アルバイト募集

 中原研究室では、下記の要領でアルバイトを募集しています。
UT OCWほか、東京大学の教育の情報化に関係する仕事です。

 UT OCW
 http://ocw.u-tokyo.ac.jp/
 
 Tree
 http://tree.ep.u-tokyo.ac.jp/

ご希望の方がいらっしゃいましたら、ふるってご応募ください。

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君も東京大学で熱い血をたぎらしてみないか?
【学生アルバイト募集】
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■仕事

・UT OCWサイトのコンテンツ編集作業
 (http://ocw.u-tokyo.ac.jp)
・講義資料中の著作権の処理

 UT OCWは東京大学の講義資料を無償公開する
 全学プロジェクトです。

 コンテンツ編集作業とはパワーポイントを使
 った配付資料のフォント調整、英語入力などです。

 著作権処理とは、パワーポイントに含まれる
 図版を確認し、処理する


■場所

 本郷キャンパス 本部アネックス3階
 TREEプロジェクトオフィス(中原研究室内)

 勤務日・時間:週2日、1日4~5時間程度
 (曜日、時間等は応相談)
 (最低週1日は通勤可能な方
  自宅でも仕事を行って頂くことも可能です)

 給料:時給1000円(交通費なし)


■アルバイト期間

 2006年3月まで
(勤務開始は9月中の予定です)


■応募資格
・明るい方
・人とのコミュニケーションが好きな方
・パワーポイントを使用できる方
・HTMLに関する知識と技能があれば、なお可


■応募方法
 〆切:9月15日までに、
 treeoffice [at mark] nakahara-lab.net までメールにて、
 下記事項をご記入の上、ご応募ください。
 追って、面接の日時をお知らせいたします。

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投稿者 jun : 2005年8月31日 09:15


不釣り合い

 僕のipodはナツメロ満載だという話をした。

 先日、地下鉄でいつものようにipodでナツメロを聞いていたら、目の前のカップルが、突然、「いちゃつき」はじめ、「ベロチュー」はするわ、「いやーん、もうどうにでもしてワールド」に入り出した。

 「オイオイ、それはやりすぎだろ」と若干思ったけれど、もう誰も止められない。

 最近の若い奴はケシカラン! - 車内にはそんな雰囲気が漂っていたけど、僕を含め、みんな見て見ぬふりをしていた。

 それにしても、あまりにも長い。まだ続いている。ここはカリブ海か?、、、否、地下鉄車内だよなぁ。

 そのうちに、「見て見ぬふり」の「目をよけておく場所」がなくなってしまい、どこに目をやったらいいかわからなくなった。よわったなぁ、と思ったその瞬間、僕のipodは、新しい曲の演奏をはじめた。耳に飛び込んできたのは、植木等の「スーダラ節」だった。

 ちょいと一杯のつもりで飲んで  いつのまにやらはしござけ  気がつきゃ、ホームのベンチでごろ寝  これじゃ、カラダにいいわきゃないよ  わかっちゃいるけど やめられない

 あっそれ!
 スイスイスーダラタッタ
 スラスラスイスイスイ
 
 スイスイスーダラタッタ
 スラスラスイスイスイときたもんだ

 視覚は「チョメチョメワールド」である。しかし、聴覚は「スラスラスイスイスイ」。なんか、その取り合わせが、あまりにも不釣り合いで、爆笑したくなるのをこらえるのがやっとだった。。

 まさか「チョメチョメカップル」は、目の前の男が「スーダラ節」を聞きながら、視覚と聴覚の不釣り合いに、笑いをこらえているとは思うまい。

 でもね、若いのは良いことだ。
 大いにやれ。

投稿者 jun : 2005年8月30日 02:19


小学生日記

 前にも紹介したことのあるhanae*さんの「小学生日記」が文庫本で出版された。

小学生日記 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4043776012/nakaharalabne-22

 今は中学生となったhanae*さんが、小学生の頃に書いていた日記の文章を集めたもので、中には文部科学大臣賞、読売新聞社賞とかいう賞をとったものも収録されている。

 こう書いてしまうと、なんだか説教臭くて、オモシロクない文章を想像しがちであるが、それは全く違う。彼女の視線 - 当時小学生であった彼女の視線でしか書けない、しかし、「並」の小学生では決して綴ることのできない文章が収録されている。その文章力に脱帽する。

 たとえば八ヶ岳への移動教室の話題

 消灯時間。  夜の班長会議で、わたしが先生に「消灯時間って、ほんとに電気消して、ほんとにすぐ寝なきゃならないんですか」  なんて聞いたら、先生はちょっと困ったような顔をしながらも、笑って  「あのね、先生はね、先生としてはね、早く寝なさい、ってしか言えないの。あとは自分で考えて、判断してね」  といった。  自分で考えて、自分で判断するって・・・?ってことは、「適当でいいってこと」なんだ。先生はきっと「寝なくていいですよ」なんて言えないんだな。だから、あとはわたしたちが勝手にやっていいってことなんだ・・・と、わたしは判断した。で、班のみんなには、  「電気さえ消せばいいんだよ」って言った。男子の方は、みんなつかれきって、すぐ寝ちゃったみたいだけれど、わたしたちは別。これからだよ、盛り上がるのは。  暗い中、みんなでひとつのふとんに集まって、家族のことや体のこと、好きな男の子のことを話した。次から次へと話題がでてくる。

hanae*(2005) 小学生日記. 角川文庫, 東京 pp105-106より引用

 前にも書いたことがあるが、僕は今でこそ毎日blogや論文を書いている生活をしているが、文章は本当に苦手だった。特に読書感想文とか作文とかいうのが大嫌いだった。

 しかし、今から考えると、どうも、僕が嫌いだったのは「文章を書く」ということではなかったような気もする。おうちのワープロで、文章をつづるのは好きだったからだ。

 それでは、なぜ、僕がその手の学校的な文章を嫌っていたのか?

 おそらく、こういうことだと思う。

 まず僕は、「読書感想文」や「作文」という「キチンとした文章」は、「~ました」「~でした」「~ます」という、いわゆる学校的な語尾を使うことしかダメだと思いこんでいた。つまり、先生に報告する文章として、作文をとらえていた。また、作文のネタも自由に選んでいなかった。どこか、先生に報告するのに適当なネタを選んでいたような気がする。

 要するに、僕は自由ではなかった。
 僕の文章は、窮屈だったんだ。

 一方、hanae*さんの文章は自由だ。しかし、彼女の文章は、その自由さを、ことさら「自由」なものとして主張しない。飾らずに、だけれども、ステキに文章を綴っている。こんな風に僕も書けたら、と思う。

 もしそんなことが可能だったら、僕はまた違う人生を歩んでいたかもしれない・・・彼女の文章を見ていて、そう思った。

投稿者 jun : 2005年8月25日 04:23


歌う大学教員

 この人の歌は、「男と女の関係」をうたっているものが多い。しかし、そこには「手を握りあうこと」も「キス」も、ましてや「チョメチョメ」もない。

 僕は、最近、「坂本九」にハマっている。

 上を向いて 歩こう
 涙がこぼれないように
 思い出す 春の日
 ひとりぼっちの夜

 上を向いて 歩こう
 にじんだ 星を数えて
 思い出す 夏の日
 ひとりぼっちの夜
 
(「上を向いて歩こう」より引用)


 いつもの駅で いつもあう
 セーラー服の おさげがみ
 もう来る頃 もう来る頃
 今日も待ちぼうけ

 明日がある 明日がある
 明日があるさ

 (中略)

 今日こそはと 待ち受けて
 後ろ姿を つけていく
 あの角まで あの角まで
 今日はもうやめた

 明日がある 明日がある
 明日があるさ
 
 思い切ってダイアルを
 ふるえる指で まわしたよ
 ベルがなるよ ベルがなるよ
 ・・・

 始めていった 喫茶店
 たった一言 好きですと
 ここまででて ここまででて
 とうとう言えぬ僕

 (「明日があるさ」より引用)


 ズンタッタ ズンタッタ ズンタッタズン
 ズンタッタ ズンタッタ ズンタッタズン
 ズンタッタ ズンタッタ ズンタッタズン

 (中略)

 聞いちゃいけないよ
 僕はね 僕はね
 僕は彼女が好きになったのさ

 ヤハハのヤハハのヤハハのハ
 ヤハハのヤハハのヤハハのハ

 (「九ちゃんのズンタッタ」より引用)

 毎日、九ちゃんのベストを聞いている。

 うーん、聞いているだけではね。
 機会があらば、彼のような歌い手になってデビューしたい・・・「歌う大学教員」っていうのは、ダメかな?

 ちょっと本気で考えた。

投稿者 jun : 2005年8月22日 12:30


教育は未完

 こんな言葉をよく聞きます。

 教育者や教育学者は、いつまでたっても理想的な教育を実現できない。

 でも、そんなとき、よく思うんです。

 教育は後にも先にも、決して「完成すること」はないのです。
 別に格好つけて言っているのではなく、それは常に「未完」であるべきなのです。さらに言うならば、それは、様々な価値が対立しあう葛藤の場でなければなりません。Developmental work researchの知見をあらためて参照するまでもなく、その葛藤こそが発展の源になりえるような気がします。

 否、ここでは「あるべきなのです」「なければならない」と敢えて当為学風に言いましたが、正確に言いますと、「未完なのです」「葛藤の場なのです」ということになるのかもしれません。

 そして、

 教育者や教育学者は、いつまでたっても理想的な教育を実現できない

 そういう中立めいた批判の中に、僕は、その言葉を発する人自身の「理想」を見ます。ここでいう、「理想的な教育」は「わたしの考えるよい教育」という意味と同義であることが非常に多いのですから。

 教育は常に未完であり、葛藤の中にあります
 だから、教育者・教育学者は、今日も「果てないあやとり」を続けるのです。

 教育のことを考えるとき、あなたはいつも「未完のプロジェクト」の登場人物なのかもしれません。

投稿者 jun : 2005年8月20日 11:31


はい、中原でした

 先日、表参道での会議のあと、カミサンのボストン時代の仲間と、クレヨンハウスでランチをしました。

 クレヨンハウス(有機野菜のランチビュッフェ)
 http://www.crayonhouse.co.jp/home/

 そこで話題になったことに「北海道の挨拶は変だ」というのがありました。

 たとえば、親戚のうちに夕方訪ねるとしmすね。そうすると、うちのオヤジは玄関の軒先で、ピンポンならしたあとに、こういいます。

 「おばんでした・・・中原でした」

 たとえば、あなたが知り合いのうちに電話をかけますね。そうすると、相手はまずこういってきます。

 「はい、小川でした」

 つまり、なぜかは知らないのだけれども「過去形」なのです。ふつうなら「おばんです、中原です」や「はい、小川です」になるところが、なぜか「でした」になる。

 このことを指摘されたとき、最初は僕はピンときませんでした。そのくらいアタリマエになっていたのですね。もちろん、世代的には、僕らの世代は言いません。根拠は全くないのだけれども、50代以降の人が使うような言い回しであるような木がします。

 このあたり、北海道の中でも地域によるものなのでしょうか。それとも世代でしょうか。あるいは、北海道に限られないのでしょうか。

 嗚呼、不思議だ、なぜそこで過去形!?

投稿者 jun : 2005年8月19日 07:48


ミュージカル「キャッツ」

 ミュージカル「キャッツ」は見ると、なぜか切なくなる。

 政治好きな猫、おちぶれな老俳優の猫・・・個性あふれる様々な猫が、ステージいっぱいに踊り歌うのとは対照的に、このミュージカルには、「娼婦猫グリザベラの救済」という、非常に重いテーマが通底しているからだろう。

 グリザベラは歌う。

 メモリー あおぎみて 月を
 想い出を 辿り あるいていけば
 出逢えるわ 幸せの すがたに
 新しい いのちを

 メモリー 月明かりのなか
 美しく 去った 過ぎし日を想う
 忘れない その幸せの日々
 想い出よ かえる

 (中略)

 お願い あたしにさわって
 あたしを抱いて 光とともに
 わかるわ 幸せの すがたが
 ほら 見て 明日が

 (メモリーより一部引用)

 「キャッツ」を見ているとき、僕は、あるドラマの、ある台詞を思い出す。

 「昔のことを消す、消しゴムがあったらいいのに」

 という台詞である。これはCXドラマ「北の国から」で、ジュンの彼女役を演じたシュウが口にする言葉である。かつて自分がAVに出演していたことがジュンにばれ、彼女はそうつぶやく。

 それに対して、黒板五郎は、ジュンに諭す。

 「長い間、人は生きていると消しゴムではとれない汚れがついてくる・・・おまえにだって、汚れはある。そんな消しゴムでとれない汚れは、いったいどうしたらいいんだ」

 一度、罪をおってしまったものは、いつ、どのようにして赦されるのか。

 罪を負わない人間はいない。
 そして、程度の差こそはあれ、赦しを必要としない人間もいない。

投稿者 jun : 2005年8月18日 08:07


おやこ de サイエンス

 1年間あたためてきた研究プロジェクト「おやこdeサイエンス」が、ようやく開発局面にはいった。プランニング段階を終え、工程表に基づき、開発がスタートしている。

oyako.jpg

 「おやこ de サイエンス」は、「親子で取り組むことのできる3週間の科学実験教材」である。いくつもの実験を通して、理解が非常に難しいと言われる単元を骨の髄から理解することができる。また、「おやこdeサイエンス」では、携帯電話が「学びの支援ツール」として使われる。どういう風に使うかは、まだヒミツだけれども、携帯電話のおかげで、親がより密接に子どもと学習を進めることができるようになる。

 今回、このプロジェクトの開発・運営にたずさわる人はおよそ30名。僕は、そのプロジェクト統括を行っている。ちなみに、本プロジェクトには、下記のような組織が関係している。

 主催:東京大学 BEAT講座
 協力:ベネッセコーポレーション
 協力:NTTドコモ
 プロデュース:NPO法人 ガリレオ工房
 制作:大房潤一(光学姉妹)
 制作:有限会社スパイスワークス

 9月16日にはプレスリリースだ。参加者:親子60組(計120名)の募集も行わなくてならない。11月5日からは一大プロジェクトが3週間にわたって継続される。

 ちなみに、このプロジェクトについては、9月23日から開催される日本教育工学会で下記の発表を行う予定である。ご関心のある方は、是非、いらっしゃっていただければ幸いである。

中原淳・山口悦司・西森年寿・望月俊男・中野真依・古田豊・関根聖二・大房潤一・山内祐平(2005)「おやこde サイエンス」: 携帯電話を活用した「科学実験教育プログラム」の開発

 嗚呼・・・これは研究だ
 クソ忙しいけど楽しい。
 楽しいけど、クソ忙しい。
 
 そんな毎日が続く。

投稿者 jun : 2005年8月17日 01:56


食べていける人を増やす

 先日見た「ガイアの夜明け」は、Jリーグ・サッカー選手を支える「エージェント」たちの話だった(番組自体は、かなり前のものだと思う・・・僕はHDDレコーダで取りだめしているのを2倍速で一気に見るから)。

 ヨーロッパーのクラブでプレーしたいと望む、Jリーグのサッカー選手には、それぞれ腕利きのエージェントがいる。彼らが、選手のかわりにクラブとタフな報酬交渉を行い、選手たちをヨーロッパに送り込んでいる。

 マスコミに派手にとりあげられるヨーロッパ移籍のかげには、エージェントたちの地味な取り組みがある・・・この会の「ガイアの夜明け」はそういう話であった。

 その番組の中で、僕は、あるエージェントの一人が口にしたこんな言葉が、とっても印象に残っている。

 良い成績をあげる選手には、高いお金が払われていくんだってことが、日本のサッカーの経済環境を大きくする。それは、サッカーで食べていける人が増えるってことを意味する。それがないと、サッカーは強くならないよね。

 この言葉を聞いたとき、僕は、まっさきに「大学院生」の存在を思った。

 ここで、研究者のタマゴである「大学院生」と「サッカー選手」を、素朴に比較することは、非常に危険なことではある。

 しかし、そこでエージェントの一人が指摘している問題は、大学院生にとっても無縁ではないような気がする。少なくとも、NPO(Educe Technologies)を立ち上げようとしたときに、僕らが願っていたことの本質は、この言葉にあったのだと思う。

 高い専門性をもつ大学院生が、仕事をしながら研究をできる環境をつくる。専門性に応じて、報酬が支払われる。  海外の大学院ではフツウのことが、いつの日か、日本でもアタリマエになる。そのために、大学院生と社会をつなぐ仕組みとして、NPOが必要になる。  それが結果として、研究しても食べていける人を増やすことになる。それが研究に参与する人の数の増加にむすびつき、そこに競争が生まれ、研究自体が活性化する。

 上記は、素朴な信念ではあるけれど、確かに、NPOを立ち上げたときの僕たちの考えは、そんなところにあったと思う。そんなことを代表理事の山内さんとは、何度も話し合った。

 NPOの経営は、ようやく安定期にはいってきた。
 だけれども、まだ、めざすべき地平は遠い。

投稿者 jun : 2005年8月16日 01:40


著作権にかんするシンポジウムのご案内

 盆ちゃんですね、皆さん、いかがお過ごしですか。
 僕は今日もおうちで仕事です・・・トホホ。

 それにしても、最近、危機感をもちました。
 異動してからプロジェクト立ち上げの嵐で、怒濤のような前期を過ごしましたが、研究者らしい執筆活動から遠く離れていたため、弊害があらわれてきました。

 最近論文を久しぶりに書いたのですが、「あれっ、どうやって書けばいいんだっけ」と一瞬我にかえってしまったのです・・・。これはマズイです、このままいけば、確実にヤバイ・・・Publish or perishですから。

 考えてみれば、週に一度の研究日さえ、一度も取得せずに、この数ヶ月仕事をしてきました。やっぱり、ダメなんです、それじゃ。

 週に一度は、「タメ」をつくり、じっくり一人でモノゴトを考える日にしなければ。研究には沈思黙考がどうしても必要なのです。今後は、どんなに忙しくても、研究日を一日設けようと思います。というわけで、大幅に仕事のやり方を見直すことにしました。

 あと、これに乗じて、宴会への参加の仕方も見直すことにしました。もうシャレにならないのです。すべてホイホイと行っていると・・・。嫌いじゃないから、いやいや、好きな方なので、ホイホイと行ってしまうところもあります。あとは、つきあいだからな、と思って行かなければならないときはある。だけれども、本当に機会が多くって、もう、正直いってカラダ的にシンドイのです。

 で、以下のルールを定めました(ドクターからのアドバイスです)。「2」ルールです。

 ・2日連続で宴会には行かない
 ・行っても2杯までしか飲まない
 ・ノリノリになっても、2次会には行かない

 以上、固い誓いでした。
 特別な事情がないかぎり、頑なに守ろうと思います。

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 さて、前置きが長くなりましたが、下記はシンポジウムのお知らせです。

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 NAKAHARA-LAB.NET M@il Magazine
 2005/08/15
 Jun Nakahara
 NAKAHARA-LAB.NET (http://www.nakahara-lab.net/)
 ※このメールは転載自由です。
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■ご案内

 どどーんと2つの特別シンポジウムのご案内です。
 
 「教育における知的所有権:その現在と未来」
 「ヨーロッパ・モバイル放送の現状と教育利用の展望」

 の2本です。

 「知的所有権」の方は、下記からお申し込みできます。
 http://www.beatiii.jp/seminar/index.html

 おじいちゃん、おばあちゃん、ご家族の方、お誘い
 づれでお越し下さい!

 モバイル放送の方は、次回のメルマガで詳細をお伝え
 できると思います。
 こちらのほうもお楽しみに!

                   中原 淳


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東京大学 ベネッセ先端教育技術学講座 BEAT
2005年度特別シンポジウム
「教育における知的所有権・その現在と未来」
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 BEAT(東京大学大学院 ベネッセ先端教育技術学講座)
では、4月から8月まで「デジタル教材の系譜・学びを
支えるテクノロジー」というテーマで公開研究会を行っ
てきました。

 来る9月、10月と、『知的所有権』と『モバイル放
送』という今後の教育にとって重要なテーマをとりあげ
、特別シンポジウムを開催いたします。

★9月のシンポジウムのテーマはズバリ「デジタル教材
の著作権」です。教育の情報化やeラーニングの普及によ
って、教育現場において著作権の処理が大きな問題になっ
ています。特に、ウェブに掲載される教育資料の著作権処
理の負荷が増大しており、著作権制度そのものの見直しを
求める声もあがっています。

 今後、情報技術が教育の発展に寄与するために、今、
我々が何をすべきなのか、現在可能な対処法から、未来
のあり方まで、ディスカッションしたいと考えています。

●テーマ:「教育における知的所有権・その現在と未来」

●日程:9月3日 土曜日 午後2時から5時

●場所:東京大学 山上会館
http://www.beatiii.jp/images/sem14-map.gif

●定員100名
 入場無料・要申し込み
(定員になり次第締め切らせていただきます。)

●プログラムと登壇者

・基調講演「教育と著作権の現在(仮題)」
 苗村憲司 (情報セキュリティ大学院大学)

・パネルディスカッション

 司会
  山内祐平(東京大学)

 パネラー
  中原淳 (東京大学)
  杉村晃一(メディア教育開発センター)
  井上理穂子 (慶應義塾大学大学院)

●セミナーのお申し込み

 下記のBEATのウェブページからどうぞ
 http://www.beatiii.jp/seminar/index.html

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東京大学 ベネッセ先端教育技術学講座 BEAT
2005年度特別シンポジウム
「ヨーロッパ・モバイル放送の現状と教育利用の展望」
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 ヨーロッパで行われている携帯端末向けデジタル放送の
現状、またその教育利用の展望を、スカンジナビア諸国
(デンマーク・ノルウェー・スウェーデン・フィンランド)
の放送局のスタッフから現状を伺い、今後の教育利用のあ
り方についてディスカッションしていきたいと考えています。

●日程:10月1日 土曜日 午後2時~5時

●場所:東京大学 武田先端知ホール

●定員200名

●入場無料・要申し込み
(定員になり次第締め切らせていただきます。)

※プログラム・登壇者は現在交渉中です。

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 NAKAHARA-LAB.NET M@il Magazine 2005/08/15
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 お問い合わせは、下記までお願いします
 中原 淳(東京大学 大学総合教育研究センター)
 mailmagazine@nakahara-lab.net
 NAKAHARA-LAB.NET (http://www.nakahara-lab.net)
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投稿者 jun : 2005年8月15日 23:28


Learning bar@Todai 「モバイルするグーテンベルグ!?」

 Learning Bar@Todai (TM...ウソ)は、中原がマスターをつとめる「ちょっと知的なプチ研究会風バー」です(笑)。先日、Learning cafe@Todaiをやりましたが、懲りずに、バーまで開くことになりました。

 9月21日午後7時、記念すべき第一回が開かれます。

 今回のテーマは、

 モバイルするグーテンベルグ!?:
 電子書籍マーケットの現状と今後の展望

 というテーマで、日本出版販売株式会社 経営戦略室の常盤敬介さんにお話し頂きます。

 ようこそ、Learning Bar@Todaiへ

 そこは、教育に興味関心をもつエッジィ(エッチではない)な人々が集う場所です。

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 NAKAHARA-LAB.NET M@il Magazine
 2005/08/14
 Jun Nakahara
 NAKAHARA-LAB.NET (http://www.nakahara-lab.net/)
 ※このメールは転載自由です。
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 Learning Cafe@Todai

 「モバイルするグーテンベルグ!?:
 電子書籍マーケットの現状と今後の展望」

 2005年9月21日 午後7時 東京大学情報学環暫定建物2F教室
 主催:東京大学情報学環 BEAT講座
 講演:NPO法人 Educe Technologies

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 記念すべき第一回目のLearning Barは、

 モバイルするグーテンベルグ!?:
 電子書籍マーケットの現状と今後の展望

 というテーマで、日本出版販売株式会社 経営戦略室の
常磐さんにお話し頂きます。

 当日のトピックは下記のようになります。

 1) 電子書籍のマーケットの現状
 2) ケイタイ電話で動く電子書籍(デモ)
 3) 現状の課題
 4) 将来の方向性&教育へのインプリケーション

 について、カジュアルにお話を伺う機会をもちたいと
思います。

 コメニウスが世界最初の教科書「世界図絵」を開発
したのが17世紀。そこから現在に至るまで、教育現場
では「書籍」が、最も基礎的で重要な教育メディアと
して使われてきました。

 デジタル時代にあらわれた電子書籍は、今、どのよ
うな発展をとげているのでしょうか。そして、それは
モバイル時代に、どのように変わりゆくのでしょうか。

 ようこそ、Learning Bar@Todaiへ

 そこは、教育に興味関心をもつエッジィ(エッチで
はない)な人々が集う場所です。

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 中原 淳
 東京大学 大学総合教育研究センター
 東京大学大学院 情報学環 BEAT講座
 NPO法人 Educe Technologies

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日時:
  2005年9月21日
  午後7時から1時間30分程度
  その後、懇親会ありの予定

場所:
  東京大学情報学環 暫定建物2F 教室
  http://www.beatiii.jp/contact.html
  (上記地図の建物の2Fになります)

参加申し込み方法:
  9月14日までに atusaka [at mark]educetech.org
  までメールをいただければ幸いです。

  人数は30名程度を予定しています。それを超えた
  場合は申し込みを締め切らせていただきますので、
  ご了承下さい。

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 NAKAHARA-LAB.NET M@il Magazine 2005/08/14
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 お問い合わせは、下記までお願いします
 中原 淳(東京大学 大学総合教育研究センター)
 mailmagazine@nakahara-lab.net
 NAKAHARA-LAB.NET (http://www.nakahara-lab.net)
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投稿者 jun : 2005年8月14日 08:34


代官山 ASO

 4回目の結婚記念日と、「とうとう僕も借金大王!」の両イベントを祝って(!?)、先日、代官山のASOでカミサンと食事をした。

 代官山「ASO」
 http://www.hiramatsu.co.jp/aso/

 ここでの料理があまりにおいしかった。また、「味」だけでなく、客のココロを一瞬のうちにつかんでしまう「演出」も、本当にすごいものがあった。「味」そして「演出」、二つの意味で、僕は感動した。まさにハレの時にふさわしいレストランだと思う。

 ---

 食前酒はピーチのシャンパン。ピーチのピューレに、シャンパンをとかしたものと思われる。
 
 この日のワインには、「TINORSO ROSSO FATTORIA POGGIO CAPPONI 2001(ティノルソ)」というイタリアのワインを選ぶ。総支配人遠藤さんのおすすめであった。

 まず前菜は「キャビアをのせた冷たいカペリーニ」は、塩味のキャビアをカペリーニ(ソーメンのような最も細いパスタだね)とあえた一品。

 次にでてきたのは「フォアグラのソテー モッツァレラチーズのコロッケ」。コロッケの下には、濃厚なトリュフソース。その上に小さなコロッケがあり、またまたその上にフォアグラが。当然であるが、フォアグラに嫌な匂いは全くない。フォアグラはゼリーのようにプルプルしてるところが印象的。

 3品目は「海の幸のスパゲッティ」。このスパゲティ、目の前に運ばれたときには、何も具がない。

 「おや?」と思っていると、「あー、すみません、ソースをかけるのを忘れてしまいました」とボーイさんがあわてて、しかし、満面の笑みを浮かべて、透明のグラスにはいった具をもってくる。

 グラスの中には、かに、なまこ、えびなどの食材。ソースはミルクとあさりのソースをまぜたもの。これを、「じゃばー」とパスタにかけていただく。えび、かになどの火の通り方が、申し分ない。固くもなく、柔らかくもない。ちょうどよい火加減。

 次は「香ばしく焼き上げた穴子 松茸のリゾットを添えて」。松茸の香りが際立つ一品。焼き穴子のやわらかさは、素晴らしい。

 メインは「和牛ロースの炭火焼き 黒胡椒風味のマスカルポーネチーズを添えて」。仙台牛のプルプルした食感に、つけあわせの冷製夏野菜が似合う。僕は、ふだん、肉はあまり食べないんだけど、この肉は「親の敵でもとるように」食べてしまった。

 本格デザートの前には、果物の冷たいスープ。スフレ状のパイナップル。その前が「濃い一品」だっただけに、とても美味しく感じられる。

 デザートはティラミスを所望。マスカルポーネの上に、エスプレッソパウダーを目の前でかけてくれる。エスプレッソの香ばしい香りがいい。

F1000075.JPG


 小菓子は、長いモールの先に様々なスイーツをつけた、一見、テーブルフラワーのような一品。さすがにオナカ一杯で全部は食べられなかったけれど、なんだかひとつひとつ自分の好きなのを食べていくのは楽しかった。

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 いやー、食べ過ぎ注意報。すっかり「ダメ人間」になってしまいました。

 明日は運動しなくては...

投稿者 jun : 2005年8月13日 14:22


 いろいろ書きたいことはあるのだけれど、ホントウに忙しくて時間がとれず、しばらくぶりのblogになってしまった。

 1週間近くもあいたことで、何人かのひとは「あの人、病気なんじゃないか」とか心配してくれていたようだけど、それはありません。昨日、僕以上に忙しい日々をおくっている神戸大学の望月君と話していたら、彼がオモシロイことを言っていた。

 「いっそ、カラダを壊して入院できたら、ゆっくりできるのに」

 苦笑してしまったけど、やっぱり入院はイヤだと思う。病院で「ゆっくり」してもなー。

 昨日は「泥」のように寝た。
 自分が「泥」かとホントウに思った。

投稿者 jun : 2005年8月12日 10:14


We are the world

 iTune Music Storeが、とうとう、日本でもサービスをはじめた。何だか懐かしい曲もたくさんあって、バンバンとダウンロードして聞いている(これじゃ、Appleの思うツボ・・・こうした僕のipodは、さらにナツメロpodになっていく)。

 個人的に最も懐かしかったのは、「We are the world」。まだまだマイケル=ジャクソンの顔の色が、「白」ではなかった・・・まともだった頃の歌ですね。

 We are the world, we are the children
 We are the ones who make a brighter day
 So lets start giving
 Theres a choice we're making
 We're saving out own lives
 its true we'll make a better day
 Just you and me

(We are the world)

 今からちょうど20年前・・・1985年、アフリカの飢餓を救うため、マイケル・ジャクソン、ブルース=スプリングステーィン、マドンナ、シンディローパー、スティヴィーワンダー、などのトップアーティストたちが集まって、つくった歌なんです。

 この歌には、メイキングビデオがあって、たしか当時の24時間テレビで放送されたはず。

We are the world メイキングビデオ
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00064X9PI/nakaharalabne-22

 僕は、まだそのころ、9歳でしたので、夜はそんなに起きていられなかった。いとこの「たーちゃん」にビデオにとってもらって、お昼に見せてもらったことを思い出します。

 それからもう20年なんですね。

投稿者 jun : 2005年8月 9日 14:41


ドラゴン桜

 何かと話題になっているテレビドラマ「ドラゴン桜」を見た。

 あらすじは、

 経営破綻している私立底辺高校に、元暴走族の弁護士が訪れる。経営を改善するために、特別進学クラスをもうけ、生徒たちを東大合格に導く。ドラマの中では、受験テクニック(ちょっと懐かしいものもある)がおしげもなく披露され、生徒たちは、だんだんと勉強にはまっていく...

 といったところだろうか。

 このドラマのオモシロさは、弁護士の桜木が生徒にむかっていう言葉である。

 ---

大人たちはな、「無限の可能性だ」なんて何の根拠も無い妄想をお前らに植えつけてる。そんなもんに踊らされて、「個性を生かして他人と違う人生を送ることができる」と思ったら大間違いだ。社会はそういうシステムになっちゃいない! 世の中が気にいらねえんだったら自分でルール作る側にまわれ。いいか!、おまえら、もう一度言う。騙されずに生きていきたければ勉強しろ!バカとブスこそ東大に行け!!
「負ける」ってのはな、「騙される」って意味だ。お前ら、このままだと一生負け続けるぞ!(中略)税金、年金、保険...みんな頭の良い奴がわざと分かりにくくして、ロクに調べることもできない頭の悪いヤツから多く取ろうという仕組みにしている。つまりお前らみたいに頭を使わず面倒臭がってばかりいる奴らは、一生、騙されて続けるんだ! 賢い奴は騙されずに得して勝つ、バカは騙されて損して負け続ける、コレが今の世の中の仕組みだ!
この世の中のルールは、頭の良い奴に有利なように出来ている。そのルールを上手く使う側、作る側になれ!
東大合格に必要なのは、知性ではなく、根気とテクニックだ!
受験ってのはな、今の日本に残された「たった一つの平等」なんだぞ! 家が貧乏でも、グレて不良だと呼ばれる時期があっても、父親がクソでも、受験で点数さえ取れりゃ、一流大学に入れるんだ。
 ---

 うーむ、中にはトンデモナイな、と思うものもあるが、これらの言葉は、非常に含蓄にとんでいる。

 「学校の機能」「機会の平等と結果の平等」「再生産」「トラッキングシステム」などを教えるときの、教育学の教材として使えるな、と思った。

投稿者 jun : 2005年8月 6日 16:55


オープンソースの風

 昨今のeラーニング業界を見ていると、ロラン・バルトのセオリーを思い出してしまう。

 「作品からテクストへ」
 「作者は死んだ」
 
 という挑発的なコンセプトで、現代哲学を切り開いたのは、コレージュ・ド・フランスにて教授をつとめたロラン=バルト。

 彼の哲学がきっかけとなり、作品における作者の特権的な地位は剥奪された。作者の創意、作者の代弁した他者の声、そして、読者の解釈によって編み込まれた多声的な空間として、作品をみなす視座を、切り開いた。

 「あなたの声は、あなたの声ではない。あなたは、知らず知らずのうちに、他者の声を腹話している」

 ...そのまま上記の文章を読めば、まさに「貞子」的状況。何だか背中が寒くなってくる。でも、この考え方も、彼が切り開いた現代思想の常識である。

 そして情報通信技術の普及した現代、もしロランバルトが生きていたら、こう言うのかもしれない。

 ソフトウェアの<作者>は死んだ

 ---

 このところ、eラーニング業界では、オープンソースの動きがかまびすしい。

日経 Opensource LMSについての記事 http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/ITPro/NEWS/20050803/165847/

Opensource LMS
http://www.oss.ecl.ntt.co.jp/lms/index.html 

 要するに、従来の「システム売り切り」のビジネスモデルから、システム自体は無償で提供し、利潤の追求はサポートでおこなうというビジネスモデルへの転換だと言える。

 システムには、いろいろな人々の声が反映している。システムは、あなただけで開発するものじゃない。

 オープンソースのLMSたちをつめるこめるだけ詰め込んだ、ブータブルCDも、人気を集めているようである。ここには、東京大学情報基盤センターが開発したCFIVEも盛り込まれている。

KNOPPIX LMS http://www.eitl.cs.takushoku-u.ac.jp/knoppix/LMS/

 僕もかつてexCampusというオープンソースシステムの開発をディレクションしていた。そのときは、まさかこんな時代がくるなんて予想だにしていなかった。

 ネクスト・フェーズがあらわれようとしている。そこには、どんな可能性が開けているか。

文責:中原 淳

投稿者 jun : 2005年8月 5日 22:05


【参加者募集!】 教育工学会 ワカモノタチの大宴会

望月君らが中心になって企画してくれている「Learning of Tomorrowな
ワカモノタチの大宴会」の募集が、いよいよ開始されました。

去年は100名・・・会場の都合で、今年もすぐに残席わずかになることが予想されます。
お申し込みは下記のフォームを使って、メールをするだけ。
お早めに。

追伸. 本メールの参加資格の部分をかくときに、昔懐かしい詩を引用しました。

  年をとっただけで 人は老いない
  理想を失ったとき 人は老いる
  (サムエル=ウルマン)

僕が小学校2年生のとき、藤代先生(ムツゴロウとよばれていた・・・確かに似ていた・・・ライオンに指は食われなかったけど)という先生が、お楽しみ会のときに、教えてくれた詩です。

そのとき以来、どうしても忘れることができません。僕のココロにヒットしたのでしょう。小学校2年生にしては、僕は「おマセちゃん」だったかもしれません。

若いのに「老いている人」もいます。
老いているのに「若い人」もいます。

あなたはどちら?

=======================================================

日本教育工学会 第21回大会@TOKUSHIMA
Learning of Tomorrowなワカモノタチの大宴会
開催のお知らせ

※本メールはクロスポスト大歓迎です。お近くの興味・関心
のある方に御転送のほど,宜しくお願い致します。

=======================================================

■日時:

  2005年9月24日(土)午後8時30分~午後10時30分

  上記の日時は開催予定時刻です。
学会の懇親会がのびた場合など,若干の変動があります。

■場所と移動方法

ビアウエーブ・ザッツ
徳島市通町3丁目22
Tel: 088-653-2868

  日本教育工学会の懇親会は,午後8時まで開催されます。
その後,各自で会場に徒歩で移動していただくことに
なります.(所要約3分~5分程度).
 
  ※本飲み会の運営企画側から誘導等のご案内を行うことは
ございませんので,ご了承ください。移動は各自の責任で
お願い致します。

  ※会の詳細の地図やスケジュール等については,後日,
お申し込み頂いた方々に,メールにてご連絡差し上げます.


■参加資格

  特にありません。

  年をとっただけで 人は老いない
  理想を失ったとき 人は老いる
  (サムエル=ウルマン)

  というぢゃないですか。

  上記の詳細をご理解頂ける方であれば、自称ワカテ!
どなたでも歓迎します。

  教育工学会がはじめてでお友達がいない、という方も
  是非、ご参加下さい。きっと知り合いがぐんと増えます。


■後援:

  NPO法人 Educe Technologies
  エデュース・テクノロジーズ
  http://www.educetech.org/

  Educeは、教育工学の若手研究者がつくった研究開発型の
  NPO法人です。教育工学の知見を活用したコンサルティン
  グサービスを社会に提供します。


■協力:

徳島大学工学部 矢野研究室
http://www-yano.is.tokushima-u.ac.jp/index-jp.html
担当:緒方さん@徳島大,葉田さん@NIME

徳島大学大学開放実践センター
http://www.cue.tokushima-u.ac.jp
担当:神藤さん

  東京工業大学教育工学開発センター 赤堀研究室
  http://www.ak.cradle.titech.ac.jp
  担当:山本さん,山田さん

  東京大学
  NPO法人 Educe Technologies
  http://www.educetech.org/
  担当:中原さん、山内さん、飛弾さん

神戸大学学術情報基盤センター
http://www.istc.kobe-u.ac.jp/
担当:望月

 謝辞:このほかにも,村上さん@京都外国語大学,
    稲垣さん@東北学院大学,山口さん@宮崎大学,
    北村さん@熊本大学など,多数の方々のご協力
    のもと、企画をすすめております。
    この場を借りて御礼申し上げます.

 ※超若手スタッフ大募集中! 
ご興味ある方はjset2005@mochi-lab.netまでご連絡を!

■謝辞:

  2002年に開催された「水越敏行先生を囲む会」にご出席の
  諸先生方から多大なるカンパをいただきました。

  本会の開催には,昨年度までの繰り越し金を利用させて
いただいています。この場を借りて感謝申し上げます。


■備考:

  この会はボランティアによって運営されているものです。
  運営に不手際等,多々あるかもしれませんが,お許しくだ
  さい。

  なお,本企画についてのお問い合わせは,
  jset2005@mochi-lab.netまでお願い致します。


■申し込み方法:

  下記の申し込みフォームに必要事項を記入の上,8月20日
  までにjsetenkai2005@mochi-lab.netに投稿ください。

  または,以下のURLより参加登録してください.
  http://www7.ak.cradle.titech.ac.jp/~yamamoto/wakamono/
(ただし,8/5~8まで,構内停電のため休止します)

申し込んだ後の確認メールは,Web登録の場合のみ
送られてきます.電子メールでのお申し込みの場合は,
確認メールはありませんので,ご了承ください.

  電子メールによる、代表者による一括申し込みの場合は,
  1)氏名、2)氏名フリガナ、3)所属、4)メールアドレス
  5)携帯電話、のすべての項目に、人数分お応え下さい。
  これをまとめてはりつけたメールを、
  jsetenkai2005@mochi-lab.netに投稿ください。

  規定外のフォーマットの場合は,集計もれが生じる
  おそれがありますので,ご了承ください.

  申し込み多数により,受付を締め切り前に終了する場合が
  ありますので,あらかじめご了承ください(先着順)

  なお、この大宴会の参加者は、後日、メーリングリストに
  登録します。このメーリングリストは、1年間、研究会、
  イベント情報を流すなど、ご自由にご利用いただくことが
  できます。1年間、メールアドレス等の変更がおこっても
  更新はいたしません。来年度以降もご利用になるメールア
  ドレスをご登録下さい。

ここから-----------------------------------------------

日本教育工学会 第21回大会@TOKUSHIMA
Learning of Tomorrowな自称ワカモノタチの大宴会
参加申し込みフォーム

8月20日までにこのフォームを「jsetenkai2005@mochi-lab.net」
にメール送信してください。なお,確認のメールは届きません
ので,ご了承下さい。

氏名:(                   )
氏名フリガナ:(                )
所属:(                   )
メールアドレス:(              )
携帯電話等:(                )

------------------------------------------------ここまで

投稿者 jun : 2005年8月 4日 00:50


Learning cafe@Todai

 ちょうど今から1年くらいまえ、僕は、当時の日記で、こんなことを書いていました。僕がまだボストンにいたときの頃のことです。

 アメリカの大学、少なくとも僕がこれまで見聞きしていたMITやハーバード大学では- 「サービス」と「責務」をうまく使いこなしながら、大学経営を行っているように思うのです。要するに、どっちかを2者選択するのではない。要するに2分法をこえて、うまく両者の機能を両立させようとしているように見えるのです。

 ある場面では、知的資本を企業などに提供するかわりに、莫大な研究費を企業や外部団体から獲得する。あるいは、自らの智恵を「サービス」として切り売りする。これがサービスとしての側面ですね。

 その一方で、地域の人たちや、学問領域に関心のある人たちを巻き込んで、いろんなプロジェクトを立ち上げたり、フリーで議論に参加できる様々な機会を提供している。これが「責務」の側面。

 でも、ポイントは「責務」といっても、別に堅苦しくない。「エライ先生の議論を壇上から拝聴させていただきます」式のムサクルシイ会議ではなくて、そこにはCokeとAu Bon Painのサンドイッチがあって、それらをつまみながら、智恵を交換しあう場なんです。

 こちらにきて、僕はそうした場をつくっている研究者を何度も見てきました。彼らはファカルティとして人々の尊敬を集めていた。

 そして、このとき、僕は、そうしたコンヴィヴィアリティあふれる場を、日本でもつくりたい、と思っていました。

 ---

 帰国直後に、あるメーリングリストではこんなことを言っています。

 

今回の米国滞在で、僕は大学のあり方についても考えさせられました。

 教育/学習のプライヴァタイゼーション(私事化)、市場化(この2つは戦後教育学の最大の課題だと思います)の流れの中で、図書館や大学といった施設は、ともすれば、その業務がすべて「サービス」と見なされやすいように思います。

 事実、僕が滞在したマサチューセッツ工科大学やハーヴァード大学では、片方で、企業や助成団体からたくさんの共同研究契約をむすび、あるいは、日本の5倍~6倍の授業料を学生から徴収して運営されています。教育のサービスとしての側面が、ここに見受けられます。

 しかし、一方で、これらの大学では、どのような人でも参加できる無料のセミナーやシンポジムが毎日のように開催されています。昼食がついているものもありますし、簡単なレセプションがあるものもあります。決して、堅苦しい場ではありません。ジーンズとTシャツで参加できます。要するに、公共の知のサロンを形成する、といった側面を大学が担おうとしています。

 ---

 で、ようやくこれを、本日、自分の周囲で実現することができました。何とか「有言実行」をはたすことができました、ホッとしています。

 このblogでも話題にしているとおり、これから僕は「Learning cafe@Todai」「Learning bar@Todai」という研究会を、不定期で企画していきたいと思います。

 Learning Cafe@Todaiは、「ちょっと知的なプチ研究会風ランチ」です。これはお昼に開催されます。一方、Learning Bar@Todaiの方は、夜に開催します。軽くお酒とおつまみをだします。「お酒」をだすといっても、デロデログデングデンの暴言野郎はお断りですよ、、、いつもとは違う、知的な雰囲気で、お酒を嗜んでください。

 CafeやBarの企画は僕が行いますが、「主催元」は、そのときによって「中原研究室」であったり、「TREEプロジェクト」であったり、「BEAT講座」であったりすることが考えられます。それはテーマによって異なります。

 しかし、ランチや軽食を提供するために、いずれの場合でも「協賛者」として「NPO法人 EDUCE TECHNOLOGIES」がかかわることになりました。Educeは、もともと教育工学の研究者支援を、ミッションのひとつにかかげた組織です。今回の試みは、そのひとつになるだろう。代表理事の山内さんと話し合い、そのことを決定しました。

 ちなみに、Learning cafe、Learning barという名称は、上田先生のアイデアから、名前をお借りしています。「Forum」とか「Symposium」とかになっていないところがポイントです。

 Learning cafeやLearning Barは、エライ大先生が一方向的に行うレクチャーが行われる場所ではありません。また全然話のかみ合わないパネルディスカッションが行われるべき場所でもありません。

 というよりむしろ、「未来の学習」「未来の教育」に関心のある人々が話題を持ち寄る。それに従って、自由闊達に意見を述べあえる場です。だから、CafeとかBarということばを使っています。

 先にも述べたとおり、MITやHarvardでは、お昼時、そして夕方、非常にフランクに、人々が集まり、自由闊達な議論をしていました。ドーナツやワインを片手に、「未来の教育」を語るという行為自体が、とってもオシャレで、知的で、当時の僕は羨ましかった。

 ランチどきには「Learning Cafe@Todai」。そして夕方からは「Learning Bar@Todai」・・・本郷にて、いよいよ開店です。

 ---

 さて、前置きが長くなりましたが、今日は「Learning Cafe@Todai」の初日でした。

 今日、プレゼンテーションをしてくれたのは、米国最大の教育NPOのひとつであるEducation Development Center(EDC)のイベッタ=タンさんです。彼女は、ハーバード教育大学院を卒業後、EDCで主に、「Online professional Development(オンラインでの教師の専門性向上)」プログラムの開発に従事していました。

 本日のレジュメはこちらのページから
 http://www.nakahara-lab.net/com.html

 本日の「Learning Cafe@Todai」には、東大教育企画室のスタッフ、コンサルタントの方々、eラーニングベンチャー企業の方々、大学職員、学生さん、某市の市議さんまで、多彩な人材があつまりました。今回はすべて英語で発表が行われたというのに、ウレシイ限りです。

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 イベッタさんによると、EDCは、もともとハーバード大学、マサチューセッツ工科大学のファカルティが45年前に設立したNPOだそうです。現在、全世界に850名のスタッフがいて、300以上のプロジェクトが走っている。

 年間の売り上げは、104億です・・・日本の教育NPOの規模と比べると、驚異的ですね。ちなみに、ホリエモンの本のタイトルに「稼ぐが勝ち ゼロから100億、ボクのやり方」ってのがあります。だいたい、そのくらいの規模ということです。

 EDCは、もともとは、数学と科学のカリキュラム開発に注力していたNPOでした。心理学者ジェローム=ブルーナらも、ファンディング=メンバーのひとりであり、彼の理論による「PSSC」などの教材もここで開発されたそうです(こう聞いて、あれかと思わなければ、教育学を勉強する必要があります・・・そのくらい有名だということです)。

 EDCがプロジェクトを実施する際には、大学との連携を非常に重視します。「大学はResearchをするところ、それがImplementationまで行うのは難しい」とイベッタさんは言います。そして、大学と社会のあいだのギャップを埋めることこそが、NPOの役割だというのです。

 でも、単に「Practice」を行うのではない。換言するならば、大学の協力のもと、「Research grounded practice」を実施することにこそ、NPOのコアコンピタンスということになるでしょうか。そしてそのために、NPOにはPh.Dを取得寸前の学生、あるいは、取得者がゴロゴロとしています。そこは、教育の専門家集団なのです。

 イベッタさんはそこで、「Online professional Development」のプログラム開発に従事していました。彼女が従事していたのは下記のようなプログラムです。

 EDTECH LEADER ONLINE
 http://www.edtechleaders.org/

 これはいわゆる「Train the trainer model」だそうです。要するに、「一般の教師を育てる教師=学校のリーダ」をオンラインで育成する。

 このプログラムにはこれまで1000人ほどの教師が参加している。ビジネスモデルとしては、BtoCのモデルではありません。つまり、個々の教師からお金をとってコースを提供するというモデルではないのです。対象にしているのは、ディストリクト(校区)のレベルであり、校区がお金を支払います。

 このプログラムにはいくつかのコースが提供されています。1コース500ドルです。1コースは、基本的には1) Reading、2)Activity、3)reflectionで完了する。

 で、コースひとつを終了すると、それぞれ「Prossional Development point」というのが提供されるのですね。それを集めると、それは教員自身のサラリーに反映する。いくつも集めると、「Antioch University Seattle」というところから、正式なMaster degreeが授与されるのだそうです。つまり学んだことに関するインセンティヴがあるわけです。

 前にも言ったかもしれませんが、アメリカの教員の50%は修士号保有者です。で、サラリーはそれで飛躍的に高まります。

 前に「2004/07/16 eラーニングで教えるということ」という日記を書きました。これはレズリー大学の事例です。その事例では修士号をとれば年間で50万給与がアップしましたね。たとえ修士号をとるのに、200万近くかかったとしても十分ペイするのですね。

 ちなみに、このコースには、若い人から65歳の超ベテラン教員が参加しているそうです。

 ---

 次に、彼女から紹介があったのは「PBS Teacher line」です。

 PBS Teacher line
 http://teacherline.pbs.org/teacherline/

 彼女は「PBS is equivalent to NHK」と言っていましたね。正確にいいますとPBSとNHKの仕組みはちょっと違いますが、PBSはアメリカの公共放送です。

 で、そのPBSが、教師のプロフェッショナルデヴェロップメントのための各種のリソースを提供しています。それが、「PBS Teacher line」です。これは、先ほどの「EDTECH LEADER ONLINE」とは微妙に違います。その違いは、1)Edtechで提供されているのはコース。PBSの方は、リソースに近いということでしょうか。数学、国語、教育工学、科学などに関して90のコースが提供されているそうです。

 彼女が言うには、ホントウにアメリカの教師はヤバイ奴はヤバいそうです。たとえば、数学の教師といっても、ホントウに「Poorなmath content knowledge」しか持っていない。もっと簡単にいうと、「数学の教師だけど、数学ができない」ってことでしょうか。

 Content Knowledgeももっていないのだから、きっと「Pedagogical content knowledge」なんて、夢のまた夢かもしれません。

 そういう少しヤバイ先生に、何とか自学自習の機会をもってもらう。これがこのプログラムの特徴であり、めざすところだそうです。

---

 最後に彼女が紹介していたのは、Role projectというプロジェクトです。こちらは、とってもResearch orientedなプロジェクトですね。NSFからの3年のグラントで実施されているそうで、ボストン大学がプロジェクトの「評価」の部分を担当しているそうです。

 ボストン大学
 http://wwwcsteep.bc.edu/

 このプロジェクトはオモシロい。その目的は、「figure out what is the most effective way to teacher learning」だそうです。要するに、「教師が学ぶためには、具体的にどうすれば一番いいのさ」ということです。

 これを明らかにするために、Experimentalな計画をたてました。同じコトを教師が学ぶのですが、下記のように条件の異なる3群を設けたのです。

 1.self-pace(完全に自学自習で教師が学ぶ)
 2.Community-based(教員同士がコミュニティをつくって学ぶ)
 3.Teacher - Expert(教員とエキスパートがつながっている)

 で、この異なる三条件で、教師が何を学ぶのか、何が変わってくるのかを明らかにするそうです。

 うーん、興味深いですね。

 ---

 ともかく、彼女のプレゼンテーションはとっても素晴らしいものでした。そしてLearning cafeは、予想以上に楽しかった。参加者の何人かから、感謝のメールをもらい、励まされました。少し前にアメリカの大学院に留学していた方から「久しぶりに、あの雰囲気を思い出しました」と言われたときは嬉しかった。

 さて、次です・・・次回の予告です。

 次回は夕方に開催します。
 Learning bar@Todaiで、またお逢いしましょう。

投稿者 jun : 2005年8月 3日 00:36


【公開研究会申し込み中】シミュレーションのパワーを知る!

 May the forth be with you...
 あなたはフォースを感じているかもしれません。

 でも、シミュレーションのパワーを感じていますか?
 そんなあなたには、BEAT公開研究会!

 40人限定!残席間近です!

========================================================
 ベネッセ先端教育技術学講座 BEAT 2005年度公開研究会
  「デジタル教材の系譜・学びを支えるテクノロジー」
    第5回「シミュレーションと教育の可能性」
========================================================

東京大学情報学環に2004年4月から開講している「ベネッセ先
端教育技術学講座(略称:BEAT)」では、公開研究会を開催し
ています。当講座の研究テーマは、先端メディアを活用した教
育技術・学習スタイル・学習コンテンツの研究開発です。

古今東西のデジタル教材をレビューすることによって、みなさ
まと一緒に教育を支える新しい人工物の姿を考えていきたいと
思っています。

★第5回となる今回のテーマは「シミュレーション」です。
「シミュレーション」はデジタル教材のひとつのジャンルです。
このジャンルには、例えば、数学における作図ツールや物理シ
ミュレーションなどが含まれます。
研究会では、代表的なシミュレーション教材を取り上げて紹介
しながら、広範な範囲をもつこのジャンルを概観します。
また、シミュレーションを使うことで何が学べるのか?につい
て、いくつかの見解をとりあげて、整理していきたいと思います。

お楽しみに!

========================================================

●テーマ
「デジタル教材の系譜・学びを支えるテクノロジー」
第5回:「シミュレーションと教育の可能性」

●講師
BEATアソシエイツ 西森年寿
(独立行政法人 メディア教育開発センター 助手)

●日時
  2005年8月6日(土曜日) 午後2時~午後5時

●場所
  東京大学 本郷キャンパス 情報学環暫定ANNEX 2F教室
  http://www.beatiii.jp/images/sem13-map.gif

●定員
  40名(お早めにお申し込みください)

●参加方法
  参加希望の方は、BEAT Webサイト
  http://www.beatiii.jp/seminar/
  にて、ご登録をお願いいたします。

●参加費
  無料

========================================================

投稿者 jun : 2005年8月 2日 17:41


それは誰のものなのか?

 最近、とにかく「人」と逢うことが多い。「単なるおしゃべり」から、「真剣勝負の交渉」まで、様々である。が、4月以前と以降では、当社比3倍くらい、僕は人にあっているような気がする。
 生まれつきの「寂しがり屋」である。でも、たとえそうでなかったとしても、僕は「ひとり」じゃいられない。

 ---

 先週、印象的だった言葉。

 医学教育学会で東大を訪れた、京都大学の三原さんにお逢いした。彼女とは、ボストンでお逢いして以来。

 短い時間であったが、医学教育の世界が、どういうものであるのか、を聞けた。非常に興味が持てた。医師をどのように育てるか、は近い未来の医療にとって非常に重要な課題である。しかし、「医学教育」をデパートメントレベルでもっている大学は、世界に3つしかない、と聞いた。逆に3つあるのだ、と正直驚いた。

 今度、彼女には、Learning barなどでゆっくりお話を伺いたい、と思った。

 ---

「ソフトウェアを握って生きていく時代は、もう終わろうとしています、ソフトウェアは、みんなの知恵の固まりみたいなものですから」

 これは某企業の方と話していて、でてきた言葉である。近年、ソフトウェアをオープンソースの形態で開発し、儲け自体はソフトウェアの導入や運用でかせぐという企業が増えてきている。

 この言葉を聞いたとき、僕は、頭の片隅で、記号学者のロラン=バルトを思い出していた。「作品からテクストへ」「作者は死んだ」という挑発的なコンセプトで、現代哲学を切り開いていたバルト。彼は、特権的な「作者」の立場に引導をわたしたことで、知られている。

 言うまでもなく、ひとつのテクストには、多くの人々の語りが含まれる。テクストがそうであるように、もし「ソフトウェア」もそうした多声的な空間であるとするならば、「ソフトウェアを握る」とは何を意味するのか。

 さらに想像力をふくらまし、eラーニングでいうところのデジタル教材に話を発展させる。ある知名度のある教員の授業が「商品」として流通する。かつては、大学という場に閉ざされていた、局所的で一過性の営みであった「授業」が、情報通信技術によって、「モノ」として流通する。しかし、その教員の授業は、多くの研究者の研究の蓄積によって成立し、そこには様々な研究者の声が木霊している。

 このとき、この教材は、いったい誰のものなのか?

 そこまで考えたところで、ハッと正気に戻った。

 ---

 健全な思考には、言うまでもなく黙考が必要である。それと同時に、他者の言葉から誘発されるインスピレーションから、考えさせることは多い。

 この場合の「思考」、それは「僕のもの」なのか?

投稿者 jun : 2005年8月 1日 19:40