今年も100名参加の大宴会!

 おかげさまで、日本教育工学会の自称!?若手研究者の宴会ですが、100名を超える方々のご参加をいただきました。

 メールの転送などご協力いただきました、すべての方々に感謝申し上げます。ありがとうございました。

 現在、村上さん@京都外国語大学が中心になって準備を進めています。例年のような、オモシロ、オカシイ宴会になりそうですね。とても楽しみですね。当日、皆様にお会いできますこと、楽しみにしております!

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日本教育工学会
自称若手研究者の懇親会2006
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 今年もこの季節がやってまいりました!
 例年100名前後という多くのワカモノにお集まり
いただき、大盛況の懇親会を、今年も企画致しました。

 参加をご希望の方は、下記URLのフォームに必要
事項を記入いただき、9月29日(金)までに参加登
録してください。

http://www7.ak.cradle.titech.ac.jp/~wakamono/

会場準備の都合上、〆切をお守りいただけると
幸いです。

 なお、このメールを皆さんのお近くの興味・関心
のある方にご転送いただければ幸いです.

皆様にお会いできるのを楽しみにしております。
どうかよろしくお願い致します。

本企画についてのお問い合わせは,
jset2006enkai@murakami-lab.orgまでお願い致します.

幹事:村上正行

---
●日時 :11月4日(土)21:00~23:00
 
●予算 :有職者4,000円 学生2,500円
     (有職者の定義は,”所得税を納めているもの”です) 
 
●コース:料理8品(飲み放題付き)
 
●団体名:教育工学会ワカモノタチの大宴会
 
●備考 :100人で2Fフロア貸切
 
●会場 :酔虎伝 高槻店
     http://www.hotpepper.jp/s/H000023854/top.html
 
●〆切 :9月29日(金)
 
●申し込み方法:
下記URLのフォームに必要事項を記入いただき,参加登録してください.
http://www7.ak.cradle.titech.ac.jp/~wakamono/
申し込んだ後,確認メールが送られてきます.
 
●参加資格
 自称ワカモノ!であればOKです.
 教育工学会がはじめてでお友達がいない、という方も
 是非、ご参加下さい。きっと知り合いがぐんと増えます。
 
 
会場への移動は懇親会終了後,JR高槻駅行きの
臨時バスが出ると思いますので,そちらに乗って
頂く形でよろしいかと思います.JR高槻駅から会
場までは徒歩5分程度です.

23:00終了予定ですが,最寄のJR高槻駅・阪急高槻
市駅ともに会場から徒歩5分程度で,24:00までに
電車に乗れば大阪(梅田),京都(河原町)までは
確実に帰れます.

 なお、ワカモノの大宴会は有志のボランティアに
よって運営されています。不手際などあるかと思い
ますが、ご理解いただければ幸いです。

(以下、敬称略)

■会場予約
 坂田(関西大)
 渕 (関西大)

■会計・総務
 舘野(東京大)
 三宅(東京大)
 大山(立命館)

■誘導等
 山田(東工大)
 中原(東京大)
 稲垣(東北学院大)
 寺嶋(長崎大)
 望月(東京大)
 重田(大阪大)
 奥林(大阪大)
 中澤(大阪大)
 大浦(東工大)
 渡辺(東工大)

■代表
 村上(京都外大)

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投稿者 jun : 2006年9月30日 22:00


本のカバーができた!

 ダイアモンド社編集者の石田さんより、自宅に最終原稿と、デザインができたばかりの本のカバーが送られてきた。

mohan.jpg

 素晴らしいデザインです。

 「あなたの会社に"人を育てる科学"はありますか?」

 帯のコピーも、とても気に入っています。本屋で見かけたら、ぜひ手に取ってみて下さい・・・手に取るだけでなく、そのままレジに行っていただけると、嬉しいのですが(笑)。

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 あんまり油を売っていると、そろそろ雷が落ちそうだからね・・・。引越作業に戻ります。ダンボールをいくら開けても、減っている気がしないんだよねぇ・・・。誰か、密かに、新しいダンボールをオレんちに運んできてないか? ドリフ的だな。

 そして人生・・・・じゃなかった引越は続く。 

投稿者 jun : 2006年9月30日 17:06


一番乗り

 まだ引越作業中。

 とりあえず、新居の「シャワートイレ」一番乗りは果たした!
 フフフ・・・勝った・・・。

 そして人生は続く。

投稿者 jun : 2006年9月29日 21:28


爆発する中国の大学教育?

 先日、同じセンターに勤務している同僚の両角先生(教育社会学)から、「中国の高等教育の現状」について興味深い事実を教えてもらいました。ありがとうございます。

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 中国では、1998年あたりから高等教育を拡充する政策をとってきた。1998年の就学率は9.8%であったのが、2005年には21%になっている。このスピードは驚異的である。

 しかし、このように高等教育の大衆化のスピードが激しすぎて、政府がそれについていけてない。政府の財政に余裕がなく、金融市場からの借入を行ったりするなどの市場メカニズムによる資金調達が進んでいる。

 ただし、中には、無計画に多額の負債を抱える大学も現れてきている。それが問題になりつつある。政府による大学の負債総額の調査も開始された。

 ---

 ねぇ、皆さん、信じられますか。わずか7年で2倍以上になっているとは!モノスゴイ伸びですよね。まさに大爆発、パンデミックといってもよいかもしれません。

 そんな爆発的な高等教育ニーズの高まりに、政府財政もついていけないよな、と思います。資金調達の方向を、市場原理にある程度ゆだねざるを得ないのでしょうね。ぐだぐだ言ってられねーよ、といったところでしょうか。丼勘定で、無計画な資金借り入れを行う大学もでてきているのでしょうね。「ニーズはあるんだ、何とかなんじゃねーか」みたいな感じで。

 で、この話を、今日、ある先生にしたら、こんな趣旨のことをおっしゃっていました。

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 確かに中国の高等教育の伸びはものすごい。が、教育のクオリティ・コントロールにかなり問題が生じているらしい。あと、大学にいっても就職できない層がでてきているらしい。爆発的な伸びには、ひずみができる可能性が高い。

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 なるほど、「量的拡充は、質的変化をもたらす」とよく言いますしね。量的変化に、質が対応しきれない可能性、というのはありえそうですね。

 ちなみに、e-learningという観点からすると、中国の高等教育機関がそれを導入する理由は、1)Poverty(貧困)からの脱却、2)高等教育のニーズ爆発への対応、というかたちで語られることが多いように思います。去年、あった清華大学のある先生も、「日本とは全く違った理由で、ITが注目されているよ」と言っておりました。

 中国の大学の提供するe-learningのクオリティ・コントロールのことは、以前話題になったことがあったようです。実際、ある中国の先生から、中国の一部の大学がやっているe-learningには問題もある、という噂を聞いたことがあります。

 「講義のビデオのはいったCD-ROMのセットを送りつけて、さぁ、学べ」みたいな感じで教材を提供するだけの大学も、あるとか、ないとか・・・。つまり、学習者管理とかを全くしない。それで、大学教育と言えるのか、と。

 あくまで聞いた話です。本当のところは、僕も知りません。

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 こんなに地理的に近い国であるのに、恥ずかしながら、僕は中国の高等教育のことをあまり知りません。ただ、驚異的なスピードで高等教育市場が伸びているので、いろいろオモシロイ、そして注目に値する現象、あるいは、今すぐにも是正しなければならない状況が雪崩のように起きているのだと予想します。

 研究者の観点からすると、それは、非常に興味深いものがあります。自分の研究は、今、まさに成長しているものの中に、ある、みたいな感覚ね。

 中国からは、目が離せませんね。
 ここには、教育のビジネスチャンスも多いだろうな・・・。


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追伸.
 28日午後10時以降から、29日午前2時現在までにメールを頂いた方・・・申し訳ございません。ノートもお隠れになり、さらに自宅のコンピュータが途中でバグりました。で、メールを紛失しました。何通かのメールにはお返事できたのですが・・・何通かは失われました。恐れ入りますが、中原からの連絡が「遅い」なとお思いの方は、再度、メールをいただけると助かります。お手数をおかけして申し訳ございません。嗚呼。

投稿者 jun : 2006年9月29日 02:50


ダバダー、熱いコーヒーと静かな時間?

 僕の研究、事務手続き等をアシストしてくれている山本さんが、今週は、海外出張で不在である。いつもは研究室で仕事をしてくれている学生さんたちも、山本さんがいないということで、今週は登校しない。気がつけば、僕は一人である。

 三十路中原、熱いコーヒーを入れて、思索にふける。
 ダバダー
 静かな時間が流れる・・・
 
 
 
 
 
 
 という風に、CMだったら話が展開するのかもしれないけれど、事実は全く異なる。

 朝っぱらから、電話なりっぱなし。
 「あの書類はどこだっけ」「えっ、この予算どうなっていたっけ?」「誰だ、この電話の声の主は?」と、パニック状態。もう、何が何だかわからない。

 いかに僕の仕事が、山本さんに支えられているのか、改めてわかりました。感謝です。いつもありがとう。
 思うに、大学は、研究者や学生だけで成立しているのではない。アドミニストレーションのスタッフとタッグを組めて、はじめて卓越した研究や教育、事業が可能になるのだと思う。

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 はやく、帰ってきてくれー。

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 泣き面にハチとはこのことか・・・。なんと、こないだ買ったばかりのレッツノートが、お亡くなりになった。電源入りません。あー、気が狂う。どうなる>オレ。

投稿者 jun : 2006年9月28日 17:00


実家の前を馬が走る?

「僕が幼い頃、冬になると、実家の前の道を、ソリをひいた馬が、シャン、シャン、シャンと走っていたんだけどなぁ・・・」

 誰も信じてくれない、僕の過去の記憶である。
 聞いた人は、皆、「冗談でしょ」と言う。

 「あーあー、”ばんえい競馬”とかいうやつでしょ、旭川は有名だもんね」と言う人もいる。

 競馬場の中に、オレの実家は建ってるのかい!(笑)
 
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 確かに、実家の前を馬が走っていたんだけどなぁ・・・。
 あれは、夢?
 オトナには見えない「不思議の国」に迷い込んだのかな・・・。

投稿者 jun : 2006年9月28日 07:59


保守って、なんだかわかる?:安倍首相の「保守」

 このところ新聞等でよく目にする言葉に「保守」がある。なにやら現政権が掲げる政治姿勢は「開かれた保守主義」なのだそうだ。

 それにしては、安倍首相の「保守」はイマイチピントこない。うーん、どうしたものか、と思っていたら、本日の朝日新聞に京都大学 佐伯啓思先生の解説が掲載されていていて、腑に落ちた。

 以下、長くなるが引用する。

 ---

 欧州の保守主義は、本来、フランス革命へ反動として生まれた。それは、進歩の思想を疑う。物事を理性的に設計し、伝統を壊して、社会を計画的に革新するという発想に疑いの目を向ける。

 むしろ歴史的に形成され、伝統として守られてきたものの中にこそ、知恵があるという考え方だ。緩やかな階級的社会秩序や、オーソドックスなものの権威を大切にする。家族やコミュニティ、そして国家を重視する。

 一方、米国の保守主義の核にあるのは、独立した強い個人だ。個人が自力で人生を切り開く。それは能力主義、市場競争主義につながっていく。欧州の保守と違って、理性や技術の力を信じる。絶えざる革新、創造的破壊、進歩主義をよしとする。

 欧州の保守から見れば、これは個人主義的な自由主義であり、保守主義とは別ということになる。

(中略)

 ところが安倍氏は米国流の保守主義に近い小泉改革路線を基本的には継承しようとしている。自由な市場競争の促進であり、個人の自己利益の重視だ。これでは、公的な精神の発揮を重んじ、私的な利益追求を抑制する本来の保守主義からは、かなり離れてしまう。

 しかし、安倍氏は一方で愛国心の大切さなども強調している。歴史伝統の重要性も訴え、米国流保守と欧州流保守がごちゃまぜになっている。場合によっては、国のために命をなげうつ覚悟も必要とさえいう。

(筆者一部編)
 ---

 この主張をふまえて考えると、僕がなかなかわからなかった部分は、明らかだ。要するに、僕は安倍氏のいう保守を「米国流保守」、いわゆる新保守主義と考えていた。だから、なぜ「愛国心」の問題がでてきたり、「美しい国」の発想がでてくるのか、わからなかった。
さらにいうならば、それら欧州風保守の概念が、米国流保守主義の「市場原理による改革」とどう接続するのかが、わからなかった。

 教育政策に至っても、この「ねじれ」は見事に体現されているように思う。肝いりの「チャータースクール」の話と、愛国心、教育基本法改正の問題が、どうも僕には接続できていない。

 うーん、これはちょっと勉強しなくてはならないね。昔読んだ、社会思想史の本でももう一度「ひもとく」か?
 
 
 

 とまぁ、そんな話を朝食の際にしたら、カミサンに「ガン見」された。
 ・・・・・・つーか、その前に、引越ですよね。ハイ、引越ね。
 やります、一生懸命やりますとも。
 僕が「ひもとく」のは、段ボールですよね。
 
 
 
 ・・・トホホ。

投稿者 jun : 2006年9月27日 08:25


学会初!、社会人の学習環境を考える大会シンポジウム

 以前からアナウンスはしていましたが、今年の日本教育工学会では、学会ではじめて「社会人の学習環境」を対象にした大会シンポジウムが開催されます。僕は、堀田先生とご一緒に、その企画・進行を仰せつかりました。

日本教育工学会 第22回全国大会
http://www.med.kutc.kansai-u.ac.jp/~jset2006/

 教育工学で、「企業」ということになりますと、その言説の多くは、eラーニングやインストラクショナルデザインであったように思います。

 今回のシンポジウムでは、敢えて、この2つだけでなく、企業の競争優位を支える様々な試み - 戦略的OJT、ナレッジマネジメント、知識創造 - などを扱うことにします。
 それによって、従来の言説 - eラーニングやインストラクショナルデザインの世界からは、見えないものが、明らかになるのではないかと思います。

 僕個人の考えでは、そうした「企業内の学習・教育」をトータルにプランニングできる人材として、次の世代の人材育成担当者を位置づける必要があると思っています。
 そして、そのプランナーが必要とする領域知識、技能を産出する役割が教育工学「にも」、あるのではないか、と思っています。このあたりの詳細は、近刊「人を育てる心理・教育の基礎理論(ダイアモンド社)」で展開していますけれども。

 まぁ、詳しいお話は、シンポジウムでいたしましょう。
 下記に詳細なプログラムを載せました。

 よろしければ、ぜひ、いらっしゃってください。
 
 この研究領域に、まだ「名前」はありません。
 そこには広大な問題空間だけがあります。
 そう、すべてがフロンティア。


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 日本教育工学会 学会シンポジウム

 社会人の学習環境を創る:
 e-Learning,OJT,知識創造をつなぐ教育工学
 
 11月3日 13:30~15:30 シンポジウム1b
 コーディネータ:中原 淳・堀田龍也

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 本シンポジウムは、1) 社会人の学習に関する研究知
見を整理すること、2) eラーニング、OJT、コーポレー
トユニバーシティ、ナレッジマネジメント等の教育手法
を用いた人材育成の事例を紹介することを目的とする。

投稿者 jun : 2006年9月26日 18:03


YouTubeと大学

 今週号のAERA記事「テレビを超えるYouTube」を大変興味深く読みました。まさに我が意を得たり、という記事。要約すると、下記のようになるでしょうか。

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1.動画共有サイト「YouTube」の利用者が激増している
2.いくつかの企業は、「YouTube」向けに、長いCMなどをつくっている
3.YouTubeにアップロードされたCM動画は、blogなどの口コミでVirusのように広がる
4.YouTubeがプロモーション向けに活用されているようになってきた。

 ---

 下記は、メガネストアーのYouTube向けCM「日本めがね党」。

 これは、ソニーが投稿したCMのメイキング映像。

 ---

 「YouTube」の流行が人に知られ始めた頃、僕は、近くの人たちと「大学の中には、この仕組みを利用するところがでてくるだろうな」と話していました。きっと、そういう大学がでてくるでしょうね。

 Webストリーミングから、ipod・・・そしてWeb2.0。

 東京大学の「教育の情報化」を担当する者として、教育メディア戦略を見直す必要をひしひしと感じています。大学は、常に社会の最先端を走り続けなければなりません。

 上田信行先生の言葉を借りるのならば、「大学こそは、Risky(挑発的)で、Crazyで(冒険的)、Sexy(本質的)な存在」でなければならないのです。

投稿者 jun : 2006年9月26日 07:30


この世で、もっともストレスフルなことは?

 先日、ある英語のリスニング教材(English Aya podです・・・ちなみに、僕はAYAさんの声が好きなんですけど・・・この番組、もう終わったの?)を、ボケーッと聞いていたら、こんなスキットがでてきた。

The most stressful things are ...getting married, traveling and moving...
(この世でもっともストレスなのは、結婚、旅行、そして引越さ)

 なるほどねー。皆さん、どう思います?

 結婚はストレスフルかどうかは、まぁ、いいとしてさ・・・そういうのはさ、飲んだときにでも話そうよ(笑)。だけど、最後の「引越」に関しては、激しく同意だね、全く。東大の館野君風に言うならば、「ハゲドウ」だよ、そりゃ。

 僕とカミサン、このところ、毎日毎日、夜な夜な、段ボールと格闘しているのです。はぁ。もう疲労困憊しました。

 段ボール、ガムテ、ガムテ。段ボール、ガムテ、ガムテ。段ボール、ガムテ、ガムテ。段ボール、ガムテ、ガムテ。段ボール、ガムテ、ガムテ。段ボール、ガムテ、ガムテ。段ボール、ガムテ、ガムテ。

 もうええっちゅうねん、えーかげんいせー、コルァ!

 なんかね、街を歩いていても、段ボールを見たら、無意識に「あの段ボールの大きさは、大皿を梱包するのにちょうどええなー」とか思ってしまうようになった。つーか、アイ・アム・段ボーラーよ(意味不明)。

 おまけに、昨日は、カミサンに「ワイングラス特攻隊長」を命ぜられた。おいおい、ワイングラスは、激戦区だぜ。なんでわたくしめがそんな激戦地に・・・アイゴー。
 ワイングラスひとつひとつを紙でくるんで、タオルで柄のところをまいて・・・・ガムテ、ガムテ・・・。もう死ぬほど面倒くさい。僕は、細かい仕事は苦手なのです。発狂寸前。

 ---

 とにかく、今週がヤマ。欲しがりません、勝つまでは。

 段ボール、ガムテ、ガムテ・・・段ボール、ガムテ、ガムテ・・・。
 
 生きて来週を迎えられますように。

投稿者 jun : 2006年9月25日 18:00


【〆切間近】教育工学会の(自称!?)若手研究者懇親会

 今年は、11月3日より、日本教育工学会が関西大学で開催されます。そして、学会といえば、恒例になりました「若手研究者の懇親会」が今年も開催されます。

 過去には百名を超える人数が集まった一大イベントでした。さて今年は、どんなオモシロイことが起こりますか。

 学会にくるのは、はじめてという方でも、「うーん、決して若くはないけれどな」と躊躇してしまう方でも、気軽にご参加いただけます。「人は年をとっただけで老いません。理想を失ったとき、はじめて老いるのですから」

 学会は、発表をしたり、聞いたりするだけが目的ではないように思います。ネットワーキングの機会に最適です。ぜひ、ご参加いただければ幸いです。

お申し込みは簡単簡単! 下記のWebから行えます。
http://www7.ak.cradle.titech.ac.jp/~wakamono/

 なお、締め切り日が近づいています。ぜひ、お早めにご登録をお願いいたします。規定人数になり次第、残念ですが、募集を停止させていただきます。

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日本教育工学会
自称若手研究者の懇親会2006
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 今年もこの季節がやってまいりました!
 例年100名前後という多くのワカモノにお集まり
いただき、大盛況の懇親会を、今年も企画致しました。

 参加をご希望の方は、下記URLのフォームに必要
事項を記入いただき、9月29日(金)までに参加登
録してください。

http://www7.ak.cradle.titech.ac.jp/~wakamono/

会場準備の都合上、〆切をお守りいただけると
幸いです。

 なお、このメールを皆さんのお近くの興味・関心
のある方にご転送いただければ幸いです.

皆様にお会いできるのを楽しみにしております。
どうかよろしくお願い致します。

本企画についてのお問い合わせは,
jset2006enkai@murakami-lab.orgまでお願い致します.

幹事:村上正行

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●日時 :11月4日(土)21:00~23:00
 
●予算 :有職者4,000円 学生2,500円
     (有職者の定義は,”所得税を納めているもの”です) 
 
●コース:料理8品(飲み放題付き)
 
●団体名:教育工学会ワカモノタチの大宴会
 
●備考 :100人で2Fフロア貸切
 
●会場 :酔虎伝 高槻店
     http://www.hotpepper.jp/s/H000023854/top.html
 
●〆切 :9月29日(金)
 
●申し込み方法:
下記URLのフォームに必要事項を記入いただき,参加登録してください.
http://www7.ak.cradle.titech.ac.jp/~wakamono/
申し込んだ後,確認メールが送られてきます.
 
●参加資格
 自称ワカモノ!であればOKです.
 教育工学会がはじめてでお友達がいない、という方も
 是非、ご参加下さい。きっと知り合いがぐんと増えます。
 
 
会場への移動は懇親会終了後,JR高槻駅行きの
臨時バスが出ると思いますので,そちらに乗って
頂く形でよろしいかと思います.JR高槻駅から会
場までは徒歩5分程度です.

23:00終了予定ですが,最寄のJR高槻駅・阪急高槻
市駅ともに会場から徒歩5分程度で,24:00までに
電車に乗れば大阪(梅田),京都(河原町)までは
確実に帰れます.

 なお、ワカモノの大宴会は有志のボランティアに
よって運営されています。不手際などあるかと思い
ますが、ご理解いただければ幸いです。

(以下、敬称略)

■会場予約
 坂田(関西大)
 渕 (関西大)

■会計・総務
 舘野(東京大)
 三宅(東京大)
 大山(立命館)

■誘導等
 山田(東工大)
 中原(東京大)
 稲垣(東北学院大)
 寺嶋(長崎大)
 望月(東京大)
 重田(大阪大)
 奥林(大阪大)
 中澤(大阪大)
 大浦(東工大)
 渡辺(東工大)

■代表
 村上(京都外大)

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投稿者 jun : 2006年9月25日 01:42


マドンナ(Madonna) : 僕のゲレンデBGM

 先日、某所でマドンナのミュージックビデオを久しぶりに見た。鍛えられた肉体による激しいダンス。めまぐるしくダンサーが入れ替わるステージ。中央で踊る女性は、今年で48歳になるとは、とても思えなかった。

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 僕にとってのマドンナの思い出は、僕が、毎日のようにスキー場に通っていた頃にさかのぼる。僕は数ある滑降の中でも「回転」系の滑降 - ウェーデルン - が好きだった。

 ウェーデルンは、リズムが命である。リズムが狂えば、これ以上に醜い滑降はない。あたかもゲレンデをダンスするような感じで、小刻みに、軽快にストックワークと足の動きを連動させる必要がある。その際、決して、頭、上半身は動いてはならない。背中をピンと伸ばす。ソシアルダンスとあまり変わらない。

 ウェーデルンを練習する際に、インストラクターなどから、必ず言われることのひとつに、「頭の中で歌を歌え」というのがある。リズムを正しくとるためだ。

 そして、僕が好んで、自分の頭の中で歌っていたのが、マドンナの「ライク・ア・プレーヤー」「ヴォーグ」だった。その歌詞は、今も諳んじることができる。

 マドンナは、僕にしか聞こえない「ゲレンデのBGM」だった。

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 僕がマドンナをよく聞いていた頃は、ちょうどマドンナが「セックスシンボル」と言われていた頃だった。

「マテリアルガール」「ライク・ア・ヴァージン」「ラ・イスラ・ボニータ」・・・誰もが一度は聞いたことのある曲が、この時代に生まれた。

 プロモーションビデオは、過激で、挑発的で、かつ官能的であり、こちらも人々の話題をさらった。このあたりは、ミリオンセラーになった下記のベストアルバムに詳しい。

  

 しかし、「ヴォーグ」を出したあと、マドンナは受難のときを迎える。セックスシンボルとして売り出すには年齢の問題もあった。また米国の音楽が、R&BやRapに急速に変貌をとげる時期だったようにも思う。売り上げが急速に落ちた。

 そして10年・・・マドンナは復活する。僕がそれを知ったのは、米国出張中のMTVだった。「コンフェッションズ・オン・ア・ダンスフロア」という全曲ダンスチューンのアルバムをひっさげ、今度は「ダンスクィーン」としての存在を確立しようとしている。

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 数年ぶりに見たミュージックビデオで、彼女は「ヴォーグ」を踊っていた。
 かつての「ヴォーグ」は、貴族風の衣装に見にまとい、腕を頭に巻き付けるような、独特の、優雅な振り付けが印象的だった。

 が、今のヴォーグには、もうそのイメージはない。徹底的に鍛え上げられた肉体が衣装である。衣装は、もう、ない。

 マドンナは「変革」を遂げた。否、正しくいうと、今も「変革」の渦中にある、といえるのかもしれない。マドンナの身体は、今日も、人工的に構築されている。

 彼女のステージを見ていると、何だか、勇気づけられる。同時に、目に熱いものがこみあげる。人が「変わる」のは難しい。そして変革を維持することも、また難しい。成功体験がある人ほど、それは困難だ。つい、変革の背後にある苦労を想像してしまう。

投稿者 jun : 2006年9月24日 09:47


大のオトナが熱中するワークショップ

 昨夜、東京大学にて開催されたLearning barにて、大のオトナ60名が、「学び」に熱狂しました。会場は六本木のクラブを連想させる興奮に包まれました。こうしたイベントは、東京大学開学130年以来、はじめての試みです。

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 こんなニュースがテレビから聞こえてきそうなほど、昨日のLearning barは、すごい盛り上がりでした。DJ、VJ、フードスタイリストさんなどのプロが入って、空間を演出。バーテンは東大の大学院生がつとめ、カクテルをつくる。

 突如、本郷キャンパスに、六本木にあるような「ノリノリのクラブ」が生まれた瞬間でした。

bar.jpg

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 昨日のLearning barは、「オトナの学び」をテーマとしたワークショップでした。ワークショップは、10年以上も前から、国内外で先進的なワークショップを開催してきた上田信行先生、佐藤優香先生らがプロデュース。森玲奈さん@東大が、全般的なディレクションを行いました。

nobuyuki.jpg

satoyuka.jpg

80da.jpg

 まずは、受付です。開場は午後6時。

uketsuke.jpg

 開場にはすでにスタッフがスタンバイしています。DJ、VJがノリのよい映像、音楽をchoiceしてくれています。

dj.jpg

vj.jpg

 受付を終えた人たちは、自分の今日の服装をポラロイドカメラで撮影してもらいます。この日は、実はドレスコードがありました。ポラロイドを受け取ったら、「今日、なぜ自分が、その服装を選んだのか」をそえて、壁にポラロイドをはっていきます。

shashin.jpg

shashin_posting.jpg

 「今日の背伸びは、明日の定番になる」・・・オトナの成長は、そういう「ほんの少しの背伸び」を、日々繰り返すことによって、達成されるものなのではないでしょうか。あとから種明かしがなされるのですが、この写真のポスティングには、そういう裏のメッセージがありました。

 参加者たちは、ウェルカムドリンクを手に、中央のテーブルに集まってきます。もう既にネットワーキングも行われているようですね。

 早速、第一のワークショップがはじまります。レゴブロックを使った「Serious playワークショップです。Serious playとは「play with purpose」のこと。ある特定の目的に従って、オトナがレゴブロックを使って共同作業をします。もともとは、レゴ社の企業人材育成プログラムとして開発されたものですね。

workshop_lego.jpg

 この日のゲームは、「レゴブロックをどれだけ高く積み上げられるか」という非常にシンプルなゲームでした。4人1組になってゲームははじまります。最初のセッションでは、何の指示もなく、ブロックをつみあげます。

 しかし、なかなかうまくいかないですね。せっかく高くブロックを積み上げても、他の人が「不適当なブロック」をそこにおいたりするので、なかなか高くつみあがりません。

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 2回目のセッションでは、上田先生から、「オトナには、役割、共同作業、プラン」が必要だ、というインストラクションがなされます。今度は高くつみあげることができました。参加者たちは、シンプルなゲームから、オトナにとって重要なストラテジーを体験していきます。

workshop_lego2.jpg

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 お腹がすいたところで、料理です。この日は、森玲奈さんのお知り合いの「フードスタイリスト」の方が、「学ぶ大人=キラキラした大人」をテーマに、料理を創作してくれました。とても手のこった、そしておいしい料理でした。

food.jpg

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 しばらく歓談が続きます。次に登場してくれたのは、プロでパントマイムをなさっているカンジヤママイムさんです。「ロープを登る」パントマイムを参加者全員で行いました。

pantmim.jpg

 最初はなかなかできません。どうしても、ウソっぽい「ロープ登り」になってしまうのです。それはなぜか?

 私たちの体は、最小の努力と運動量で、モノをなしとげられるよう動くようになっているそうです。つまり、体とは「効率的」なものである。

 しかし、長いあいだ、そのような効率的な運動しか行っていないと、その他の使わない筋肉が硬直してしまう。パントマイムとは、いったん硬直した体を「deconstruct」して行う身体芸術だそうです。

 これは、もしかしたら、筋肉、運動だけの話ではなさそうですね。そう、我々の頭や精神だって、似たようなものなのかもしれません。

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 最後のワークショップは、「こだわりのモノ紹介」です。この日、Learning barの参加者には、「自分が普段使っているこだわりのモノ」を持ってくるよう、お願いをしていました。

kodawari.jpg

 二人ずつペアになって、こだわりのモノをお互いにインタビューして、そこにまつわるストーリーを聞いていきます。

 うちのカミサンは、「36センチの物差し」をもっていきました。台本作りは通常コンピュータを使って行われますが、最後に「物差し」で「しゃーっ、しゃーっ」と線をひき、カメラ割をするのが快感なのだそうです。

 大人の思考、大人の作業は、常に「Object to think with」です。何かモノを使って達成されるのですね。そして、大人が使うObjectは、ほとんどの場合、Multi purposeです。

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 最後に、ほんの少しだけ、僕もご挨拶がてら話させていただきました。

nakahara_aisatsu.jpg

 「Learning barの紹介」と「教育研究において、大人の学びがいかに注目されているか」という話です。山内さんの方からは、現在建設中の「FUKUTAKE HALL」の構想についてお話がありました。

 そうして、熱狂冷めぬ中、Learning barはclosingのときを迎えます。

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 それにしても、いやー、ホントウに面白かった。「ワークショップ中毒=ワー中」になってしまいそうです。そのくらい、久しぶりに知的興奮を覚えました。

 大学は最先端のリゴラスな研究を生み出す場であると同時に、人々のネットワーキングを支える場であるべきだと、僕は常日頃から思っています。「教育界の興行師」と言われようとも(笑)、僕は、これをやめたくない。

 最後になりますが、このワークショップを支えてくれたすべてのスタッフの皆さん、ホントウにありがとうございました。また、上田信行先生、佐藤優花さん、森玲奈さん、東大大学院の坂本君、平野くん、脇本君、キラキラ王子には重ねて感謝いたします。また、このような場を東大に創りましょう。

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 Learning barでは、今後もレクチャー、ワークショップを開催していきます。

 次回は12月22日「我がTOEIC人生のすべて」と題して、ライトハウスの坂井さんにレクチャーをいただきます。坂井さんは、TOEICのすべてを知る方です。黎明期から、爆発的普及期まで、その普及の背後にあるストーリーを語っていただく予定です。

※Learning barを含め、東京大学で開催される教育イベント情報は、下記のNAKAHARA-LABメルマガで不定期に流れます。また、Learning barは、NPO法人Educe Technologiesと東京大学の共同事業です。

 ぜひ、下記のメルマガ、Web会員登録(どちらも無料)にご登録をお願いいたします。

NAKAHARA-LAB.NET メルマガ
http://www.nakahara-lab.net/mailmagazine.htm

Educe Technologies Web会員(無料)
http://www.educetech.org/participate.html

投稿者 jun : 2006年9月23日 10:31


明日は大忙し:上田信行先生らのワークショップ

 明日は、こなさなければならない会議が8個。朝9時からフル稼働である。6時からはLearning bar@Todai。上田信行先生、佐藤優香さんをお招きして、「大人の学習」についてのワークショップ。

Learning bar
http://www.nakahara-lab.net/blog/2006/09/learning_bartodai_1.html

 さぁ、何がとびだすか!
 今日は前夜祭で、イタリアンレストランでお食事。
 佐藤優香さんの提示してくれた「ワークショップの組立方のモデル」に感心した。これは、カリキュラムという概念を説明するときにも使えるな。

 明日は、こうご期待。
 もしよろしければぜひご参加下さい。

投稿者 jun : 2006年9月22日 00:22


機種変とオンデマンドプリンティング

 昨日は総務省主催の「ユビキタスラーニング推進協議会」が開催された。この協議会では、毎回、いくつかの企業にm-learning等に関するご発表をいただいている。昨日はビズコムジャパン、関西ビジネスインフォメーションという企業の方々に、プレゼンを行っていただいた。

ビズコムジャパン
http://www.bizcom.co.jp/

関西ビジネスインフォメーション
http://www.kbinfo.co.jp/

 ビズコムジャパンさんのご発表で印象深かったのは、ある調査結果。某大学と共同で500名の学生を対象にして、携帯電話の利用に関して調べた。結果の一部は下記のとおり。

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 56%の学生が1年以内に携帯電話の機種変更を行う
 85%の学生が2年以内に携帯電話の機種変更を行う

 86%の学生がパケットの割引サービスを利用している

 85%の学生は、音声通話が1日10回以下
 91%の学生は、携帯メールをパソコンメールよりも用いる
 
 80%の学生が携帯電話で学習することに興味がある

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 へぇー。

 だいたいは、日々の学生さんの挙動を見ていたら予想がつくけれど、みんなそんなに機種変をしているのだ、と驚いた。2年たてば、大部分の学生さんが新しい携帯電話を使っているっていうことね。

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 関西インフォメーションサービスさんのご発表で、もっとも興味をもったのは、携帯電話で学習した結果や解説を、オンデマンドで紙媒体出力してしまうサービス。PDAファイルとして結果や解説がまとめられ、PCのメールに送信されるらしい。

 以前、僕らの研究では大人の半数以上が、学習媒体として携帯電話よりも紙を重視する、と答えている。こういう付加サービスは、m-learningへの心理的抵抗を下げるのかも、と思った。あと、これ、ちゃんと実験計画をたてて評価すれば、オモシロイ研究ができそうな気もするのだけれども。

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 次回の協議会は、12月。

投稿者 jun : 2006年9月21日 09:26


海外教育大学院をご存じの方へ

 「魁、学習科学塾 2日目」というエントリーに対して、AYAさんより下記のようなコメントをいただきました。

魁、学習科学塾のエントリー
http://www.nakahara-lab.net/blog/2006/07/post_335.html#c1078

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「米国は教育学研究の層が厚い」との記述を大変興味深く読ませていただきました。

将来、日本や途上国の高等教育の研究費配分やファカルティ・ディベロップメントやマネジメントにも意見できるような研究者兼実務家になることをめざして、来年9月からアメリカの教育学修士課程に入ろうと現在願書などを準備している者です。

そのような目標から、Ed.DもしくはPh.Dまで目指そう!と意気込んでいますが、そのような観点からお勧めの大学があったら、教えていただけないでしょうか・・・?

ハーバード、コロンビアあたりをEd.Mの過程ではいいかなと思ってみていますが、Ed.DやPh.Dまで進めるのか、その際の教育体制などが若干不安です。どうぞよろしくお願い致します。

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 海外教育大学院の進学システムをご存じの方、ぜひ、教えてもらえませんでしょうか。僕は、あまり実情を知りませんので。

 誰もがみんな初学者だった。ぜひ、先達からの愛の手を。

投稿者 jun : 2006年9月20日 23:33


僕はblogを演出する!?

 日記をWebでつけはじめて、今年で7年。最近、よく人に言われることのひとつに、

「中原さんは、よく、あけっぴろげに、自分の生活や気持ちを公開できますね。僕にはできないなぁ」

 というものがある。

 日記とはそもそも秘めるもの。自分のプライベート、内面を匿名の人に向かってしゃべる、という行為自体が、多くの人には、信じられないのかな、と思う。

 しかし、そういう見方 - つまりは個人の日記blogが、一方向的な個人の内面感情の吐露の場であるとみなす見方 - は、申し訳ないけれど、ちょっと僕の認識からは、相当ズレている。そういう風に個人blogを見なすと、ちょっと現実を見間違うことが多いのではないかな、と懸念する。

 まず第一に指摘できることは、僕がblog上で書いているのは、自分の内面や生活ではない。比喩的に言うならば、まさに僕は「NAKAHARA-LAB.NETの中原」を演じているにすぎず、そこで公開されているのは、blogの書き手としての内面や生活である。

 僕のblogには、ある意図をもって、演出や編集が相当施されている(他の人のblogは知らん)。「オモシロ、オカシク、ワカリヤスク、たまーにマジメ」をモットーに、僕はblogを演出、編集している。どちらかというと、日記というよりは、物語に近い。

 「なんだ、ウソ書いているのか」

 と怒られそうな気もするが、「すみません、ウソじゃないんですけど、まるままホントウではありません」と答える他はない。もちろん、この「すみません」には、あまり反省が感じられないんだけどね・・・す、すみません。

 でも、物語だって言っているんだから。誰も、エッセイストや小説家に向かって、「ウソ書くな」とは言わないでしょ。
 
 第二に、blogは、ある個人が内面を洗いざらい吐露し、描写するような、いわゆる私小説風の、「カタルシスの場」ではない。

 むしろ、blogは、読者と作者のつくるテクストである。ネタを一番最初に提供するのが、「作者」と言われる人。それに答える人が「読者」という人。blogを面白くするのは、その二者のインタラクションであり、そこで生まれるテクストは、共同産出の成果である。

 「そんなことを考えて、書いているのは、オマエのblogだけだ」

 と言われそうな気もする。

 「チッチッチッ、甘いね」。

 はじめたばかりのblogでも、一日に1万件のアクセスがあるblogでも、上記2つの指摘は「程度の問題」。

 blogでは、誰もが、どこかで何かを演じている。また、たとえインタラクション(コメント)が誰からもつけられていなかったとしても、読者の声、まなざしを想定せずに書くblogは少ない、とも思える。そこには、目に見えないインタラクションが交わされている。

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 個人の日記blogとは、そんなにシンプルなものじゃない。そんなに、みんなナイーヴぢゃないぜ。blogを書いたことのある人ならば、この見方には同意してもらえると思うんだけどなぁ。

追伸.
 「blogを演出している」ということを、正直に書いてしまった・・・。この事実に演出はない。

投稿者 jun : 2006年9月20日 09:41


紙も、加えて、ケータイも

 先日、ある会議で「最近、人々のPC離れが進んでいるのではないか」ということが話題になった。「PCよりも携帯で勉強したい」という層が1年前に比べ、かなり増えている、ということだった。

 教育のサプライサイドとしては、「紙か、PCか、携帯」という3つの選択肢を用意するのではなく、「紙も、携帯も」という組み合わせが重要になるのではないか、ということだろうか。
 「紙にできないことは何か」、そして「携帯にできることは何か」・・・この切り分けをしっかりと行い、そこにビジネスモデルを構築できたサプライヤーが伸びていくという空想を頭に描き、愉しんでいた。

 予想はあくまで予想である。僕は占い師ではないから、未来のことはわからない。もちろん、携帯にはPCとは違ったデメリットがたくさんあることも素直に認めなければならない。教材開発のコストもかさむ。

 また技術的課題も大きい。今、僕らは、あるケータイ教材を開発しているが、その開発は、本当に手探りである。開発環境、手法等がまだまだ定型化されているわけではないので、システムチームは本当に骨を折っている。

 ただ、携帯のこの「ぎこちなさ」「融通のきかなさ」は、どこか「いつか来た道」を思い出させる。「インターネットに接続されたPCを活用して学習する」ということが、遠い未来のように思われた頃のことを、つい回顧してしまう。

 携帯電話の保有率は、若年層に限って言えば、ほぼ100%に近い。日本全人口であれば、だいたい60%をこえている。これほど普及した情報インフラを有している国は、世界でもそうあるものではない。

 何かが動き出そうとしているのではないか、そう邪推する。

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追伸.
 青山学院大学の鈴木先生の「学習資本主義」のエントリーには、とても考えさせられた。 この種の議論に付随する、領域固有をかえりみない「学習能力概念」の素朴さには、やはり問題を感じざるを得ない。また、学習の資本主義化は、教育の問題として解決しうる問題なのか、という指摘も我が意を得たりと思った。

学習資本主義
http://edhs.ri.aoyama.ac.jp/~susan/archives/2006/09/post_213.html#more

投稿者 jun : 2006年9月19日 07:55


テルムマランでタラソテラピー

 勝浦にあるタラソテラピーの施設「テルムマラン」に行ってきました。

 テルムマランとは「暖かい海」、タラソテラピーは「海洋療法」という意味です。要するにここは、「海水、海藻など、海の資源を用いて、カラダを元気にすることができる」施設ですね。

テルムマラン
http://www.thalasso.jp/tmp/index.html

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 この日は朝9時30分に都内の自宅をでました。首都高に入り、湾岸、京葉道路と車を進めます。連休初日ということで、少し混雑していました。高速道路を市原で降りて、国道297にて房総半島を縦断。目指す勝浦についたのは、タラソテラピーを予約していた13時を少し回ったころでした。

 テルムマラン到着。受付では、綺麗なお姉さんが、健康状態のチェック、施設の中の説明をしてくれます。小さな声で、ゆっくりと、お姉さんはしゃべります。はっきり言って、もう寝そうです。こんなところから「テラピー」ははじまっているのでしょうか。

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 さて、早速、水着とバスローブに着替え、アクアトニックにいきます。アクアトニックは、一言でいえば「そこらじゅうに、ジャグジーのついた温海水プール」といえるでしょうか。もちろん、水中めがねをつけてふつうに泳ぐこともできるのですが、それが主目的ではありません。

 アクアトニックでは、プールをウォーキングして、いろいろな場所に据え付けてあるジャグジーにカラダをあて、マッサージをしてもらうのです。

アクアトニック(施設内は撮影禁止でしたので、こういう画像で勘弁を)
http://www.thalasso.jp/tmp/program/imgs/160/AQT.jpg

 水をなめてみました。
 うーん、塩ね、塩。確かに塩辛い。海水は、勝浦の海岸から引っ張ってきているようです。

 ジャグジーの中には、勢いの強いものもあります。下から噴出される水の上にカラダをのせてプカプカと浮いたり、強張って鋼のようになってしまった肩と首に強い水流を当てたり。そうこうしているうちに、だんだんと眠くなってきてしまい、何も考えられなくなってきました。

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 さて、いよいよテラピー(トリートメント)がはじまります。トリートメントは、必ずセラピストがつきます。メニューは一人ずつチョイスできます。僕は「ピシーナリラクゼーション」というのを選びました。

 ピシーナリラクゼーションは、「頭と足を"浮き"をつけて浮かび、全身の力を抜く」というメニューです。

ピシーナリラクゼーション
http://www.thalasso.jp/tmp/program/imgs/160/PR2.jpg

 頭に「浮き」をつけ、プールに入ります。目を閉じている、いくつかのエクササイズをしているうちに、セラピストは「浮き」を足にもつけてくれます。そして20分間。たまにセラピストが体を揺らしてくれます。

 セラピストの方は、公家のような?しゃべり方をする方でした。ゆっくりゆっくりと一言一言しゃべります。「人の発話にかぶる」「結論を急ぐ」「言葉を促す」ということは、全くありません。

 僕は、彼らの言葉を聞いているだけで、眠くなってしまいました。東京では「人の発話に続ける」「結論を急ぐ」「言葉を促す」ことに、あまりになれてしまっているのかもしれませんね。

 リラクゼーションがはじまります。体が浮きます。しばらくしているうちにあまり身体の感覚がなくなってきます。「嗚呼、羊水の中というのは、こんな場所だったのかもしれないな」と、ほんの少しだけ思いました。僕にもそんな時間はあったはずです。遠い昔の記憶ですね。

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 次はアルゴパックです。アルゴとは「海藻」のこと。フランス、ブルターニュ地方から輸出した海藻パックに、勝浦の海水をまぜてつくられたペーストを体に塗ります。その後、ビニールとウォーマーで体でくるみ20分・・・

アルゴパック(こちらに解説が)
http://www.thalasso.jp/tmp/program/tr_personal.html

 ほとんど寝ていたので、あまり記憶にないのですが、終わったあとは、「体がワカメとヒジキ臭かったので、確かに、僕は海藻パックをすませたのでしょう。

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 最後のトリートメント、ウォーターマッサージでした。これは、ゲスト1人につき、一人のセラピストがついて、海水のジェット水流を体にあててくれるものです。僕は、肩、首等を重点的にお願いしました。

ウォーターマッサージ(こちらに解説が)
http://www.thalasso.jp/tmp/program/tr_personal.html

 僕は日々ストレッチで柔軟をやっています。しかし、ストレッチというのは、どうしても、自分で伸ばせる場所と、そうでない場所がでてきます。ウォーターマッサージでは、「自分ではなかなかマッサージできない場所」を重点的にやってもらうとよいのではないかと思いました。

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 トリートメントがすべて終わったら、最後にアクアトニックに戻ってきて、またプールでジャグジーを楽しみます。
 そんなに忙しいプログラムではないのですが、どこか身体に心地よい疲労感があります。ゆっくりと体をほぐして、この日のプログラムは終了。

 この日は施設近くにあるブルーベリーヒルという宿泊施設に宿泊しました。いわゆる、森の中にあるコンドミニアムホテルです。

ブルーベリーヒル
http://www.blueberry-hill.co.jp/main.php?lang=jp

 よほど、気持ちがよかったのでしょうね・・・不眠症気味の僕ですが、この日は9時には寝てしまい、翌日8時まで目が覚めませんでした。ありえん。

terumu_jun.jpg

 ちなみに、翌日朝には、プログラム参加者のみが参加できる、野外ストレッチがあります。ストレッチバーとマットが渡され、セラピストのいうように、体を伸ばします。裸足になって芝生をウォーキングする、というエクササイズが、印象的でした。芝生に裸足なんて、何年ぶりだったのだろうか。思わずカミサンも大の字です。

terumu_miwa.jpg

 ---

 タラソテラピーには、かなり満足しました。単に「施術を受ける」だけでなく、ストレッチをしたり、プールで運動したりする。それが組み合わさっているところが、いいなぁと思います。男性でも楽しめるのではないでしょうか。まぁ、11時間眠れた、というだけでも満足なのですが。

 ちなみに、今回の小旅行は、カミサンの誕生祝いということでした。

 「これで、今回の支払いが、僕のクレジットカードでなければ、なお満足!」

 という野暮なことは言わないことにして(言ってるけど・・笑)、また明日からも頑張って働くことにしましょうか。

 くれぐれも無理はしないようにね。

投稿者 jun : 2006年9月18日 08:18


イマドキ・キッズの遊び・学び:チルドレンズミュージアム

 10月のBEAT公開研究会のお知らせです。

 10月の公開研究会は、「イマドキ・キッズの遊び場、学び場」です。最近、安全・安心がにわかにクローズアップされ、「子供を遊び、育てる場」としてのミュージアムが注目されています。

 今回の研究会は、チルドレンズミュージアムの動向や理念はもちろんのこと、「実際に展示や遊具をどうつくるか、どのように改善するか」ということまで踏み込んだ内容となります。ここでしか絶対に聞くことはできない内容です。

 登壇者には、乃村工藝社でミュージアム企画の一線で働いていらっしゃる齊藤恵理さん、ハンズオン展示の日本におけるエバンジェリスト的役割をはたした染川香澄さん、ITを活用した展示スペースの改善に取り組んでいらっしゃる中井祐輔さんをお招きします。

 ぜひ、ふるってご参加ください。

なかはらじゅん

===================================
東京大学大学院 BEAT講座 10月公開研究会

「イマドキ・キッズの遊び場、学び場
 どのようなチルドレンズミュージアム〟を創るか?」

主催:東京大学大学院 BEAT講座
共催:JMMAチルドレンズミュージアム研究会
===================================

10月のBEAT公開研究会は、

「イマドキ・キッズの遊び場・学び場:どのようなチルド
レンズミュージアム〟を創るか?」というテーマで開催
します。

子どもが安全に、そして安心して遊び学べる場所として
チルドレンズミュージアムが注目されています。

本研究会では、JMMAチルドレンズミュージアム研究会
の方々にご登壇いただき、第一部で、近年のチルドレン
ズミュージアムの動向をご報告いたします。

第二部では、「子ども向けのプログラムをいかにつく
るか?」と題しまして、イマドキキッズに求められる
遊びや学びのプログラムや、展示や遊具づくりについ
て語って頂きます。

ハンズオン展示の企画や展示の評価をなさっている染
川香澄さん、ITを活用した展示の可視化技術を開発なさ
っている中井裕輔さんをお招きいたします。

ぜひふるってご参加いただければ幸いです。

企画責任者:
BEATフェロー 中原 淳

===================================

■日時
 2006年10月7日(土曜日)
 午後2時より午後5時まで

■場所
 東京大学 本郷キャンパス 工学部2号館北館 93-B教室
 http://www.beatiii.jp/seminar/seminar-map25.pdf

■定員
 80名

(最近、BEATの公開研究会は〆切前に募集停止に
 なることが多くなっています。くれぐれも、お早めに
 お申し込みください。なお、キャンセルの場合は、
 お手数でもsato@beatiii.jpまでメールをいただければ
 幸いです。一人でも多くの方に席をお譲りしたいと思っ
 ています)

■参加方法
 参加希望の方は、BEAT Webサイト
 http://www.beatiii.jp/seminar/ にて、ご登録をお願いいたします。

■参加費
 無料

■内容

【第一部】

 ●企画趣旨
  pm2:00-pm2:10

  中原 淳(東京大学)
  三上戸美氏(株式会社乃村工藝社・東京大学TREEproject)
 
 ●チルドレンズミュージアムの動向:海外・国内の事例
  pm2:10-pm3:00
  JMMAチルドレンズミュージアム研究会代表
  株式会社乃村工藝社
  齊藤恵理氏
  
 休憩10分

【第二部】

 ●「ミュージアムで深まる子どもの学び」
  pm3:10-pm3:40
  ハンズオンプランニング代表
  染川香澄氏

 ●展示空間を計って、みせる
  pm3:40-pm4:10
  サイエンスコミュニケーター
  中井祐輔氏

 休憩15分

【第三部】

 ●グループディスカッション
  「座っただけでは帰さないから」
  pm4:25-4:50

 ●サバイバルQ&A
  pm4:50-5:30

  メンバー
  ・齊藤恵理氏
  ・染川香澄氏
  ・中井祐輔氏
  ・高橋信裕氏(文化環境研究所)

  コーディネータ
  東京大学
  中原 淳

===================================

投稿者 jun : 2006年9月17日 18:02


英語学習は、ダイエット、栓のない風呂に似てる?

 先日、某大手民間企業で英語教育のサービスを立ち上げている方々とのミーティングがあった。その中で、ある方がおっしゃっていた言葉がとっても印象的だった。

 ---

 英語は、ダイエットと同じなんです。ビジネスモデル的にいえば、「失敗する参加者」によって成立しています。

 なぜ失敗するか?
 その要因のひとつは、習慣形成ができないからですよ。

 コツコツと地道に食事改善するのはつらい。だから人は、どこかに新しいダイエット法ができたときけば、そこにとびつく。それで失敗すると、また違う方法にとびつく。そうやって、いつまでたっても痩せられない。それと同じです。

 ---

 ボイスレコーダをもっていたわけではないので、正確には覚えていないが、だいたいこんな内容だったように思う。

 これは僕の認識とほぼ同じである。
 僕も英語が苦手な一人ではあるけれど、第二言語として英語を使いこなせるようになる、ということは、「ある決まった学習目標を短期的にクリアする」というよりも、「長期的な習慣形成、行動変容をすること」に似ているような気がする。専門家ではないので無責任に言い放つけど。

 以前、日記で書いたけれども、僕がボストンに留学していた頃(すげー昔に感じるぞ・・・)、ある人に、こんな話を聞いたことがある。

 日本人にとっての英語っていうのは、「栓のないお風呂」に、水を入れているようなもの。蛇口から水をだすのをやめたとたんに、英語をすぐに忘れちゃう。

 英語はだからつらい。

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 仮にもし英語の克服が、長期の習慣形成にあるのだとしたら、これをいかにテクノロジで支援できるかっていう問題は、かなりチャレンジングな課題だと思う。

 そして、この技術は応用範囲がとっても広い。長期の習慣形成が必要なのは、糖尿病などの生活習慣病もそうだからね。

 なんか、「クリエィティブの神様」が降りてきそうな予感。

 つーか、週末は休みたいから、火曜日以降に来てくれ。

投稿者 jun : 2006年9月16日 07:38


カラオケ行きてぇ

 ストレスMAX。
 カラオケ行きてぇ。
 剛田武リサイタルやりてー。

 週末に続く。

投稿者 jun : 2006年9月15日 22:34


「待ち合わせ」が失われている

 僕が抵抗を感じることのひとつに、「緩い待ち合わせ」がある。

 「緩い待ち合わせ」とは僕の造語。携帯電話を誰もがもつ時代になって、以前のように「7時30分に、どこに必ず来てね」といったような待ち合わせがめっきり少なくなった。それに引きかえ多くなってきたのは、「じゃあ、7時くらいに新宿で」のような「緩い待ち合わせ」である。

 だいたい7時あたりに現地付近について、あとは携帯電話で連絡をとり、落ち合う場所を決めればよい。どうせ連絡がとれるのだから、「だいたい」でいい。少しぐらい遅れたって、連絡さえとれれば何とかなる。そういう緩慢な態度でのぞむ「待ち合わせ」が増えている。

 広辞苑を引けば、「待ち合わせ」とは、「あらかじめ時間・場所を定め、そこでおちあうようにすること」を言う。その定義からすれば、そもそも、時間も場所も「定まってはいない」という意味において、「待ち合わせ」という行為は世の中から失われつつあるのかもしれない、と思う。

 しかし、僕はこれに、少し抵抗感を感じる。
 何が一番嫌なのか。

 思うに「出会うということ」に関する「安易な態度」が「緩い待ち合わせ」に見え隠れしている、そのことが僕をして、「従来の待ち合わせ」にこだわらせる一因であるように思う。

 僕は「人と人が出会う」ということに関して、きっちり望みたい。決まった時間に、きちんとした準備をして、コミュニケーションをする。

 お互いに、忙しい中、それ相応のコストをかけて、出会うことを意志決定した。そうであるならば、せめて落ち合う場所、時間もあらかじめきっちりと決めて、背筋を伸ばして相手の到着を待ちたい。そういう「儀式としての出会い」を重視したい。
 そして、もし仮に出会えたのだとしたら、何が起こるかわからない世の中で、「今日、出会えたこと」を素直に喜ぶべきだと、個人的には思う。敢えて大袈裟に言うと、そういうことだ。

 「緩い待ち合わせ」は「出会い」の儀式性や意味を曖昧にし、人と出会うことを、メリハリのない「終わりなき日常化」してしまう。そのことが、僕にとっては、どうも「不誠実な感じ」がして好きになれないのかもしれない。

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 嗚呼、説教くさいエントリーになった。
 だが、「じゃあ、7時に東京で」と言われるたびに、僕の心にはそういう思いがよぎる。もちろん、口に出しては何も言わないけれどね。

投稿者 jun : 2006年9月15日 08:36


ワークショップ-偶然をデザインする技術

 CSKの松本さんから、「ワークショップ - 偶然をデザインする技術」という本が出版されたことを教えてもらいました。ありがとうございました。

 商品開発や、マーケティング、広告、コミュニケーション・ビジネス等の企画の現場で、ワークショップが新たな発想法、ミーティングの手法として使われているのだそうです。

 同志社女子大学の上田信行先生には、「ビジネスの現場でワークショップが使われている話」は数年前からお聞きしていましたが、ついに、その流れが本になるほどになったのですね。

 出版元は「宣伝会議」です。新しもの好きの業界なだけに、今後の展開が見逃せません。

投稿者 jun : 2006年9月14日 18:19


知識統合、知識構築、そして知識創造・・・何が違うの?

  今日は学習科学の本読み会でした。国内の学習科学に興味のある方々と一緒に、「The Cambridge Handbook of Learning Science」という本を読んでいます。

 この本、いい本だと思いますよ。これだけハンディに学習科学のすべての知見がまとまっている本、今までなかったのではないでしょうか。もっとも最近では、日本語でもよい本がでていますけれども。

  

 ちなみに、当日研究会で用いたレジュメはここからダウンロードできますので、雰囲気を見てみてください(研究会幹事の三宅君がこのページを制作してくれています)。

ダウンロードはこちら!
http://www.nakahara-lab.net/com.html

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 今日、一番面白かった議論は、Knowledge Integration(知識統合)と、Knowledge Building(知識構築)という二つの概念の違いについて、でした。

 知識統合と知識構築、これらは、学習科学にとっては非常に重要な「鍵概念」ですね。

 言うまでもなく、前者はカリフォルニア大学バークリー校のマーシャ=リンさん(女王)が主張している概念。後者は、トロント大学のマリーン=スカーダマリア&カール=ベライターさんらが唱えています。

 この2つの概念の違い、皆さんでしたら、どのように説明をしますか?
 なんか大学院入試とかにでそうな課題ですね。こんな暗記問題、でないか・・・。

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 まず、「知識統合」に関しても、「知識構築」に関しても、あるひとつの部分に関しては共通しています。なんでしょうか?

 どちらも、「既存の手持ちの概念を、再構成して新たな意味を見いだす」ということから派生した概念だということは、全く変わりません。これが、いわゆる最小公倍数ですね。そして、これは認知心理学のテーゼでもあります。

 ただし、若干の差異がないわけではない。
 「知識統合」には、「既存の手持ちの概念が複数あったときに、それらを一貫して体系的に説明できるようになる」というようなニュアンスがあります。
 それに対して、「知識構築」に関しては、「既存の手持ちの概念にビルドオンするかたちで、新たな意味をつくりだす」というニュアンスが強調されます。

 「うーん、微妙」「えっ、聞き逃したよ、違いは何だって?」っていう「ツッコミ」が聞こえますね。そんなに変わらないわな。でも、違うんだよ。
 そういうものなんです。
 この二つの概念の違いは、いわゆる「家族的類似性」といっていいかもしれないね。「双子みたいに似ているんだけど、ちょっと耳の穴のあたりが違うなぁ」みたいな。
 
 でも、ここからがオモシロイのですが、この「ちょびっとの概念の違い=耳の穴の違い」が、マーシャ=リンさん、スカーダマリアさんらのプロジェクトのキーコンセプトとして取り込まれ、反映されたときには、全く違ったカタチをつくりだしてしまうのですね。
 「コンセプトは似ていても、カタチは違う」・・・これがオモシロイところです。

 マーシャリンさんも、スカーダマリアさんも、どちらも「インターネットを使った議論を通した学び」を実現するプロジェクトをやりました。で、それに類するシステムやコンテンツを莫大な予算をかけて開発した。

 ちなみに、最近、この領域の研究費は、数十億単位です。世界の最先端の研究者たちは、3年間で20億とか、40億とか、そういう単位で研究をしています。もちろん、それを支える人材の豊富さ、評価の厳しさ、など、これに関しては派生するオモシロイ話がいろいろあるのですけれども、それはまた別の機会に。

 さて、マーシャ=リンさんのプロジェクトは、WISEといいます。WISEのキーコンセプトは「知識統合」です。一方、スカーダマリアさんの方は、CSILEですね。こちらは「知識構築」です。

WISE
http://wise.berkeley.edu/

IKIT(CSILE)
http://ikit.org/

 ---

 まず、マーシャさんのWISEのプロジェクトは、「学んでほしいことが決まっている」「子どもが到達するべきポイント」というのが、ポイントかと思います。

 たとえば、「光」が学習内容だったとすると、「光の正しい科学的概念」はこれこれで、これをこの順番に学ぶといいよね、といったような「カリキュラム」がきちんとつくられているのですね。

 カリキュラムがつくられている、ということは、「コンテンツもつくられていること」を意味しますね。つーか、学習目標が設定されていて、カリキュラムが設定されているから、はじめてデジタルコンテンツを「つくることができる」のです。よって、彼女のプロジェクトでは、多くのコンテンツエキスパートたちが、デジタルコンテンツをつくっています。

 子どもたちは、プロがつくった学習の流れに従って、Webのデジタルコンテンツを閲覧し、議論するべき場所では議論を行う。そうでない場所では個別に学ぶ、といった感じで学習を進めます。

 それでは「カリキュラムがつくられている」=「学んでほしいことが決まっている」ということは、評価の際には何を指標にとればいいことになるでしょうか。

 単純明快、答えは「アチーブメント」ですね。
 要するに、どの程度、正しい理解に至ったか、簡単にいえば、どの程度成績がよくなったかを測定します。ちなみに、一般にWISEの学習カリキュラムは、「ミドルレンジやアッパーミドルの成績の子供たち」によく聞くと言われています。 

 ---

 じゃあ、対して「知識構築」のCSILEの方はどうでしょうか。こちらのプロジェクトは、「学ぶべきことが定められていない」「目標が設定されない」というところがポイントでしょう。

 実は、スカーダマリアさん、ベライターさんがCSILEを開発するときに、基底においた思想というのは、ブルーノ=ラトゥールの科学哲学的なお仕事だったのだそうです。要するに、本物の科学者の活動をインターネットを使って子供たちにも体験させたかったのですね。

 「データを集めて、議論をして、知識を生み出し、よい知識が生まれれば、出版する」といったことでしょうか。それを、インターネットというメディアを使って、学校で実現しようとした。

 今日聞いたお話ですけれど、ある先生が、マーシャ=リンさんに「知識統合と知識構築の違い」について聞いたことがあるのだそうです。そのときに、マーシャさんはこう言った、というのです

「知識構築の方は(スカーダマリアさんの方は)、誤概念が最終的に子どもに残ってもいいっていうのよね・・・そこが私たちとは違う」

 これは非常に象徴的な言葉です。

 「本物の科学者の活動」をインターネット上で実現することが、「知識構築」の基底にある考え方です。ご存じのとおり、科学者の活動なんていうものは、99%は失敗。なかなか正しい理解に至ることはありません。これが正しい発見だ!と思っても、その次の日には反証されて、また振り出しに戻る。

 でも、そういう知的な活動を学校の中に実現することが重要だよ、と考えたのですね。それがインターネットを活用する意味だと。

 こういう背景がありますので、CSILEの評価というのは、直に「アチーブメント」にはなかなかなりません。

 「新しいことを生み出す学習に従事できていたかどうか」、もっと作業定義っぽく話せば、「いい問題を思い浮かべるようになったかどうか」ということが評価のポイントになるそうです。ちなみに、経験的には、CSILEのプログラムは、「アッパーとロアーの成績を有する子どもたち」が伸びる可能性が高い。

 研究者がやるべきことも、先ほどのWISEとは違ってきますね。

 WISEの方は、莫大な予算をかけてコンテンツをつくること、カリキュラムをつくることをやりましたけれども、こちらの方は、大きくわけると、コミュニケーションツールを教育現場に提供すること、評価をすること、教員トレーニングや教員支援、ということになります。

 コンテンツはつくりようがないのですよ。だって学習目標がかなりオープンエンドに開かれているのだから。カリキュラムだってつくりようがないのです。まさか、科学者の活動は、カリキュラムに従って行われるわけではないでしょう。

 ---

 うーん、ちょっと今日の話は難しかったかもしれません。

 でも、僕が、ここで言いたかったことは、まずは「知識統合」「知識構築」という2つの概念の違いです。そして、家族的類似性を地でいくような2つのコンセプトが、カタチをもつときには、全く違ったものになるを僕は言いたかった。
 だから、コンセプトワークというのは重要なのですね。

 ちなみに、皆さんでしたら、「知識統合」「知識構築」、どちらにシンパシーを感じますでしょうかね。

 ---

 あと、もうひとつ似た概念がありますよね。
 「知識創造(knowledge creation)」ですね。

 これは学習科学ではなく、経営学が出自の概念ですけれども。
 でもさ、経営学だろうと、学習科学だろうと、知識は知識、学習は学習です。
 さて、この「知識創造」は、上記2つに比べて何が違って、何が同じでしょうか
 こういう思考実験をしてみるのも、オモシロイですね。どうですか、みなさん?

 ちなみに、僕、かつて「知識創造理論」の生みの親の大先生に、ある企業研修所で、お話を伺ったことがあります。今から数年前のことですけれども。

 そのとき、先生は、

「学習ってのは古い手垢のついた概念だ。学習っていうのは行動主義。我々は、学習という言葉を使いたくなかった。だから知識創造という言葉を使った」

 というようなことをおっしゃっていました。

「あのー、行動主義だけじゃなくて、学習の概念にも、いろいろあるんですけど・・・それに、暗黙知とは、そういうものでしょうか?」

 と言いかけましたが、それ以上、僕の話を聞いてくれる雰囲気ではなかったので、それで話は終わりになりました。というよりも、僕に、先生にお話しを聞いて頂けるだけの知識と度量と勇気がありませんでした。そのことが、数年たっても、かえすがえすも後悔しています。あのとき、若気の至りで、つっかかればよかった、と。
 
 で、知識創造って、何?
 僕には、納得いかないこと、たくさんあるけど。

投稿者 jun : 2006年9月14日 06:00


真面目に働いても貧乏から抜け出せない!

 戦後60年、日本の政体、目指すべき方向を暗に決めてきたのは、アメリカと断言しても語弊はないでしょう。日本は常に、アメリカとの距離において、「自国のあり方」を規定しました。それは、翻弄の歴史でもあり、ささやかな抵抗と挫折の歴史でもありました。そのことは、政治学に全くの門外漢の僕が声をあげるまでもなく、多くの論客が既に指摘しており、その論考は枚挙に暇がありません。

 もちろん、政治だけではありません。文化においても、我が国はアメリカより強い影響を受けているのは言うまでもないことです。若者たちの着るTシャツの装飾や、巷間に流布する英語、流行の音楽や映画・・・そうしたものを目にするまでもなく、私たちは日々、日本に居ながらにして、「アメリカなるものの」に囲まれて暮らしています。

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 政治や文化において、わたしたちはアメリカに強く影響されていることは疑いのない事実です。しかし、わたしたちは、アメリカをどの程度理解しているのか・・・そういう問いを投げかけられたとたん、目を伏せる人は多いのではないでしょうか。

 僕個人に関していえば、年をとるに従って、僕は、アメリカという国がわからなくなりました。学生の頃、研究を始めた頃は、憧憬の対象であった国アメリカ。今、僕に、そのようなナイーブさは持ち合わせていません。

 もちろん、時にアメリカに魅せられることを僕は正直に吐露しなければなりません。しかし、同時に、現在の僕にとってのアメリカは、決して「後追いしてはいけない国」「前近代的な国」というイメージがつきまとっていることも、また事実なのです。

 相変わらず、僕には、アメリカがわかりません。しかし、同時に思うのです。アメリカを過剰に美化するのでもなく、いたずらに歪めるのでもない、等身大のアメリカを何とか見つめられないものか。

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 矢口祐人・吉原真理著「現代アメリカのキーワード」を読みました。現代アメリカを理解するための81のキーワードを選定し、そのひとつひとつに関して、数ページずつ解説を試みています。

 著者たちは言います。

「アメリカに関する情報は大量に流通しているものの、私たちのアメリカ理解は今日なお、一面的、表層的、さらには因習的でさえある。(中略)9.11同時多発テロ以降、アメリカ社会に起こった深刻な変化を視野にいれ、超大国の現状を最新の情報と明快な分析で提示する」

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 僕が、個人的に興味深かったのは、下記のようなキーワードでした。

 ●摂食障害:
   米国の27%の男性は肥満。女性は34%が肥満。
 
 ●バーバラ・エーレンライク:
   最低賃金で人は生きていけるのか?

 ●ノラ・ジョーンズ
   9.11以降の歌姫

 ●マイケル=ムーア
   ウソの大統領よ、恥を知れ

 ●ヒップホップ:
   ヒップホップの4つの構成要素とは

 ●ゲイテッド・コミュニティ:
   高い堀に囲まれた、安全・安心の郊外<富裕層の街>

 ●健康維持機構:
   営利主義によって、医療の質はどの程度下がったか?

 ●No child left behind
   教育行政組織の変容

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 これらのキーワード、すべてご存じですか?

 特にバーバラ・エーレンライクの著作は、すぐにでも原著を注文しようと思っていたのだけれども、今日、新聞を読んでいたら、なんと、翻訳が出版されるのですね。

 この著作は、1998年から2000年にかけて、エーレンライクが3つの年で「最低賃金レベルの職、ウェイトレス、ハウス・クリーニングなどを得て、本当にその収入で生活していけるのか」を、自ら実験してみた本です。「自動車絶望工場」を彷彿とさせるような、渾身のエスノグラフィーだね。

 自動車絶望工場は、著者の鎌田氏が某自動車会社の組み立て工になって、ベルトコンベア作業に従事した話です。「ベルトコンベアは、そばで見ているときと、実際に自分で作業をするときでは、スピードが違う」という記述が印象的な著作です。ジャーナリスティックな視点で書かれてはいるけれど、人によっては組織エスノグラフィーの代表作にあげる人も多い本ですね。

 話を元に戻します。

 エーレンライクは、捨て身のエスノグラフィーの結果、アメリカでは時給7ドル程度の賃金で自立した生活を送ることは不可能であることを明らかにしました。

 低賃金では、アパートが借りれず、多少割高になっても安ホテルを転々とするしかないのです。
 また自動車が購入できないため、仕事にも行くこともままならない。
 もちろん、病気になっても保険はない。倒れたら、OUTです。
 ひとつの仕事では収入が確保できないから、2つ掛け持ちして、体をこわしたり、逆に生産性が低くなったりする・・・まだ読んでないから詳細はわからないのですが、上記のような内容が力強い筆致でかかれているそうです。
(p79より引用、加筆)
 
 「一生懸命に働くことが成功の鍵だと聞いて私は聞いて育った」とエーレンライクは言う。だけれども、現状ではどんなにまじめに働いても、貧困から抜け出せない人々が多数いる。
(p79より引用)

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 世界の「富」を独占する超大国アメリカ、これは紛れもない事実です。しかし、その見方すら、アメリカの一側面を表しているにすぎない。

 アメリカには複数のペルソナがあるのですね。エーレンライクの著作からは、アメリカの隠されたペルソナが見て取れます。

 本書の81のキーワードを通して、わたしたちは、アメリカの一側面を新たに発見するでしょう。しかし、おそらくは同時に「アメリカを理解することは不可能だ」ということを再認識せざるをえないことになるでしょう。その意味で、本書は我々を「絶望」させる。

 しかし、絶望とは希望のことです。僕に言わせれば、「アメリカのことを完全に理解したとうそぶき、得意げに語れる人」は、アメリカを全く理解してはいません。

 「アメリカを理解できないと悟ること」が、アメリカ理解の第一歩であり、本書のめざすところだったのではないか、と思ったりするのです。

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追伸.
 ここ数ヶ月、このサイトの、一日のユニークな訪問者数は2200人、18000ヒットくらいでした。が、この数日、急にユニーク訪問者数が3200人になりました。どこかで晒されて、「祭り」になっているのではないか、とドキドキしています。怖えー。

投稿者 jun : 2006年9月13日 09:52


なりきりEnglish!、ロゴが決まった

 今年から我が研究リソースを最大限ぶち込んでいるプロジェクト「なりきりEnglish!」のロゴが決まった。「なりきりEnglish!」は、企業で働く社会人を対象にした、全く新しい発想でつくられた英語リスニング教材。

narikiri_logo.jpg

 ロゴに関しては、いくつもの案をスパイスワークスさんから頂いていた。どれも素晴らしいものだったが、最終的には、ターゲットユーザである社会人に訴求しやすいであろう、ということで、これに決定させていただいた。

 なりきりは、現在のところ研究開発メンバーは20名弱。10月6日のプレテスト(形成的評価)に向けて、開発を加速している。

 特に、三宅まさき君、鈴木まりおさん、大房さん@光学姉妹が中心となって、10月の韓国ロケの日程を組んでくれている。また、山田さんはシステム開発、島田さん、ハリソンさんはコンテンツ開発、そしてスパイスワークスさんにはプログラミングで尽力いただいている。一方、北村君は形成的評価のプランを練っている。

 数ヶ月は僕らの頭の中にしかなかったものが、次第にカタチになってきた。

narikiri_system.jpg

 この瞬間があるから、僕は、教育工学(手を動かす教育学)をやっている。
 自分の考える「教育」や「学習」が、カタチづくられ、この世に生まれいづる瞬間・・・それを目にし、手にするときの快感が、いつも忘れられない。

 僕は中毒かもしれない。

投稿者 jun : 2006年9月12日 22:36


妊婦が副流煙吸ってどうする!

 先日、実家の両親と逢ったとき、衝撃的な会話を耳にしました。
 
---

母:淳(僕のこと)が、まだ私のお腹の中にいて「つわり」にだったとき、何でか知らないけれど、タバコの煙が「好き」になっちゃって、お父さんの吸ったタバコの副流煙をよく「もらって」たわ。

父:そうだったなぁ。タバコの煙をちょーだい、ちょーだい、といつも言っていたなぁ。お母さんは、よく副流煙吸ってたよなぁ。

母:そんなことがあったから、淳は、高○生の頃、タバコが好きだったんだわ。

父:・・・そんなんだから、淳は喘息になったんじゃないか?

母:・・・・

---

 おいおい・・・これ聞いて、僕はハニワ顔になっちゃったね。

 「つわり」の頃は、確かに「変なもの」を好きになるというけど、「タバコ」はないだろう。タバコは発達障害を引き起こすんじゃなかったっけ? つーか、オヤジ、止めろよ。

 妊婦が「副流煙」吸ってどうする!

 喘息は絶対に、そのせいじゃねーか。しかも初耳だぞ。都合が悪いことだから、今まで30年間黙ってたな!

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 ・・・よく、オレ、育ったよなぁ。
 エライぞ、自分。

投稿者 jun : 2006年9月12日 09:56


ジョン=デューイの言葉

 英語論文をシコシコと読んでいたら、ジョン=デューイの言葉が目にとまった。

 Education is not preparation for life
 Education is life itself

 しびれるねー。

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 もう一発、名言シリーズだ。今度は、心理学者ウィリアム=ジェームスの言葉。

 人生が生き抜くに値するかどうかは、生きてみなければわからない

 そうだな。
 ピーピーとゴタク並べる前に、まずは動け!>自分 

投稿者 jun : 2006年9月11日 18:56


寄付金

 名古屋の私大、南山大学に180億の寄付金があった模様です。

南山に180億円寄付
http://www.chunichi.co.jp/00/sya/20060908/mng_____sya_____004.shtml

 あるところにはあるのだねぇ・・・。日本も、アメリカ並みにフィランソロピーが活発化してくるのでしょうかね。

投稿者 jun : 2006年9月11日 08:00


人を押しのけるオヤジ

 今日の僕は怒っている。
 たいしたことではないのだが、久しぶりにムカッときた。

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 というのは、飛行機が着陸して駐機場に入ったときに、必ず、こんなアナウンスが流れると思うんです。

「飛行機が完全に止まるまで、まだ席は立たないでください」

 で、飛行機が止まるよね。一斉にお客さんが荷物の出し入れを行う。そしたらさ、絶対一人か二人、猛ダッシュをかけて、前に前に無理矢理行こうとするオヤジがでてくるんだ。つーか、これが許せん。

 だって、猛ダッシュかけても、わずか数メートルだよ・・・。ちょっと振り向いたら、後ろの人に追い越されるくらいの距離しか、前に行けないのです。所詮頑張っても。たかが、それだけなのに、なんでオレが「タックル」食らわされなきゃならんのじゃ。痛てーんじゃ、ボケ。思わず口にでてしまったわ。

 そりゃ、具合が悪いとか、ウンチョス漏らしそうとか、トランジットがあるとか、理由があるなら、僕も何も言いません。だけど、だいたいそんなんじゃないんです。だって、飛行機を降りたら、ユーユーと歩いてるからね。

 人を押しのけて、少しでも前に行きたい。それだけでも、まぁ迷惑です。
 でも、そんだけ無理したくせに、稼いだ距離があまり意味がないってことに気づいてない。つまり、行為の経済的合理性に対して鈍感なことに、さらにハラがたつ。

 ---

 これね、車乗ってても同じよ。信号変わったら、猛スタートかける奴いますね、キュルルルルルとかタイヤをならして。ひどいときには、車線変更してオレのレーンに入ってくる。僕はそういうのは好きじゃない。

 オマエは「セナ」か?、このタクランケ。

 だって、次の信号で引っかかるんだから、絶対に。なんぼ頑張っても、時速40キロで走っているオレの車の、数メートル前に、そいつ、絶対にいるんだもん。て、信号変わったら、またやってやがんの。

 あのね、まわりに迷惑なだけじゃなくて、地球にも迷惑なんだ。グローバル迷惑野郎だね。

 燃費も悪いし、エコじゃないよ、そういうの。
 今度から気をつけてね・・・プンプン。

投稿者 jun : 2006年9月10日 21:40


マクドナルドの食育サイト

 朝日新聞にマクドナルドの食育サイトがのっていた。

食育の時間
http://www.chantotaberu.jp/

 時間がないので、あとで見よう。

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追伸.
本日から日曜日まで、所用によりメールチェック等の頻度が落ちます。あしからずご了承下さい。あー、これから羽田だ。

投稿者 jun : 2006年9月 8日 08:02


ヘンリー・ミンツバーグ:MBAが会社を滅ぼす

 ヘンリー・ミンツバーグ「MBAが会社を滅ぼす」が翻訳されていることを知った。僕自身は、数年前原著で読んだが、センセーショナルな内容は記憶に新しい。

おー、もう2年前かよ・・・ミンツバーグとミーハーな僕
http://www.nakahara-lab.net/researcheressay08.html

「ダメな会社ほど、MBAホルダーが多い」
「業績不振の米国企業のエグゼクティブでMBA取得者の比率は90%」 
「業績好調の米国企業のエグゼクティブでMBA取得者の比率は55%」

 とのっけから、ミンツバーグは「米国流ビジネススクール」にケンカをうる。泣く子も黙る経営学の重鎮が(ハーヴァード系とはあわない)、経営教育を批判するから、非常に説得力がある。内部からの批判の価値は重い。

 「マネージャは一体何をしているのか?」という問いに答えるため、経営者の「追っかけ」をやっちゃった彼の出世作「マネージャの仕事」のときもそうだけれども、彼のリサーチクエスチョンは、いつもシンプルだ。

「MBAで学んだことが実務で役に立つのか?」
「MBAホルダーは、すぐれた経営者になれるのか?」

 答えはすべて「NO」である。

 ミンツバーグによると、MBA教育は誕生して50年を過ぎている。しかし、それは変革を求められている。ビジネスパーソンが何をきっかけに、どのような介入によって、何を学ぶのか。すべては学習の原理から根本的に、かつ一貫したかたちで変えなければならない。

 最後には、ミンツバーグの行っているMBAプログラム「IMPM(International Masters in Practicing Management)」が紹介されている。

 ---

 本書で検討されていることは、MBA。学ぶ内容は経営学である。しかし、やや想像力を豊かに働かせて、教育のことを振り返ってみれば、彼の指摘の多くは、教育関係者にとっても、有益だと思う。

 現在、米国のGraduate school of Educationを下敷きに、日本でも教職大学院がつくられようとしている。すべてを並列に論じることは当然できないけれど、今一度、ミンツバーグの叫び!?に耳を傾けてみるのもよいかもしれない。

 ---

追伸.
「役にたつ」には、いろいろな「役に立ち方」がある。僕自身の考えを述べれば、MBAで学んだ知識が全く役に立たないというのはウソだと断言する(もちろんそんなことはミンツバーグはわかっている)。「すぐれた経営者になれるか」と問われると、そんなわけはない。そもそも「MBAホルダーがすぐれた経営者になれるか」という問いの建て方自体に問題がある。少し弁護したい気持ちにもなる。

  

投稿者 jun : 2006年9月 8日 05:00


【募集中】教育工学会ワカモノたちの宴会!

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日本教育工学会
ワカモノタチの大宴会 2006
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 今年もこの季節がやってまいりました!
 例年100名前後という多くのワカモノにお集まり
いただき、大盛況の「ワカモノタチの大宴会」を、
今年も企画致しました。
 今年も学会の懇親会直後に開催いたします。

 参加をご希望の方は、下記URLのフォームに必要
事項を記入いただき、9月29日(金)までに参加登
録してください。

http://www7.ak.cradle.titech.ac.jp/~wakamono/

会場準備の都合上、〆切をお守りいただけると
幸いです。

 なお、このメールを皆さんのお近くの興味・関心
のある方にご転送いただければ幸いです.

皆様にお会いできるのを楽しみにしております。
どうかよろしくお願い致します。

本企画についてのお問い合わせは,
jset2006enkai@murakami-lab.orgまでお願い致します.

幹事:村上正行

---
●日時 :11月4日(土)21:00~23:00
 
●予算 :有職者4,000円 学生2,500円
     (有職者の定義は,”所得税を納めているもの”です) 
 
●コース:料理8品(飲み放題付き)
 
●団体名:教育工学会ワカモノタチの大宴会
 
●備考 :100人で2Fフロア貸切
 
●会場 :酔虎伝 高槻店
     http://www.hotpepper.jp/s/H000023854/top.html
 
●〆切 :9月29日(金)
 
●申し込み方法:
下記URLのフォームに必要事項を記入いただき,参加登録してください.
http://www7.ak.cradle.titech.ac.jp/~wakamono/
申し込んだ後,確認メールが送られてきます.
 
●参加資格
 自称ワカモノ!であればOKです.
 教育工学会がはじめてでお友達がいない、という方も
 是非、ご参加下さい。きっと知り合いがぐんと増えます。
 
 
会場への移動は懇親会終了後,JR高槻駅行きの
臨時バスが出ると思いますので,そちらに乗って
頂く形でよろしいかと思います.JR高槻駅から会
場までは徒歩5分程度です.

23:00終了予定ですが,最寄のJR高槻駅・阪急高槻
市駅ともに会場から徒歩5分程度で,24:00までに
電車に乗れば大阪(梅田),京都(河原町)までは
確実に帰れます.

 なお、ワカモノの大宴会は有志のボランティアに
よって運営されています。不手際などあるかと思い
ますが、ご理解いただければ幸いです。

(以下、敬称略)

■会場予約
 坂田(関西大)
 渕 (関西大)

■会計・総務
 舘野(東京大)
 三宅(東京大)
 大山(立命館)

■誘導等
 山田(東工大)
 中原(東京大)
 稲垣(東北学院大)
 寺嶋(長崎大)
 望月(東京大)
 重田(大阪大)
 奥林(大阪大)
 中澤(大阪大)
 大浦(東工大)
 渡辺(東工大)

■代表
 村上(京都外大)

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投稿者 jun : 2006年9月 7日 13:19


再訪:はこだて未来大学

 1ヶ月ほど前のことになりますが、久しぶりに、「はこだて未来大学」に訪問させていただきました。

mirai.jpg

 この大学は、学部時代の先輩の美馬のゆりさんが開学に関与していた関係で、その当時から僕にも、「少しの縁」がありました。美馬さんからのご依頼で、ほんのちょっぴりだけ、はこだて未来大学開学のお手伝いをしていたのです。

 開学前には、教員就任予定者たちが集まったワークショップなどが開催されたのですが、その様子をビデオ撮影し、記録に残したりしたこともありました。学生アンケートなどを集計・分析したこともありました。

 開学前のワークショップでは、「どのような大学教育を実現するのか」「カリキュラムはどうするか」ということに関して、教員たちが夜遅くまで熱心に議論していました。この様子は、当時、学生だった僕には驚きでした。「新しい大学を立ち上げる」というのは、こういうことなのだ、といたく感じ入ったことを覚えています。

 またその後も、共同研究の関係で、函館で会合を開きましたので、何度かはおじゃまさせていただいていました。
 ただ、その後、美馬のゆりさんが日本科学未来館の副館長に就任し、同じく、未来大学に着任なさっていた、先輩の刑部育子さんがお茶の水女子大学に移ってからは、しばらく訪問の機会がありませんでした。

 それから6年・・・

 久しぶりに、はこだて未来大学を訪れたのですが、強烈な教育思想が埋め込まれた空間は今もなお健在でした。
 プロジェクト学習を中心にすえたカリキュラム、そして、そうした授業を支える開放的な空間は、どこか、マサチューセッツ工科大学のメディアラボのような雰囲気を持っています。

 ただ、一歩、その場にはいったときに、6年前と唯一違った感覚を、僕は、肌で感じたことを吐露しなければなりません。

 キャンパス全体に、どこか、よい意味での「生活感」が漂っているような気がしたのです。キャンパスに学生が「根付き」、学びの場として日々動いている感覚というのでしょうか。「しっくり」くる感覚というのでしょうか。今に比べて、昔はもっと環境がトゲトゲしていたように思ったのです。

mirai2.jpg

 何をもって、そのような感覚を覚えたのか。これを訪ねられても、凡庸な僕には、ウマイ言葉で形容することはできません。しかし、学生たちの使う机、掲示物、プロジェクトルームのイス、ガラス張りの教員研究室・・・あらゆる場所に、かつてはなかった「ヴァナキュラーなもの」を感じたのです。

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mirai4.jpg

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 キャンパスは、生まれたばかりのときは、まだ「建築物」なのかもしれないな、と思うのです。どんなに先鋭な思想をもってしたキャンパスであっても、産声をあげたときには、それは「建築物」にすぎない。

 しかし、そこに集った学生と教員が長い年月をかけて知的生産を行います。そこでは、いろいろなモノがつくられ、蓄積されます。また、掲示物が張られ、モノの配置が、彼ら自身がよいように変えられる。
 そうしたプロセスの中で、彼ら自身が、その場を「学びの空間にしたてあげる(tailor)」のかもしれないな、と思うのです。

 ロラン=バルトはかつて「作品の死」「作者の死」を高らかに宣言しました。彼は、読者と作品の相互作用性により意味が立ち上がる空間を「テクスト」とよびました。
 それと同じように、キャンパスもテクスト的な3D空間も見なせるのではないかと思うのです。それは学生、教員に解釈され、作り替えられ、インタラクションやアーティファクトが蓄積し、学習者にとって「しっくり」くる空間に仕立て上げられるのではないかと思うのです。ボーヴォワール風に言うならば、「キャンパスはキャンパスになるのだ」ということになるでしょうか。

 はこだて未来大学は、今日も日々変わり続けているのだと思います。
 次に訪問するときが愉しみでなりません。

投稿者 jun : 2006年9月 6日 06:00


BiO Cafeの「きな粉ベーグル」

 他人にとってはどーでもよいことでしょうが、我が家の朝は、ヨーグルトとベーグルからはじまります。もう5年以上、このようなかたちが続いているんですね。

 よー、飽きもせず、毎日毎日同じものばかり食べているね、と我ながら思いますけど、いったん確立された習慣というのは恐ろしいものです。いざ変革しようとすると、かなり勇気がいるのですね。

 まさにホメオスタシス。昨日のように今日もかくありたい。今日あるものは、明日もある。人々の願いとは、そのようなものなのです。

 ただ、ベーグルは毎日食べるものだけに、たまには少し味の違ったものを求めたくなることも、これまた事実です。
 いつもは、近くのパン屋さんチェーンで売っている「労働者のベーゴー」なのですが、たまには「セレブなベーゴー」を食べたくなるのだね。時に「変化」を欲する。プチ贅沢を体験したくなるのです。

 先日、渋谷にいった際、ちょっと話題になっているレストラン「BiO Cafe」に出かけました。

BiO Cafe
http://www.biocafe.jp/

 お店はスペイン坂にあります。喫茶店「人間関係」とスペイン料理屋「びいどろ」のある通りです。たぶん、すぐにわかると思うけど。

 BiO Cafeは、「食べて綺麗になる」がコンセプトのオーガニックカフェです。たぶんメインターゲットは20代、30代の女性ではないかな。店内には、一見モデル風の綺麗なお姉さんがちらほらと発見して、意味なくウキウキしてました。もちろん、カミサンの冷たい視線をカラダいっぱいに浴びながら(笑)。

 ベーグルは、帰りにテイクアウトしました。で、かなり不思議なベーグルに出会ったのだね。「きな粉ベーグル」「かぼちゃベーグル」とかね。で、買っちゃった。

 ---

 次の日の朝、早速食べます。

 感想としては、今まで食べたどのベーグルよりもモチモチ感がありました。1個食えば、かなり満足といった感じです。
 きな粉ベーグルなどは、当初「脳天とろけるほど甘いんじゃねーか」と思っていたのですが、砂糖がまぶしてあるわけではないので、非常にシンプルなお味でした。うまい。

kinako.jpg

 値段は、ベーグル1個で220円くらいです。ですので、ちょっと高いかな、という感じですね。でも、あのモチモチ感とボリュームから考えれば、割安感があるような気がしますけれども。少なくともハラモチはよい。

 ---

 今度は、どこのベーグルを買ってこようか、と話しています。密かにねらっているのは、「ディーン&デルカ」「ボンラスパイユ」なのですけれども。どこかおすすめはありますか?

 時々朝から繰り広げられるベーグル批評が、僕の「ささやかな愉しみ」であったりします。

投稿者 jun : 2006年9月 5日 17:00


Learning bar@Todai : 大人の学びのワークショップ

Learning bar@Todaiでは、「大人の学び」にフィーチャーした機会を、ご提供いたします。上田信行先生、佐藤優香先生をお招きして、

1) 大人を対象にしたワークショップの理論的背景
2) 大人を対象にしたワークショップのつくりかた
3) 大人を対象にしたワークショップの事例

 について全員で考える機会を持ちたいと思います。
 既存の学習に対する考え方が変わります。

 ふるってご参加いただければ幸いです。

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on learning bar ‐ toward a developmental
psychology of beautiful intelligence

Learning bar@Todai 2006年9月22日
スペシャル企画

===================================================

 2006年9月のLearning barは、スペシャル企画として
日本一の「炎のワークショッパー」をお招きします。

 Learning Art、Playshopなどの先進的なワークショ
ップを実施している上田信行先生、佐藤優香先生を
お招きして、「大人の学び」についての理解を深めたい
と思います。

 具体的には、

1) 大人を対象にしたワークショップの理論的背景
2) 大人を対象にしたワークショップのつくりかた
3) 大人を対象にしたワークショップの事例

 などを中心に、参加体験型の機会をご提供いただける
ものと思います。
 一方向的な講義が行われるのではありません。
 意味を見いだし、構成するのは<あなた>です。

 新しい学びの手法、として、ワークショップを教育実践現場で
活用することに関心がおありな方に、ふるってご参加いただ
ければ幸いです。

Learning Art
http://www.learningart.net/

Playful
http://www.crn.or.jp/LIBRARY/EVENT/PLAYSHOP/CONCEPT/index.html

上田信行先生
http://www.dwc.doshisha.ac.jp/research/data/811.html

佐藤優香先生
http://www.minpaku.ac.jp/staff/satoyuuka/


企画:森 玲奈
責任者:中原 淳

---

●日時
 2006年9月22日 午後6時 - 午後9時

●場所
 東京大学大学院 情報学環 山内研究室
 http://blog.iii.u-tokyo.ac.jp/ylab/contact.html

●参加費
 軽食を用意いたします

 社会人(所得税を支払っている人) 1000円
 学生 無料

●参加申し込み
 氏名、ご所属等を明示のうえ、下記までメールを
 ください。準備のご都合がありますので、キャンセル
 の際は、必ず事前にご連絡をいただければ幸いです。

 問い合わせ先:atusaka [at mark] educetech.org
 (坂本)


●懇親会

 上田先生、佐藤先生をお招きして、研究会終了後、懇親会を
 開催いたします。当日参加希望をとります。
 ぜひ、ご参加ください。

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投稿者 jun : 2006年9月 4日 23:40


社内改革は可能? 結婚した方がいいの?

 若さとは自分が「何一つ知らないこと」を知らないでいられる期間である。

 そんな若者に、「歩く全身豆知識」と異名をとっている!?内田樹氏が「大人の理屈」「大人のものの考え方」を惜しげもなく披露するのが、本書であろうか。

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 社内改革って可能でしょうか?
 フリーターの一体どこが問題でしょうか?
 結婚ってした方がいいのでしょうか?
 バレンタインのチョコがもらえないのですが、この後もずっとでしょうか?

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 こんな若者の問いに対して、あなたならどう答える?

 「一笑に付すこと」「感情的な断定を行うこと」は誰にでもできる。問いが単純なだけに、そこに理屈を見いだし、説得することは、とても難しい。内田氏の回答には、ほほーと考えさせられるものが大変多く、勉強になった。あまりある現代思想の知識をもつ筆者の言うことは、さすが、違う。

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 次に質問。

 構造主義って何ですか?

 と聞かれたら、あなたならどう答えるだろうか。
 多くの人は、

「構造主義・・・ていうからには、構造が重要なんだよなぁ・・・そうだよ、そうに決まってるよね」

 とモゴモゴしてしまうのではないだろうか。

 これに明快に答えるのが、同じく内田樹氏の「寝ながらわかる構造主義」である。本書では、ミシェル・フーコー、フロイト、バルト、レヴィストロース、ラカンについて、「寝ててもわかるよう」に、彼らの一番言いたかったことを解説している。

  

 構造主義の思想は、現代を生きる私たちの言説空間、日々の語り口を、今もなお強く支配している。たとえば私たちは日々の会話の中でよく

 「物事の真偽は、人の見方や状況に応じて変わる」

 に類することを述べたりするが、この紋切り型のセンテンスも、また構造主義の知的潮流に属するものである。

 僕個人の感想で言えば、ヴィゴツキーやピアジェといった教育・学習に強い影響を与えた心理学者たちの「発想」と、ミシェル・フーコー、バルトの思潮とのあいだに関連性を感じたりしながら、本書を読んだ。知的にエキサイティングな時間だった。

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 この2週間ほど、自宅のベットの周囲は、内田樹氏の著作で埋め尽くされている。残り数冊で、その旅ももう終わろうとしている。結構、悲しい。

    

    

投稿者 jun : 2006年9月 4日 07:26


横森理香 「地味めしダイエット」

 カミサンに勧められるがままに、横森理香さんの「地味めしダイエット」を読みました。

  

 働きづめに働き、ストレスのため大食・大酒を繰り返していた彼女は、当初、巷に溢れる様々なダイエット方法、サプリメント、エステなどをすべて試したそうです。しかし、どれも長続きせず、失敗してしまった。

 結局、彼女が到達した境地は、「シンプルで、ロハスな食事」を根気よく続け、健康を取り戻す、という方法でした。一見、地味ではあるけれど、そういう食事を続けることができるように、「自分の生き方を根本から変えていく」ことが重要だ、と彼女は説きます。

 本文中にでてくるマクロビオティックあたりの記述は科学的なエビデンスがなさそうに見えるし、お買いものの場所として、高級スーパーマーケットの「紀伊国屋」「ナチュラルハウス」を連発するあたりは、世の中の主婦の反感を買いそうではあるけれど、彼女の主張は全く同感です。

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 痩せるということは、対処療法的にスポクラにいくだとか、タブレットを飲むだとか、そういう短期的な方法では、なかなか実現されないと僕は思うのです。仮に一時期うまくいったとしても、必ずリバウンドすると思うのですね。
 痩せるということは、「痩せる状態が維持できるように、自分の生き方そのものを変えること」なのです。

 かつて・・・とはいっても、6年ほど前のことですが、禁煙と結婚で僕は一時は90キロまで太ったことがあります。いわゆる、ナインティーズだね(笑)。そこから、努力して、60キロ中盤まで半年かけて痩せました。で、今も、それをずっとキープしています。

 今は、別に無理はしていません。一時期の急性的なダイエットの段階を終え、現在の体重を安定的に維持しています。

 そして、このダイエットで僕自身が学んだことは、彼女の言いたいことと符合するのですね。
 ダイエットとは、それまでの自分とは、違ったものの考え方、違った生活のリズム、違った価値観をつくらない限り、なかなか痩せることは難しいと思うのです。さらに言うならば、そうして築いた新しい自分が、「他者のまなざし」にさらされ、賞賛を浴びない限り、なかなかダイエットは成功しません。

 僕に言わせれば、横森さんがダイエットに成功できているのは、この本を出版し、かつ、世の中から程度の評価を受けたからだと思うのですね。他者からの評価を受けて、その評価にあうように自分を変革するっていうメンタリティは、ありがちだと思う。あとには引けなくなる、とも言うかもしれないけど。

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 話は変わりますが、ここ数ヶ月、思うところがあります。

 僕はダイエットには成功しているのですが、自分が「健康ではないこと」を、最近自覚しつつあります。彼女の言葉でいうならば、僕は「仕事に飲まれ」、気づかぬうちに健康を失いつつある人間のひとりであるようにも思うのです。

 常に緊張していて眠りは浅いですし、肩も腰もモビルスーツのように硬い(モビルスーツ着たことないけど)。ふだんから胃は痛いですし、目はどんどんと悪くなっています。体調が優れないことも、結構多い。あと、最近では、あまりの雑事の多さに「物忘れ」がひどくなってきました(ボケ?)。

 このところ、複数の整体師から、このまま行けば「将来は腰が曲がります」「骨格がゆがんでいます」という警告を受けました。言いたいこといいやがって(笑)。
 僕は恐がりなので、人間ドックなどの検査には、年に2回行っています。でも、そんなに検査をしなければ安心できないことに、少し病的なものを感じていることも事実です。

 そろそろ、生活を根本から見直す必要があるのかもしれません。生活だけではなく、仕事のあり方、価値観、すべてを見直さなければ、人はなかなか変わりません。

 キャリア論の用語に、「キャリアドリフト」「キャリアアンカー」という言葉がありますね。「キャリアアンカー」も「キャリアドリフト」も病とは関係ない概念なんだけど(笑)、仕事のあり方を見直すという意味では、僕にとっては、今が「キャリアアンカー」、つまりは「節目」なのかもしれません。なんだかその割には、そんなに「よい仕事」ができていないことに焦燥感を感じているのも事実なのですが・・・。まぁ、今が「いい機会」なのかなぁ。

 ちょっと最後は湿っぽい話題になってしまいました・・・ごめんなさい・・・。

 まぁ、でも、こういう悩みを持っている人は、僕以外にも数多くいると思います。我が家でも、カミサンはかなり気をつかっていろいろ配慮してくれていて、最近は、新たな日々をエンジョイしつつあります。
 シンプルではあるけれど、オシャレかつリッチにという「横森理香風の生活改善」ではなかったとしても、まずは一番身近な「めし」から見直すというのは、悪いことではないとは思うのですね。まずはできるところからね。

 まぁ、長い視野にたってエンジョイしようと思います、楽しまなければね。

  

投稿者 jun : 2006年9月 2日 19:12


大学院合格発表

 本日、情報学環の大学院合格発表が2時に行われました。中原研究室には、来年度、2名の修士学生が入学してくることになりました。おめでとうございます!

 早速ですが、合格なさった修士の2名の方は、中原までメールをいただければ幸いです。連絡先等を教えてください。

 いやー、めでたいね。
 受け入れの準備もしなくては。
 

投稿者 jun : 2006年9月 1日 17:08


Learning bar 9月 スペシャル企画

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「on learning bar ‐ toward a developmental psychology of
beautiful intelligence

Learning bar@Todai 2006年9月22日
スペシャル企画
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 2006年9月のLearning barは、スペシャル企画として
「炎のワークショッパー」をお招きします。

 Learning Art、Playshopなどの先進的なワークショップを
実施している上田信行先生、佐藤優香先生をお招きして、
「大人」の学びについての理解を深めたいと思います。

Learning Art
http://www.learningart.net/

Playful
http://www.crn.or.jp/LIBRARY/EVENT/PLAYSHOP/CONCEPT/index.html

上田信行先生
http://www.dwc.doshisha.ac.jp/research/data/811.html

佐藤優香先生
http://www.minpaku.ac.jp/staff/satoyuuka/

 ぜひ、ふるってご参加下さい!

企画:森 玲奈
責任者:中原 淳

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●日時
 2006年9月22日 午後6時 - 午後9時

●場所
 東京大学大学院 情報学環 山内研究室
 http://blog.iii.u-tokyo.ac.jp/ylab/contact.html

●参加費
 軽食を用意いたします

 社会人(所得税を支払っている人) 1000円
 学生 無料

●参加申し込み
 氏名、ご所属等を明示のうえ、下記までメールを
 ください。準備のご都合がありますので、キャンセル
 の際は、必ず事前にご連絡をいただければ幸いです。

 問い合わせ先:atusaka [at mark]educetech.org
 (坂本)


●懇親会

 上田先生、佐藤先生をお招きして、研究会終了後、懇親会を
 開催いたします。当日参加希望をとります。
 ぜひ、ご参加ください。

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投稿者 jun : 2006年9月 1日 00:05