会化論、組織社会化論、越境学習論などを扱う予定。
  • 19:26  組織社会化とは「新参者が、組織目標を達成するために必要な知識・技術を獲得し、組織成員になっていくプロセス」。しかし、現在は、いったん社会化され、組織に適応しても、組織自体が揺れ、再編成され、雇用が流動化している。今後は、組織「再」社会化の研究の必要性があがってくるのかな、と思う。
  • 19:04  大学院ゼミ。今日の英語文献購読は「組織社会化:過去・現在、未来への序章へ」というレビュー論文。1992年から1996年の組織社会化研究の文献レビュー。
  • 18:18  大学院ゼミ。木村君(M2)の研究発表。大学におけるサービスラーニングの教育効果に関する実証的研究。サービスラーニングとは、「学生が、一定期間、社会奉仕活動を体験し、学問知識として学んだことを体験に活かし、また、体験を省察し生きた知識を学ぶ教育プログラムのこと」をいいます。
  • 17:27  誤診率14.2%・・・診断とは難しいんですね。。RT @well_be: 「徹底的に診断しても,厳格な基準のもとでは,誤診はこんなに出る。医学とは難しいものなのだ」 誤診率14.2%。 http://ow.ly/1Ps4B
  • 17:15  大学院中原ゼミ(@nakaharalab)。福山君(M2)の研究課題。社会的ジレンマを学習するための協調学習について。
  • 17:10  今年の大学院合宿は(山内研究室と合同)、デューイ、ヴィゴツキー、ピアジェ、スキナー、ショーン、ブラウン、レイブ、レヴィン、エンゲストロームの代表的文献を購読し、これらの学者たちの理論的系譜を整理するという学習課題に取り組むことになった。
  • 13:47  RT @majohina: RT ワクワクの時代到来です。助産師教育にも新しい風を吹かせたいっ‼毎日小さな工夫を繰り返し、生き生きした助産師の育ちを支えたいと思います。 @nakaharajun http://ow.ly/1Pm7Q
  • 13:47  アップルは"帝国"、Googleは"連合軍"。非常にわかりやすいビジネスモデルの整理でした。http://bit.ly/ajNC8Q
  • 13:17  RT @zacky1972: 中原さんのブログ http://ow.ly/1Pm7Q は,医療教授システム学会とその方向性についての議論について実に興味深い記事です.我々も「ソフトウェア工学教授システム学会」「組込みシステム教授システム学会」とか立ち上げるかな?
  • 09:50  ブログを書きました。「医療現場の学びをみんなで探求する」です。「クオリティの高い研究知見」と「インサイトに富む現場の経験」の二つを「コア」にした「ハイブリッドでオープンな知のエコシステム」をいかに構築するか、というお話です。 http://ow.ly/1Pm7Q
  • 09:49  悲しいかな、人生のギアボックスに「バック」はないですなぁ(笑)。@Tom_Nakata: バックギアなどあるわけもなく RT ここから10年は、ギアを4速にいれて、アクセルを一杯まで踏み込んだくらい、早く過ぎるよ RT @yohei917: @YukiAnzai のアラサー祝い
  • 07:03  学術出版社の寡占も一因なんですね。研究者としては、多くの人に読んで欲しい&多くの論文を読みたいだけんですけどね。RT @sugi2000: 電子ジャーナルは冊子よりも購読料が高騰しています。その一因は巨大な学術出版社の寡占状態にあるようですhttp://bit.ly/9kUBPA
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投稿者 jun : 2010年5月26日 06:17


医療現場の学びをみんなで探求する:ハイブリッドな知のエコシステムをいかにつくるか?

 昨日は、日本医療教授システム学会という学会が、今年9月から発刊する「日本医療者教育雑誌」の第一回編集委員会に参加しました。獨協医科大学の池上先生、慶應義塾大学の杉田先生、筑波大学の松本先生、神戸学院大学の内海先生、東京大学の大西先生、熊本大学の鈴木先生、篠原出版新社の井澤さんなどがご出席なさっていました。

日本医療教授システム学会
http://www.asas.or.jp/jsish/index.html

日本医療教授システム学会:ミッションと行動目標
http://d.hatena.ne.jp/ikegamik/20100418

 当然のことですが、僕は「医療」に関しては、ズブのド素人。その知識は、最近、ER(Emergency room)を第3クールまで見終わったくらい、はっきりいって「血」は怖いです(笑)。
 そんなわたくしですが、自分としては皆さんとの議論を踏まえながら「勉強」ができるといいな、という感じで、最初はおそらく「貢献」はできないでしょうけど、このたび参加させていただくことにしました。

 編集会議自体は、非常に「なごやかな雰囲気」のもと行われました。
 この学会では、医療従事者のみならず、人文社会科学の論文投稿も受け付けてくださるようですので、その観点から、いくつか論文投稿規約についてコメントをさせていただきました。
 参考文献の付け方、論文の枚数、論文の形式・・・分野によって、かなり違うんだな、と実感しました。おそらく昨日の議論が反映されれば、これで人文社会科学の方からも、投稿もかなり融通がきくのではないか、と思われます。

  ▼

 個人的には、「医療学習」の興隆は、「医学を中心としつつ、経営学、人類学、教育学、薬学、社会学、心理学、経済学など様々な学術背景をもった研究者と、実務家がまじわるクオリティの高いオープンアリーナをいかに生み出すか」にかかっていると思います。
 つまり、運営や参加を、「ひとつのディシプリンの人たちだけに閉鎖せずに、それでいて、一定のクオリティを担保するというアポリア」にいかに挑戦するか、ということです。

 別の言い方をするならば、

「クオリティの高い研究知見」と「インサイトに富む現場の経験」の二つを「コア」にした「ハイブリッドでオープンな知のエコシステム」をいかに構築するか

 ということになるのかな、と思います。

 いいえ、もしかすると、これから「実践現場をもつような学問のあり方」としては、程度の差こそは、あれ、このようなスタイルが増えていくのかもしれません。すべての学問分野で、このような動きがでてくるとは思いませんし、また、そうなるべきだと思いませんが、何となく、僕の目には、近い将来の学会が、そう映るのです。
 世の中の動きと同時に、研究のあり方も、学会のあり方も、少しずつ変わっていくのではないか、と思います。

  ▼

 ともかく、創刊号の第一回編集委員会というのは、なかなか「新鮮」でした。自分たちが社会に物事を発信していく「舞台」を、自分たちで創る感覚が気持ちよい、と思いました。「そうか、自分たちの手で舞台をつくり、歌を歌えばよいのか、、、そういうことか」と思いました。

 また、ひとつ腹をくくった一日でした。

 他人が笑おうが笑うまいが
 自分の歌を歌えばいいんだよ
(岡本太郎)

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■2010年5月24日 中原のTwitterでの発言

  • 22:47  アラサーおめでとう、ひひひ(笑)。あのね、これから10年は、ギアを4速にいれて、アクセルをいっぱいまで踏み込んだくらい、早く過ぎるよ(笑)、ひひひひ。RT @yohei917: ただいま @YukiAnzai のアラサー祝いをしました。
  • 22:45  日本を洗濯致したく候!RT @makimuramaho: 龍馬パーマをあてた上田先生。 RT @tatthiy: 上田先生はいつも楽しそうだwRT @YukiAnzai: 上田先生 at MITメディアラボとskypeで乾杯! http://twitpic.com/1qm64j
  • 22:44  海外でいろんなものを見て、ぜひ「シャケ」のように戻ってきてください(笑)。 海外でシンドイ思いをすることは「リスク」だと感じる人が多いようですが、実は、国内にとどまっていることも、それ相応の「リスク」だと僕は感じます。RT @tatthiy: 海外の大学にいきたくなる。
  • 22:39  RT @YukiAnzai: real time documentation = capturing and sharing our experiences as they happen
  • 22:37  コメントありがとうございます。@Setsuko_412さんは、自らの経験に照らして、教えられるものだとお考えですか? RT : エッジな学びをいかに組織に根づかせるか悩む企業が多い。そもそも教えられるものでしょうか?RT 「フラットな学び」と「エッジな学び」
  • 22:36  個人的には、医学教育の興隆は、医学、経営学、人類学、教育学、社会学など様々な学術背景をもった研究者と、実務家がまじわるオープンアリーナをいかに生み出すか、にかかっていると信じます。RT @GenTarumi: @medicalcafe 日本医療教授システム学会 日本医療者教育雑誌
  • 12:03  RT @masugit: ダイヤモンドオンライン連載「スパルタ研修と対話型研修ではどちらが新入社員を成長させるか?」 http://diamond.jp/articles/-/8201
  • 11:52  「日本医療者教育雑誌」という論文誌が、今年9月に創刊されます(日本医療教授システム学会)。年に2回程度の発刊になる予定です。編集方針は「読んでためになる、すぐに役立つ内容」だそうです。
  • 11:32  なるほど!RT @kmatsu1129: 学術出版は出数が少ない=電子化最大のメリットである複製コストほぼ0が活きない、専門故に代替品がない=他に逃げられないので強気価格が維持できる、ってとこですね。RT @nakaharajun: なぜ、学術雑誌は高額なのか?
  • 11:16  なぜ、学術雑誌は電子出版になっても高額なのか?・・・そういえば、先日、図書館に、ある学術雑誌を収録してくれるよう依頼したのですけど、年間で100万になるので、とても無理です、と言われたなぁ・・・。 http://ow.ly/1OT7p
  • 11:12  学術雑誌について議論。医学、経営、教育、救急、看護・・・分野が違うので、新たな「発見」や「気づき」があり、面白い。
  • 10:56  なるほど!RT @mHigano:「フラットな学びとエッジな学び」拝読しました。これはコッターのマネジャーとリーダーの区別とぴったり対応しているように思えて腑に落ちます。 つまりマネジャーはフラットな学び。リーダーはエッジな学び。
  • 10:22  RT @carzoo_k: 2者が必要なのは同感。ただ循環が機能しないからイノベーションのジレンマに陥る。これを組織としてどう解決するかが鍵かと思う。RT @nakaharajun 「フラットな学び」と「エッジな学び」。循環する関係にある。 http://ow.ly/1OS1f
  • 09:43  ブログを書きました。「フラットな学び」と「エッジな学び」です。組織、あるいは、個人には、今、二つの学びのあり方が求められているのではないか、という仮説的妄想を書いてみました。これらは、どうも循環する関係にあるようです。 http://ow.ly/1OS1f
  • 08:48  楽しみにしています。RT @makimuramaho: 準備が整い次第公開するつもりです! RT @nakaharajun: Youtubeとかで公開すんの RT 今日はサードプレイスコレクション2010の動画 RT @junofusa @yukianzai @tatthiy
  • 08:31  なるほど、薬剤師の方々の学びか・・・RT @tackasy 病院薬剤師さん中心に教育やってますが、まさに、現場で悩んでいます。どのように、教授というか、教育をすべきなのか。やっているものを、客観的に評価するのもまた難しく... >医療の世界にも学習研究がもっと増えるといいですね。
  • 08:30  Youtubeとかで公開すんの?RT @makimuramaho: できたてです!みましょう RT 見たいです!それにしても、もう4ヶ月もたつのね・・RT 今日はサードプレイスコレクション2010の動画RT @junofusa @yukianzai @tatthiy
  • 07:54  ほほー、「世界を変えるデザイン展」とは。こんな面白そうなイベントがあるとは、、、仕事のスキマに立ち寄るか。「世界を変えるデザイン展」:生きていくためのデザイン。発展途上国の人々の生活視点に基づいたデザインとは? @saobeeさんよりご案内 http://ow.ly/1OQQz
  • 07:31  新原稿着手。組織の中で人はなぜ、凝り固まっていくのか? なぜ、保守化し、指導、管理という美名のもとに、新たな試みを摘み取るのか?。この問題を、それじゃ、いかんでしょと糾弾するのは簡単。僕は、逆に、そうせざるを得ない合理的理由をいったん認めて、そこからの解放を論じようかと思案中。
  • 06:50  ハビトゥスとは、社会の中に構造化された関係を個人の中に内面化しながら、また他方で、その制約の中で無限にかつ自由に実践を次々生み出すことを可能にする身体の発生図式あるいは傾向性。(田辺 2003)
  • 06:34  今日は日本医療教授システム学会誌の編集委員会に参加する予定。編集委員長は、東大の大西先生。医療の世界にも学習研究がもっと増えるといいですね。
  • 06:26  君の頭も楽しみにしています!RT @mitsuru_3261: 記録を残し、振り返るって大切ですね。私の頭がうんざりするほど映っているのが難点ですが、すばらしい出来の動画でした。 RT: 見たいです!RT @makimuramaho: TPC2010 video
  • 05:54  平松・鵜飼他著「社会ネットワークのリサーチメソッド(http://ow.ly/1OPpg)」読了。ネットワーク・つながりを調査するための具体的手法について、実際の質問紙調査の質問項目をひきあいにだしながら、解説した本です。類書に比べ、非常にわかりやすいと感じました。
  • 05:49  見たいです!それにしても、もう4ヶ月もたつのね・・RT @makimuramaho: ご無沙汰しております。今日はサードプレイスコレクション2010の動画を見ながら振り返っていました! RT @junofusa: @makimuramaho @yukianzai @tatthiy
  • 05:46  RT @haraken_tokyo: コミュニケーション戦略などと言う言葉ははずかしい。伝達戦争をしているわけではない。いい表現を作ってきた才能ある人たちはみな、人の心を捉えるものごとの機微をわかっていて、何かを共振させようと努力している。これを「戦略」とは思っていない。
  • 05:44  「その問題の解決が、なぜ社会から求めらているのか=誰が救われるのか?」「今までの研究と何が違うのか?」RT @takashiiba: 研究計画書にコンテンツだけ書いても、So What? だよ。学術や社会との接点となるコンテクストを書かないとさ、その研究の意義や魅力が示せないぜ。
  • 05:42  RT @takashiiba: 研究計画書へのアドバイス:「コンテンツ」と「コンテクスト」は別物。例えば、ブキャナンの『Ubiquity』を、べき乗分布の普遍性の話だと思っているなら、コンテンツに目がいっている。どんなコンテクストでそれが語られているか考えてごらん。
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追伸.
@clioneさんに教えてもらったサイト:授業で統計に悩んでいる社会人や大学院生に紹介しようと思っています。ありがとうございました。

心理データ解析A(小塩慎司先生)

http://psy.isc.chubu.ac.jp/~oshiolab/index.html

心理データ解析B(小塩慎司先生)
http://psy.isc.chubu.ac.jp/~oshiolab/teaching_folder/data_b/top.html

浦上先生のWeb

http://www.nanzan-u.ac.jp/~urakami/index.html

投稿者 jun : 2010年5月25日 09:41


「フラットな学び」と「エッジな学び」

 最近、僕が好んで使っている言葉に、「フラットな学び」と「エッジな学び」という言葉があります。「組織には、この二つが、バランスよく、共に存在することが重要である」という壮大な仮説的妄想?に、とりつかれいて、そのことを主張するときに使っているのです。

  ▼

「フラットな学び」とは「組織の目標・パフォーマンスを達成するために、メンバー全員に学習機会を与え、知識・スキルレベルを底上げして均一化すること」ですね。それは「職場のメンバーがチームでコトにあたれるよう、なるべくフラットで、均質であること」をめざすので、僕は「フラットな学び」と命名しました。

 一方で、これとは対照的に「エッジな学び」というものもあります。「エッジな学び」とは「組織を支えるようなイノベーションを生み出すために、メンバーの日常慣性(イナーシア)に揺らぎや裂け目を与え、自明視されていたものを問い直すこと」です。「エッジの切れたことをなすための学習」なので「エッジな学び」と呼んでいます。

  ▼

 結論からいうと、現代のビジネス環境は、「フラットな学びをとにかく早く実現しつつ、一方で、エッジな学びを追求しなければならないこと」を組織に求めているように感じます。

 日常のオペレーションを粛々とこなしながらも、そのオペレーション自体のあり方を揺るがすようなことを為さなければ、日々、変化・激化する競争環境で、持続的な発展をすることは難しくなっています。なぜなら、私たちが足をつけている「地面」が、揺れているから、地殻変動しているから・・・すなわち「変化」しているからです。そのような中で、一見相反する二つの物事を、両方、なす事が求められているのです。

 しかし、実は、よく考えてみると、この二つの学びは「共依存(Co-dependence)」の関係にあることもわかります。

 とにもかくにも、まずは「フラットな学び」がある。それによって、日々のオペレーションが支えられます。オペレーションになれ、だんだんと自動化してくると、ルーチン化(制度化)が可能になります。そこで得たスラック(余裕・資源)こそが、「エッジな学び」に取り組む時間を支えます。
 一方、「エッジな学び」は、「次の時代のオペレーション」をつくりだします。そして、そのオペレーションを実行するために、また、「フラットな学び」が必要になります・・・つまり、これらは相互に依存しあっており、循環的関係にあるということですね。

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 今日は「フラットな学び」と「エッジな学び」を、組織の話で説明しました。組織が持続的に発展していくためには、この二つの学びがともにあることが重要ではないか、という壮大な仮説(世迷い事)を述べました。くどいですが「世迷い事」ですので、今後、検証がなされなければならないことでしょう。

 しかし、一方で、またまたよーく考えてみると、これは、何も組織だけに必要なことではないようにも思います。個人にとっても、「フラットな学び」と「エッジな学び」の双方が必要なのではないでしょうか。

 まずは、「誰かが与えてくれた日々の仕事」をこなすための知識やスキル、これを獲得することが求められるでしょう。必死に働くこと、経験をつむこと、他人からのフィードバックに素直に耳を傾けること、がこの時期には必要です。「誰かの仕事のやり方」を獲得することも求められるかもしれません。いずれにしても、自分を、先達と同レベルの「フラット」な状況にもっていくことが、ここでは求めらます。

 しかし、一方で、ある程度成長したならば、「誰かが与えてくれた仕事」をなすことと同時に、「自分の仕事をつくること」「自分のやり方を編み出すこと」が求められるでしょう。ここには、今までの自分を問い直し、自分の「エッジ」を築く必要があるのではないでしょうか。

 「フラットな学び」と「エッジな学び」 
      あなたの組織は、今、何を必要としていますか?

 「フラットな学び」と「エッジな学び」 
      あなたには、どちらも足りていますか?

The test of a first-rate intelligence is the ability to hold two opposed ideas in the mind a the same time, and still retain the ability to function.

優れた知性とは、二つの対立する概念を同時に抱きながら、その機能をどちらも十分に発揮させることができる、ということだ

スコット=フィッツジェラルド(村上春樹訳)

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■2010年5月23日 中原のTwitter発言録

  • 19:31  苦笑がもれるが、すこし切ない。RT @kazu_fujisawa: しかし、このばあちゃん、炎上することを狙ったマーケティングだとしたらそうとうなやり手だな http://twitpic.com/1q7y2i
  • 19:28  RT @masason: 5月24日(月) 14:30より、TBSとSBで「革命×テレビ」制作発表を、 USTREAMスタジオ汐留生中継。 http://bit.ly/kakutv #softbank #kakutv
  • 11:41  解決困難な状況になると、人はリーダーシップに恋い焦がれ、待望します。ある側面では、リーダーシップ待望論は、思考停止の言説かもしれません。リーダーシップロマンスですね。RT @pieria420: 「任せる政治から引き受ける政治へ」 RT @tassay 西水美恵子さん講演
  • 10:26  RT @tassay 西水美恵子さん講演。前ブータン国王・雷龍王4世に西水さんが「退位したら今度は日本のリーダーになって」と冗談を言ったところ「リーダーに頼る国づくりは脆いよ。国づくりは国民一人ひとりの仕事だ」とお答えになった。 #nishimizu
  • 07:22  「遊牧民から見た世界史(http://ow.ly/1OCWg)」は読んだことありませんが、魅力的なタイトルですね。早速注文しました。RT @yohei917: 最近面白かったのは「グローバリゼーション 人類5万年のドラマ」「遊牧民から見た世界史」「21世紀の歴史」
  • 07:08  同感です!RT @Asako17: 最後の My foolish heart、素晴らしかったです☆坂本さんも、山下さんも最後のインプロ、それぞれに「らしい」スケールワークだったなあ。RT今日のスコラ。RT @Asako17
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■2010年5月22日 中原のTwitter発言録

  • 23:33  講義と同時に、グローバリゼーションの入門書「http://ow.ly/1Oxf5」「http://ow.ly/1OxeD」等をお読みになって、皆さんで議論をすると、より深く、今という時代を生きる自分を見つめることができるかもね。愉しんで!@yohei917 @salily1214
  • 23:23  枯葉(http://ow.ly/1Ox9e )も素晴らしいですね。RT @Asako17: RT @clione 今度「枯葉」も聞いてみます。RT @Asako17: 私はエバンスの枯葉かなあ。RT @clione Waltz for Debbieを着メロRT
  • 22:03  渋い!名盤ですね。RT @clione: Waltz for Debbieを着メロにしていますRT エバンスも素晴らしい!今日11:45分からNHKでスコラ。My foolish heart(http://ow.ly/1Ow4D)。RT @Asako17:
  • 22:01  僕は、第三回の新自由主義の授業が最も印象的です。というか、見ていて唸りました、素晴らしい。RT @yohei917: 【緩募】30日9:00-18:00(12-13時ランチ休憩)は【ハーバード白熱教室1-8回】を上映します。@mare_bito です。参加者はレスをくださいな!
  • 21:54  エバンスも素晴らしい!今日の11:45分からNHKでスコラあります。My foolish heartやるみたいですよ(http://ow.ly/1Ow4D)。LBまたお越しください!RT @Asako17: うわー、贅沢ですねえ☆私はエバンス派ですが。
  • 21:44  なるほど。朝の時間を有効活用するビジネスマンは2008年より増加傾向!? : アサヒ飲料 ビジネスパーソン 朝の生活実態調査 http://ow.ly/1OvVV
  • 21:36  RT @tatthiy: [急募/RT願]明日、ワークショップをはじめとした「学びの場作り」に関心がある人たちで飲み会をします。サードプレイスコレクション2010などの事例プレゼン等もあり。19時開始。限定10名。飲食付きで会費は2000円です。参加希望者はレスを下さい。
  • 21:23  ちなみに小生、モンク好きでございます。monks point(http://ow.ly/1OvGf)、Dinah(http://ow.ly/1OvGx)、Blue monk(http://ow.ly/1OvGX)、そして名曲(http://ow.ly/1OvHt)など。
  • 21:09  本日のNHK スコラ 坂本龍一は、ビバップ→モードジャズ(マイルス)と続いて、最後はモンク。マイルス(http://ow.ly/1Ovq2)、モンク(http://ow.ly/1Ovt5)が格好良かった!RT @satfuku @Asako17 @ToshimiBan
  • 20:07  5/20 酒井穣(@joesakai)さんをお招きしたLearning barのまとめサイト。http://togetter.com/li/22908 @kino_wataさんが作成してくれました。ありがとうございました!
  • 16:51  NHK 坂本龍一教授のワークショップ。マイルスデイビスのモードジャズ。
  • 16:22  RT @ikiikilab: 【学術研究シンポジウム】国家の成長戦略として大学の研究・人材育成基板の抜本強化をー」 9大学の学長らがパネルディスカッション.5月28日18-20時@学士会館http://cirp.u-tokyo.ac.jp/gakujutsu/ #pdwp...
  • 08:52  最新カンファレンステクノロジー:手書きコメントカードを自動集計するツール「Chart it」:Learning barでも使わせていただきました。http://ow.ly/1OphX  miyabara @sugi2000">http://ow.ly/1Opic #lb0520 @miyabara @sugi2000">#lb0520 @miyabara @sugi2000">http://ow.ly/1Opic #lb0520 @miyabara @sugi2000
  • 08:31  メディア企業、IT企業化する「書店」!?RT @sasakitoshinao: 急速に電子書籍化が進む米では書店業界がサバイバルに挑戦。バーンズアンドノーブルはCEOにPalm出身のIT業界人を起用。/ http://jp.wsj.com/IT/node_63223
  • 08:30  RT @sasakitoshinao: GoogleTVに関する分析。たいへん良記事。/ 「Google TV」は従来のWebテレビと何が違うのか? − @IT http://www.atmarkit.co.jp/news/201005/21/tv.html
  • 07:13  ブログを書きました。ティナ・シーリグ著「20歳のときに知っておきたかったこと:スタンフォード大学集中講義」書評です。d.schoolの授業の中で実践されているワークショップが、非常に面白かったです。手元の5ドルを2時間で増やすエクササイズなど。...
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投稿者 jun : 2010年5月24日 09:41


ティナ・シーリグ著「20歳のときに知っておきたかったこと:スタンフォード大学集中講義」書評!

人間には二つのタイプがいる。自分のやりたいことを誰かに許可されるのを待っている人たちと、自分自身で許可してしまう人たち。

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ティナ・シーリグ著「20歳のときに知っておきたかったこと:スタンフォード大学集中講義」を読みました。

 著者はスタンフォード大学d.schoolで、「起業家精神」の授業をもつアントレプルナーセンターのエグゼクティブディレクター。
 本書では、この授業の内容を中核にして、著者が「20歳のときに知っておきたかったこと」を、自分の子どもに語るかたちで綴っています。僕自身は、この本を、授業やワークショップのインスピレーションを得るためのものとして読みました

 たとえば、本の中には、d.school授業「起業家精神」の中で実践されている様々なワークショップが紹介されています。これが結構面白い課題で、とても参考になりました。

【自分の殻を破ろう】
 今、手元に5ドルあります。2時間でできるだけ増やせと言われたら、皆さんはどうしますか?これはわたしがスタンフォード大学で実際にだした課題です。クラスを14チームにわけ、各チームには、元手として5ドルの入った封筒を手渡します。
 後日、各チームには、実際にどんなことをしたのかを1枚のスライドにまとめ、発表してもらいます。

【ルールは破られるためにある】
 何らかの問題をだして、グループで解決するべき課題を設定する。それへの解決策を話し合い、最高の案と最低の案を考えてもらいます。後日、最高の案を集めて、それを破り捨てます。そして「この最低の案を練り直して、再度、最高の案をつくってください」といいます。

【失敗を恐れない】
 学生に失敗のレジュメをつくってもらいます。「仕事上の失敗」「学業上の失敗」「私生活での失敗」のそれぞれに、どのような失敗の経験をして、そこから何を学んだのかを書いてもらいます。失敗というレンズを通して、自分の経験を見ます。

 いかがでしょうか。こうしたエクササイズを通して、著者は「起業家」に必要なマインドを、何とか教えようとしています。非常に興味深いですね。
 近いうちに、こうしたワークショップを改良して、何らかのエクササイズを、自分の授業などに取り入れてみたいな、と思っています。

 Stay hungry, Stay foolish! (Steve, J.)
 
 ちなみに、東京大学知の構造化センターが実施する教育プログラム、ischoolのワークショップをまとめた本が、先日、出版されたそうです。こちらも面白く読むことができました。

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■2010年5月21日 中原のTwitterでの発言

  • 22:02  東大ischoolの著書「東大式 世界を変えるイノベーションのつくりかた(http://ow.ly/1O69F)」、本日出たそうだ。東大ischoolは、東京大学知の構造化センターのイノベーション教育プログラム(http://ischool.t.u-tokyo.ac.jp/)
  • 21:59  ティナ=シーリグ著「20歳の時に知っておきたかったこと(http://ow.ly/1O658 )」読了。Stanford大のD-school、起業家精神のプログラムディレクターによる集中講義。自分のワークショップや授業を見つめ直すよい機会になった。
  • 21:56  吉川尚宏氏『ガラパゴス化する日本(http://ow.ly/1O5W9 )』 読了。ガラパゴス化定義にややブレが感じられるものの、現状分析・主張はなるほどと思った。内需過剰依存を抜けだし、スタンダードへの介入を強めつつ、グローバル化、ダイバーシティ化をとげよ。
  • 21:46  川井拓也氏の(@himanainu_kawai)UST世界を変えるネット生中継を読んだ(http://ow.ly/1O5Ej)。様々な生中継実験によって、TVとは異なる、UST独自の映像文法、話法を探求する姿勢に共感。USTとはプロセスキャスティングを行うオーガニックメディア。
  • 17:27  ほほー面白い RT @sasokunitake: レゴは、全世界に5万5千人近くいるファンのコミュニティを3階層にわけている。ビジネスパートナーとなる認定プロフェッショナルと、ユーザーから製品アイデアを聞き取るレゴアンバサダー。それぞれ、全世界で11人、44人が認定されている。
  • 17:06  我ら同類項だね。畳の上で死ねない系(笑)。RT @yohei917: @nakaharajun 僕もこのフレーズだけが残像となりました。
  • 15:30  人間には二つのタイプがいる。自分のやりたいことを誰かに許可されるのを待っている人たちと、自分自身で許可してしまう人たち。(Seelig,T What I wish I knew when I was 20)
  • 15:02  (わたしたちは)看守であり、囚人でもある。そのため、自分たちで築いた監獄をでられないし、また監獄だとも気付かない。 映画My dinner with Andre
  • 14:31  RT @Shori516 LB最後のステップは「外で語り」、行動を変えること。今日インターン先の人事と飲むので、昨日の話をぶつけてみよう。→人事のミッションは?OJTの位置づけは?あなたは積極的学習者?
  • 14:30  RT @smilax_c 同感です。 RT @marisakai: 圧倒的多数である消極的学習者にどう働きかけていくかがカギ。積極的学習者が多い人材育成担当は、自分と対象者の違いを理解すべき、と自戒。 #lb0520  [in reply to smilax_c]
  • 14:30  「Barの外にでて語る」が終わるまで、Learning barは終わっていません(笑)、なかなか終わらない、しぶとい会です(笑)RT @PackN_illbe 昨夜のバーは素晴らしかった、で終わらせないために、他者に語る、書く、のアフターのアクションが必要。 #lb0520  [in reply to PackN_illbe]
  • 14:26  Google TVよくある質問 RT @sasokunitake: 非常によくまとまってる。 Google TV:よくある質問(FAQ)【湯川】 http://ow.ly/1NYUI
  • 14:25  RT @Junko_Sasaki: @nakaharajun 「われわれは短い人生を受けているのではなく、われわれがそれを短くしているのである。われわれは人生に不足しているのではなく濫費しているのである。」セネカ、だそうです。自戒をこめて。
  • 09:31  SONY社内活気づいてるんでしょうね、、、それとも冷静?RT @sasokunitake: ついにリリース!RT Google TV グーグルOS搭載TV...米グーグルが、ソニーらと共同で、動画再生などを家庭用テレビで楽しめるシステムを開発 http://ow.ly/1NT2i
  • 09:30  RT @mizunomasahiro: いよいよNET TV. IPtvの社会が加速しますね。映像メディアが変わる。RT Google TV グーグルOS搭載TV...米グーグルが、ソニーらと共同で、動画再生や検索などインターネット上のサービスを家庭用テレビで楽しめるシステムを開発
  • 07:44  Google TV グーグルOS搭載TV...米グーグルが、ソニーや米インテルと共同で、動画再生や検索などインターネット上のサービスを家庭用テレビで楽しめるシステムを開発 http://ow.ly/1NT2i
  • 07:37  「偶然と意図せざる結果にまかせたOJT」は再構築が必要だと思います。再構築されたものにもOJTという名をつけるのか、はたまた新たな名前でスタートするのか?、は分かれますね。RT @onlinedojo: 昔ながらのOJTについて多くの気づきを得ることが出来ました。 #lb0520
  • 07:32  Google TV詳細:Google、ソニーとインテルと連携して、従来のテレビ放送+インターネット上の動画を見ることのできるテレビを発売。他企業も続くことが予想され、競争激化。(NHK)+ ソニーとGoogle 連携  http://ow.ly/1NSOt (日本経済新聞)
  • 07:31  Google TV詳細:Google、ソニーとインテルと連携して、従来のテレビ放送+インターネット上の動画を見ることのできるテレビを発売。他企業も続くことが予想され、競争激化。(NHK)
  • 07:26  Google TV詳細:電子書籍につづき、テレビも戦国時代へ? RT @sasakitoshinao: テレビとHDMI接続(ソニー製テレビにはGoogle TV内蔵)。Flashサポート。Androidアプリ稼働。11年オープンソース化 http://bit.ly/a8XAnb
  • 01:41  志、ホスピタリティ、軽いフットワークの皆さんのような学生さんが、相互につながり、切磋琢磨しつつ、「明日」をつくることを担ってください。君らが「時代」!。@Shori516: 学生スタッフ、初対面なのにつながり多くてびっくり。 #lb0520
  • 01:30  「自発的になりなさい」と親に言われて、自発的になる子どもは、実は、自発的ではありません。第三者になしうることは、「自分の思いで動いているな、と子どもが自ら感じ、つい学び進んでしまう環境」を予想し、意図的にセットし、待ちつつ、時にそそのかすことかな、と思います。#lb0520
  • 01:22  チャートイットを利用させていただいてありがとうございました。杉本さん・宮原さん(@miyabara)に大変お世話になりました。心より感謝です。また機会がありましたら、使わせてください。RT @joesakai 大人も自発的に学習しているときは、目がキラキラしていますね。
  • 01:16  Learning bar、盛会にて終了です!。酒井さん @joesakai、杉本先生 @sugi2000、吉村さん(@lalaharu)をはじめとして大学院生の皆様、学部生スタッフの方々、北海道・四国・新潟・九州から参加してくださった皆様、ありがとうございました!#lb0520
  • 01:09  今日はありがとうございました。学部生スタッフの方々、これに懲りて、もう中原がらみのイベントはいやだよ、と言わず、また次回もよろしくです。、RT @Shori516: 本日スタッフを務めました教育学部四年の田中勝利です。貴重な機会をありがとうございました。#lb0520
  • 01:08  杉本先生、大変お世話になりました。素晴らしいシステムですね。RT @sugi2000: @joesakai きょうは、Leaning bar で開発中のシステムを使っていただきありがとうございました。今後も、いろんな場面で使ってもらえるよう開発を進めていきます。 #lb0520
  • 01:07  RT @yoppi69: @nakaharajun @2005te06 @cosmicfizz74 @onlinedojo 市民と創る教育改革―検証:志木市の教育政策 http://amzn.to/9Zh6ko または http://bit.ly/aImdw4 をご覧ください。
  • 01:06  今日はお疲れ様でした。愉しんでいただけたのだしたら、嬉しいです。RT @koheimoritani88: Learning bar初参加させて頂きました。「聞く」「考える」「対話する」「気づく」そして「Barを出て語る」。「気づき」が本当に多かったです。
  • 01:05  イメージが乖離するだけにややこしいですね。RT @AkikoSugaya 米は自由の国というイメージが強いですが、実は暗黙のルールによる縛りも多く窮屈な面も。 RT @nakaharajun:「ポジティブ病の国アメリカ」書評 http://ow.ly/1NqN0
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投稿者 jun : 2010年5月22日 07:08


Learning barがおわりました!

 昨日はLearning barでした。酒井穣さんにご登壇いただき、人材育成に関するケーススタディを250人?でやりました。この規模でのケーススタディは、史上初? 非常に盛り上がりました。ホールの冷房を全開にしても、なかなかきかず、皆さんには「蒸し暑い夜」を過ごしていただくことになってしまいました(笑)。心よりお詫びいたします。

Learning bar 2010年5月
http://www.nakahara-lab.net/blog/2010/04/520_learning_bar.html

5/20日のLearning bar on Twitter
http://togetter.com/li/22908

※なお、このまとめサイトは、@kino_wataさんがつくってくれました!ありがとうございました!

 今回のLearning barは、運営的にも大きな変化がありました、、、密かに、かつ、地味に。1)まず、これまで事務をつとめてくれた坂本さんが退任し、仕事の引き継ぎがあったこと、2)中原研究室の大学院生が全面的に参加して運営していくことになったこと、3)学部生の皆さんを学生スタッフとして雇用することにしたこと、4)場の運営・ディレクションを大学院生が引き受けることにしたこと、などです。こうした変化にもかかわらず、おかげさまで大きなトラブルもなく、無事、終えることができました。

 learning barの詳細な様子は、また写真ができましたら、お知らせいたします。また、日経オンラインの方で、当日の様子、および、後日行われる僕と酒井さんの対談が特集していただけるそうですので、お楽しみに。

 最後になりますが、ご登壇いただいた酒井穣さん、Chart it(手書きカード集計システム)を使わせていただいた杉本先生、宮原さん、場のディレクションを担当してくださった中原研究室M1の吉村さん、手伝っていただいた中原研究室大学院生の皆さん、学生スタッフの皆さん、そして今までLearning barを支えてくれた坂本事務局長に心より感謝します。ありがとうございました。

 次回のLearning bar...開催はいつでしょうか。。。
 また面白い場にしたいと思います。

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■2010年5月20日 中原のTwitterでの発言

  • 01:41  志、ホスピタリティ、軽いフットワークの皆さんのような学生さんが、相互につながり、切磋琢磨しつつ、「明日」をつくることを担ってください。君らが「時代」!。@Shori516: 学生スタッフ、初対面なのにつながり多くてびっくり。 #lb0520
  • 01:30  「自発的になりなさい」と親に言われて、自発的になる子どもは、実は、自発的ではありません。第三者になしうることは、「自分の思いで動いているな、と子どもが自ら感じ、つい学び進んでしまう環境」を予想し、意図的にセットし、待ちつつ、時にそそのかすことかな、と思います。#lb0520
  • 01:22  チャートイットを利用させていただいてありがとうございました。杉本さん・宮原さん(@miyabara)に大変お世話になりました。心より感謝です。また機会がありましたら、使わせてください。RT @joesakai 大人も自発的に学習しているときは、目がキラキラしていますね。
  • 01:16  Learning bar、盛会にて終了です!。酒井さん @joesakai、杉本先生 @sugi2000、吉村さん(@lalaharu)をはじめとして大学院生の皆様、学部生スタッフの方々、北海道・四国・新潟・九州から参加してくださった皆様、ありがとうございました!#lb0520
  • 01:09  今日はありがとうございました。学部生スタッフの方々、これに懲りて、もう中原がらみのイベントはいやだよ、と言わず、また次回もよろしくです。、RT @Shori516: 本日スタッフを務めました教育学部四年の田中勝利です。貴重な機会をありがとうございました。#lb0520
  • 01:08  杉本先生、大変お世話になりました。素晴らしいシステムですね。RT @sugi2000: @joesakai きょうは、Leaning bar で開発中のシステムを使っていただきありがとうございました。今後も、いろんな場面で使ってもらえるよう開発を進めていきます。 #lb0520
  • 01:07  RT @yoppi69: @nakaharajun @2005te06 @cosmicfizz74 @onlinedojo 市民と創る教育改革―検証:志木市の教育政策 http://amzn.to/9Zh6ko または http://bit.ly/aImdw4 をご覧ください。
  • 01:06  今日はお疲れ様でした。愉しんでいただけたのだしたら、嬉しいです。RT @koheimoritani88: Learning bar初参加させて頂きました。「聞く」「考える」「対話する」「気づく」そして「Barを出て語る」。「気づき」が本当に多かったです。
  • 01:05  イメージが乖離するだけにややこしいですね。RT @AkikoSugaya 米は自由の国というイメージが強いですが、実は暗黙のルールによる縛りも多く窮屈な面も。 RT @nakaharajun:「ポジティブ病の国アメリカ」書評 http://ow.ly/1NqN0
    • 14:41  Learning barの準備、ようやく完了です。何とか間に合いました。さて、これから、大学院生のところに向かいます。#lb0520
    • 14:40  保育園からお迎えの電話・・・。TAKUZO、再発熱。オーノー。今日は、俺は、どうしても、お迎えに行けないよ・・・。かみさんに至急電話。
    • 12:21  エーレンライク著「ポジティブ病の国、アメリカ」の書評をブログに書きました。ポジティブシンキングのダークサイドについて論じた本です。押しつけられたポジティブシンキングが、個人に何をもたらすのか? ポジティブが「規範」となっている社会の闇とは何か?http://ow.ly/1NqN0
    • 12:07  一人歩きする内省ほどややこしいものはないですね。RT @TanakaLaJunko: 2番目が不足すると独りよがりになるRT 内省は4c。継続的(Continuous)、学問知識と関連(Connected)、吟味(Challenging)、文脈(Contextualized)
    • 11:55  なるほどRT @ibumomo: 定年した私の考えですから少々、異なると思いますが、時間は作るものだと言う考えです。時間は心が動けば出来る 時間を手にしたら行動できる。行動すれば必要な時間に出会う。 そして気がついたら 時間と言うお金持ちになっていた。私の人生です。
    • 11:53  リフレクションとは4cである(Eyler 1996)。継続的に(Continuous)、学問的知識と関連づけられながら(Connected)、自分のあり方・考え方を吟味するものであり(Challenging)、状況や文脈の中でなされうるものです(Contextualized)。
    • 08:41  残念ですが、くれぐれもお大事に。またの機会にぜひ。RT @TrustPeaceAsh: 当日スタッフとして登録していたのですが、事故のせいで参加できなくなってしまいました。非常に残念です。RT 本日は@jLearning bar http://ow.ly/1NlmL
    • 08:39  本郷キャンパスでおあいしましょう!RT @shakariki_1492: @nakaharajun 初めてラーニングバー、参加させていただきます。楽しみしております!どうぞよろしくお願いいたします!
    • 08:37  よろしくお願いします。愉しみにしております!RT @joesakai: よろしくお願いします! RT 本日は、酒井穣さんをお招きするLearning barです。開場は5時45分。皆さん、本郷キャンパスでお会いしましょう! http://ow.ly/1NlmL
    • 08:36  タグは#lb0520で御願します!RT @Stakesh: ハッシュタグを教えてください RT 本日は、酒井穣(@joesakai)さんをお招きするLearning barです。次回はぜひ、という方こちらにご登録ください。 http://ow.ly/1NlmL
    • 07:00  ありがとうございます。もう論文は公刊されていますか?RT @yoppi69: 筑波大と埼玉県志木市の研究でも実証されています。 RT @E_FutureCenter RT クラスの人数を減らしても、子どもの学業成績は上がらない!? RT @HarvardResearch:
    • 06:59  本日は、酒井穣(@joesakai)さんをお招きするLearning barです。開場は5時45分。皆さん、本郷キャンパスでお会いしましょう!今回残念ながらお越しになれない方で、次回はぜひ、という方がいらっしゃったら、こちらにご登録ください。 http://ow.ly/1NlmL
    • 00:32  参加者なさる方も、学生スタッフの方も、明日のLearning barはよろしくお願いします。今、僕は、プレゼンをつくっています。RT @yanghu_run: 明日、とても楽しみにしています。RT @Shori516: 当日スタッフの者です。 RT ラーニングバーの「裏側」
    • 00:07  日々、仕事に追われ、内省する時間がないと、僕はよく人に言われます。この僕も日々追われており、全く同感なのですが、一方で、自戒をこめて、こうも思うのです。時間がないのは、内省がないからではないか、と。内省を通して、今なすべきことと捨てるべき事がわかり、時間ができるのではないか、と。
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    投稿者 jun : 2010年5月21日 06:57


    押しつけられたポジティブシンキングのもたらすもの:バーバラ=エーレンライク著「ポジティブ病の国、アメリカ」書評

     ポジティブシンキングとは、「コップがこなごなに割れて床に散らばっていても、コップの水はいまだ半分あると思い込むこと」に似ている。(中略)そして、アメリカという国では、「ポジティブであること」はふつうであるにとどまらず、「規範」にさえなっている。「そうあるべきだ」とされているのだ。

      ▼

     バーバラ=エーレンライク著「ポジティブ病の国、アメリカ」を読みました。本書は、「ポジティブであること」が「規範」として人々を呪縛する、アメリカという国のダークサイドを論じた書籍です。

     著者のエーレンライクは、第一級のジャーナリスト。彼女は、かつて米国の低所得者層の仕事であるウエイトレス、清掃婦、ウォルマートの店員を自ら体験し、そこでの経験をもとに、低所得者層の人々の悲哀と苦しみを『ニッケル・アンド・ダイムド』で世に問いました。『ニッケル・アンド・ダイムド』は、当時の人々の幅広い関心をよび、ベストセラーになりました。

     エーレンライクの筆致は、とどまるところを知りません。次作では「低所得者層」から「ホワイトカラー」へ。彼女は、かつて、貧困とは無縁であった米国のホワイトカラーに焦点をあて、その求職活動を問題にしました。
     リストラクチャリングされたホワイトカラーは、どこい行き着くのか。自らがホワイトカラーとして求職活動を実践し、その求職が「ラクダが針の穴を通ること」よりも難しいことを体験します。そこには、一度、落ちていけば止まらない、いわゆる「滑り台社会」の実態があります。

     

      ▼

     本書「ポジティブ病の国、アメリカ」で、エーレンライクが選んだ対象は、一言でいえば「ポジティブシンキング」です。

     曰く、

     アメリカ人にとってポジティブであることは、「気分」や「状態」というよりも、「イデオロギー」の一部だからである。
     そのイデオロギーとは「ポジティブシンキング」であって、この言葉には二つの意味がある。ひとつは、一般にいう前向きな思考のことで、次のように要約できる。「今のところ、状況はまずまずだ。少なくとも希望のきざしや不幸中の幸いを積極的に見つけようとすれば。今後はもっとずっとよくなるであろう」。(中略)「ポジティブシンキング」のもうひとつの意味は、「前向きに思考する練習」、あるいは「訓練」である。

     誤解を恐れず要約するのであれば、、米国は、「前向きな思考、つとめて明るく振る舞い、考えることを、練習と訓練によって、すべての人々が、実践せざるをえない社会」であるということです。人間には「ネガティブさ」はあってはいけない。それは練習と訓練によって乗り越えなければならない、ということでしょうか。
     
     こうした底抜けの「ポジティブさ」は、それは米国人生来の気質というよりも、意図的に構築されたものであるとのことです。エーレンライクの歴史的考察によれば、アメリカ人はもともとポジティブな思考の持ち主ではなかったそうです。「少なくとも根拠のない楽観主義と、それを見につける手法の症例については、建国から数十年たって表にあらわれ、まとまったかたちになった」としています。

      ▼

     もちろん、「物事を前向き」に考えることは、ある側面では必要なことでしょう。人はどんなに「絶望」していても、「希望」や「明るさ」を失わないかぎり生きていけるものです。
     もちろん、気分ややる気ののらない瞬間、ネガティブな日は、たくさんあります。でも、どうせ生きていくのならば、僕個人は、ネガティブであるよりは、ポジティブな気分をもてる瞬間を増やしていきたいと願います。そのことは、肌感覚としては、多くの人々から共感いただけることなのかな、と邪推します。つまり、自らポジティブに思考するそのことが「悪い」わけではない、のです。

     しかし、問題は、そこではない。
     彼女が問題にしているのは、おそらく、そういうことではないのです。
     エーレンライクが本書を通して一貫して批判しているのは、自ら個人がポジティブになることを選んで、ポジティブに振る舞うことではありません。

    「ポジティブシンキング」という意図的に構築された「イデオロギー」が他者から、明示的であれ、非明示的であれ強制され、そのことを通して「市場経済の残酷な側面」や、「社会の矛盾」が「隠蔽」「温存」され、そこで生まれた様々な悲惨な出来事が、すべて「個人の責任」にされてしまうことでしょう。
     あるいは、ポジティブシンキングという個人の姿勢が、第三者(多くは権力と経済資本のある者)によって「規範」として強制され、現在の社会体制を維持するために狡猾に利用されることです。
     
     エーレンライク曰く、

    「物質面での成功を得るためのカギが楽観主義であって、楽観主義がポジティブシンキングの訓練によって習得できるならば、失敗したときには言い訳できない。ポジティブ思考の裏を返せば、容赦なく、個人の責任を強調されるということだ」

    「問題を精神や心に押しこめてしまうと経済や社会の問題がないがしろにされ、個人の責任のみが問われてしまう。精神主義やポジティブ・シンキングが推奨される社会というのは社会構造や社会問題が無視され、隠蔽される危険があるのである。すべて精神や心が悪いとなり、搾取や権力の問題から目隠しをされてしまうことになる。」

     本来問いなおされなければならないもの、社会の構造、会社の中の権力関係、既得権益が問われることなく、すべての問題が「個人の責任」として帰属されてしまう言説というものが、リベラリズムの台頭するこの世の中においては、生まれては消え、消えては生まれます。
     エーレンライクが問題提起するポジティブシンキングも、また、その一つである、ということになるのかもしれません。

      ▼

     このようなリスクを内在しながらも、いまや、「ポジティブシンキング」は「産業」として成長しています。
     彼女によれば、企業が従業員用に購入する広い価格帯のモチベーション商品も、そのひとつだそうです。モチベーション商品は、巨万の富を動かす大規模産業である、といいます。

    「社員をふるいにかけてリストラの犠牲者をえらびだし、他人とコミュニケーションをとらないようにしてまわりの人からいっそう遠ざけて追い込む。そのあとは、会社に残ったショックをうけ、不安をかかえる社員をどうにかしなければならない。CEOはモティベーション産業に頼る」

     確かに、組織の中のモティベーションや感情を管理・維持・活性化するとする試みが、私たちの世の中にはあふれています。あるいは、モティベーションを向上させるということを目的に、チームビルディングを担う試みが、世の中にはたくさんあります。かくして、モティベーションや感情といった、個人の問題も、いまや第三者によって組織化される対象になりました。このことによって、個人が抱えているリスクと矛盾を、エーレンライクは指摘しています。

     ポジティブシンキングは「産業」であるだけではありません。いまや、米国では「宗教」もポジティブシンキングを担う機関に変わりつつあることを彼女は指摘しています。キリスト教の一部の協会、目がチャーチが、ポジティブシンキングと結びつき、「陰鬱な説教」を人々になすのではなく、ポジティブさを全面におしだしたコーチングを提供するようになりました。

    「あなたの態度こそが、これからの自分の人生を決めるのだ」
    「神はポジティブである!」

      ▼

     本書は、このように、米国最大のタブーである「ポジティブであること」に疑問を呈しています。その筆致はジャーナリスティックなものであり、時に扇情的ですので、論争を巻き起こさざるをえないと思います。

     しかし、「強制されるポジティブさ」が、リベラリズムや自己責任論と共振して、既得権益や体制の問題を隠蔽し、それを維持することに荷担してしまう、という指摘は、非常に興味深いな、と思いました。

     ---

    ■2010年5月19日 中原のTwitterでの発言

    • 20:44  RT @sasokunitake:アクティブ発信は1%?@keiko_a twitterの利用「現在利用している=9.7%」「以前利用しているが現在はしていない=4.5%」「知っているが使っていない+知らないし使っていない+全然知らない=85.8%」n=1500 宣伝会議5/1号
    • 20:40  RT @YukiAnzai: 学習を伴わない行動は致命的である。行動を伴わない学習は無益である。(メリー・ビアード)
    • 20:30  ほほー、ありがとう!RT @hakonyan: 先生「お薬のめたね」はご存知ですか?http://bit.ly/9IB9M5 RT @nakaharajun: TAKUZOと帰宅。この薬は苦いので苦戦するぞ、と思ったらやっぱり苦戦。断固拒否15分。
    • 18:44  面白そうだなぁ RT @yuuhey: SPSS Twitter分析モデル http://bit.ly/azdCNM
    • 18:20  視聴回数と視聴者の数字を比較することが妥当かどうかわからないけど、とにかく急成長してますね。YouTubeが5周年、視聴回数は1日20億回~米3大テレビネット視聴者の2倍規模 http://ow.ly/1MYny
    • 18:04  創造に興味をもつ人に、自分が創造する現場に参加してもらうことが、意図せざる結果として、創造する姿勢や志を理解してもらうことになるかも。。。RT @YukiAnzai: 本来、創造行為は他人に教えられない。だが、創造する姿勢、志を伝えることはできる。(今村昌平)
    • 16:12  RT @aki_acco: @nakaharajun 以前勤務していた会社が、だいたい大卒新卒2~3年目から同期の5割以上が海外赴任するようなメーカーでした。赴任を望まない人もいましたが、早く行きたい!という人も多数いたように記憶しています。
    • 15:12  RT @k0150: これからは大学ではなくて研究室(あるいは研究者自身)が情報や関係のhubとして機能するのだと思います。様々なhub同士が結びつくとエコシステムの増殖が加速化するだろうと思います。@nakaharajunブログを書きました。「研究室をオープンにすることの意味」
    • 15:11  RT @kameishi_ja: ちょこちょこその話を聞き驚いてます。中にいると一部しか見えず。。RT @hoshibay: 私も商社でのその傾向、聞きました。RT @Stakesh : RT @makiko8: 先日商社の人と話していて、最近は海外赴任を拒否する若手がいる
    • 14:09  米国低所得者層の仕事現場に潜入取材し、「ニッケル&ダイム」を著したエーレンライクの新著「ポジティブ病の国、アメリカ(http://ow.ly/1MUn6 )」を読んだ。ポジティブであること、モティベーションが高いことが規範として強制され、利用されることの不条理を鋭く暴く。
    • 13:57  TAKUZOと帰宅。帰りに薬局、抗生物質はジスロマック。この薬は苦いので苦戦するぞ、と思ったらやっぱり苦戦。アイスにまぜて飲ませようとしても、断固拒否15分。マズイと思うからマズイのだ、と説得して、飲ませた。後で皿についた薬をひと舐めしたら死ぬほどマズかった。マズイものはマズイ。
    • 13:00  RT @Tokyo_Wave: 伊藤忠丹羽会長も労多く出世しないと敬遠されると先週講演でお嘆きに RT @clione @makiko8 最近は海外赴任を拒否する若手がいると...商社に入る人でも!? RT @hoshibay 海外赴任に対する抵抗感が50代より20代
    • 12:28  Oh No...保育園からお呼出の電話です、、、がーん。覚悟はしておりましたが。午後は年休とるしかないなぁ。保育園へ急げー。
    • 12:22  そうか、むずいよなぁ。ま、とりあえずやってみて、悩みながら、答えをさがそう!RT @fumituki85: 中原ゼミアカウントでの発言は、どこまで外に出すのか非常に難しく感じました。 RT 研究室をオープンにすることの意味 http://ow.ly/1MP8K
    • 12:17  RT @makiko8: 先日商社の人と話していて、最近は海外赴任を拒否する若手がいると聞きました。商社に入る人でも!? と驚きました RT @hoshibay: さらに海外赴任に対する抵抗感が50代より20代の方が大とは何度聞いても心配になる。うちの息子もそうだけど
    • 10:44  RT @mellowfields: 研究室をオープンにすることで、研究者間の距離が縮まる。企業活動をオープンにすることで、顧客との距離が縮まると考えます。RT @ ブログを書きました。「研究室をオープンにすることの意味」です。http://ow.ly/1MP8K
    • 10:10  RT @koheimoritani88: 東証1部上場企業の4割弱が「本社で外国人社員を活用したことがない」活用企業でも外国人社員平均比率は0.26%。自分または配偶者が海外で働くことに抵抗感を持つ50代男性は35%。20代男性は39% 0519 日経
    • 10:08  ipadに電子雑誌55誌を配信 電通など (asahi) http://ow.ly/1MNyW
    • 09:24  TAKUZO、深夜未明には解熱。朝は元気。マイケルのビリージーンをダンス。念のため小児科で受診。やや喉赤いが、大丈夫そう。今、保育園におくってきますた。なんとか、夕方まで無事に持ち堪えてくれるといいけどね。今日一日、携帯電話は手放せないですね。
    • 09:13  RT @stebun: 企業研究でも分野やフェイズによってはバチリと当てはまります。RT 同感です!@jinzya: 研究、R&D、人材開発などの領域には、ソーシャルな時代の特性を活かしたエコシステムがあると共感します RT ブログを書き http://ow.ly/1MP8K
    • 08:51  同感です!RT @jinzya: 興味を持って拝読しました。研究、R&D、人材開発などの領域には、ソーシャルな時代の特性を活かしたエコシステムがあると共感します RT ブログを書きました。研究室をオープンにすることの意味です。http://ow.ly/1MP8K
    • 08:09  ブログを書きました。「研究室をオープンにすることの意味」です。メディアと時代の変化とともに、大学の研究室のあり方も変わってきています。かつて研究室は、今よりもずっとずっと閉鎖的な空間でした。研究室をオープンにすることの可能性とリスクについて。http://ow.ly/1MP8K
    • 04:40  ありがとうございます。拝読させて頂きます。RT @toshinoriito: M&A研究で、個人に焦点をあてた事例ほとんどないですが、エルピーダの事例は非常におもしろいです(特に外様の関与)。 http://bit.ly/aOUpBx
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    投稿者 jun : 2010年5月20日 12:09


    研究室をオープンにすることの意味

     昨日は大学院のゼミでした。2人の大学院生から各自の研究報告、その後、英語文献の購読を行いました。昨日の発表は、下記のとおりでした。

    ■我妻さん(M2)の研究発表
    「協調学習が、大学生の学習観変容に及ぼす効果とプロセス」

    ・・・大学でのグループ学習を通して、大学生のもっている学習観(学習に関する価値)は変化するのか、どうか。もし変化するのだとしたら、どのようなプロセスを通して、それがなされるのか?

    ■島田さん(D3)の研究発表
    「元留学生新入社員の組織社会化に関する研究」

    ・・・日本の大学を卒業した留学生が、日本企業の新入社員になったら、何が起こるか?:留学生はどのように適応するか? 職場の上司や同僚は、どのように変わるか?
     日本の大学を卒業した留学生が、日本企業の新入社員になったら、どんな「葛藤」を覚えるか? そこで何を学ぶのか?

    ■伊澤さん(M1)による英語文献購読
    「企業買収(M&A)プロセスにおいて、従業員は、どのような経験をするのか?」

    ・・・M&Aの研究の多くは、1)組織がどのような制度をつくるか、2)マネジャーがどのように振る舞うか、3)文化的統合をいかになすかという観点からなされている。M&Aのプロセスにおいて、個人・職場がどのような「経験」「葛藤」を経験するか、を明らかにする事例は少ない。M&Aのプロセスにおいて、個人は、どのような矛盾や葛藤を経験し、それを乗り越える(新たな意味形成)を行うのか。

     ゼミの模様は、僕のTwitterでも、また、僕の研究室のTwitterでも、「つぶやき」がなされていました。

    中原のTwitter
    http://twitter.com/nakaharajun

    中原研究室のTwitter
    http://twitter.com/nakaharalab

     Twitter上では、これらのつぶやきに対して、様々な方々から、様々なコメントがなされました。コメントをくださった皆さん、ありがとうございました。

     このようなやりとりを通して、個人的に興味深かったのは、3つあります。

     ひとつめ。
     何人かの方が、これらの研究発表や英語文献購読に対して、「こんな先行研究があるよ」「こんな文献があるよ」と建設的でポジティブな、そしてためになるコメントをいただけたことです。
     ありたがいことですね。早速、発表者は、新たな文献サーチをはじめました。ありがとうございます。

     ふたつめ。
    「自分は、あなたが研究している内容の実務を担当しているけれど、その研究知見には、大変興味がある。いつあなたの研究知見は公開されますか?非常に興味をもっています」といった趣旨のコメントをくださったことです。こちらも、ありがたいことですね。研究とは苦しいものです。時に、研究者は、モティベーションを失ってしまいがちです。また、自分の研究の「宛先」を見失ってしまうことがよくおこります。実務を担当なさっている方からの、こうした前向きなコメントは「励み」になりますね。ありがとうございます。

     みっつめ。
     僕の研究室のテーマは、あまり学部学生に興味をもってもらえないのですが(働きながら学ぶことは、実際に働いてみないとイメージがなかなかわかないのです)、何名かの学部生の方から、個人的にメールをもらいました。興味をもってくださってありがとうございます。

     このようなことは、今までなかなか起こりませんでした。
     @ateraoさんという方が、こんなご発言をなさっています。

    「他大学のゼミの様子がわずかながらわかる。おもしろいです。ついったーが登場する前は、こういう機会はあまりなかったですね。ウェブを探せば情報はあるけど、ついったーは思いがけない情報がポンと来るのが楽しい」

     僕は、このようなやりとりを通して、

     研究室をオープンにすること
     あるいは
     研究をオープンにすること

     の意味を考えさせられました。やや「楽観的」かもしれないのですが、それは性格なので許してください。
     
     研究室をオープンにすることは、それがポジティブに作用した場合、研究のクオリティを向上させ、さらには研究に関与する実務者と研究者のあいだに「関係」をつくり、さらには新参者のリクルーティングをうながすことなのではないでしょうか。

     つまり、

    「研究室をオープンにすること」は「研究のエコシステムをつくること」なのではないでしょうか。

     ▼

     もちろん、そこには一定のリスクがあります。
     悪意のあるコメントが寄せられる場合もあるでしょうし、情報漏洩のリスクもあります。僕の研究室の場合、その研究のほとんどは企業との共同研究です。ですので、出す情報にもセレクティヴになる必要があるでしょう。

     アタリマエダのクラッカーですが、何でもかんでもオープンにしたほうがいい、あけっぴろげな方がいい、というわけではないように思います。
     濃密な議論をface to faceですることの重要性は、こんな時代だからこそ、増すことはあっても、減ることはありません。
     ゼミでは、ひとりの研究発表につき、1時間くらいの時間をかけて研究報告、ディスカッションをします。最後に、僕がラップアップをして、コメントをします。僕だけが喋るのではありません。ゼミのメンバーが、全員発言することをめざします。

     また、こうしたかたちでの情報公開が成立するのは研究分野にもよるでしょう。すべての研究領域で、こうしたことが可能になるとは思いませんし、まして、それを促すべきだとは全く思いません。それは、それぞれで判断すればいいことです。このような試みは、あくまで、僕の研究領域で、かつ、僕の立ち位置にたった場合、可能になる、ということです。
    (僕の研究分野では、玉川大学の堀田先生、同僚の山内先生などが、それぞれブログやTwitterなどで、僕がそれをなす前から先駆的な取り組みをしていました)
     
     しかし、一定の留保条件やリスクを勘案してもなお、僕は「研究室をオープンにすること」には魅力を感じます。

     ・
     ・
     ・

     かつて僕が学部時代だった頃、研究室とは、今よりもずっとずっと「閉鎖的」なものでした。
     他の大学院生と一緒に勉強会を企画して学ぼうとしたら、相手の大学院生が所属する先生から「うちの学生に手をだすな」と陰でたたかれたり・・・・。
     大学院生同士で議論しようとしたら、相手の大学院生が所属する先生から「情報が漏洩するから、大学院生同士で口をきくな」とやはり陰で言われたこともあります。
     もちろん、様々な理由がその背後にはありますが、それは今よりもずっとずっと、「クローズな場」であったことは否めません。
    「大学」ごとの壁、研究室ごとの壁、、、それは、今よりもずっと高いものがありました(今も高いところは高いでしょうね)。
    (反面、僕が大学院生だったころの指導教員の先生は(前迫先生、菅井先生)、僕を「好き勝手」かつ「自由」にしてくれました。そのことが、どんなにありがたかったか。心から感謝しています)

     ・
     ・
     ・

     時代の変化、メディアの変化とともに、大学の研究室のあり方も変わっています。いいえ、僕のような分野の場合、「研究」というものの意味も、少しずつ変わってきているのですが、それは、また今度にしましょう。

     少なくとも、僕の研究分野と立ち位置からいえば、研究室から発信される様々な情報と、それに関連するステークホルダーの方々との相互作用を通して、「研究のエコシステムを築くこと」が、「研究」の発展において重要になってきている、と考えています。

     そして人生は続く。

     ---

    ■2010年5月19日 中原のTwitterでの発言

    • 23:49  愚息TAKUZO急に発熱、、、マジすか。。。嗚呼。
    • 22:26  RT @HANDSFDF: うちの業界ではsignificant event analisysと呼ばれていますRT Critical Incident Technique:日本の大学を卒業した留学生が、日本企業の新入社員になったら、どんな「葛藤」を覚えるか? そこで何を学ぶのか?
    • 20:49  ありがとうございます。RT @yuatast: M&Aに伴う個人、並びに組織のヘルスリスクの回避は産業医の仕事の範疇ですから、事例はあると思います。研究としては微妙かもしれませんが...。産業医大の森晃爾先生は実務家方面でも著名かと思います。
    • 20:49  ほほー、興味深いですね。RT @clione: ゼミ同期が「M&Aが引き起こす従業員のトラウマ反応」で修論を書いてました。ただうちの修論は非公開で...どこかに投稿しないのかなあRT @nakaharajun:...
    • 20:40  何かよい接点が生まれるとよいですね。RT @Hirofumi_Jinno: 楽しみにしております!外野から失礼しました!留学生に関わる仕事をしてる1人としてエールをお送りします。RT 今年中に論文がでます、と申しております!RT そのうち内容が公開されることも?
    • 20:37  ありがとうございます、伝えておきます!RT @mark_yk: 島田さん、がんばってー!RT 今年中に論文がでます、と申しております!RT @Hirofumi_Jinno: 島田さんの研究発表。日本の大学を卒業した留学生が、日本企業の新入社員になったら、何が起こるか?
    • 20:35  RT @aterao: @nakaharajun 他大学のゼミの様子がわずかながらわかる。おもしろいです。ついったーが登場する前は、こういう機会はあまりなかったですね。ウェブを探せば情報はあるけど、ついったーは思いがけない情報がポンと来るのが楽しい。
    • 19:50  ありがとうございます。伊澤さんに伝えておきます。RT @yuatast: 産業保健分野でやられてるんじゃないですかね? RT @nakaharajun M&Aのプロセスにおいて、個人・職場がどのような「経験」「葛藤」を経験するか、を明らかにする事例は少ない。
    • 19:50  今年中に論文がでます、と申しております!RT @Hirofumi_Jinno: 仕事柄、興味深々です。そのうち内容が公開されることもあるのでしょうか??RT 大学院中原ゼミ。島田さんの研究発表。日本の大学を卒業した留学生が、日本企業の新入社員になったら、何が起こるか?
    • 19:23  M&Aの研究の多くは、1)組織がどのような制度をつくるか、2)マネジャーがどのように振る舞うか、3)文化的統合をいかになすかという観点からなされている。M&Aのプロセスにおいて、個人・職場がどのような「経験」「葛藤」を経験するか、を明らかにする事例は少ない。
    • 19:01  大学院ゼミ。今日の英語文献は、「企業買収(M&A)プロセスにおいて、従業員は、どのような経験をするのか?」
    • 18:22  Critical Incident Technique:日本の大学を卒業した留学生が、日本企業の新入社員になったら、どんな「葛藤」を覚えるか? そこで何を学ぶのか?
    • 18:05  大学院中原ゼミ。島田さん(D3)の研究発表。日本の大学を卒業した留学生が、日本企業の新入社員になったら、何が起こるか?:留学生はどのように適応するか? 職場の上司や同僚は、どのように変わるか?:元留学生新入社員の組織社会化に関する研究
    • 17:44  大学院中原ゼミ:価値観や信念の変化を、第三者が、どのように「測定」しうるのか?
    • 17:13  Twitterとは「人のつながりを活かした"わたしニュース"」である!? RT @yuuhey: ブログ更新:Twitter=わたしニュース論 http://bit.ly/9KMzLH
    • 17:12  大学院中原ゼミ。我妻さん(M2)の研究発表。「協調学習が、大学生の学習観変容に及ぼす効果と、そのプロセス」某大学でのエスノグラフィーと量的調査を組み合わせた研究です。
    • 14:57  ひる、食べるの、忘れてた、、、
    • 13:36  大学院授業「組織学習システム論」・・・きょうのテーマは「新人が職場に入ることで、職場のメンバー、マネジャー、職場にはどんな影響が起こるのか?」
    • 10:58  大学教育のガバナンス、およびマネジメントのあり方:OECD IMHE : Programme on Institutional Management in Higher Education http://ow.ly/1MkSf
    • 09:00  RT @carzoo_k: Harvardの分析はMathとReadingを指標としており、その観点では分析にはさほど違和感を感じない。実際に少人数クラスでの教育をしている者として。RT @nakaharajun: クラスの人数を減らしても、子どもの学業成績は上がらない!?
    • 09:00  ブログを書きました! ラーニングイノベーション論+ラーニングバーの「裏側」です。木曜日に@joesakaiさんのラーニングバーを控え、今、大学院生の皆さんが急ピッチで準備をしています。大変ありがたいことです。 http://ow.ly/1MjkI
    • 08:58  RT @aigoto: 記事中に論文へのリンクをみつけました。紹介ありがとうございます!定説にもイントロで触れてましたね。RT @aigoto: かつて定説は、15人くらいまではクラス人数が減ると成績に好影響、それ以下は変化なし。本記事、クラス何人か言及ないですね。
    • 08:58  なるほど!RT @Yohei_Suzuki: ミンツバーグは、経営は「クラフト(経験)」「アート」「サイエンス」だと。経営と「わかる」は同じことなのかも!? RT 「わかる」ためには、「経験」と「理論」と「アートワーク」を総動員する必要があるのかもしれませんね。Enjoy!
    • 08:57  !?:自民党マニフェスト「東大・京大等を、民間企業型ガバナンスを導入すること等により「民営化」、「スーパー・ユニバーシティ化」を図り、5年後までに世界の大学ランキングの10位以内に3校、30位以内に5校以上入ることを目指します。」 http://ow.ly/1Mjh2
    • 08:20  学業成績への影響はそもそも多要因ですね。業務負担が減って、余裕をもって子どもに向き合ってもらえれば、長期的には学業成績にも影響があるかもと推測します。RT @Jusoso: 先生の業務負担は減るかもだけど。 RT クラス人数×学業成績 http://ht.ly/1M3vY
    • 08:16  「わかる」ためには、「経験」と「理論」と「アートワーク」を総動員する必要があるのかもしれませんね。Enjoy! RT @ritsuko_t: 本日は、経験を理論で裏付けるプロセスを、ワークショップで体験するのは新鮮でした。次回も楽しみです! RT 昨日は慶應MCCの初日。
    • 06:54  文部科学省は、教員免許制度や教員養成課程など「教員の質」に関する制度改革 - 、「教員の質の向上策」をテーマに、〈1〉教員志望者の養成〈2〉教員の採用〈3〉教員の研修 (読売新聞) http://ow.ly/1MgZ7
    • 06:52  たぶん同じですね(笑)。清華大学は、国の支援を受けて、このサービスを立ち上げ、商用サービスとして全国の大学に提供しているとのことです。RT @jin_in: 中原さんを訪問された先生? RT @gnutar: 清華大では独自LMSを開発しており、中国国内200大学で使われている。
    • 06:48  クラスの人数を減らしても、子どもの学業成績は上がらない!? RT @HarvardResearch: class-size reduction mandate did not improve student achievement http://ht.ly/1M3vY
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    投稿者 jun : 2010年5月19日 08:06


    ラーニングイノベーション論初日、そしてラーニングバーの「裏側」

     昨日は慶應MCCでの授業「ラーニングイノベーション論」の初日でした。初回の今日は、神戸大学の松尾睦先生に「経験学習・OJT研究の現在」という内容でご講演いただきました。お忙しい中、ご出講いただいた松尾先生に、心より感謝いたします。ありがとうございました。その後は、先ほど学んだばかりの理論を体験するワークショップを僕が実施しました。

    松尾睦先生のWeb
    http://blog.goo.ne.jp/mmatu1964

    ラーニングイノベーション論

    http://www.keiomcc.com/program/lin/index.html

      ▼

     初日、Class of 2010の方々との初対面です。これは毎回緊張の瞬間ですよね。
     信じられないことに、こちらから何も言わなくても、名刺交換などがはじまり、会が始まる頃には、かなり場が暖まっていました。
     大学院授業であれ、社会人向けの授業であれ、毎回、授業の初回というのは緊張します。昨日のClass of 2010の皆さんの「卒意」には、救われました。ありがとうございました。

      ▼

     ラーニングイノベーション論は、「ラーニングを通じて、業務・職場・組織を革新すること」をめざした授業です。そして、ラーニングを起こす側の人間自身が、学び手となることをめざしています。

     かつて、僕はこのブログで、こう書きました。

     ---

    私は「メッセージ」が好きじゃありません。言葉が外に向かっていて、「自分自身」に向けられていないからです。
    (谷川俊太郎)

     特に、「この手の言葉」は、「教育の業界」に多いように思うのは気のせいでしょうか。敢えて自爆的に、かつ、自戒を込めて言いますけれども、「外に向けた言葉」が、決して、「内側」、つまりは自分には返らないことが多い。

     自分とは切り離された「外側」に向けた「メッセージ」や「提言」は溢れている。しかし、その「メッセージ」や「提言」は、決して自己には返らない。
     くどいようですが、自爆的に、かつ、自戒を込めて言いますが、自己のあり方を内省し、自己を問い直すことの機運に欠けている傾向があるように思うのは、僕だけでしょうか。

     前にも述べたかもしれませんが、「教育の言語」「学びの言語」「成長の言語」は、それを発するものが意図しようと、しまいと、「再帰性」をもっています。
     外に向けられた言語は、あたかも、ブーメランのように、自分にかえってくるのです。

     あなたは、大人に学べという
     あなたは、大人に成長せよという
     あなたは、大人に変容せよという
     あなたは、大人に対話せよ、という

     で、そういう「あなた」はどうなのだ?

     あなた自身は、学んでいるのか?
     あなた自身は、成長しようとしているのか?
     あなた自身は、変わろうとしているのか?
     そして、あなたは対話の中にいるのか?

     自分の外側という名の「中空」に放たれたメッセージが、行き場を失い、漂い、淀み、腐臭を発することのないように。
    「教育」や「学び」について語ることとは、自分を問い直すことなのではないか、と思うのです。

     ---

     そして、この講座を実施する僕自身のメッセージも、外側や中空に向かうことのないよう、今回の講座でも新しい試みをたくさん盛り込んでいます。僕自身も「ラーニングイノベーター」で有り続けたいと願うのです。去年の反省をふまえ、講座のあり方を改善しました。愉しんでいただけるとよいのですが。

     もちろん、教育には完成系はありませんし、王道はありません。今回の試みが、Class of 2010の皆さんにとって、そして僕にとって、保谷さんをはじめとして慶應MCCの方々にとっても、よい学習機会になることを願っています。

      ▼
     
     ラーニングイノベーション論、初日終了・・・。

     一方、大学では、中原研究室のメンバー、特に吉村さん(M1)を中心に、我妻さん(M2)、木村君(M2)、舘野君(D2)などが協力しつつ、木曜日のラーニングバーの準備をしています。
     今回からラーニングバーは、中原研究室のメンバー、そして、外部から募集した学生スタッフの皆さんを中心に運営することになりました。

     ラーニングバーを実施するために、どのくらいの仕事があるのか・・・。実は、リストにすると、こんなにあります。陰ながら、大学院生の皆さんが、こうした仕事を担ってくれているのですね。心より感謝です、ありがたいことです。

    ■準備段階
     o 会場確保
     o ML広報
     o 参加者からのメール個別対応
     o 申込受付
     o 抽選結果の通知
     o リマインダー
     o 名簿作成

    ■講演者対応
     o 対応
     o 講演資料準備(付箋付き)

    ■学生スタッフ確保
     o 募集
     o 会計処理
     
    ■会場準備
     o 食事注文
     o 飲み物注文
     o 演出準備
     o 会計処理

    ■当日
     o 荷物運び・受け取り
     o 会場スタッフとコンタクト
     o 会場・受付・バーカウンター設営
     o 受付対応
    + 名簿チェック
    + 会計処理
    + 講演資料渡し
    + 問い合わせ対応
     o バーカウンター設置
     o 買い出し(必要があれば)
     o タイムキープ

    ■後日
     o 参加者問い合わせ対応
     o 会計処理

     今回も会場の演出には、こだわっています。テーマは・・・「内緒」。それは、今回のDirectorの吉村さんから、ぜひ、当日スピーチいただこうと思います。ぜひ、お楽しみに。
     
     今回のプレゼンターのひとりである酒井穣さんも、素晴らしいプレゼンをつくってくれました。ありがたいことです。当日は、とても楽しみです。

    吉村春美さんのWeb
    http://socialinnovationdialogue.jimdo.com/

    酒井穣さんのWeb
    http://nedwlt.exblog.jp/

     今回のLearning barは、250名満員御礼ですけれど、「ぜひ次回は」という方がいらっしゃいましたら、下記のメルマガにご登録ください。

    Learning barへの参加は下記のメルマガにご登録ください。
    http://www.nakahara-lab.net/learningbar.html

     ▼

     今日は大学院授業+ゼミ+センターの仕事の日ですね、大忙しです。
     今年度の研究もスタートしました。今年は、大学院生の有志と新たな研究に取り組むことになりました。ゼミの後、研究会がスタートしています。また、その話はおいおい。

     めちゃくちゃ忙しい毎日です。正直、しんどいなと思うこともないわけではありません。
     でも、一方で、「結局、自分で自分の仕事を楽しくすることなのかな」とも思います。
     Hard fun!
     ということで、今日もEnjoyします。

     そして人生は続く。

      ーーー

    ■2010年5月17日 中原のTwitterでの発言

    • 22:50  今日は慶應MCCの初日。初日は、講義 + workshopで7時間。まさにHard fun。Class of 2010の方々と、これから11回愉しみたい。何度かclass of 2009の方々との出会いの機会もつくりたいです。http://bit.ly/czHbQ0
    • 15:13  RT @beatiii: 良質なオンラインコースのデータベース National Repository of Online Courses (NROC) http://www.montereyinstitute.org/nroc/nrocdemos.html
    • 12:41  Enjoy!それにしても、大人向けワークショップと子ども向けワークショップでは、いわゆる"成功"の秘訣はちがいますかね? 片方に熟達した人は、両方ともうまくできる?@nagatarey: WPL(大人)のワークショップを良くしようと思ったら何故か、子供向けのWSやるはめに(笑)
    • 07:36  ブログを書きました。「グランズウェル:ソーシャルテクノロジーによる企業戦略」の書評です。組織が、あるいは、個人がソーシャルメディアとどのようにつきあうか、その前になすべき事は何か? http://ow.ly/1LLuJ
    • 07:06  語ることは、最も注目されてる概念のひとつですね!http://ow.ly/1LL5p http://ow.ly/1LL5W http://ow.ly/1LL75 RT @takayuki_shmz: WSでは説明でなく、物語を語ると言われました。RT LEGO WSの意味
    • 03:15  情報ありがとうございます!RT @KeikoOnishi: @nakaharajun シリアスプレイ開発されてる Jesper Just Jensen氏。6月20日未来館にて講演されます。http://bit.ly/amLIiG
    • 00:26  LEGO WSの源流:あとは、LEGOを創ったあとで「他者に語ること/語り合うこと」の意味、ということで、(http://ow.ly/1LGP6 )(http://ow.ly/1LGQ7)などがヒントになるかもしれませんね。
    • 00:13  LEGO WSの源流をたどるなら、Papertさんが最も影響を受けたピアジェを(http://ow.ly/1LGBw)、(http://ow.ly/1LGCn)(http://ow.ly/1LGD9)が入門書。現在の研究の中心地は、( http://ow.ly/1LGEU)。
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    投稿者 jun : 2010年5月18日 08:49


    「グランズウェル:ソーシャルテクノロジーによる企業戦略」書評:ソーシャルメディアを活用する前になすべきこと!?

     シャーリン・リー&ジョシュ・バーノフ著「グランズウェル:ソーシャルテクノロジーによる企業戦略」を読みました。

     グランズウェルとは「人々が、テクノロジーを使って、自分が必要としているものを、企業などの伝統的組織ではなく、お互いから調達するようになっている、社会動向」のこと。具体的には、SNS, Youtube, Twitter, Podcastのように、企業・製品を語りあい、格付けしているようなソーシャルテクノロジー、ソーシャルメディアのことを指します。

     この本では、「組織が」、グランウェルズの戦略をたて、彼らの声に耳を傾け、話を聞き、活気づけ、さらには支援する具体的な方法が様々に書かれていました。

      統一的で明確な意思を持たぬグランズウェル・・・
     それは、「組織」にとって、「それまで長い間かけて培ってきたブランド」を一瞬のうちに消し去ってしまう「脅威」でもあり、同時に、爆発的なクチコミをまきおこす「チャンス」でもあるのです。それといかにつきあうのか。
     著者らは、米国の独立系コンサルティングファームのコンサルタント。様々なコンサルティング経験をふまえ、実践的な処方箋を述べます。ハーバードビジネススクールプレスの書籍にしては、内容は実践そのもののように感じました。
     
     ▼

    「グランズウェル」が「組織にとってのソーシャルメディア論」であるとするならば、「個人にとってのソーシャルメディア論」は、さしずめ「Me2.0」ということになるのでしょうか。こちらは、「同じくソーシャルメディアを駆使して、いかに個人がパーソナルブランドを構築していくか」について論じている本です。ジャンルでいえば、「パーソナルブランディング論」ということになるのでしょうか。


     リーマンショック後のアメリカ。それは、様々な企業・組織がレイオフを断行し、人々の間に、自分の職に関する「疑心暗鬼」が広がった時代でした。若い世代は、就職さえままならない。
     
    「わたしは、わたしのすべてを所有する」
    「わたしの所有が、他者に再配分されることは許さない」

     台頭するリベラリズムの中で、誰もが「むき出しの個」として市場に投げ出されます。人々のあいだに格差が広がり、皆が、うつむきながら自信を失い、路地を歩く。
    「Me2.0」は、このような社会経済背景をもとに、いかに個人が、この時代をサバイブするのか、について論じてあります。

     ▼

     前者のグランズウェルは「組織のための本」、そして「Me2.0」は「個人のための本」です。両者を重ね合わせて読みながら、痛感したことがあります。

     それは、

     ソーシャルメディアを使う前に、組織・個人それぞれが、自分のコアコンピタンス(中核能力)が、「何なのか」を、もう一度、問い直すことです。

     流動化・不確実化している社会にとって、最も重要なことは、ソーシャルメディアとのつきあい方もさることながら、その最も「根本になること」から目を背けないことではないでしょうか。あるいは、その「根本」を折に触れ、問い直し、構築し直すことから逃避しない、ということだと僕は思います。

     それが見いだせてはじめて、あるいは、それを向上させる努力が伴ってこそ、魑魅魍魎でとらえどころのないグランズウェルの大海へ船をこぎ出しても、遅くないように思います。
     場合によっては、もしソーシャルメディアが先であってもかまいません。いずれにしても、メディアにおけるインタラクションを為しながら、そのことを問い直すことから、目を背けないことが、もっとも重要ではないかと思います。

      ▼

     組織にとって、何が、最後まで譲れぬものなのでしょうか。どんなコアコンピタンスやコアバリューが、最も大切なことなのでしょうか。

     あなた個人にとっては、いかがでしょうか。自分のコンピタンス、オリジナリティ、譲れぬ信念は何でしょうか。

     組織・個人が、それぞれ、上記を見いだせたうえで、かつ、ソーシャルメディアとつきあえたとき、そこに付加価値が生まれるのかもしれません。コアコンピタンス、コアバリューに付随する様々な情報、ストーリーが、ソーシャルメディアを通して拡幅していくのかもしれません。場合によっては、そこにエコシステムができるかもしれません。
     逆に、そうした事柄を見いだす努力を放棄して、安易にソーシャルメディアの時流にのったときに起こる事は、これらの著者らが主張したかったこととは、全く逆の事のようにも思います。

     別の言い方をします。

     あなたの組織は、何を失えば、あなたの組織ではなくなってしまいますか?
     あなたは、何を失えば、あなたではなくなってしまいますか?

     アタリマエのことなのですが、それがソーシャルメディアとのつきあい方を考察するときに考えるべき事なのかもしれません。

     もちろん、これらの本においても、こうした事柄は言及されていました。
     が、著者らの意図を離れ、華々しい「ソーシャルメディア」だけが注目された場合、最も大切な「組織と個人の中にあるブレないもの」についての熟慮が失われかねないな、とも感じました。

     いまやソーシャルメディアは、誰もが、特段の思慮なく、気軽に利用できます。もはや、それはコモディティです。ソーシャルメディアが、そのような状況であるからこそ、重要なことは、

     あなたが、あるいは、組織が、自らのコアを考えること(リフレクションすること)、それを行動にうつすことではないか(アクション)、と僕は思います。

     そのような連鎖の果てに、ソーシャルメディアは位置づくのではないでしょうか。
     そして人生は続く。

      ▼

    ■2010年5月16日 中原のTwitterでの発言

    • 23:49  子どもは正直で、その反応は直裁ですよね!RT @nagatarey: 子供向けのワークショップを作っている。大人相手にファシリテーターをやるより恐ろしい。
    • 23:47  LEGOを使ったWSの理論的源流はこちら。Papert(http://ow.ly/1LGiv), Kafai(http://ow.ly/1LGk7) (http://ow.ly/1LGjM)、実務家向けにはhttp://ow.ly/1LGkj @takayuki_shmz
    • 23:38  75年生まれあたりの方で、当時のネット環境の変化に興味があった方には、おわかりいただけると思うんですよね(笑)RT @yuatast: これ、同世代として激しく同意。
    • 23:37  LEGO社が開発した企業向けWS「シリアスプレイ」というものがあります(http://ow.ly/1LGbB)。石原さんは、それを輸入している方(http://ow.ly/1LGbT)。かつて東大でもやりました(http://ow.ly/1LGcq)。@takayuki_shmz
    • 22:17  ちなみに僕自身は、大学の1・2年の多くをネットの世界に魅せられて過ごした。中学まではパソコン好きだったが、高校時代は全く触らなかったため、5インチフロッピーの世界から、突然、HD+ネットの世界に、衝撃を受けた。大学時代の2年間は、このバーチャルな世界こそが、リアルだった。
    • 22:11  村上先生、ご連絡&ブログでご紹介くださりありがとうございます。ご紹介していただいたことは、あの記事で、僕が問いかけたかったことです。RT @Midogonpapa: learnscapeの件、ブログでご紹介しました。 http://ow.ly/1LF6u
    • 22:07  BRUTUSのポップカルチャー特集を読んだ。思えば、僕の大学時代はメディア環境の激変期だった。大学1年の頃は固定電話、2年にはポケベル、3年にはPHSがでて、卒業時には誰もが携帯電話をもっていた。PCは入学時はMS-DOSが主流で、卒業時には誰もがGUIでネットを愉しんでいた。
    • 11:29  企業がソーシャルメディアとどのようにつきあうか? : グランズウェルを読了。http://bit.ly/aPFopv
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    ■2010年5月15日 中原のTwitterでの発言

    • 14:34  かもね。RT @daisuke1021: 同じことはテレビ出現時にも言われていたのかも?MT ipad は非常に忙しいゾンビをうみだすのか? : @YukiAnzai: @kazu_fujisawa iPadであなたはもっと馬鹿になる http://bit.ly/bo7wIQ
    • 14:00  ipad は非常に忙しいゾンビをうみだすのか? : 情報を処理しているが、考えてはいない!? RT @YukiAnzai: RT @kazu_fujisawa iPadであなたはもっと馬鹿になる http://bit.ly/bo7wIQ
    • 11:14  先人の肩の上で構想する : 何かに取り組み始めるときには、以前に同じことに取り組んだ人を徹底的に調べるといいですね。RT @salily1214: 先日はまれびとにてありがとうございました!あと、中原先生が教えてくださったキーワードで新たに文献を読み込んだり調べたりしております
    • 10:53  Twitterによるイベント中継にも、いろいろ準備や留意点があるみたいだ、、、RT @yuuhey: イベントでのライブツイートの基本 @jackiegerstein: How To Live Tweet A Conference http://bit.ly/a2ZPwW
    • 07:42  RT @tsuka_0814: 大学生の学びで注目している活動があります。学術系クラブでの学びです。意図的ではないかもしれませんが、うまくデザインされていて感心しました。比較的、就職(進学)も強いです。多くの問いを設定して研究します。
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    投稿者 jun : 2010年5月17日 07:32


    変わりゆくプロフェッサーシップ

     清華大学と東京大学の学術協定によって、今週は・清華大学教育研究所の方々が、東大を訪れています。議論のテーマは、「大学教育の質保証」。大学教育の質を向上させるため、さまざまな取り組みを、相互に紹介していきます。言語は英語。僕もプレゼンしました。

     「講義で学生はどのように学んでいるか」「学生は学外でどのように学んでいるか」清華大学では、アメリカのトップ研究大学・中国国内他大のデータと自校のデータを比較(ベンチマーク)しています。もちろん東大でも、僕の所属しているセンターの先生方が、そのようなベンチマーク調査に従事なさっています。
     清華大学の調査によると、講義の中での学習活動(質問)などに乏しい反面、正課の学外での学習は米国よりも活発だとのことでした。

      ▼

     上記の「大学教育の質保証」に関する議論の内容は、また機会をかえてお話ししますが、ここでは、一連の会議の内容を聞いていて、つくづく思ったことがあります。それは、「大学教員の在り方」についてです。

     けだし、この時代に、「大学院に進学して大学教員を志すということ」は、「最初に自分が卒業させる学生は、日本人ではないかもしれないこと」を覚悟している、ということです。そして、「自分の最初の授業スライドは日本語ではないかもしれないこと」を覚悟している、ことに近くなっているな、と思いました。
     一言でいうと、もう、大学は、「未曾有のグローバル時代」に突入しているということですね。もはや、大学教育はドメスティックなレベルで語りえぬレベルに突入しているな、と実感しました。研究分野によっては、「何をいまさら」と思われるかもしれません。つまり、「もうすでに」そうなっている、ということですね。このあたりは研究分野にかなり依存します。
     ともかく、今後は、大学教育全体が、その影響を強く受けて、進展していくであろうことは、間違いないなと実感しました。
     
      ▼

     今、グローバルレベルで、大学間の競争が激化していることは周知の事実です。また、大学生・大学院生の移動も激しくなってきました。
     その構造的変動の中で、望むと望まないとにかかわらず、プロフェッサーシップ - いわゆる大学教員の在り方も変動してくるんだろうな、と思います。大学教員への社会的期待も、大学教育の激変の中で、揺れ続け、そして増え続けているのです。

     しかし同時に一方で、大学教員のリソースは限られている。それなのに、教育、研究、社会貢献、産学連携、グラントの獲得、国際交流・・・やるべきことは、善かれ悪しかれ、増え続けていきます。
     誰が、何を、どこまで担うべきなのか。役割分担を行うべきなのか、あるいは、行うのだとしたら、どのようにあるべきか。大学教員を支える組織的仕組みにはどのようなものが必要か。いずれにしても、難問です。

     個人的な考えを述べるのだとすると、「何かをなすこと」は、「何かをやめること」とセットでなければならないと思います。「何かをすること」に注意をとられるのではなく、「何かをしないこと」にもっと焦点があたってもよい。CCCの柴田励司さんの言葉を借りると、「集団皿回しをやめる」ということになります。
     1枚、2枚、3枚・・・回すことを求められる皿の数は、次第に増えていきます。しかも、皿の種類は、大きいものから、小さいもの、丸いものから、四角いものまで多種多様です。そもそも、皿回しは難しい。

     かくして、皿回しがはじまります。1枚、2枚、皿の数は増えていきます。ある程度の限界まではやむをえないのかもしれませんが、だからといって、わたしたちは手足の数が10本あるわけではない。
     だんだんと、皿が回すスピードが遅くなり、最悪の場合、すべての皿を落としてしまうことだってありえます。しかも、集団で皿回しをしていて、ある日突然カタストロフィーが訪れた日には、目もあてられません。
     回す皿の数を減らすこと、あるいは、回す皿の種類をひとつにしぼること。どうしても必要ならば、あるいは、回す人を増やすこと・・・何らかの対策が必要です。

      ▼

     誰が、どのような皿を、何枚回すかは別問題として、回してほしいと社会から要請される皿の数自体が、今後近い将来、減ることはないでしょう。
     この時代に「大学で働くこと」は、腹をくくる必要がある、ということでしょうか。それは、望むと望まないとにかかわらずです。そのことだけは、どうも間違いなさそうに思います。

     ・・・そして人生は続く。

     -----

     下記は2010年5月14日・5月13日の中原のTwitterでの発言。

    ■2010年5月14日の発言

    • 18:01  考えさせられたこと:大学教員のリソースは限られている。教育、研究、社会貢献・・・やるべきことは増え続ける。何をどこまで担うべきなのか。役割分担は必要なのか。ファカルティを支える仕組みにはどのようなものが必要か。
    • 18:01  天野郁夫先生の総括コメント2。米国大学は、潤沢な資金リソースがあるうえ、機能的に様々に校種分化している。これによって、1)大学教員の役割分担が生じており、かつ、2)多くの学習サポート部隊を抱えることで、学部教育を支える。
    • 18:01  天野郁夫先生の総括コメント1。東大と清華大学の教育課題がなぜ生じているか:1)留学生の急増、2)研究科・大学院生の拡大、3)研究機能が活発化によって、学部教育を圧迫。さらに学部教育に対して社会から求められる要請は多様化。大学教員は研究をかかえる一方で、学部教育に対応できていない。
    • 17:40  清華大学の開発したTsinghua Education Online(e-learning環境)は、現在中国の200の大学で用いられ、毎日100万人が各大学から利用。20万のコースがセットアップされている、とのこと(韓先生のご発表)。
    • 17:34  調査結果的には、そのような傾向が見いだせるそうです。RT @clione: 意外RT @nakaharajun: 東大の学生は、他の旧帝大、私立大学、公立大学の学生と比べて、ディスカッションやグループラーニングへの参加が低い(劉先生のご発表より)。
    • 17:27  おっしゃるとおり。分野によっては、もう「今」ですね。RT @yuatast: それ以前に、研究室の構成員がすでに外国人率が高いですから。もう今の話ですよね。RT @nakaharajun...
    • 17:26  東大の学生は、他の旧帝大、私立大学、公立大学の学生と比べて、ディスカッションやグループラーニングへの参加が低い(劉先生のご発表より)。
    • 16:33  RT @clione: RT @nakaharajun: RT @kobayashikoichi: 確かに。就活フォローも、日本の市場だけを見るわけにいかなくなってます。特に中国ははずせませんRT 「大学院に進学して大学教員を志すということ」は、「最初に自分が卒業させる学生は・・
    • 16:11  各大学ベンチマーク比較。収入はHarvard : 3211M$, 東大 : 2005M$。寄付金はHarvard : 34.9B$, 東大 : 0.5B$。留学生率はHarvard : 15.7%, 東大 : 8.9%, 清華 : 5.3%(2005年)。(小林先生のご発表)
    • 15:23  「講義で学生はどのように学んでいるか」「学生は学外でどのように学んでいるか」・・・清華大学では、アメリカのトップ研究大学・中国国内他大のデータと自校のデータを比較(ベンチマーク)している。講義の中での学習活動(質問)などに乏しい反面、正課の学外での学習は米国よりも活発らしい。
    • 15:11  RT @kobayashikoichi: 確かに。就活フォローも、日本の市場だけを見るわけにいかなくなってます。特に中国ははずせません。RT この時代に「大学院に進学して大学教員を志すということ」は、「最初に自分が卒業させる学生は、日本人ではないこと」を覚悟している、ということ
    • 14:51  この時代に、「大学院に進学して大学教員を志すということ」は、「最初に自分が卒業させる学生は、日本人ではないかもしれないこと」を覚悟している、ということだよなぁ。そして、「自分の最初の授業スライドは日本語ではないかもしれないこと」を覚悟している、ことのように思う。
    • 14:32  大学の質保証に関する議論。東京大学 - 清華大学。「教育環境の改善」について、僕も、ちょっとだけ発表の予定。
    • 14:10  よく覚えていますね(笑)。ありがとう。RT @hari_nezumi: この視点をもらえたのは@nakaharajun さんのプレゼンを聞いたからだから感謝している。実感わいたのはM1の秋以降だった。大切な経験は後できいてくる。RT...
    • 13:37  清華大学の方々とランチ。日本語、英語、中国語が飛び交っている。
    • 11:09  今日はとにかく会議が多い。現在、文化人間情報学コース会議。このあと、清華大学からのお客様との会議。ひさしぶりにスーツを着た。
    • 10:05  RT @akira_amano: 形式知はコピーできない(というよりコピーしても意味がない)。だからこそコンテクストを共有した者同士が集う学びの場は今後も要請されていく。その場を耕し維持していく役割を担うことでナレッジワーカーはメディア化していくのだと思う。 #cresys
    • 10:04  RT @akira_amano: ナレッジワーカーとして生きること、そのヴィジョンを受け取ったのが今日の最大の収穫。従来の組織の枠組みが液状化していく中で、越境的知的実践者として「研究のエコシステム」を整えそこで生きるためにはどうするべきか、その工夫が聞けました。 #cresys
    • 10:02  昨日のまれびとハウスでのスピーチにご参加いただいた皆さん、ありがとうございました。皆さんのまえで、話すことで、僕自身のvisionも、また少しだけクリアになりました。企画をしてくれた@yohei917 さんにも感謝です。See you !! @mare_bito #cresys
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    ■2010年5月13日の発言

    • 20:34  まずは正課が基本でしょう!RT @fumi_d: まずは,大学外での正課ですか・・・ RT どのような大学生活を過ごすと、大学生は成長できるのか?:溝上慎一(2009)はこちらです! 大学と大学外の活動をバランスよく配分できた学生が、伸びる! http://ow.ly/1KuHg
    • 20:33  ラーンライフバランス!? RT @cosmicfizz74: ラーンライフバランス?RT どのような大学生活を過ごすと、大学生は成長できるのか?:溝上慎一(2009)はこちらです! 大学と大学外の活動をバランスよく配分できた学生が、伸びる! http://ow.ly/1KuHg
    • 18:16  パッションです!RT @chihiroparis: 先生のHPの「趣味・雑考」はすごいですよね(笑)RT 大学生研究の第一人者、京都大学の溝上慎一先生 http://ow.ly/1Kuzk
    • 18:08  どのような大学生活を過ごすと、大学生は成長できるのか?:溝上慎一(2009)はこちらです! 大学と大学外の活動をバランスよく配分できた学生が、伸びる! http://ow.ly/1KuHg
    • 18:03  ちなみに、、、どうでもいいことだが、溝上先生は「撮り鉄」である。電車好きな愚息TAKUZOは、溝上先生を尊敬している。RT @nakaharajun: 大学生研究の第一人者、京都大学の溝上慎一先生 http://ow.ly/1Kuzk
    • 18:00  大学生研究の第一人者、京都大学の溝上慎一先生より、彼の、最近の「論考」が送られてくる。熟読。そのたびに、「ちんたらしてらんないな、俺も、頑張らなきゃな!」と思う。溝上先生のパフォーマンスとパッションを見習いたい。溝上先生のWebページ http://ow.ly/1Kuzk
    • 17:52  猛烈な勢いで案件を処理中。Learning barの今回の演出は、吉村さん(@lalaharu)・舘野君(@tatthiy)を企画中。海外案件では、アシスタントの阿部さんがハンドリング。中国からのお客様では、@shigejam先生。皆さん、ありがとう!
    • 13:11  福島規子(2009)高次なサービス構造と学習理論に基づくサービス学習 日本観光ホスピタリティ教育学会の抜き刷りを読む。「おもてなし」をモジュール化理論で記述しつつ、その学習のあり方を考察。
    • 11:25  やりましょう! 詳細は後日御相談させてください。よろしくおねがいします。RT @fukuikensaku: 是非。私は秋に貴学(大学院・文化資源)で『情報と法』の講義を持たせて頂くので、ゲストでご出演頂くとか、どうでしょうか。RT 大学と著作権について議論できるとよいですね
    • 11:22  ハードな法律論にもかかわらず、所々に、遊び心と笑いがある、よい本です。笑RT @shimomayu: これ、いい本ですよね☆ RT @fukuikensaku著「著作権の世紀」の書評。著作権の概要、著作権訴訟の事例、平易に解説 http://ow.ly/1Ko9d
    • 10:17  何か機会をえて、大学と著作権について議論できるとよいですね。RT @fukuikensaku: 『「新しい知識や技術を常に生み出す大学」という組織は、「著作権」と本気で向き合い、世界の大学と切磋琢磨する時代に入っている。』 同感です。RT http://ow.ly/1Ko9d
    • 10:14  福井先生、大変勉強になりました。感謝です。RT @fukuikensaku: そして、中原淳さんが書評を書いて下さいました。RT 「著作権の世紀」の書評。ディジタル化・ネット化の中で、世界的に広がるコンテンツ産業の再編。その中核は著作権 。http://ow.ly/1Ko9d
    • 09:25  研究室のWebページには、どんな情報をのせたらいいのか?@ikiikilab 研究室ウェブページ作成の心得?! | いきいき研究室増産プロジェクト http://bit.ly/aeeGeH
    • 09:22  ブログ更新。福井健策著「著作権の世紀」の書評。ディジタル化・ネット化の中で、世界的に広がるコンテンツ産業の再編。その中核は、「著作権」をめぐる戦いです。本書では、著作権の概要から、実際の著作権訴訟の事例、そして、最新の理論までを平易に解説。 http://ow.ly/1Ko9d
    • 07:10  本日の「まれびとハウス」での、大学生・大学院生向けのスピーチの資料、なんとか完成しました。オール書道で つくりました。@yohei917さん、参加なさる皆さん、どうぞよろしくお願いいたします。 書道http://ow.ly/1KlEE 概要:http://ow.ly/i/1wt6
    • 07:09  本日の「まれびとハウス」での、大学生・大学院生向けのスピーチの資料、なんとか完成しました。オール書道で 、フロムスクラッチでつくりました。@yohei917さん、参加なさる皆さん、どうぞよろしくお願いいたします。http://ow.ly/1KlAS
    • 06:54  最近、@tatthiyさんは、早起き大学院生だそうですね。みんなが登校してくる前の研究室は、研究・仕事、はかどりますよ!Keep up!RT @tatthiy: 今日も順調に早起きして通学中。天気がよくて気持ちいい。
    • 06:51  なるほど、旅が「内省」の機会になるのかもしれませんね。RT @cake_miya: 私は「最近主体的に生きてないな」と思う時に一人旅に出たくなります RT : かわいい子には旅をさせろですかね RT @saoino: 先日知ったのですが、「旅育」という言葉もあるそうですよ。
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    投稿者 jun : 2010年5月14日 16:41


    福井健策著「著作権の世紀」を読んだ!

     福井健策著「著作権の世紀」を読みました。

     福井さんは著作権が専門の現役の弁護士です。最新の事件・訴訟を紹介しながら、コンテンツ産業の世界的再編の鍵となる「著作権の変容」について平易な語り口でお書きになっています。
     著作権は、研究者であろうと、実務家であろうと、知識創造を行うすべての人にとって必要な知識であり、スキルとなっています。おすすめの一冊です。

     ▼

     福井さんによれば、「著作権が注目される環境は100年をかけて整備された」そうです。

     1.複製技術の高度な発達
     2.インターネット等による情報の大量流出
     3.メディアの発達と多様化
     4.大衆消費社会の出現

     によって、私たちを取り囲む文化に、構造的な変化が生まれました。それは、

     1.文化産業の巨大化
     2.市民文化活動の拡大
     3.複合的、産業的、多次的作品の増加
     4.作品のマルチユース化
     5.ユーザー・メディア・クリエイターが融合しつつあること

     として私たちの眼前に広がっています。
     特に、筆者が強調する「多次的作品=オリジナルが様々なかたちで二次・三次・四次・・・という具合に利用されること」、あるいは、「ユーザーがメディア化、クリエイター化していること」は、わたしたちの日々の生活を振り返ってみても、まさにその通りといったかたちでしょう。

     このような中、「著作権」、すなわち、「情報の独占を許可する制度」が非常に大きな影響を及ぼし始めているのです。

     福井さんは、欧米列強による世界分割に必要であったものが「航海技術」であったことをメタファにしつつ、今後、世界レベルで進展するコンテンツ産業の再編、あるいは知識創造の文化的覇権の「鍵」となるものとして、「著作権」を位置づけています。

     本書の後半では、著作権リフォーム論、DRM、パブリックライセンス論、日本版フェアユースなど、今まさに著作権処理の現場で巻き起こっている最新の議論を展開しています。

       ▼

     僕は、学内の仕事として、全学の教育情報・教育コンテンツの教育企画をディレクションしています。著作権については、つい先日も、法務・知財部と打ち合わせをしており、その意味で、ここに書かれていることは、非常にリアルなことでした。

     あまり、詳しいことはいえませんが、「新しい知識や技術を常に生み出す大学」という組織は、今、まさに「著作権」と本気で向き合い、世界の大学と切磋琢磨する時代に入っている、と思います。
    しかし、僕の知る限り、日本の大学における現状の取り組みは、非常に乏しい、と言わざるを得ません。著作権の認識のみならず、それに対処する組織体制が、日本の大学では確立されていないところの方がほとんどです。

     教育情報、教育コンテンツという観点からいえば、このままでは、フェアユースという慣行によって、自己の教育コンテンツを社会に迅速かつ大量に提供しつつ、社会と有効なコミュニケーション回路を築き、優秀な学生をリクルーティングし続ける海外大学の影響力は、増すばかりです。

     著作権というものが、「あっちをたてれば、こっちがたたない権利」であることは重々承知しています。それゆえに、「自分で声をあげない限り、誰も権利を与えてくれない」という性格を、それはもっています。

     そろそろ、日本の大学が、本気で、社会に「声」をあげる時代に入ってきていると思います。

     -----

    ■2010年5月12日の中原のTwitterでの発言

    • 16:04  かわいい子には旅をさせろですかね、、 旅育 RT @saoino: @nakaharajun 先日知ったのですが、「旅育」という言葉もあるそうですよ。子どもの越境学習、でしょうか。
    • 14:07  ボランティアツーリズムというものがあるんですね。。。勉強になりまます。RT 見る観光から、体験する観光へRT @mamiYmami: 観光ではしばらく前から「見る」⇒「体験」へのシフトが始まっている。体験ではなく、さらにその先があると思ってボランティアツーリズムを研究。
    • 14:05  見る観光から、体験する観光へRT @mamiYmami: 観光ではしばらく前から「見る」⇒「体験」へのシフトが始まっている。体験ではなく、さらにその先があると思ってボランティアツーリズムを研究 RT @hideo_miura RT 価値観は消費から経験へ。モノから体験へ
    • 14:03  おせっかい研修ギフト(笑)RT @joesakai: 面白いですねー。すごくおせっかいですけど、友人に研修を贈るとか、あるかも(笑)。 RT @nakaharajun これ、面白いですね。「モノ」ではなく「経験」を贈るギフト http://www.sowxp.co.jp/
    • 11:13  昨日の某先生との懇談では、研究することだけでなく、自前で教育することもやめ、学生にはOER(OCWなどのオープン化されたコンテンツ)で学ばせ、彼らにPh.Dクラスの人による学習サポートを提供し、学位を与えることだけに特化した「大学」がでてきているとのこと・嗚呼、大学とは「何」か?
    • 11:12  RT @hyakuko: @nakaharajun  これいただいたことあります。やってみたかったことが体験できて、とても印象に残りました。贈ってくださった友達にも報告して、会話が広がりましたよ。
    • 11:08  RT @hideo_miura: RT 価値観は消費から経験へ。モノから体験へ確実にシフトしてるね。音楽も消費する商業音楽から参加する大衆音楽へ回帰している。RT これ、面白いですね。「モノ」ではなく「経験」を贈るギフト http://www.sowxp.co.jp/
    • 11:08  某戦略会議。一部の米国大学で起こっていること。1)テニュア教員のレイオフ、2)一部職員のレイオフと一部職員のプロフェッショナル化。3)教育研究と大学経営の分離、4)大学経営陣の雇用流動化と高額所得など。嗚呼、大学はどこへ向かおうとしているのか。
    • 10:39  これ、面白いですね。「モノ」ではなく「経験」を贈るギフト http://www.sowxp.co.jp/
    • 09:20  妹尾先生、近いうちに、何か機会を見つけて、ご一緒できるといいですね。 RT @senoodai: じゃ、日程調整しましょう。RT @nakaharajun: ほほー、まつさき行きたい!
    • 08:03  ソーシャルメディアの中毒性について : SNSフェースブックに人生を翻弄される米国人中高年インテリがなぜ依存症に?http://bit.ly/bpqCEc
    • 07:31  足湯グループ学習 RT @tekery: ちなみに現実的な構想(妄想)はこんな感じです。 RT @nakaharajun 爆笑! 温泉大学。 http://tweetphoto.com/22006712
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    投稿者 jun : 2010年5月13日 09:18


    暮らし・家族の観点からipadをながめる

     僕、一日に、こんなに「つぶやいている」のね。。。改めてみると「衝撃」だわ。
     まぁ、そんなことはいいとして、昨日のTwitterで一番興味深かったのは、BOSTON在住の菅谷明子さんのブログ記事。

    ボストン発、iPad体験記: 家族の会話と知の創造の場である食卓に溶け込む魅力
    http://blog.goo.ne.jp/akikojournal/e/dd61261d84cca35fdd547079f0b12d47

     ipadの言説空間というと、

     「ipadか、Kindle、どっちが勝つんだぁ! 鼻息ふんふん」

     みたいな感じの「ビジネス」っぽい話か、

     「ipadでAdobeが閉め出されたのはいかがなものか」

     みたいな「技術」っぽい話が多い中(それも面白いんだけど)、それらとは違った視点、すなわち「暮らし」「家族」という観点からipadを眺めていらっしゃるのが、一人の親としても、また、一人の研究者としても興味深かったです。うちも早く導入したい。

     あとは、ゼミ中、D2の脇本君の報告の中にあった初任者教員の現状についても興味深かった。

    「自治体によっては、教職経験5年未満の教員が、その自治体の教員の3分の1をしめる(天笠 2007)」

     というお話。

     この話は、以前から、青山学院大学の苅宿先生にお話をお聞きしていたものの、あらためて、すごい数字だな、と思いました。大学と教育現場の連携体制、教育現場における人材育成システムをきちんと確立することが求められますね。

     というわけでした。

     以下、中原の2010/05/11のTwitterでの発言

     ---

    • 23:19  RT @hongokinako: 我が家のiPhoneが既に同じ役割!ipadになると何か変化するかな?RT 一人の親として非常に興味深い RT @AkikoSugaya: 「ボストン発 iPad 体験記」をアップ! http://bit.ly/9meDXk: #ipadj
    • 22:08  一人の親として非常に興味深い。Ipadが家庭の会話を変える!? RT @AkikoSugaya: 「ボストン発 iPad 体験記」をアップ! http://bit.ly/9meDXk: 「家族の会話と知の創造の場である食卓に溶け込む魅力」 #ipadj
    • 21:52  RT @tom_hasegawa: 教員採用競争率も全国平均6.1倍に低下。横浜市は4.2倍(秋田県は14.9倍)教員志望者の育成システムも急務。 RT 横浜市:およそ4分の1が採用5年未満の教員。http://ow.ly/1JtQv
    • 19:11  大学院中原ゼミ。今日の英語文献は、潜在連合テスト(IAT)に関するもの。
    • 19:01  その節はお世話になりました。こちらがわたくしめの「お名紋」でございます→http://ow.ly/1Juof RT @asummer: むかしお名紋つくらせていただきました。中原さん。QT @usamiffy: RT @nakaharajun:
    • 18:24  横浜市:最近5年間の採用者の合計は約3,700名で、本市の教員数 15,500名のうち、およそ4分の1が採用5年未満の教員。教育現場でも人材育成システムの確立が急務。http://ow.ly/1JtQv
    • 18:20  大学院中原ゼミ。D2脇本君の研究発表。団塊世代の大量退職により、教師の大量採用が都市部を中心に行われ、自治体によっては、教職経験5年未満の教員が、その自治体の教員の3分の1をしめるところもある(天笠2007)。 初任教師のスキルアップが課題。
    • 18:02  One paper, One enemy, One conclusion! : ひとつの論文では、ひとつの仮想敵(問題・論点)、ひとつの結論・・・
    • 17:23  内省を促す支援のあり方:1) display(活動・思考プロセスを可視化)、2) prompting(活動や思考プロセスについて説明を促すプロンプト)、3)Modeling(プロセスのモデル提示)4)Reflective social discourse(対話)Lin(1999)
    • 17:09  大学院中原ゼミ。D2舘野君の研究報告。大学生のアカデミックライティングに関する研究。博士論文2本目の研究計画と実装について。
    • 17:07  大学院授業。M1の学生さんの中で統計が苦手な人がいるなかで、どこまで授業中、フォローをするか・・・。悩ましいね。
    • 15:15  大学院授業終了。MIT飯吉先生と議論。
    • 09:18  参りました(笑)お疲れさまでございます。RT @koyuki8: 我が家はそれにバスと電車に乗るってのが加わります。 @nakaharajun 雨の日の保育園送りは、かなりの重労働。
    • 08:54  そうなんですよ、手がもう一つあったら、左手の負荷分散が可能になるのですが。RT @hinachu: そっか手は、空いた手でしか握れない RT 左手に保育園バック+Macbookと本が入った自分のバック+傘をもち、右手には子どもの手をひく。雨の日の保育園送りは、かなりの重労働。
    • 08:50  これから梅雨の季節ですが、頑張りましょう!RT @ymajima: 私もいつもやってます。皆さん、頑張りましょう。今日は奥さん、ありがとう。RT: 雨の日の保育園送りは、かなりの重労働です。首都圏は雨。やっと、今、保育園送り完了しました。世の中のお父さん、お母さん、お疲れ様です。
    • 08:32  ブログを書きました! 見舘好隆著「リクルートワークス 人と組織選書 いっしょに働きたくなる人の育て方」の書評です。スターバックス、マクドナルド、コールドストーンの3つの異なった顧客接点アルバイトの人材育成の仕組みをさぐった書籍です。 http://ow.ly/1Jlj8
    • 08:15  産学連携本部、知財法務と会議。僕はもともと企業との共同研究が多いし、教育の情報化に関する学内の著作権関係を扱っているので、こちらにはお世話になりっぱなしです。
    • 08:13  残念ですなぁ。。。RT @syasuak: 残念ながら、統廃合されて無くなってます。RT @nakaharajun: すごい学校ですね!RT @Jombar: @nakaharajun 箱根に温泉小学校というのがあるのをご存知でしょうか
    • 08:13  3時頃起こされたので、かなり今日は眠いです。しかし、今日は、朝から猛烈に忙しい。生き残ることを目的にします。RT @RitaMURAGISHI: うーわ!予想外だったのねぇ、RT おねしょ!ひょえーーー、、、僕じゃないよ、、、、TAKUZO、、、しかも、本人は寝ぼけて逆ギレ中!
    • 08:12  左手には保育園バック+Macbookと本が入った自分のバック+傘をもち、右手には子どもの手をひく。雨の日の保育園送りは、かなりの重労働です。首都圏は雨。やっと、今、保育園送り完了しました。世の中のお父さん、お母さん、お疲れ様です。
    • 06:22  すごい学校ですね!RT @Jombar: @nakaharajun 箱根に温泉小学校というのがあるのをご存知でしょうか。校内に温泉があり、入浴の時間もあるとか。温泉効果が子供の学習面にも何か影響していたら面白いですね。笑
    • 06:22  RT @hirohoshi: そうか例の知識"スパ"イラルモデル! RT @tekery: もういっそ、温泉と大学をくっつけてしまえばいいと思いました。 RT 次世代のラーニングは、温泉からうまれるね
    • 03:57  おねしょ!ひょえーーー、、、僕じゃないよ、、、、TAKUZO、、、しかも、本人は寝ぼけて逆ギレ中!
    • 03:55  講義なんてしてる場合じゃない!風呂入れ、ただし、湯当り注意!RT @tekery: もういっそ、温泉と大学をくっつけてしまえばいいと思いました。 RT @nakaharajun: 次世代のラーニングは、温泉からうまれるね
    • 03:53  爆笑! 温泉大学。RT @tekery: もういっそ、温泉と大学をくっつけてしまえばいいと思いました。 RT @nakaharajun: 次世代のラーニングは、温泉からうまれるね
    • 03:52  素晴らしい!小生を学びほぐしてください。RT @yohei917: 一時期。浴自祭というイベントをやっていました。体も心も他者に丸投げして自分を探求するようなコンセプトでした。RT @nakaharajun 次世代のラーニングは、温泉からうまれるね、根拠レスだけど。
    • 03:50  チクセントミハイのネタ元も温泉とは!RT @YukiAnzai: 昨年、上田先生と宮田先生と温泉に入った時に「フロー(風呂ー)状態で学びほぐされますな〜」と盛り上がったのを思い出したw RT @nakaharajun 次世代のラーニングは、温泉からうまれるね
    • 00:32  絶対つながってますよ! RT @keiko_a: そういえば、うちの大学院の合宿は、ここ数年温泉宿だなぁ。知識創造につながってるのかしら?(笑) RT @nakaharajun 知識創造は温泉から!!
    • 00:31  マイクロソフトさん、ぐるなびさん、三菱東京UFJさん、博報堂さん、リコーさんの責任者の方々にご参加いただきました。RT @RitaMURAGISHI: 私が存じ上げている方も居られたのでしょうか。 RT リクルートワークス研究所"Works"の100号記念号ワークショップ
    • 00:26  RT @cmoty: ゼミ生に教えたい話題だなーw RT 知識創造は温泉から!!RT @ayustat 野中先生は北陸先端大時代、お客さんがあると必ず旅館まつさきで温泉、宴。「一緒に温泉入って酒飲んで、コンテクストを共有するんだな。そこから知識が生まれるんだ」とおっしゃってま
    • 00:25  ほほー、まつさき行きたい! http://www.yukoyuko.net/1916/ RT @kmatsu1129: まつさきはJAIST割 RT : 知識創造は温泉から!! @ayustat: 野中先生 旅館まつさき 「温泉入って酒飲んで、コンテクストを共有するんだな」
    • 00:20  温泉宿でのワークショップをやる方がいらっしゃったら、僕を誘ってください(笑)。RT @kiyotakechiyo: 「うまい飯と温泉があると、話が深まるね」。またやりたいな、温泉宿でのワークショップ。 RT 次世代のラーニングは、温泉から生まれる。
    • 00:19  知識創造は温泉から!! RT @ayustat: 野中先生は北陸先端大時代、お客さんがあると必ず旅館まつさきで温泉、宴。「一緒に温泉入って酒飲んで、コンテクストを共有するんだな。そこから知識が生まれるんだ」とおっしゃってました。知識創造は温泉から、でした(笑)
    • 00:04  「自分が相手によって変えられるということに私が開かれているのでなければ、相手を変えたいなどと望む権利はない」マルティン・ブーバー
    • 00:04  「私は人間を弱者と強者、成功者と失敗者とには分けない。学ぼうとする人としない人に分ける」(ベンジャミン・バーバー)
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    投稿者 jun : 2010年5月12日 10:32


    見舘好隆著「リクルートワークス 人と組織選書 いっしょに働きたくなる人の育て方」を読んだ!

     見舘好隆さんのお書きになった「リクルートワークス人と組織選書 いっしょに働きたくなる人の育て方」(プレジデント社)を読みました(こちらAMAZONにはまだ登録されていないようです)。

    リクルートワークス人と組織選書 いっしょに働きたくなる人の育て方
    http://books.yahoo.co.jp/book_detail/AAZ73062/

     この本は、「顧客接点アルバイトの人材育成」に関する本です。スターバックス、マクドナルド、コールドストーンクリーマリーという3つの顧客接点アルバイトの人材育成の秘密を丹念な定性的研究によって明らかにしつつ、そのエッセンスを実務家に伝えようと試みている本です。見舘さんの、ここ数年の研究の集大成でしょう。

     マクドナルド、スターバックス、コールドストーン・・・それぞれ扱っているものは、ハンバーガー、コーヒー、アイスクリームと違いますが、その人材育成の仕組みも異なっています。本書では、採用から社員登用までの育成の仕組みを扱っています。

     後半では、若手を成長させる経験にくわえ、「触媒」という概念のもと、4つの「触媒」を論じています。「上司や同僚」「顧客」「仕事」「教育プログラム」・・・これらの会社には、様々なかたちで、「触媒」が仕事場の中埋め込まれています。

     本書のもうひとつの読み方は、「大学生の成長」の本として読むことでしょう。著者である見舘さんは、キャリアカウンセラーとして大学でも教鞭をとっていらっしゃ方です。本の冒頭「多様な人と協働する力は授業だけでは磨けない」として、学外における学びのあり方を模索しています。これが、おそらく、本書の「伏線」であり、もうひとつの読み方でしょう。

     アルバイトのみならず、顧客接点のある人材育成に興味関心のある方、大学生のキャリアに感心のある方に、おすすめです。

     ---

    ■2010年5月10日の中原のTwitterでの発言

    • 22:00  次世代のラーニングは、温泉からうまれるね、根拠レスだけど。RT @yohei917: いきましょう! RT @nakaharajun App storeで、"温泉さがし"というiphoneアプリを発見。GPS使って、検索できる。温泉いきたいんです。
    • 21:51  App storeで、"温泉さがし"というiphoneアプリを発見。GPS使って、検索できる。温泉いきたいんです。
    • 21:44  某メディア企業の人事の方から、OJTに関する相談をうかがった。今度、詳細を議論することになった。これで今日の仕事は全て終了。おうちに帰ろう。
    • 21:33  リクルートワークス研究所"Works"の100号記念号のため、人事責任者の方々を対象にして、ミニワークショップを開催。正しくいうと、ワークショップ的座談会。気づきの多い会でした。
    • 18:08  リクルートワークス研究所。
    • 15:14  スーパークラウド ググるマンー、僕が抱えている〆切を何とかしてくれー(笑) @mattsunn: 次は、ググるマン。困ったときは「スーパークラウド ググるマンー」。@bakashizawa Google TV発表か...何でもありだな http://bit.ly/aWaOJH
    • 15:09  高尾隆君(東京学芸大学)と、パフォーマンススタディに関する新著の構想。
    • 12:52  「海軍」に入るくらいなら、「海賊」になった方がましだ!(Steve Jobs)
    • 12:50  ipadの注文ページを見ていて、ふと思った。ipadを持つようになったら、僕は、iphoneとMacbook proをどうするんだろう? まさか3つもって歩く? そいつは、ヘビーだ。肩こりに悪い。思い切って、ipadだけにして、iphoneとMacbook proを捨てるか?
    • 12:39  ほほー。RT @beatiii: ソーシャルメディアと職場に関するASTDの調査レポート。要約は無料で読めます。 http://ow.ly/1ISTc 「ソーシャルメディアは学習に有用であるようだが、普及は十分ではない」ということらしいです。
    • 09:01  ついにテレビまで・・・RT @bakashizawa 「Google TV」発表か... http://bit.ly/aWaOJH
    • 07:17  なるほど!RT @miya_mai: @nakaharajun 私は勉強は近くのカフェでやりました。私が思うシェアハウスのデメリットは、セキュリティー面です。実際、泥棒騒ぎなどはありました。見知らぬ人同士なので、自己防衛は最低限必要かと思います。
    • 07:02  RT @jyussy: 僕も経験者ですが、確実に勉強ははかどらない環境かと RT @nakaharajun 僕も留学時代に一度ルームシェアをしていたことがあります。メリット多い一方、何かデメリットはありますか? RT @miya_mai: シェアハウスのメリット・デメリット
    • 06:46  なるほど、同感です。僕も留学時代に一度ルームシェアをしていたことがあります。楽しかったです。メリット多い一方、何かデメリットはありますか? RT @miya_mai: 私は数年前シェアハウスに住んでいましたが、楽しい・お金がかからない・友達が増えるとメリットが多かったです。
    • 06:33  i文庫HD(ipad用青空文庫)が5月10日リリース予定とのこと。サイト→ http://ow.ly/1IPN3  動画はこちら→ http://ow.ly/1IPNM 。ページをめくった裏側に、次ページの内容が映っている、妙にリアル。
    • 06:27  確かに最近学生などから、よくシェアハウスの話をききますね:「一人じゃない」シェアハウス 若い社会人に人気・・・『人の気配を感じる』空間が今のシェアハウスなんです・・・(ASAHI.COM) http://ow.ly/1IPKh
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    投稿者 jun : 2010年5月11日 08:27


    激変するラーンスケープ(Learnscape - 学びの光景):TwitterとUST時代の学びを考える

     先日、土曜日。

     本間正人さんのやっておられる「NPO 学習学協会」が主催なさっている「学習学フォーラム2010」というイベントで、小生、パネリストをつとめさせていただきました。本間さんには、去年のワークプレイスラーニング2009で大変お世話になりました。

    学習学フォーラム2010
    http://www.learnology.org/LF/2010.html

     このフォーラムのテーマは「バーチャルとリアルの融合」。「ネットに拡大する学習空間」と、いわゆる「リアルな学習空間」の「関係」を考えることが、このイベントの目的であったと思います。

     基調講演では、「天空の魔法アイランド」という幼児向けの英語ビジネスをなさっているMoonshoot社の加藤さん、ビジネスブレークスルー大学院大学の炭谷俊樹さんから、現在の、ネットと学習のアクチャルな動きについてお話をいただきました。

      ▼

     前者、加藤さんのサービスは、ネット+絵本+リアル教室を連携させて、「一貫したコスモロジー(世界観をもったストーリー)のもとに、コンピュータがもっとも得意とする反復学習を可能にする学習時間を確保する試み」として非常に面白く聞かせていただきました。

     特に僕が興味をもったのは、「ネットの学習」は、いまや、「リアルの学習」を「補完」「代替」するものではなく、「リアルの学習」を「駆動」するもの、「形作る」ものになっているのではないか、ということです。

     かつて、Blended learningという言葉が人口に膾炙していたころ(2000年前半)、ネットの学びは「補完」なのか、「代替」なのか、ということで、ずいぶん議論がありました。

     しかし、おそらく、今、起こっていることは、「ネット」がきっかけで、リアルの場が構成されたり、促進されたり、することです。
     今日のUST中継のように、ネットのむこうのTwitter上の「あなた」の発言によって、「リアルな場」にいる人たちのコミュニケーションや講演、パネルディスカッションが、少なくない影響を受ける、ということが起こっています。
     少なくとも、「ネット」は、すでに、いわゆる「リアル」と相互作用しながら、わたしたちの「現実」、あるいは「学習経験」を構成するまでになったといえるのではないでしょうか。これが加藤さんのお話をお聞きして、僕が、考えていたことです。

      ▼

     炭谷さんのお話で印象に残ったのは、ネットの中の学習空間が広がることによっておこるサプライサイド(教育のサプライサイド:公教育以外の教育の提供側)の危機についてです。炭谷さんは、そのあたりのお話を前半なさっていました。

     ネットの世界では、「人気の寡占化」「評価の肥大化」「コンテンツの細分化」という問題がおこりがちです。

     つまり「同じ学ぶのだったら、誰でもいいわけじゃなくて、他ならぬこの先生に、学びたいということで人気が寡占化する」ということがおこりますね。つまり人気は集中してしまうということです。

     また、食べログやAMAZONのレイティングを見ればわかるように、ものの価値が、ネット上に流出した他者による評価によって決まるようになります。いったん評価がなされると、もれなく、その評価は一人歩きします。それは、被評価者が望むと望まないとにかかわらず、起こります。当然、そのことの弊害は多々あります。一人歩きする評価に信頼性や妥当性があるものなのか、については議論が必要でしょう。しかし、ともかくも、いったんくだされた評価は、「もれなく一人歩き」するのです。

     また、iTune Music Storeを見ればわかるように、アルバムを買うよりは、この曲だけが欲しい、という風に、コンテンツの細分化、モジュール化、あるいはマイクロコンテンツ化がおこりがちです。

     もちろん、こうした問題は、教育ビジネスだけに起こるわけではありません。しかし、重要なことは、こうした類の変革は、一度迎えてしまえば、「後戻りすることはない」ということです。
     炭谷さんのお話をお聞きして、この時代に、教育のサプライサイドは、岐路にあると思いました。サプライサイドが、今、どのような戦略とビジネスモデルを構築することができるかが、非常に重要であるように感じました。

      ▼

     基調講演のあとは、パネルに移行しました。
     パネリストの方々から、前半の2つの基調講演に対して、様々な意見が述べられました。ふだん、僕が耳にしないこともあり、非常に勉強になりました。

     僕の方は、「ネットと学び」について、最近、フツフツと自分が感じていることを、下記のとおり、3点述べました。
     誤解を避けるために最初に述べておきますが、1と2と3が「事実」であると述べているというわけではありませんし、1と2と3の事態が「望ましい」と言っているわけではありません。これらはあくまで、僕が最近感じていることであり、そこで進展している内容が社会効率性、合理性の観点から「望ましいこと」なのか、どうかは議論が必要なことです。

     僕が述べたことは3点です。

    1.バーチャルとリアルという言葉は、もはや、「死語」である

    2.学びのイニシアチブが個人にうつることが可能になってきている

    3.フリープラットフォームの出現で、内容知をもった専門家が直接学習者とつながる時代が到来しようとしている

      ▼

     まず、1の「バーチャルとリアルという言葉は、もはや、死語である」という言葉は、ややメタフォリカルな表現です。正しくは、「バーチャル」と「リアル」という二分法で、「学習」を語ることができなくなってきている、ということでしょうか。

     現在、あらゆるデジタルアプライアンスが「いつでもどこでもネットにつながる」時代に突入しています。もはやネットはアンビエントな存在になってきました。また同時に、デジタルアプライアンス自体が「パソコン」「PC」から、携帯電話等にも移行した「モバイル化」も進展しました。

     このような「アンビエント化」「モバイル化」の流れによって、かつてわたしたちが「バーチャルと呼んでいた世界」 - パソコンの前にすわって、ポチポチと、画面をみつめるという学習の姿 - が必ずしも支配的ではなくなってきているように感じます。

     たとえば、愚息TAKUZOは、欲しい英語のソフトを、iphoneで無料でダウンロードして、マルチタッチスクリーンで遊びます。
     「触ることができること」が「リアル」で、「触ることができない」というものが「バーチャル」だとおっしゃる方もいらっしゃるかもしれませんが、マルチタッチが当たり前の彼の前では、その区別は、あまり意味のあることではありません。

    生まれてはじめて描いた文字は、iphone上
    http://www.nakahara-lab.net/blog/2010/03/post_1666.html

     また、愚息TAKUZOにとっては、僕らの定義でいう「バーチャルな世界」は、圧倒的に「リアル」です。といいましょうか、生まれながらにしてタッチスクリーンに囲まれていた世代にとっては、「バーチャル」と「リアル」を区別することは、僕らよりはあまり意味がありません。僕が言いたいことは、たとえばそういうことです。
     これは、今の若い世代のみならず、程度の差こそはあれ、さまざまな人々が感じていることではないでしょうか。

     かくして、アンビエント化し、モバイル化が進む現在のネット環境においては、かつてのように「バーチャル」と「リアル」によって、学習を語ることは、難しくなってきているように感じます。

     ▼

     次に「2.学習のイニシアチブが「個人」に移ってきている」とはTwitterのことをさして言いました。
     かつて「ネットと学習」の世界の話、ということになりますと、「いわゆるeラーニング」の話ということになり、それは、「サプライヤ」が主導するシステムから提供される「パッケージ化」された「教育コンテンツ」のことをさすことが多かったように思います。そして、「eラーニングの言説」は、サプライサイドが圧倒的にパワーをもっていた世界でした。それは、多かれ少なかれ、今も、なお、そうでしょう。

     しかし、Twitterのように、もともと学びを志向するために作られたサービスではないものが、場合によっては、個人の学びを加速させるツールとして用いられるようになってきました。
     もちろん、Twitterをやっている方は、「I don't think I am learner」というでしょう。俺は、別に、「Twitterを愉しんでいるのであって、学びをしているのではない」、と。

     しかし、そこには確かに、

    「学びとは言わない学びの機会」
    「学びとは言わない学びの空間」

     が広がっているように感じます。正確には、それを「学びの道具」として位置付けて利用する人が少なくとも僕の眼からみると増えている、ということです。

     これはそういうことを志向する人にとっては、ポジティブな側面をもちます。しかし、物事はいつもDouble edge swordです。同時に、「ネットと学習」の「ダークサイド」を生み出します。
     つまり、インターネットのリテラシー、あるいは、学習技術の差によって、「よりよく学べる人=さらに成長できる人」と、そうでない人の格差を加速度的に拡大するのです。自由化、オープン化時代の幕開けは、新たな格差時代のはじまりを意味します。

     個人的には、公教育においては、そうした格差を是正するための措置(フラットな学び)をとっていくことが求められると思っています。そこで教えられるべきことは、おそらく「自分で自分の学びをデザインすることを、みんなで学ぶことを通して、つまり協調的な学習過程を通して獲得すること」、つまりは「他律的な支援とコミュニケーションによって、学び手を育成すること」ではないか、と僕は思います。

     もちろん、「格差」の問題は、公教育だけで担うには重すぎる課題です。その場合には、福祉を含めた様々な領域、さまざまなエージェント(行政、NPO)の連携と役割分担、政治主導による解決が不可欠です。

     一言でいうと、

     ネットと学習のダークサイドは、公教育だけで解決できる問題ではありません

      ▼

     ちなみに、「学ぶ個人」の肥大化に関して、最近、とみに、実感するときがあります。

     僕は仕事柄、若いビジネスパーソンやマネジャーにお会いすることが多いのですが、彼らのTwitterでフォローしている人を見せてもらうと、そこには、いつかのパターンがあることに気づかされます。

     1.ただたんに有名人をフォローする人

     2.新聞社やお天気などの「1次情報」をフォローする人
       =情報収集としてTwitterをとらえている人
     3.1次情報に付加価値をつけて発信する人をフォローして、
       =収集する情報の選別を行っている人

     4.収集した情報をもとに問いをなげかけて、みんなと一緒
      に考え、自分なりの考えをブログにまとめている人
       =知のエコシステムをつくる人

     Twitterの利用の仕方は自由です、またフォローする人も自由ですので、僕がとやかくいうことはありません。しかし、このように、人によって、情報処理のあり方も多様です。学びのありかたやそれに付随する戦略を自ら考え出し、学びのイニシアチブを個人がもつ時代が到来しつつある、ということなのではないか、と思います。

     ▼

     最後に「フリープラットフォーム化」のお話をしました。これは、明らかに「UST」のことを念頭においてお話ししました。

     USTのようなフリープラットフォームが誕生すると、専門家(内容知や技術)をもった人が、直接、そのようなプラットフォームを利用し、直接、学習者とつながることも可能になってくる、ということです。USTはTwitterが連動しますので、そちらの方で、ローカルコミュニティを組織すれば、マーケティングだって可能になります。

     これは、学びたいと願う個人にとってはメリットの方が大きいでしょうが、教育のサプライサイドにとっては「中抜き」されるリスクがともないます。
     こうした「中抜き」を避けるためには、どのような試みがなされるべきなのか。今、まさに本当に考えている教育関係者は、このことを考えているように感じます。
     
     ワンセンテンスで問いかけるのだとすると、下記のようになります。

     ソーシャルメディアをもった専門家が提供する価値よりも、あなたがかかわることで、わたしたちが得られる付加価値は何ですか?

     ▼

     いずれにしても、上記は、僕の個人的な「雑感」であり、確証がある話ではありません。しかし、最近のメディア業界の動きを見るにつけ、そんなことをとみに感じています。

     もちろん、今回のお話はメディア業界の動きと教育業界を重ね合わせることで、「ネットと学習」の未来を見通してみましたが、教育業界には、この業界独自の社会的機能があります。ゆえに、単純に議論を進めることには慎重にならなくてはなりません。

     たとえば、資格・学位を付与する社会的機能は、教育業界に独自のものです。また、教育が提供する価値が「コンテンツなのか、インタラクションなのか」、そのちがいによって、上記の「重ね合わせ」は説得力を見失います。このあたりは、またややこしいことですし、専門的なことなので、また今度にいたしましょう。くどいですが、話は、それほど「単純」ではないということです。

      ▼

     ともかく、今回のフォーラム、個人的には最近、フツフツと考えていたことをまとめる機会にもなりましたし、最近、遠ざかっていた「ネットと学びの世界」について、アクチャルな動きを知ることができました。
     今日はどちらかというと、オーディエンスの方々を意識して、サプライサイドの話になりましたが、もちろん、学び手の方の変化もおっていく必要があるでしょう。それもまた、別の機会に。

      ▼

     いずれにしても、ネットは、今後も加速度的な速度で「変化」していくと思います。そして、あらゆる物事に「変化」を迫るでしょう。
     様々な動きの果てに、わたしたちは、どのような「学びの姿」を見るのでしょうか。
     それは、わたしたち個人にとって、あるいは、教育の担い手にとって、「よい時代」の到来なのでしょうか? それとも、リスクと隣り合わせの時代の到来なのでしょうか。

     しかし、少なくとも間違いないことがあります。

     今、ラーンスケープ(Learnscape : Learning + Scape : 学びの光景)が急速な勢いで動き出しているということです。そして、その真っただ中に、僕らは、いる、ということです。

     僕は、今、そう感じます。

      ▼

     今回のイベントの様子は、Twitterのハッシュタグで様々な方々が発言なさっていますし、USTには録画も存在するようです。もしよろしければご覧ください。

    学習学フォーラムのハッシュタグ
    http://twitter.com/#search?q=%23learnology

    学習学フォーラムの録画
    http://www.ustream.tv/recorded/6763092

    Twitterでのやりとり:まとめサイト前半@benkyo_kaiさん作成)
    http://bit.ly/learnology1

    Twitterでのやりとり:まとめサイト後半@benkyo_kaiさん作成)
    http://bit.ly/learnology2

     最後に、本間正人さんはじめ、関係者の皆様には、心より感謝いたします。ありがとうございました。

     ---

    ※追伸
     中原もTwitterをやっています。もしよろしければ、またご意見お寄せください。

    中原のTwitter アカウント
    http://twitter.com/nakaharajun

    中原研究室のTwitterアカウント
    http://twitter.com/nakaharalab

    もしよろしければぜひ、東京大学ナビ(公式)のTwitterアカウント
    http://twitter.com/todai_navi

     ---

    ※追伸2
     ちなみに今日はご紹介できませんでしたが、米国のOnline educationの現状がわかるSloan-Cの報告書は下記で読むことができます。

    Online education in United States
    http://www.sloanconsortium.org/publications/survey/pdf/learningondemand.pdf

    投稿者 jun : 2010年5月10日 07:00


    城南島海浜公園で飛行機をながめる!

     昨日の東京は、25度くらいはあったのではないでしょうか。僕は、半袖をきて、TAKUZOとお出かけしました。昨日出かけたのは、城南島海浜公園。羽田空港のちょうど反対側にあります。

     この公園、以前から、僕は行ってみたかったのです。僕の子育ての方針は、「連れまわす」(笑)。ということで、ぶーんと車にのって、海岸の埋め立て地にある公園にでかけました。

    城南島海浜公園
    http://www.tokyobaypark.net/jonanjima_seaside/


    大きな地図で見る

     城南島海浜公園には「人工の砂浜」「キャンプ場」などがあります。TAKUZOは、人工の砂浜でお水遊びを愉しみました。

    takuzo2.jpg

     海が好きなTAKUZOは、海を目にしたとたん、おおはしゃぎ。波打ち際で足をつけるだけのはずが、おだんご遊びをはじめ、さらには水に入り・・・最後には、Tシャツもズボンも砂まみれになってしまいました。

     海の向こうの羽田空港からは、ひっきりなしに飛行機が飛んできます。ものによっては、僕たちの真下をとおる航空機もあって、すごい迫力でした。

    ana.jpg

     今度機会を見つけて、ここでキャンプをするのもいいかな、と思いました。かなり人気がある様子ですので、予約は必至だそうです。

    DSC_0279.jpg

     よい週末。
     そして人生は続く。

    投稿者 jun : 2010年5月10日 06:15


    2010年5月9日 中原のTwitterでの発言はこちらです!

    • 21:29  RT @joesakai: RT @koheimoritani88: 経産省~産学官でグローバル人材の育成を~産学人材育成パートナーシップ グローバル人材育成委員会「報告書」の公表についてhttp://bit.ly/ddV29X
    • 20:58  RT @thoton: 「作品」の概念も変わるでしょう。パソコンソフトのようにバージョンアップされる。ツイートでさえ、後で読み返して「こう書けば良かった」と思うことはよくある RT 「著者」の概念が変わる。読者との相互作用 @AkikoSugaya #denshi
    • 20:46  RT @mHigano: 「身近な人に草稿を見せて推敲」→「ネットで多くの人に見せて誰かが改訂」? 何かオープンソースみたいですね @nakaharajun: 読者との相互作用の中からテクストを編む @AkikoSugaya: @rkmt ソーシャルリーディング #denshi
    • 20:40  RT @AkikoSugaya: Kindle人気ハイライトがTwitter等で> @YukariWatanabe http://ht.ly/1IJKy RT @sumi2020 @nakaharajun RT @AkikoSugaya: @rkmt: ソーシャルリーディング
    • 20:20  善かれ悪かれ、「著者」の概念が変わるかもしれませんね。一方向的にテクストを提供する存在から、読者との相互作用の中からテクストを編む存在へと。RT @AkikoSugaya: 本も全体だけでなくパーツでも、読者を意識せざるを得ない。@rkmt ソーシャルリーディング #denshi
    • 20:01  確かに!著者としては見たいですね。意外なところにマークがあると、次回の執筆が変わるかも。そうなれば、ソーシャルライティングですね。RT 著者として、どこにマークが多いかなども見てみたい気が!RT @AkikoSugaya: @rkmt: ソーシャルリーディング
    • 19:32  RT @hapimiru: 先輩から譲ってもらった教科書の感覚みたいな RT 確かに。RT @miotsubaki: 古本にはたまに傍線やコメントがある.RT ソーシャルリーディング・・・RT @AkikoSugaya @rkmt http://yfrog.com/16evvqj
    • 19:30  自分の読書のハイライトを見せたい人とがでてくるかも。将来的には、選べるようになるかも(妄想)!? RT @rkmt: 現状では誰がは見えないですね。 @miotsubaki @AkikoSugaya http://yfrog.com/16evvqj @wizardrylife
    • 19:26  RT @Asmin_R: 古書店の書架に眠りし書き込みの主の思いへ夢馳せてみる #jtanka #tanka RT @leeswijzer「真っ白」な本よりも嬉しいかも QT @miotsubaki: 古本にはたまに傍線やコメントがある.RT 読書のソーシャル化
    • 19:25  確かに。RT @miotsubaki: 古本にはたまに傍線やコメントがある.RT ソーシャルリーディング・・・同じ本を読んでいる誰かが、どこに線を引いたのかがわかる。RT @AkikoSugaya @rkmt http://yfrog.com/16evvqj
    • 18:33  今日は思わず半袖で出かけました。短パンの人もたくさんいましたね。RT @RitaMURAGISHI: @nakaharajun 気持ちよさそうですね!今頃ですが菜の花のお写真も拝見しました。キレイに撮れてますねぇ。
    • 18:30  RT @AkikoSugaya: RT @rkmt Kindle popular highlightsはやはり賛否両論 http://ow.ly/1IIpl
    • 18:29  読書のソーシャル化(social reading)・・・同じ本を読んでいる「誰か」が、どこに線を引いたのかがわかる。RT @AkikoSugaya: RT @rkmt social reading の時代。 http://yfrog.com/16evvqj
    • 18:23  RT @ken1shimomura: NHK教育TV今夜10:00〜11:30「ETV特集/地下鉄サリン事件から15年」見てね! 僕がNHKに持ちかけて、信頼するKディレクターが実現してくれた。我々「NPOリカバリーサポートセンター」が全面協力した力作。
    • 16:47  RT @kiban: 週刊 ダイヤモンド 2010年 5/15号「アップル丸かじり」。アップルの特集号がでるようです。iPadについてどのようにまとめてあるのか楽しみ。http://bit.ly/9GVuxQ
    • 16:43  RT 「iPadの予約と発売(随時更新)」 http://bit.ly/bOHz68 @kotatsurin: #ipadjp
    • 13:20  今日の東京は快晴、気温は25度くらい? 半袖をきて、羽田空港近くの城南島海浜公園にTAKUZOと出かけました。離陸する飛行機が目の前に見られます。砂浜などもあり、おおはしゃぎでした。キャンプなどもできるようです。今度、でかけようと思います。 http://ow.ly/i/1t6f
    • 05:09  RT @mitsubayashi: 日本では知られていないと思いますが、インドのWiziQが、それに近いことをやっている気がします。でも、うまくはいってないようですね。 http://bit.ly/aConHlRT @shinya_t4: コンテンツの流通 #learnology
    • 05:07  RT @shinya_t4: コンテンツの流通プラットフォーム(PF)ですかね?教育コンテンツ版マーケットプレイスみたいな、PF側と提供者(講師?)とUserのコミュニケーションがあれば面白いかな?議論を深めたいですね! @mitsubayashi #learnology
    • 00:21  中島さん、また、近いうちに御社の3000人の対話集会のお話などできると、いいですね。See you soon RT @touryou0508: 今日は恐ろしく学びになりました。RT Twitter・UST時代の学びを考える、です。 http://ow.ly/1Iwdr
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    投稿者 jun : 2010年5月 9日 23:09


    良い学習と悪い学習:メンター制度で学ばれるもの

     先日、大学院授業「組織学習システム論」で「よい学習と悪い学習」ということがディスカッションの話題にのぼりました。

     組織と学習に関係する実務家、人材育成に関係する方々が、

     「組織の中で人が学習する」

     とワードを耳にした場合に、僕たちは、どこかで、その「学習」が「よい方向にひらかれていること」を「前提」にしがちであるけれど、それは「違う」よね、という話です。学習は、常に「よいもの」へも、「悪いもの」へも開かれている、ということですね。

      ▼

     といいますのは、学習研究者にとっては、「学習」という言葉はとてもニュートラルな言葉なのです。社会的見地からみて学習内容が「良いこと」であっても、「悪いこと」であっても、人が、いったん学んでしまえば「学習」と見なします。
     極端なことを言ってしまえば、「泥棒さんとして一人前になること」だって「学習」です。今から13年前、学部4年生だったころの僕が、こんな文章を書いています。ちょっと「若気の至り」で、こっぱずかしいですが、もしご興味があれば。

    小ボケと正統的周辺参加
    http://www.nakahara-lab.net/misc16.html

     これに対して、「教育」というのはちょっとニュアンスが違いますね。「教育」とは、あくまで僕の定義によれば「社会秩序維持と世代継承のために、第三者が、他者の学習を組織化・構造化すること」です(だから、本当は、教育は、嫌いとか、好きとかの次元で語りうるものではないのです)。

     ゴールは「社会秩序維持・世代継承」というところにありますので、「教育」では、「悪いことが学習されてしまうこと」はアウトですね。つまり、その場合、「学習」としては成立しているけれども、「教育」としては「失敗」ということになるのです。

     ▼

     例えば、今、メンター制度を企業で導入する、とします。メンティはメンターから様々な支援を受けて、様々なことを「学習」するでしょう。しかし、その学習プロセスの中では、「よいもの」も「悪いもの」も「学ばれてしまうこと」に注意しなくてはなりませんね。

     たしかに、メンターの暖かい言葉がけや配慮、支援によって、メンティは成長するかもしれません。しかし、悲惨な場合には、

    「こんな風にさぼってても、この職場は大丈夫なんだな、しめしめ」
    「言っていることとやっていることが違っていても、さほど問題にはならないんだな」

     というかたちで、人は、そういうものを意図せざるとしないとにかかわらず、学びとってしまうのですね。
     そして、「他者の振る舞いを通した学び」は、「研修室での学び」に比べて、非常にパワフルであることが多いと思います。

     ▼

     学習は、常に、良いものにも、悪いものにも開かれている。
     ですので、常に両側に目配りをすることが大切なことかもしれません。

    投稿者 jun : 2010年5月 7日 12:53


    研究室のパフォーマンス向上をめざす3つの工夫!?:他者からのコメントで、内省をうながす!

     今年、中原ゼミで導入した最先端の学習テクノロジー(!?)について、企画者であり、推進役である館野君がブログを書いてくれています。

     中原研究室では、研究室メンバーの研究のパフォーマンスをあげるため、「コメントシート」「内省シート」「中原研究室Twitter」の3つを導入しました。ここでは「コメントシート」「内省シート」を短く紹介します。

    zemikomment.jpg naisei_sheet.jpg

     中原ゼミでは、毎回のゼミで2名の大学院生が研究発表を行います。コメントシートは、これらの研究発表に関して、ゼミの他のメンバーがコメントを行う際に利用します。
     内省シートは、研究発表を行った大学院生自身が、研究発表を振り返りつつ、次回までに何をなすべきかを宣言するシートです。

     今年、僕は、研究室の運営方針のひとつに「パフォーマンス」「ペースメイキング」「ピアサポート」をあげました。他者のアドバイス(ピアサポート)を得ながら、自分のゴールを意識して、「ペースメイキング」を行い、自らパフォーマンスを達成することは、研究者としてとても重要なことであると感じています。

     これらの取り組みの詳細は、下記の館野君のブログをご笑覧ください。

    館野君のブログ
    http://www.tate-lab.net/mt/2010/05/post-177.html

    館野君のTwitter
    http://twitter.com/tatthiy

     これらの取り組みは、すべて館野君が企画して実装しました。僕がお願いしたのは「内省シートにスケジューリングの機能をつけてね」ということだけです。この場を借りて感謝します。ありがとう!

     ちなみに、彼は、「大学生のアカデミックライティング」に関する研究をしています。現在、修士にやった研究を論文としてまとめる一方、新システムの開発をすでにスタートしています。そのかたわらで、今回のシステムを構築してくれました。
      「レポートや論文を書けない大学生」は増えている、と言われています。彼の研究が、その一助になることを願っています。

      ▼

    「うちの研究室やゼミのやり方は、古くさい。
    だから、生産性があがらない」

     自分の所属する研究室のことを、悪くいう人は少なくありません。もちろん、指導教員の理解や方針、そして大学院生の置かれている状況も多々ありましょうから、それぞれのケースを僕がとやかくいうことはありません。

     しかし、ここで僕が強調したいのは、下記のことです。

     自分たちの「学習環境」は、自分たちでデザインするべきである
     自分たちの成長につながる学習機会を、自分たちの創意工夫でデザインするべきである

     そのために必要なことならば、僕は「支援」を惜しみません。このような取り組みが、続々と生まれてくることを、願っています。

    館野君のブログ
    http://www.tate-lab.net/mt/2010/05/post-177.html

    館野君のTwitter
    http://twitter.com/tatthiy

     それではよい週末を!

    投稿者 jun : 2010年5月 2日 08:18