早期教育の誘惑

 「親歴1ヶ月とちょびっと」にして、痛烈に感じることがある。「親をとりまく早期教育の誘惑がいかに強烈か」ということだ。

 どの育児雑誌を読んでも、新聞を見ても、テレビを見ても、早期教育の宣伝が満載である。

「今、やらなければ、手遅れになりまっせ。えーんですか、おたくの子ども、手遅れになっても」

 直接的にはそう言わないけれど、そう言っているように感じてしまう。

 子どもをもつ前は、その存在にすら気づかなかったことなのだけれど、いざ親になってみると、注意がそういうメッセージに向かってしまうから不思議だ。人間の注意資源は、いかにセレクティヴかということがわかる。

 早期教育勧誘の論法は基本的に共通している。

「これをやるだけで、アタマがよくなります」

 これである。

 ある知り合いの先生が、こういった類の論法を「みのもんた式」と名付けていたいたのが印象的だった。

 みのもんたは、「おもいっきりテレビ」で、日々「○○を食べれば健康になる」と「健康によい食材」を紹介し続けている。(毎日毎日紹介しているのだから、しばらくすると、かなりの食材が指定されるだろう。ということは、皮肉であるが、何を食べても健康になるということ?)

 基本的に早期教育の場合も、「健康法」と同じ。様々な媒体で「これやるだけでアタマがよくなります」式の「みのもんた式教育法」が日々紹介されている。

 もちろん、中には、セオリーや評価がしっかりしているものもある。先日見つけたメソッドは、米国の学術雑誌に実証実験の論文が何本も提出されており、いくつかをざっと興味深く読ませてもらった。評価手法が非常にリゴラスで好感をもった(この手法は、いわゆる早期教育とはちょっと違う・・・親と子どものコミュニケーションをいかに円滑にするか、という手法)。

 ただ、中には、かなりいい加減なものもある。要するに「アンタが、言ってるだけ、そう思っているだけ」。医学にたとえて言うならば、「額にきゅうりをのせると、熱がさがる」みたいな民間療法風メソッドも、散見される。

 そういうメソッドほど、「みのもんた度」は高い。あるタスクや刺激を子どもに与えることで、自ずと「アタマがよくなる」、という論法をとっているような気がするのは、気のせいか。

 いずれにしても、親がしっかりとメソッドを見極める目が必要になると思う。子どもを賢く育てたいのならば、親も賢くならなくてはならぬのだ。子どもは教育法を選べない。

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 僕は明日東京に帰る。

 年末年始2週間も休みをとったのは、就職後、「初」のことであったけれども、ゆっくりと子ども、カミサンと過ごすことができて本当によかった。

 この期間、タクはめざましい成長をみせた。

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takuto_mimi.jpg

1.重くなった
  →体重は5キロを超えた
  →肥えすぎ?
 
2.アー、とかウーとか言うようになった
  →単に苦しんでいるだけかも?

3.足が太く、強くなってきた
  →たまに「伸び」をして立とうとする
  →立っているように見えるが、
   ちょっと身体を反りすぎているような
   気もする。
 
4.話しかけると見つめるようになった
  →話しかけると笑うようになった
  →気のせいかもしれない

5.目がたれてきた
  →少しずつ顔が柔らかになってきた
 
6.まゆげがはえてきた
  →少しずつ濃くなっている
  →今まで、ヤンキーみたいだったので
   安心している。
 
7.乳児湿疹が治ってきた
  →一時期はかなりヒドイ状況だったが
   改善された

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 次に逢うときには、どのくらい成長しているだろうか。楽しみで仕方ない。

 そういえば、先日、ある先生にこんなことを言われた。

「子供は、本当にアッという間に大きくなります。一緒に過ごし損ねた時間は取り戻せません。仕事を質を落とさずに圧縮(lossless compression!)するノウハウが重要です」

 その言葉の意味が、何となくわかってきた。「Lossless compression」は難しいことではあるけれど、チャレンジしないわけにはいかない。課題がまたひとつ増えた。

 そして人生は続く。

takutonegao.jpg

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追伸.
 僕個人としては、早期教育に関しては、批判的である。否定的なのではない。クリティカル=批判的に善し悪しを見極めつつ、親がカスタマイズして利用できるものは利用すればよいと思う。毛嫌いする必要はない。
 ただ、教材を買えば結果オーライというのではない。教材をいかなる育児環境で用いるか、いかなる親 - 子どもの関係の中で用いるか、そちらの方が重要である。

  

投稿者 jun : 2007年1月 7日 17:00

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