パセリ

 居酒屋やレストランで、料理の付け合わせにでてくる「パセリ」を食べてはいけない!

 大学時代、居酒屋でもレストランでも、バイトをしたことがあるのに、そんな基本的な知恵を僕は知らなかった。

「パセリは、味は苦いけど健康によい食べ物である」と思いこみ、いつもそれを食べていたのである。

 それでは、なぜ外食時にだされるパセリを食べてはいけないか?

 答えは簡単、シンプル、クリアである!
 外食ででてくるパセリは、汚い可能性が高いからである。それは、何度も何度も、使い回されていることが多いそうなのである。いや、確信があるわけじゃない。すべてのパセリがそうではないかもしれない。でも、そういう可能性があることは間違いない。

 というのも、パセリは苦い。故に、食べる人もそれほど多くない。よって、店としてはパセリを「デコレーション」と割り切って、もし手がつけられていない場合、何度か使い回すことが多いのだそうだ。

 このことを知ったのは、つい先日、カミサンの友人たちと新宿で食事をしたときである。僕がパセリを食べようとしたら、そのうちのひとり - 彼女の名前はカンチャン - に「じゅんくん、パセリ食べたらダメだよ」と言われて、はじめて知った。

 聞くところによると、カンチャンは学生時代、レストランのでバイトをしていた。そのレストランでは、もしパセリが残っていたら、よほどシナシナになっていない場合、何度でも使いまわしたそうだ。

 ソースや調味料などで汚れていた場合は、ジャジャッと洗剤水で洗っていたというのだから驚きである。

 でも、そういう蛮行はカンチャンの働いていた店だけかもしれない。「本当のところは、どうなんだろう?、どこでもパセリは使い回しているのだろうか」ということで、彼女が店の店員さん(アジア出身の男性で、日本語が片言)に聞いたら、驚愕の返答が!

カミサン友人「パセリ、何度も使うことありますよね?」
店員「はい、あります、It's just decoration.」

 この返答には、思わず尾てい骨が砕けて、ウン○が垂れ流しになりそうになった。怒りを通り越して、あきれてしまった。

 今まで僕がパセリを食べてきた飲食店をひとつひとつ思いだし、文句を言いたくなったけど、どうにも「後の祭り」である。それは、僕の胃腸をとおって、すでに外界にでてしまっているのだから。

 教訓. 外食ででてくるパセリは食べないほうがいい

 どこまで一般化できる話かは知らないけれど、危険だからやめといたほうがいいのでは。

投稿者 jun : 2005年6月30日 14:06


おでかけのこと

 昨日の日記で、僕は自分のことを「オデカケ魔」だと書いた。

「落ち着きがない」と言い捨ててしまえば、「ハイ、それまでよ」になってしまうのだけれども、どうも僕は、少しでも暇な時間ができたら、血が騒いでしまって、オウチでじっとしてはいられないところがある。

 よせばいいのに、ヒマを見つけると、フラフラとすぐに遊びにでかけてしまう。オウチでノンビリできない。

 得をしているのか、損をしているのか、よくわからないのだけれども、確かに僕にはそうした傾向がある。

 ところで、こうした「自分の性行はどこで形成されたのか」ってことを考えると、それは子ども時代にまで遡るのではないかと思う。

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 僕の生まれた家庭は、お世辞にも決して裕福な家庭ではなかったが、「ヒマさえあればオデカケをすることをヨシとする家庭」であった。

 ヒマさえあればと書いたが、今から考えると、父や母が好きこのんで「オデカケ」をしていたかは疑わしいところがある。

 日々追い立てられる生活の中、何とかかんとか、ヒマを見つけて、自分たちはオウチでゆっくりと身体を休めたかったにもかかわらず、彼らは、僕や妹を外に連れ出そうとしていたのかもしれないと思う。今になって思う。

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 当時、僕の父SATOSHIと、母YUKOは、いわゆる「共働き夫婦」であった。何とかかんとか2人で、細々と家計を支えていた。

 現代の都会でこそ、「共働き」はアタリマエのことである。「マージナルなもの」を「マージナルである」とは感じえないことこそが、都会に生きるということである。

 しかし、今から20年前の - 冬の日にはソリを引いた馬が道をパンパカパーンと走っていた、北海道の片田舎では、それは決してアタリマエのことではなかった。それはマージナルなこと、そのものであった。

 そのことで、彼らがずいぶんと嫌な思いをしたり、後ろ髪をひかれる思いをしたことは、北海道に18年生きた僕にとって、想像に難くない。

 様々な人々のまなざしの中で、精一杯自分たちなりには頑張っているつもりでも、「自分たちは人並みに子どもを育ててはいない」のではないか、という思いが、脳裏に浮かんでは消えていたのではないかと思う。

 そして、そんな思いがあったからであろうか、彼らは、週末になれば僕や妹を、外に連れ出した。

 ふだんは「鍵っ子」としておうちでお留守番をしたり、時には、兄弟2人で夜を過ごしたりしなければならなかった僕たちに、贅沢はできないけれど、せめて人並み以上の経験をさせたいと願ったのではないかと思う。

 「外」といっても、ディズニーランドみたいなテーマパークがあったりはしない。あるときは散歩、あるときは登山。近くの公園で弁当を食べるだけのこともある。ただ、とにかく、僕たちは、「外」でずいぶんと遊んだ。

 これらの出来事が、いわゆる世にいう「オデカケ」という言葉に値しないものであれば、「近所の散歩」といってもよい。でも、僕たちは週末となれば、どこかに連れて行ってもらえた。

 前述したように、今から考えると、これらは、彼らが好きこのんでやっていたことではなかったようにも思える。

 日々の家事、仕事、育児に追われ、細々とした山道が断続するような「綱渡りの生活」を送らざるをえなかった彼らにとって、どんなに休日が貴重なものであったろうか。今、同じような生活を送るに至り、僕には、その大変さが身にしみてわかるような気がする。

 そして、自分のカラダに刻まれた「オデカケ好き」という確かな傾向を、今あらためて認識するにあたり、当時の彼らのことを - 今の僕の年齢とそれほど変わらない - 当時の彼らの心中を想わざるを得ない。年齢を重ねるということは、「自分の親を対象化すること」ができる、ということなのである。

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 目を閉じると、家からすぐ近くにある観音公園での「週末の昼下がり」を、思い出す。23年前に他界した祖父BUNZOも、今や90歳になる育ての親の祖母KIYOも、一緒だ。決してお世辞にも暮らし向きは楽ではなかったが、僕はそんな子ども時代を過ごした。

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 そして、こんなオデカケの果てに、今の僕は、いる。

投稿者 jun : 2005年6月29日 14:05


五木ひろし風のフォルティシモ

 今週末、僕は仕事だった(泣)。夜帰ってきて、なんだかこのまま週末が終わってしまうのは、哀しくなって、カミサンとカラオケにいった(僕はオデカケ魔である、週末おとなしくイエにいるということはない)。

 先週あたりから、僕もカミサンもストレス解消がしたく、カラオケにいこう、とは言っていたのだが、いざ行こうということになると足取り重く、だったら、早く寝た方がいいってことで、ずっとのびのびになっていた。

 で、ついに、重い腰をあげて、出かけたわけですね。

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 ところで、僕らのカラオケは徹底的なナツメロである。

 カミサンはカラオケボックスに入り、一番最初の曲をリモコンで入れるときに、「今日はナツメロ特集だね」という。

 しかし、別に「ナツメロ」しか歌わないのは「今回だけの特集」でも何でもない。なんてことはない、いつも、ナツメロなのである。「今日もナツメロだね」というのが正しいのだ。

 というか、僕らは、新曲は歌えないのである。新曲を知らないわけじゃない。テレビのエアチェックはカミサンの仕事柄、しているほうだと思う。「この曲は、あのドラマで使われよなぁ」くらいはわかる。だけど、歌うことができるほどにまでは、聞き込んではいない。

 ちなみに、今回の我々の曲目(の一部)は下記のとおり。

■カミサン
 少女A
 吐息でネット
 サンド=ベージュ
 今すぐKISS ME
 FUJITSU
■僕
 ワインレッドの心
 雪国
 横浜たそがれ
 越冬ツバメ
 フォルテシモ
 Shake hip

 南野洋子、中森アキナ、工藤静香などは、カミサンのオハコである。いつも、そればっかり歌っている。特に、南野洋子は思い入れがひとしおで、声が似ていると本人は思っている。

 僕のオハコは「こぶしのきく曲」である。
「ワインレッドの心」(安全地帯)、「雪国」(吉いくぞう)、越冬つばめ(森マサコ)、「フォルテシモ」(ハウンドドック)、「shake hip」(米米クラブ)、横浜たそがれ(五木ひろし)は、それぞれ全然違うジャンルの曲であるが、基本的には「こぶし系」の曲である。つまり、、基本的には同じ発声の方法で歌うことができる。

 これらの曲は、マイクの握り方やブレスの仕方を少し変えるだけで、同じ発声方法で、それっぽく聞こえてしまうのである。だから、昔むかし、合コンとかで「吉いくぞう風のワインレッドの心」とか「五木ひろし風のフォルティシモ」とかをやって、ウケとりに走っていた。

 閑話休題

 次の日、あまりにシャウトしたせいか、のどが痛くて仕方がなかったけれど、すごいストレス解消はなったな。

 やっぱり人間は週末は、仕事はしないほうがいいと思う。

投稿者 jun : 2005年6月28日 09:09


公開研究会「魅せます、CSCLのすべて」の開催

 来月のBEAT公開研究会は、CSCLです。僕が担当です。
 下記、NAKAHARA-LAB.NETのメルマガの情報を転送させていただきます。

NAKAHARA-LAB.NET メルマガ
http://www.nakahara-lab.net/mailmagazine.htm

 どうぞふるってご参加下さい。
 準備・・・間に合うとよいのですが・・・。

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 NAKAHARA-LAB.NET M@il Magazine
 2005/06/25
 Jun Nakahara
 NAKAHARA-LAB.NET (http://www.nakahara-lab.net/)
 ※このメールは転載自由です。
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■What's new!

 7月9日、BEATでは「魅せます、CSCLのすべて:1日でわかる
協調学習」という公開研究会を開催します。

 担当は僕です(準備が間に合うだろうか・・・泣)。
 「CSCL」の理論から実践までコンパクトにご紹介します。

 BEAT研究会は毎回40名限定です。最近、お申し込みが殺到し、
参加をお断りする事態が発生しております。

 お申し込みは、どうぞお早めにお願い致します!

                      中原 淳

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東京大学大学院情報学環 ベネッセ先端教育技術学講座
BEAT公開研究会 第4回
「魅せます、CSCLのすべて:1日でわかる協調学習」
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 第4回となる今回は、「CSCL : Computer Supported
Collaborative Learning(コンピュータによって支援された協調学習)」
をとりあげます。

 協調学習とは、複数の学習者が、お互いにコミュニケーショ
ンをとりあいながら、学びあう活動をさします。こうした学習
を、コンピュータによって支援しようとする研究領域が、CSCL
(コンピュータを活用した協調学習支援:シーエスシーエルと呼びます)
ということになります。

当日は、CSCLの理論的背景、社会的背景などを「総オサライ」
します。また、デモやビデオなども可能な限り使ってみたいと
考えています。

「魅せます、CSCLのすべて:1日でわかる協調学習」、
Enjoy it with us!


●テーマ
 「デジタル教材の系譜・学びを支えるテクノロジー」
 「魅せます、CSCLのすべて:1日でわかる協調学習」

●日時
  2005年7月9日(土曜日) 午後2時~午後5時

●場所
  東京大学 本郷キャンパス 情報学環暫定ANNEX 2F教室
  http://www.beatiii.jp/images/sem12-map.gif

●定員
  40名(お早めにお申し込みください)

●参加方法
  参加希望の方は、BEAT Webサイト
  http://www.beatiii.jp/seminar/
  にて、ご登録をお願いいたします。

●参加費
  無料

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 NAKAHARA-LAB.NET M@il Magazine 2005/06/25
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 お問い合わせは、下記までお願いします
 中原 淳
 mailmagazine@nakahara-lab.net
 NAKAHARA-LAB.NET (http://www.nakahara-lab.net)
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投稿者 jun : 2005年6月27日 20:49


10 min. movie

 毎月、大量の女性雑誌を斜め読みしているカミサンが(仕事のためとはいうが・・・ホンマか)、見つけてきたWebサイト。

10 min. movie
http://www.superstar.ne.jp/movie/intro.html
 「ロングバケーション」「愛しているといってくれ」「ビューティフルライフ」などをてがけた北川悦理子が、脚本を書いている。インターネットだけの10分間のドラマである。5人のOLの生活を、日記風に、モノローグで淡々とつづっている。

 見て頂けるとすぐにわかると思うけど、このドラマはミズノ・Super Starという商品のマーケティングとして作成されている。だからドラマの中では、ジムでの運動のカットなんかが挿入されている。

 また主人公には、雑誌のモデルなんかを起用している。企画自体が、おそらく雑誌とのタイアップになっているのではないかと思う。結構お金をかけた企画なのではないかと思うんだけど、おいくら万円くらいなんだろう、この手のドラマをつくるには。

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 内容は、まだ全部見てないけれど、結構オモシロかった。

 うーむ、女性は、みな、いろいろと心の中で考えたり、つぶやいたりしておるのだねーと思った。少なくとも、僕は、この手のモノローグはないもんなー。

 「ちきしょー」
 「やべー」
 「キタ━━━━ヽ(゚∀゚ )ノ━━━━!!!!」

 みたいな、「叫びに近いモノローグ」はあるんだけどね(たぶん、研究室では声にだしてしまっていると思うけど・・・すまん・・・声にだしてるってことはモノローグじゃないな)。心にしみいるようなモノローグは、ないもんねー。

 僕は大学に勤務しているので、いわゆる「OL」の方々には、あまりお会いすることはないのだけれど、逢ってみたい(いわゆる「OL」って誰なんだろう?誰のことをさすんだろう?)。

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 それにしても、「広島キティちゃんストラップ」はいらんだろーと思った。

投稿者 jun : 2005年6月26日 11:35


授業の評価

 どなただったか忘れてしまったが、「ここは一回見てみるといいよ」ということで、教えてもらったサイト。

大学生のクチコミサイト MILKCAM
http://campus.milkcafe.net/
 このサイトには、授業評価、大学ごとの掲示板がある。結構、情報は更新されている。

 「単位の取りやすい講義はなに?」みたいな情報は、これまでだったら、大学ごとに、有志学生が冊子なんかをつくって、生協とかで100円とかで売っていたものではないかと思います。

 で、これがWebになってしまった。かつては学内にとどまっていた情報が、学外にもすべてオープンになってしまう。

 大学教員の皆さん、ここにあなたの授業表がのる日は近い!?

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 それにしても、このサイト、できれば検索エンジンをつけてくれたら、授業がもっと探しやすいのですが。こういうサイトって、他にもあるのでしょうか。

投稿者 jun : 2005年6月25日 11:09


どん!

 その菓子の本当の名前は、なんというのだろう。

 昔、舗装すらされていなかった自宅近くの通り道に、ときおり、米菓子をつくるおじさんがやってきた。

 大砲みたいな大きな機械とビーチパラソルのついたリヤカーをひいて、彼は、時折、忘れた頃に僕らの街にあらわれる。

 彼の姿をみつけると、子どもたちが、自宅から米1合と300円を持参し、どこからともなく集まってくる。

 おじさんは、子どもたちから300円を受け取ると、持ってきた米を大砲につめ、そいつを火でゆっくりと熱する。

 しばらくすると、火で熱せられた大砲は、「どん!」というものすごく大きな音とともに、破裂する。大砲の先からは、サクサクとした菓子になった米が勢いよく吹き出す。それを大きなゴミ袋にいれて、子どもたちは家路につく。

 当時、米菓子の名前は、そのまんま「どん」とよばれていた。子どももオトナも、それを「どん」と呼んでいた。

 こういう行商が、全国どこにでもあるものなのか、僕は知らない。そして、その米菓子の正式名称も知らない。

 「どん!」という大きな音!
 300円と米1合のはいったビニール袋を握りしめ、その音に歓声をあげていた頃のこと。

 なぜか、昨日、僕の夢の中に、その光景がでてきた。懐かしかった。

 そういえば、中学校に入る頃になったら、急に、あの「どんのおじさん」の姿を見なくなった。「見なくなった」のではなくて、「見えなくなった」? はたまた気づかなくなった? 真相はわからない。

 いずれにしても20年も前の、遠い昔の話である。

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 ほらほら、そっちに行っちゃいけないったら

投稿者 jun : 2005年6月23日 23:32


教育業界人寄席

 昨日、僕が副代表理事をつとめるNPO法人「EDUCE TECHNOLOGIES(エデューステクノロジーズ)」の総会があった。法人会員企業、正会員、学生会員の方々にお集まりいただいた。

 議事は、とどこおりなく進行して、決算・予算も承認され、ホッとした。が、「はてどうしたらよいのかな」、という課題がひとつ生まれてしまった。

 EDUCEは、研究開発型のNPOであり、その売り上げの一部は、「教育工学の若手研究者の育成支援」のために使われている。もうそろそろ結果が発表になることと思うが、たとえば、国際学会への渡航費の援助などが、この目的のもと行われている。

 で、今年からはそれに加え、大学学部生に対する支援も行いたいと思っている。「将来、教育の仕事についてみたい」と思うような学生に、「教育の仕事の実際」を伝えるセミナーを実施するという企画だ。

 「教育の仕事」っていうのは、センセイとか塾の講師とか以外だと、なかなかイメージがしにくい。実際にどういう風に、彼らが教育にかかわる仕事をしているのか。また、教育に専門性をもつ人たちの尽力のおかげで、ヨノナカのいろいろな部分が支えられていることを伝えたいんだけど。

 具体的には、教育テレビ、教材作成、企業内教育、NPO、教育行政、博物館展示制作会社などの実務担当者を招いて、自分の仕事に関して語ってもらうというセミナーをうってみたいと思っている。このセミナー、仮に「教育業界人寄席」という名前をつけて呼んでいるのだが。もちろん、実務担当者の方には、謝金をお支払いをして、講演をしてもらおうと思う。

 しかし、この「教育業界人寄席」、言うは簡単だが、実行するのはかなり難しい。まず、そういう業界人を集めてくるのに一苦労が予想される・・・(ただでさえ、みんな忙しい)。

 しかし、より根元的な問題は、「教育の仕事についてみたい大学学部生が、そもそもいるのか」って問題と、もし仮にいたとして、「彼らにどうやって、この企画を伝えればよいのか」ってことである。それを言ったら、モトモコモナイ気もするが、事実、大問題はそこにあるのだから仕方がない。

「教育の仕事についてみたい大学学部生が、そもそもいるのか」っていう問題は、正直にいって、どうなんだろう、予想がつかない。いるような気もするし、いないような気もする。いないかなぁ、そんな学生。

 次は広報手段の問題。

 NAKAHARA-LABメルマガ、BEAT ML、EDUCE TECHNOLOGIES MLなど、僕たちはいくつかの広報手段を自前でもっているが、これらのターゲットは、業界の人や大学院生であって、学部生ではない。せっかく苦労してセミナーを実施出来たとしても、集客がおぼつかないおそれがある。

 前も日記に書いたことがあるが、僕は、「教育の現場にスペシャリティのある人たち」が活躍して欲しい、と思うし、そうしたスペシャリストをめざす学生が増えて欲しいと思っている。
僕はそうした学生を応援したい。

 何も、教育学部を卒業して先生になるだけが道ではない(センセイが自分のめざすところであれば、それはそれでOK)。教育学を学べば、いろいろなニッチな場所に活躍の場があるはずである。

 そうした方向性を社会に示していきたい、と個人的には思う。そして、NPOをそうしたエンジンにできるのではないかと思っている。。

 この企画、フィージビリティ、低いのであろうか。少し悩んでいる。

追伸.
 今日、むこう2ヶ月のカミサンとスケジュールの報告をしあった。僕、土日がぜんぜんなかった・・・。このままいくとマズイと思った。敢えて、ウィークデーに休みをとろうと思う。健全な知性には、休息も必要だ。

投稿者 jun : 2005年6月22日 23:43


近況:そして人生は続く

 木曜日

 午前中、都内某所にてOYAKOプロジェクトのミーティング。まだ余談を許さないが、なんとか懸案の事項について了解をもらえたようだ。このプロジェクト、予算も大きいし、計画も壮大なだけに、ロジスティクスも膨大。でも、来週には全員が集まるミーティングがあります。

 午後東大へ。某社の方々に、今度、東京大学で実施するプロジェクトについてプレゼンテーションを行う。その後、本部棟で古田先生とミーティング。その後、研究室に帰ってきたら、TREEプロジェクトのドメインの件で、やはり本部棟8Fへすぐに逆戻り。

 そののち、某会議。終了後、荒木さんの修士論文の調査方針についてディスカッション。とってもオモシロイ内容の調査になると思う。

 山内ゼミに参加。佐藤さんが幼児教育のレビューを行ってくれた。勉強になる。「研究室の学び支援」に焦点をあてた大川内さんの研究もオモシロイと思った。社会人大学院、そして留学生などが増えてきて、研究室のダイバーシティは確実にあがっている。発表をききながら、僕だったらどのようなことをするかなぁと考えていた。

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 金曜日

 午前中、某所にて会議。午後、早稲田国際会議場にて、教育システム情報学会のシンポジウムにパネリストとして参加。

 シンポジウム会場では、堀田先生@園田女子大学にはじめてお逢いした。あまり時間がなくご挨拶だけになってしまったが、先生は幼児教育関連のプロジェクトをなさっていたということもあり、その内容についてお聴きしたかったな、とあとから思った。

 安武先生@広島大学にもお逢いした。安武先生の午前中のご発表は、大変盛り上がったそうだ。参加出来ずとても残念。

 シンポジウムは、あっという間に終了。シンポジウムは永野先生の司会だったが、その絶妙さ、指摘の鋭さは圧巻だった。

 同じくパネリストのひとりであった梶田先生@名古屋大学に、プレゼンテーション交替のわずかな時間(20秒くらい)に「EDUCAUSE、僕も行きます」と声をかける。本当はもっと話したかったが、タイムアップ。

 シンポジウム終了後、すぐに東大へ。
 宮川先生、山内さんと打ち合わせ。その後、ディナーへ。
 一週間が終わる。

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 月曜日

 千葉、東京、ウィスコンシン、滋賀の4地点を結んで、朝からテレビ会議。

 午後大学へ・・・。各種事務手続き。BOOKプロジェクト、理論表執筆。OYAKOプロジェクト、アジェンダ設定。TREEプロジェクトの件で、学内ホウボウへTEL。その他、事務仕事、シコシコとこなす。

 そうそう、今日から中原研究室常駐のスタッフとして、岩下曜子さんが勤務し始めた。OCWの知的所有権処理、教材制作などを担当してもらうことに。力強い人材を得て、非常にウレシイ。

 夕方、BOOKプロジェクトメンバーが来研。2時間程度議論をした。ウレシイ報告がひとつ。本当におめでとうございます。

 その後、ヤマウチケンへ。学環修士2年の北村君とあう。先日いった湯島の中華料理屋に二人でいくことに。社会心理学のこと、教育学のこと、人狩りトークなど、いろんなことを話したな・・・。

 帰宅後、授業準備。おお、もう12時になるぞ・・・カミサン、タクシーで帰宅とのこと。
 そして人生は続く。

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追伸.

 友人から下記のコンテンツを教えてもらいました。

イマドキの合コン
http://broadband.biglobe.ne.jp/index_gokon.html

 勘違いマスコミ男編が個人的には笑った。「1回あった芸能人は友達だし、2回あったら、オレが育てただもんね」だって。そういうヤツ、いそう。

 大学教員編ってのもあったらオモシロイ?
 いや、オモシロイわけねーな。

 でも、大学教員編があったとしたら、どんなトークになるんだろうか。そういえば、先日、NIMEの「大家」が、「男も女も全員博士の合コンをやったよ」と言っていたけど。

投稿者 jun : 2005年6月20日 17:17


ロング・バケーション

 ここ最近の僕の楽しみは、昔のテレビドラマをビデオ屋で借りてきて、見ることです。

 ロング・バケーション、借りてきました。山口智子と木村拓哉が主演ですね。結婚式をすっぽかされた豪快な性格の「南」と、うまく感情を表現出来ないピアニストのタマゴの「瀬名くん」の物語です。

 1996年のフジ月9のドラマでした。当時、ものすごい人気で、最大視聴率は36.7%を記録しました。

 1996年ねぇ・・・。

 ちょっと前のような気もするけど、もう10年近く前になるんですねぇ。当時僕は何をしていたかっていうと、ようやく駒場・教養学部を終え、本郷の教育学部で勉強していたばかりでした。毎週楽しみにドラマを見ていたことを思い出します。

 結構好きだったんだよね。山口智子演ずる「南」は豪快で、明るくて、どんな話題でも開けっぴろげで、面倒見のよいANEGOのような性格なのですが、やっぱり、僕は、清楚でおしとやかというよりも、そういう女性に心惹かれるようです

 まぁ、いいや・・・。あと残すは4回分なんだよね。これ、まだ誰かが借りてるから、返ってくるのを待ってるんだけどね。

 それにしても、ipodにしても、テレビドラマにしても、ことごとく、最近、ナツメロだねぇ。

投稿者 jun : 2005年6月19日 10:50


どうやって講義すればいいんだろう

 先日、ファカルティディヴェロップメントの「大家」のNIMEの田口さんと(今長崎にいるらしい・・・あとなにやら写真撮影のポーズを決めるのにとっても忙しいようだ)、「僕の授業」について話す機会があって、よいセルフリレクションになったので、下記に記しておく。

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1.話す内容が減った&プレゼンの枚数が減った

 僕はいわゆる初任者である。講義をはじめて数ヶ月たつが、何が自分に変わったことの最大の点といえば、「話す内容が減った」ということにつきる。

 もともと、僕は今回の授業で「ビデオの視聴」と「お隣さん同士での話し合い」を半分はいれるぞ、と明言していたわけだから、僕自身が講義している時間は、ふつの授業に比べて圧倒的にすくないわけだけれども、それでも、話す内容はどんどんと減っている。そのかわり、話し合いや、ワークシートが増えたり、ビデオ視聴が増えたりしている。

 むしろ、今から考えてみると、最初のうちにつくっていたプレゼンテーションは過剰であった気がする。枚数も多いし、内容がしぼりこめてない。

 ひとりの人間が、160名を対象に話す。そのことで伝えられる内容なんて、たかがしれている。講義で話したことは、その多くが忘れ去られる運命にある。それなのに、僕は語りすぎていたような気がする。

 どうして語りすぎるかっていうと、「この話で何分くらいかかるなぁ」っていう見積もりが最初の頃はできないからである。だから、「話すことがなくなる」のは、とっても怖いから、過剰につくりこむ。枚数が増える。だから準備にもとっても時間がかかる。

 でも、慣れてくると、これがだんだんとわかってくる。そうすると、このあたりでたぶん時間になるな、とわかるから、過剰につくりこまなくてもよくなるのだろうと思う。

 あとアドリブがきくようになる。3分話すことのできるようにつくったスライドで、10分話すことも可能になる。これでずいぶん楽にはなる。

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2.しかし同時に...フラストレーションが

 1のように書いたが、これでめでたしめでたし、ではないのだ。1のような授業で、僕は最近フラストレーションがたまっていることを自覚している。「話すことが少なくなっている」のは、一見よいことに見えるのかもしれんが、実は僕は大いに不満だ。

 どんなに一斉講義がつまらなくても、学生に知って欲しいこと、学生が知らなければならないことはあると思う。基礎的な知識という言葉が適当なら、そう言ってもよい。それはどんなにオモシロクなくても、どんなに難しくても、知るべきである。

 人間がより発展的にモノゴトをしったり、見たり出来るようになるためには、時に、基礎的な知識をがっちり詰め込むことも重要なのだ。

 エリクソンだったか、誰かの言葉に「All I can do is to provide a way of looking at things(わたしにできるのは、モノゴトを見方を教えることくらい)」というのがあったと記憶しているが、そういう「a way of looking at things」を獲得するには、土台が必要なのである。

 しかし、ビデオ視聴や、作業、話し合いでは、これがなかなか難しい。つまり、こうした作業を通して、そういう知識を獲得してくれればよいのだけれども、それは絶望的である。話して終わり、やって終わり、見て終わりになりがちだ。いわゆる「はい回る経験主義」そのものになってしまう。

 もちろん、これは僕の責任である。インストラクションが悪いのだろうし、問いかけも悪いのだろう。しかし、このあたり、どうやって教えればいいのだろう。僕は教育学が専門だが、正直に告白する。

 僕はどうやってよいかわからない
 僕は悩んでいる

 また「話すことを少なくする」ということは、意図的に、難しい内容を省いていることでもある。だから、授業の内容は、ほんと教育学のさわりを「撫でる」ところまでしか、教えられない。

 正直に告白するが、僕の授業は浅い。でも、もし、これを深いところまで教えようとすると、ドツボにはまることになる。今、160名の講義で、寝ているのはたぶん5名以下である。これが3分の1になることは容易に予想がつく。

 このところ、マイクを握りながら、いつも思うことがある。

「あー、この部分、オレは1分で説明しちゃったけど、これってウソだよなー。オレ、ウソ教えてるよ。それにしても、浅いよなー。この問題の奥には、本当はもっと深い世界があるんだけどなぁ・・・。」

 そういう内なる声がいつも聞こえてきて、とってもフラストレーションがたまっている。

 なんか授業自体は結構、作業あったり、話し合いあったりで、盛りだくさんなのだけれども、生徒に何が残っているのだろうか、いささか心許ない。こんな「心許ない」教師に教えられる生徒さんが、一番、心許ないのだろうけど。

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 ということで、悩みは続く。
 あと2回で前期は終わるけど、後期、どうしようかなぁ・・・。
 アタマが痛いよ。

投稿者 jun : 2005年6月18日 10:44


お慈悲をください MTとInternal Server Error

 どなたか、ワタクシめに、お慈悲をいただけませんでしょうか。

 実は、僕はWebarena2でMovable TypeをBerkeleyDBにて運用しているのですが、つい先日、「サイトの再構築 - すべてを再構築」をいたしますと、「Internal Server Error」というエラーがでてしまいました。それ以来、「サイトの再構築」するたびに「Internal Server Error」がでて、再構築ができないでおります。いろいろやってみたら、「個別アーカイブ」の再構築でとまっているみたいです、他のものは再構築できる。

 エラーメッセージはこんな感じ。オーノー。

Internal Server Error The server encountered an internal error or misconfiguration and was unable to complete your request. Please contact the server administrator, [no address given] and inform them of the time the error occurred, and anything you might have done that may have caused the error.

More information about this error may be available in the server error log.

 こりゃヤベーな、思って、いろいろWebを調べたのですが、なにやらよくおこることらしいですね、このエラーは。サーバのリソース割り当てが非力である場合に。

 解決策は、サーバ管理者に連絡せよ、とのことだったのですが、連絡はしたんだけどね・・・。これがケンモホロロよ、ハラホロヒレハレよ。「Webのエラーログみて、自分で解決しろ」だとさ、「Movable Typeはサポートの対象外」なんだって・・・。

 そんなの既にエラーログくらい見てるっちゅうねん!とつっこみたくなりますが。エラーログには、これといって、エラーがでてないんだよね・・・これどういうこと?

 で、それ以来、再構築ができないでおるのです。他の会社を見ると、メモリの割り当てとかを増やしてくれるとか、あるみたいなんだけどね。

 そこで、皆さんの中で、同種の問題の解決策をご存じの方がいらっしゃったら、是非、教えていただけませんでしょうか。どうぞよろしくお願いします。お慈悲を、お目こぼしを。

 実は、ちょっとばかりNAKAHARA-LAB.NET BLOGの使い勝手をよくしたいと思っているのですが(Pick UPのコーナーをつくる)、それができないでいるのです。

 トホホ。
 誰か助けてケロ。

投稿者 jun : 2005年6月17日 23:27


年をとるってことは

 最近、毎日何かのプレゼンテーションをしている気がする。新企画のプレゼンであったり、講演であったり。

 そんなに新しい妙案が次から次からでてくるわけじゃないのに・・・何だかごまかし、ごまかし、その場を乗り切っているような。

 今に、自分のアタマが「カラカラ」にひからびて、後にはぺんぺん草も生えないような砂漠になっちゃうんじゃないかって、すごく不安になる。

 閑話休題

 最近というか、今回のクールは、30台未婚女性のドラマが流行していますね。

 商社につとめる一般職女性正社員(今はもうないね)を演じる篠原涼子が主演の「ANEGO」と、熱血系ホテル営業担当者を演じる稲森いずみが主演の「曲がり角の彼女」ね。

ANEGO
http://www.ntv.co.jp/anego/

篠原涼子
http://homepage3.nifty.com/~ryoko/ryoko.html

曲り角の彼女
http://www.ktv.co.jp/chiharu33/

稲森いずみ
http://www.jap.co.jp/inamori/

 僕、このテーマのドラマは結構好きです。毎週ビデオにとって見ています。脚本の出来は圧倒的にANEGOの方がよくできていると思います。でも、曲がり角もなかなかオモシロイ。

 これは前の週のAERAにのっていたのかな。今、30台未婚女性の中では、「わたしはANEGO派、わたしはちはる派(ちはるは稲森いずみが演じる主人公の名前)」などという風に、自分の境遇と主人公を重ね合わせながら、見ている人もいるのだとか。

 一昨年ですか、「30代以上・未婚・子ナシ」の女性を「負け犬」と表現した酒井順子さんのエッセイが非常に売れましたね。

 酒井さん自身は、そうした人たちが「気分を楽にするため」に、このエッセイを書いたと僕自身は解釈しているのですが、どうも、あのときは「勝ち犬 vs 負け犬」という風に議論が歪曲されました。

 「年をとるってことは出口をなくしていくこと」

 昨日のANEGOでは、そんな台詞がでていました。ここでいう、出口はフィジカルな意味ではなく、メンタルな意味でしょうね。

 人間は意味をつくりだし、物語る動物です。年齢を重ねれば重ねるほど、その意味や物語の解釈は固定化し、窮屈になっていく。

 「年をとるってことは出口をなくしていくこと」

 僕は30台女性ではないけれど、なんか、この台詞には頷いてしまったよ。

投稿者 jun : 2005年6月16日 10:04


中原研究室

 着任から2ヶ月半、ようやく研究室のセットアップが完了しました。デザイナーの吉田さんにデスクなどを選んでもらって、先日、ついに入荷しました。

IMG_0028.jpg

IMG_0036.jpg

 中原研究室、広さはたぶん通常の教官室の2.5倍くらいはあると思います、広さは広い。
 いろいろ開発とか、会議とかすることになるからね、ここでは。ここに、今は、僕と専門職員の山本さんがいます。

 本郷、お近くにいらした際には、是非、お立ち寄り下さい。

投稿者 jun : 2005年6月15日 10:18


翼の折れたエンジェル

 なぜだか急に、中村あゆみの歌う「翼の折れたエンジェル」を聞きたくなった。仕方ないから、CDを注文して、そわそわと1週間を過ごし、ようやくCDプレーヤの前に座った。

 聞いていると、何だか懐かしいような、どこか恥ずかしいような不思議な気分になった。

 中村あゆみサイト
 http://www.midnightkids.net/disco.html
 上記の公式サイトによると、この歌がリリースされたのは、なんと、今から20年前。僕は9歳、小学校3年生の頃である。

 当時、僕のうちにはレコードプレーヤがなくて、しょーがないから、FMラジオからテープに曲を録音して、テープがすり切れるまで聞くという毎日を過ごしていた。

 FMラジオから音楽を録音するってのは、ちょっとしたテクがいる。

 まず、「いつ好みの音楽がかかるか」を知らなければならない。それには、今でもあるのかどうかはしらないが、FMラジオの専門誌「FMステーション」などを買って、しっかりとエアチェックをする必要があった。

 その次に、なるべく電波をよく受信しなくてはならない。僕は、お手製のアンテナをつくって、それにラジオをつなげて、いつも聞いていた。

 また、実際に音楽がかかる瞬間をうまく見極め、録音ボタンをおす必要があった。油断していると、曲の最初を取り損ねてしまう危険性があったから、かなり注意深くラジオを聞かなくてはならない。

 こんな血のにじむような苦労をして、一曲一曲、僕は好きな音楽を手にしていた。

 僕が当時聞いていたのは、FM北海道。FM電リク・テレホンジャック7 という番組をよく聞いていた気がする。たしかファンクラブにも入っていたような・・・。

FM北海道
http://www.air-g.co.jp/index_set_p.asp

 ともかく、「翼の折れたエンジェル」もそうやって苦労して手にいれた曲のひとつであったように思う。何度か失敗を繰り返して、この曲をゲットした。

 Thirteen ふたりは出逢い
 Fourteen 幼い心をかなむけて
 あいつにあずけた Fifteen

 Sixteen はじめてのKiss
 Seventeen はじめての朝を
 少しずつため息覚えた Eighteen

 もしオレがヒーロだったら
 悲しみを近づけや しないのに
 
 そんあ あいつのつぶやきにさえ
 うなずけない 心が寂しいだけ

 Ohhhh...翼の折れたエンジェル
 あいつも 翼の折れたエンジェル
 みんな 飛べないエンジェル

 (翼の折れたエンジェル 中村あゆみより引用)

 当時は意味もなく歌っていたけれど、今から考えると、なんとも「おませ」な、そして甘酸っぱい曲であったことがわかる。全く意味わかってなかったなぁ・・・9歳の僕にわかっていたのは、「翼が折れたエンジェル」って部分だけだったろう。そこを絶叫するのが好きだった。

 当時、苦労して録りためた曲のいくつかは、僕のipodに入っている。
 僕のipodは、「ナツメロpod」と言われている。今日も「ナツメロpod」をもって、東京を歩く。20年の年月が、不思議と「一瞬」のように思える。

投稿者 jun : 2005年6月14日 22:49


【参加者募集中】東京大学「教育の情報化」シンポジウム

以前、お伝えしましたように7月11日、東京大学で「教育の
情報化」に関するシンポジウムを開催します。参加は無料です。

今後、東京大学がどのように「教育の情報化」を推進するのか、
また、海外大学/大学院がどのように「教育の情報化」を推進
しているのか、などについて話題提供があります。

ふるってご参加下さい。
参加申し込みは、下記のフォームをtodai2005@nakahara-lab.net
までおおくりくださいね!

また、この情報はどこへでも転載自由です。お近くの興味のおありな
方に、ご転送のほど、よろしくお願い致します。


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東京大学 教育環境のリデザイン:第1回シンポジウム
    情報通信技術による「授業の革新」

2005年7月11日午後3時から 東京大学 参加無料
 
===================================

趣旨:

 東京大学では、これまで各学部・研究科、あるいは、情報基盤
センターを中心に、それぞれの部局が教育環境の改善に注力して
きました。その取り組みの中には、IT(情報通信技術)を「道具」
として活用したものも数多く含まれ、成果をあげています。

 さらに本年より、東京大学教育企画室を中心に各部局が緩やか
に連帯しつつ、「教育環境のリデザイン」に取り組むことがきま
りました。TREE(Todai Redesigning Educational Environment)
という、全学的なネットワーク型のプロジェクトを発足させ、共
同で推進していく所存です。

本シンポジウムは、

 1)東京大学の「教育の情報化」方針、Treeプロジェクトのご紹介
 2)東京大学の「教育の情報化」の各種プロジェクトの紹介
 3)「教育の情報化」に役立つTips、サービスのご紹介
 4)海外大学の「教育の情報化」の現状のご紹介
 5)関係者のネットワーキング

を目的としています。

 学内の教職員の方々だけでなく、本シンポジウムに関心のおあ
りな方なら、どなたでもご参加いただけます。
 ふるって、ご参加いただけますよう、よろしくお願い致します。

 参加申し込みは、下記の申し込みフォームを7月7日までに
メール「todai2005@nakahara-lab.net」までお送り下さい。

 なお、本メールは転送自由です。ご興味のおありな方に御転送
いただけますよう、よろしくお願い致します。

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■日時:
 2005年7月11日 午後3時 - 6時00分(シンポジウム)
 午後6時より(懇親会:会費を別途徴収します)

投稿者 jun : 2005年6月14日 21:03


滞在2時間

 今日も忙しかった。13時からの講演のため、早朝6時におきて新幹線。新幹線の中では、ひたすら仕事。大阪では、滞在時間わずか2時間。講演は気持ちよく話すことができました。講演終了後、東京にトンボガエリをして、また会議。

 体調、微妙。

 どうもハラの調子がよくない。常にゴロゴロと言っており、便所が「無二の親友」状態。ちょっと熱っぽいかも。
 
 いつになったら良好になるんだ?

 友よ その答えは風の中 答えは風に吹かれている

 便所で独り考える

投稿者 jun : 2005年6月13日 23:22


腰砕けシステム

 CSCL2005で見つけた、腰砕けの学習支援システム。

 このシステムは、「コンピュータでドリルに取り組む学習者の注意を維持すること」を目的としている。モニタ、カメラ、携帯型ロボット、コンピュータから構成される。

IMG_1488.jpg

 ディスプレイの前には、カメラがついていて、そのカメラで「学習者の視線」を検知している。「学習者の視線」が上を向いているとき、つまりは、まっすぐモニタを向いているときは、何もおこらない。

 しかし、一定時間以上「学習者の視線」が下を向いているときは、「学習者が寝ている」と判断し、なんと、近くのロボットが、ダンスを踊り出す!

 なぜダンスなのか?

 と聞くと、「最近、ダンスは流行だからな」という。

 腰砕けである・・・こういうものをマジメにつくって、売ろうとしているのだから、世の中、オモシロイ。ちなみに、こういうノリ、僕は好きだ。

投稿者 jun : 2005年6月11日 08:51


痔ではない

 先日、あるところで腰をおろそうとしたところ、激痛が走った。

 あわてて腰を持ち上げると、椅子と椅子のあいだに、細い手すりのようなものがついていて、そこにケツがヒットしてしまった。

 そのときは、「痛ぇな、ちきしょう!」くらいで何も思わなかったんだけど、なんだか、それからずっとケツが痛いから、カガミで見てみたら、ちょうど「尾てい骨」のあたりが、なんとパックリと割れて、血が出ていた。

 そんなこともあるんだなぁ・・・割れるかそんなとこ、フツー。

 最近の僕が、椅子に座るとき、顔をしかめていても、決して、それは「痔」ではない。

投稿者 jun : 2005年6月10日 08:43


「LOGO、Playful design!」公開研究会のお知らせ

メルマガの内容をそのまま転送しますね!
LOGO(ロゴ)に関する研究会です。

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 NAKAHARA-LAB.NET M@il Magazine
 2005/06/05
 Jun Nakahara
 NAKAHARA-LAB.NET (http://www.nakahara-lab.net/)
 ※このメールは転載自由です。
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■What's New!

 毎月恒例、BEAT講座の公開研究会「LOGO!、Playful Design!」
 のお知らせです。
 
 ふるってご参加頂ければ幸いです。

                         中原 淳

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東京大学大学院情報学環 ベネッセ先端教育技術学講座
BEAT公開研究会
「LOGO!、Playful Design!」
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●内容
 「Logo」は、1967年に数学者で発達心理学者でもある
シーモア・パパートによって、子どものために作られた
プログラミング言語です。1980年代初めにはいろいろな
国の言葉に翻訳され、世界的なブームを巻き起こしました。

「Logo」がそれ以降のマルチメディア教材に与えた影響
は非常に広く、大きいものです。子ども自身が学習内容
に自ら取り組むことで、学習を高度に実現する、という
考え方の有用性を証明しました。現在も多くの教育者に
支持され、実践され続けています。

今回は、「Logo」のレビューを通して、子どもの主体的
・能動的学習のあり方・可能性についてみなさまととも
に考えたいと思います。
 

●日時
  2005年6月11日(土曜日) 午後2時~午後5時

●場所
  東京大学 本郷キャンパス 情報学環暫定ANNEX 2F教室
  http://www.beatiii.jp/images/sem11-map.gif

●定員
  40名(お早めにお申し込みください)

●参加方法
  参加希望の方は、BEAT Webサイト
  http://www.beatiii.jp/seminar/
  にて、ご登録をお願いいたします。

  なお、参加費は無料です!

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 NAKAHARA-LAB.NET M@il Magazine 2005/06/05
=================================================
 お問い合わせは、下記までお願いします
 中原 淳
 mailmagazine@nakahara-lab.net
 NAKAHARA-LAB.NET (http://www.nakahara-lab.net)
=================================================

投稿者 jun : 2005年6月 9日 13:34


文献屋さんと工学屋さん

 文献屋さんたちは言いました

  工学屋さんはいいね
  モノをつくれば
  それでいいんだから


 工学屋さんたちは言いました

  文献屋さんはいいね
  本を読んでるだけで
  手を動かさなくていいんだから

 あるときみんなで集まりました
 和気あいあいと楽しく過ごせました

 でも
 心に秘めた彼らの思いが変わること
 はありませんでした

 一度、仕事をスワップしちゃえばいいのに...
 フフフフフ

投稿者 jun : 2005年6月 8日 11:02


なるほど、勉強になりました!

 CSCL(コンピュータを活用した協調学習に関する国際会議)の続報です。いくつかのセッションにでた感想。

 まず、Stanford Research Instituteのロシュエルさんの発表は、モバイルを活用した教育を構成する際に、どのようなことに気をつけるべきか、という内容。

 ロシュエルさんは、活動理論をベースにしたと思われるモデル図を用いて、これを解説していました(この人は、90年代初頭、協調活動の収束モデルを主張した人として有名ですね)。

 ところでモバイルといえば、Coffee breakの時間に静岡大学の大島先生と少しお話ししました。「モバイルを活用した教育とか、ユビキタスラーニングとかいわれる領域って、恐ろしいくらい、Pedagogical modelに注意が払われないよなぁ」ということですね。

 「やれ、RFIDタグがどうだ」「やれ、ケータイがどうだ」という話になって、それを「どのように使って授業を組み立てるか、カリキュラムを組み立てるか」ってことには注意が及ばない。ていうか、話すらも。

 今回のCSCLの会議にでていても、そのことは歴然と感じました。ですので、おそらく次回のCSCL2007あたりは、そろそろ「モバイルを活用した教育のPedagogical model」に注目が集まるのではないかと思いました。

 僕ら、実は、今、Project OYAKOという「モバイルの教育利用に関する研究」をやっているのですが、これは最適なタイミングだな、と思うんですね...よかった、よかった>メンバー

 ---

 今日は望月君のibee論文のInteractive Sessionがありましたね。Interactive Sessionは、最初、5分のミニプレゼンをして、そのあとポスター発表になるという感じです。この論文、実は、加藤先生、藤谷さん、中原は共著者ですので、みんなでポスターの説明にあたりました。

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 2枚目の写真にあるように、ポスター発表には、ロシュエルさんをはじめ、たくさんの人がきてくれました。成功ですね!、望月君、お疲れ様。

 このポスター発表のあいだ、僕はいくつかのポスターを見に行っていたのですが、ちょうど、長田さん@青山学院大学も、Interactive Sessionをしていましたので、お話を伺いにいきました。

 長田さんは、三宅なほみ先生と共著で、「学習の形態によって、Knowledge Integrationのレベルが、どのように変わるか」を分析しておられました。ここにも、たくさんの人がきていましたね。なるほど、Knowledge Integrationのコーディングは、このようにやるとよいのですね。勉強になりました。

 そうそう、コーディングといえば、UCバークリーのClarkさんらの研究もコーディングはうまかった。彼らは、科学的議論のメッセージ分析をしていたのですが、なるほどね、こういうStandardをつくって、こう見せればよいのかと、とても勉強になりました。

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 会議終了後、夜は、お祝いということで、「ペキンダック」と「フカヒレ」を食べにいったさ。紹興酒で「ダック」と「フカヒレ」をしばかせていただいて、ワタクシめ、かなりご機嫌です。なるほど、よくデザインされている。

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IMG_1687.jpg

 これらに、さらに料理3品を追加しても、なんと一人あたり4000円。恐るべき安さです。おそらく東京だったら、間違いなく3倍はとられているでしょう。

 あのね、僕、思うんですが、台湾ってホントウにモノが安くて、美味しくて、いいところだと思います。車とバイクが多いのはたまにキズですが、日本語も通じますし、よいのではないでしょうか。

 明日、会議、最終日です。

投稿者 jun : 2005年6月 7日 01:57


学問のこと

 学問には、その学問内でしか流通しない「隠語」や「文法」、そして、その仲間内の中で「正統」と認められる方法論があるものです。

 どんな学問だって、それがあります。もし、あなたが、それを感じないというのであれば、2つの可能性があります。

 まだ、あなたが学問の入り口に足を踏み入れていないか、あるいは、もうその世界に染まりすぎていて、「フツーの人」には奇異に思えるそのことが、アタリマエになってしまっているか。

 僕の場合、ある学問(正しくは「ある学問の、ある研究アプローチ」)にとても惹かれ、この世界に入りました。それから10年...その世界の研究知見を背景にしながら、それなりに頑張ってきたつもりです。

 が、同時に、僕は見えなくなっていた気もしていました。自分の使う「変な言い回し」や「背後仮説」が。それは、一種の「へりくつ」みたいなものなのですが、時に、恐ろしいほど、「フツーの人」を魅了してしまい、思考停止におとしめてしまうことがあります。そして、だんだんと、その「へりくつ」をふりかざす自分に酔ってしまいます。

 また、方法論を「踏み絵」みたいにとらえる人もいます。

 方法論は、あくまで「モノゴトを見るめがね」であるはずなのに、それを遵守することが自己目的化し、さらには、ある学問の「ウチ」と「ソト」をわけるバウンダリーをつくるものになってしまいます。

 いつもある方法論を使っている人が、違った方法論に関心をしめすと、「身を売った」とか、「転んだ」とか言われます。「方法論」という言葉の意味からすれば、「ちゃんちゃらオカシイ」ものなのですが、よく聞かれる言葉です。そういう物言いを聞くたびに、僕は、いつも「変だな、息苦しいな」と感じていました。

 でも、僕は、最近、ようやく自由になれた気がします。

 何か「もの」をつくりだす際、かつて感じていた、ある種の息苦しさや、今まで見えなくなっていた「へりくつ」から、ある程度自由に「考える」ことができるようになってきた気がするのです。

 方法論や流派の知見を、ひとつメタな位置から眺められるようになったというのでしょうか。「そんなことができている」と断言してしまうと、お説教を食らいそうですが、なんとなくそんな風に考えられるようになってきた気がするのです。

 そして、それと同時に、他人の研究に関しても、前よりももっと寛容に、柔軟に見つめることができるようになってきた気がするのです。繰り返して言いますが、上記は自己認知です。「ホントウか?」と聞かれると、いささか心許ないのですが、そう感じていることは事実です(客観的に、僕の像が違って見えていたら、ごめんなさい)。

 一般に、自分の研究や研究者としての生き方が硬直すればするほど、他人の研究に寛容ではいられなくなる気がします。些細な信条の違い、方法論のズレなどを見つけることに喜びを感じ、人に吹聴してしまうものです。それは、はたから見ていて、「非常に痛いピーポー」に見えてしまうことがあります。

 まぁ、いいです。

 ともかく、僕自身は、最近、今までよりも、もっと研究が「明るく楽しく」感じられるようになってきました。

 このような僕の今の研究姿勢も、いつかは、またカベにぶち当たるでしょう。そのときは、必ず、いつかはくるのです。

 ただ、その時までは・・・せめて、そんな日々が長く続かないかな、と願っています。

 それにしても、海外にでると、時間に余裕があるからでしょうか、はたまた、多くの研究者にあうからでしょうか。いろいろと普段考えないことを、リフレクションしてしまうようですね。ふだん日々追われている身にとって、そうした時間は貴重だと思います。

投稿者 jun : 2005年6月 6日 01:14


10億単位

 学会にきて、いろいろな人たちとお逢いしています。昨日は、バーミンガム大学のシャープレス先生、スタンフォード大学のピー先生などにお逢いしました。

 不思議なもので、日本人同士であっても、ふだん日本ではあまりお会いする機会が得られないのに、海外でお話しする機会を得ることがよくあります。そして、そうしたときに交換する情報というのは、とても貴重なものがあります。

 某先生からお聴きした話では、アメリカのLearning Science(学習科学)の研究者の何人かが、連合をつくり、年間10億単位の巨額の教育プロジェクトを、いくつか動かそうとしているのだとか。

 日本でも最近ようやく、教育プロジェクトに「総額億単位」のお金がつくようになりましたが(年間億単位ではないですよ)、さすがはアメリカ。額がちがいます。

 まぁ、どんな「オモシロイこと」が生み出せるかは、お金に依存しません。お金はあっても、「ペンペン草さえ生えてこないプロジェクト」になることもままあるものです。

 きっと、今、アメリカで水面下で動いているものが、表にでてくるのは、数年後なのでしょうね。今から、楽しみです。でも、そのときには、こちらからも何かをもっていきたいものですね。

投稿者 jun : 2005年6月 5日 10:28


クルト=レヴィン

 有名な社会心理学者にクルト=レヴィンという人がいます。教育学でいうと、「アクションリサーチ」という手法を提唱したことで知られているでしょうか。

 この人、学問の業績はもちろんのこと、いくつかの名言を残していることで、非常に有名です。

よい理論ほど実際に役にたつものはない

書物以外のものを生み出さない研究は、満足なものとはいえない

 うーむ、噛めばかむほど味がでる、スルメのようなことばですね。そして、この言葉を「口」でいうだけじゃなくて実行にうつしたのが、彼でした。

 そんなわけで、僕はこの人が好きなのです。

投稿者 jun : 2005年6月 4日 10:16


おすすめ韓国料理レストラン

 某民放テレビ局で働いていたH君に連れて行ってもらった、H君おすすめの韓国料理のお店。

兄夫食堂(ひょんぶ・しょくどう)
http://www.hyungboo.com/index_home.html http://r.gnavi.co.jp/g890700/

 肉とか鍋とかいろいろある。個人的には「海鮮ちぢみ」が美味しいなと思った。なるほど、居酒屋ででてくる「ちぢみ」とは、ちょっと違うんだな、と。

 TBSのすぐ近くにあるだけあって、24時間営業をしているらしい。BoAなどの芸能人もよくおとずれるとか。カベ一面には、芸能人のサインが飾ってあります。

 予約していった方が確実です。
 これからの季節、夏バテ等には最適かも。

投稿者 jun : 2005年6月 3日 10:10


発表終了

 CSCL2005(コンピュータを活用した協調学習に関する国際会議)、発表たった今終わりました
 質問は3つでたけど、何とかかんとか答えました。セッション終了後には、話しかけてくれる研究者もいて、かなりご機嫌でした。It's so impressive!、もっと言ってくれ。

IMG_1521.jpg

 あー、疲れた。それにしても、僕がはじめてこの学会を知ったのは1995年。それからもう10年たったんだねー。僕がこの領域を志してから、10年なわけです・・・。思えば遠くにきたもんだ。

 でも、この10年のCSCL研究の成果をそろそろまとめる時期なのかもしれませんね。こちらの方は、ゆっくり単著で本などをしたためたいと考えています。

 ちなみに、今回の学会のAcception rateは30%だったそうです。正直ちょっと低すぎると思う。もっと多様なシステム、教授法、そして多様な参加の形態を認めればいいのにと個人的には思うけど。

 あとは、人の発表をEnjoyさせていただきます。

 ---

追伸.
 今、望月君の発表練習から帰ってきたところです。加藤さん、藤谷さん@目白大学、僕で参加しました。彼は、今回、気合いがはいっている。明日の昼飯も食わないで発表練習するらしい・・・。頑張ってね、望月君。

投稿者 jun : 2005年6月 2日 17:10


雑感

 昨日の夜は、中山駅近くの日本料理居酒屋にでかける。

 加藤さん@NIME、望月君@神戸大学、中原の3人で「教育学者と政治」「教育研究の政治学」というテーマでずいぶん盛り上がった。

 「状況論をつきつめていくと、人間の認知や行為にはたらくポリティクスの問題にすべてぶち当たる」・・・今となっては「学習環境デザイン」という言葉は誰でも使う言葉になってしまったけれど、「教授設計(instructional design)」に対するDEE(Designing Educational Environment)という概念の構築にかかわり、それに関する研究会を認知科学会内に立ち上げた加藤先生の言葉は非常に印象的だった。

 しかしながら、あまりに盛り上がったからといって、3人で焼酎を一瓶空けてしまったのは、「想定の範囲外」であった。はい、飲み過ぎ。

 早朝、僕は元気に起床。今日もよい朝、快尿、快便。

 今日の会議では、石井裕先生(MIT)のキーノートスピーチをきく。Tangible media、Ambient mediaなど、おなじみの概念ではあるが、その出自、そこに込められた意味などを、あらためて学ぶことができてよかった。

石井裕先生
  http://web.media.mit.edu/~ishii/
Tangible Media@MIT Media Lab
http://tangible.media.mit.edu/

 個人的には、石井先生のプレゼンの中で紹介されていたI/Oブラシというお絵かきツールは - Kimiko Ryokaiさんのつくられたものですね。彼女の研究は、僕が大阪大学の学生であった頃から、ずっと注目していて、論文をみんなで読んだこともあった - これは「発明」に近いと思う。

Kimiko RyokaiさんのWeb
http://web.media.mit.edu/~kimiko/
I/O Brush
http://web.media.mit.edu/~kimiko/iobrush/

 絵を構成する要素の中に「歴史」という軸がうまれる。ツールのおかげで、「絵」そのものの概念が変わる。スバラシイ。

 プレゼンテーション終了後、後から何人かの聴衆と話したら、その中には、素直に工学的な新しさを認められない人っていうのも少なからずいたようだ。「むしろアートに近い...」とかごにょごにょ言っていた。

 でも、ツールの新奇性、誰にも思いつかないようなハッとする概念、そうしたものは、もっともっと教育学の中で認められてもよいと思う。「アートに近い」という言い方で済ますことで、新しいものを受け入れず、安心できるのはわかるけど、それはどこかオカシイ。

 「設計 - 開発 - 評価」・・・あなたが知っている「型どおりのスタイル」で論文をかき、あなたがやってきたように、アカデミックなアウトプットをだしていくことも、言うまでもなく重要である。

 しかし、たとえそのうちの何か - 例えば評価 - が欠けていようとも、開発物がオモシロく、独創性が高いものであれば、その価値は素直に認めるべきである・・・たとえそれがあなたの「やり方」にはあてはまらなくっても。

 もし、そうしたステキなものが、ヨノナカで最も最先端をいくはずの、アカデミックな世界の中ですら認めらないというのであれば、どこかオカシイのは、アカデミズムの方であると僕は思う。

 そして、より重要なことは、ステキなモノは、「待って」はくれない。アカデミズムが見放したとしても、よりステキな世界がそれを受け入れるだけの話である。

 曇りのない目で見るべきだ。そして見逃してはいけない。アカデミズムの世界からこぼれ落ちる、あのステキなモノたちを。自戒をこめて、そう思う。

 ---

 ポスターセッション。

 白水先生・三宅先生のポスターが印象的であった。

講義というものは、大量な知識を伝達する手段だと思っている人が多いけれども、それは違う。講義では、知識を伝達することはできない。

ある講義の終了から、12ヶ月後に、どのくらい講義の内容を覚えているかをインタビューで聞いた(Retrospective interview)。そうすると、45%の学生は、何ひとつ講義であつかったはずの内容を思い出せない!

それでは、その講義の忘却をふせぐ手段として何が考えられるか。それが、Commentable Video Annotationである。講義を細分化したヴィデオクリップにコメントをつけられる機能をつける=記録ができるようにした結果、より深いレベルの学習がおきた

 だいたいご発表は以上のようなものであった。

 何年か前に、SIGLESという研究会をやった際にも、上記のような内容を三宅先生がお話ししていたことを思い出す。

 「講義とは、忘れ去られる運命にあるのです」

 ---

 帰ってきてからプレゼン作り、論文査読、原稿執筆など。プリンタを台湾に持参してよかった。どんどん仕事が進む。でも、正直いって、休みたい・・・・トホホ・・・携帯型プリンタなんて開発した奴は誰だ・・・。

IMG_1486.jpg

 そして人生は続く。

投稿者 jun : 2005年6月 2日 00:48


日本人男性

 毎年、台北ではおびただしい数の国際会議が開かれる。それには、日本人も大挙して押し寄せている。僕らの泊まっているホテルにも、日本人は多い。

 今日、朝食をとりにレストランに向かったら、ある日本人男性のビジネスマンとおぼしき団体が店内で、いざこざをおこしていた。

 「そりゃ、アンタのせいだ!」とか、「なんで、アンタにアンタよばわりせなアカンのだ!」とか、言い合っていて、そのうちに、ある若者がキレて、席をバーンと立ち上がり、今にも飛びかかっていそうになっていた。

 まぁ、事情は知らん。ていうか、知りたくもない。

 しかし、事情はともあれ、レストランは公共の場所である。その場で、静かな朝を迎えるのは、そこに泊まる人にとっての「ささやかな権利」である。

 ていうか、おめーら、うるせーんだよ、このアンポンタン!

 日本人は「公共の感覚」がないと言われる。よくあるステレオタイプかもしれないが、こういうアンポンタンを朝から見ていると、そんな気もしてくる。

 あと、ひとつどうにもイヤな気分になってしまうのは、台北を歩いていたら、そこらじゅうで「可愛い子いるよ」と声をかけられることだ。

 どこでも、声をかけられるということは、それほど、「可愛い子いるよ」という声に反応してしまって、アタマやナニが「サンバ」してしまう日本人男性が多いってコトの証左だろう。

 僕の場合、「可愛い子いるよ」の声は無視する。だから、そこにはある種の「気まずさ」がうまれる。その気まずさが、嫌いだ。

 ---

 僕は過度に日本人を悪くいったり、一面的に非難すること好きではない。僕は日本人である。そして、日本人が僕は好きだ。

 でも、日本人男性のおかげで、- こういう根拠のない過剰な一般化は研究者として最も忌避すべきことではあるが、敢えて - どうにも朝から、気分が悪い。

 これに対して、日本人の女の子たちは平和である。2人から3人で仲良く、台湾旅行を楽しんでいる。彼女たちみたいな時間の過ごし方をすればよいのに。どうにも、そちらにシンパシーがわく。

投稿者 jun : 2005年6月 1日 01:01