「ソーシャルラーニング」か「ラーニング・イズ・ソーシャル」か?

 先日、あるところで議論が「ソーシャルラーニング」に関する議論が盛り上がりました。話題になっていたことは「ソーシャルラーニング(social learning)」なのか「ラーニング・イズ・ソーシャル(learning is social)」なのか、という、マニアックな話題です。この時点で「ま、どっちでも、いいんでないの?」という方は、どうぞ、読み飛ばして下さい(笑)。

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 最近、TwitterやFacebookなどのソーシャルメディアが普及していく中で、それらに媒介された「新しい学びのあり方」が注目され、「ソーシャルラーニング」という言葉が生まれているのだそうですね。非常に興味深いことです。先日、ある勉強会で伺いました。
 
「これからはソーシャルラーニングの時代です!」

 というスローガンが語られることもあるそうです。
 確かに、昨今は、ソーシャルメディア上で様々な知識が生み出されるようになったり、それを用いて様々な人々がつながり、気づきを相互に与えあうような環境や現象が、出現してきました。そういった現象を「ソーシャルラーニング」という概念で、まとめるのであれば、それもよいのかな、という気もします。

 しかし、これに関して、僕自身は、この概念には興味をもちつつも、その意味するところが「ソーシャルメディアを使った学習」に限定されるのだとしたら、少しだけ、ひっかかるところもあります。

 もし万が一、「ソーシャルラーニング」が「新しい学習のあり方」だと考えられ、かつ、「これまでの学びはソーシャルではなかったから、これからはソーシャルラーニングなんだ!」・・・さらには「ソーシャルラーニングさえあれば、学校なんていらないぜー」と考えられることがあるのだとすれば、それは、僕の考えとは、少しだけ異なります。

 むしろ、「ラーニングとはソーシャルなものである」というのが僕の立場です。これは、1980年代以降の学習研究の理論的系譜にも呼応します。1980年代以降の学習研究は、マクロに見れば、一貫して「一見、個の現象と見なしうる学習を、いかに社会的なものとして描き出すか」ということに関する挑戦を企ててきました。

 その立場にたつとすると、ソーシャルメディアがあろうと、なかろうと、TwitterやFacebookが、あろうと、なかろうと「ラーニングはそもそもソーシャルである」ということですね。ひと言で述べるのであれば、「ラーニング・イズ・ソーシャル」ということになりますね。

 むしろ、「そもそもラーニングはソーシャルなもの」として考えることが適当なのではないか、と。ソーシャルメディアは、それを加速するひとつの手段であって、重要な契機である、という感じですかね。

 うーん、微妙なニュアンスの違い。
 ま、いいか(自爆)。

 今日のお話し、「今日・明日の生産性」には1ミリも統計的有意な正の影響は及ぼさないので(笑)、早々に切り上げますけれども、「ソーシャルラーニング」という言葉で、そんな議論が盛り上がりましたよ。

 そして人生は続く。

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■2012/03/05 Twitter

  • 23:01  小生は隔年で授業を担当し、卒業論文指導も受け入れます!RT @nozawa 広域科学科から学祭科学科に変わったのですね!魅力溢れるところでした!RT 東京大学教養学部・学際科学科・総合情報学コース http://t.co/tvSTbXRq  [in reply to nozawa]
  • 19:59  東京大学教養学部・学際科学科。小生も兼任しておりまする。 http://t.co/tvSTbXRq
  • 07:02  OECD PISA(国際学力比較テスト)から見た日本の教育現場:ビデオクリップが印象的>http://t.co/dYMmxY4N
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■2012/03/04 Twitter

  • 17:21  ちょっと「飛び級」しすぎなんですけどね(笑)。RT @39yamane 天然でバタフライ?すごいですね。 RT TAKUZOプール教室。クロールは、両腕同時に、水をかきだすんじゃないんだよ。片腕で交互にやるんだよ。
  • 11:06  TAKUZOプール教室。クロールは、両腕同時に、水をかきだすんじゃないんだよ。片腕で交互にやるんだよ。
  • 08:02  福山さんのプレゼンにあったので、読み直し。示唆に富む本ですね。生態学的心理学とプラグマティズムを理論接続して、直接経験と間接経験を考える。直接経験が減衰していく現代社会の危険>Reed,E.「経験のための戦い」: http://t.co/DZbYGpfB
  • 07:38  ちょっと気になる、いい言葉ですね。>@fumituki85 僕もこの言葉が刺さったのでスライドに入れました。絶対的な価値がない時代、意味は探して見つけ出すものになるだろうなぁと RT 我々の生活の「意味」は、自分でそれを「探す努力」を払うときにのみ、見出されるだろう  [in reply to fumituki85]
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■2012/03/03 Twitter

  • 21:19  我々の生活の「意味」は、自分でそれを「探す努力」を払うときにのみ、見出されるだろう(Reed 1996)
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■2012/03/02 Twitter

  • 21:57  明日から水「MELL EXPO」(3月10日・11日)だそうです。デジタルストーリーテリング(写真とナレーションでショートムービーを作成するワークショップ)のご発表もあり、とても興味深いですね> MELL EXPO http://t.co/Ezx5ddE4
  • 18:02  染川さん、先日の研究会ではありがとうございました。Nさんて誰でしょうね。また教えて下さい!RT @ksmkw 先日はどうもでした!楽しかったです♪ Nさんは中原さんと私が繋がっていたことに驚いていました。  [in reply to ksmkw]
  • 18:00  このたびはお疲れ様でした!今後もよい縁を!RT @maa20xx 東大中原研の合宿「EnCamp」に参加させて頂きました!帰りに/EnCampメンバーをco-baにご招待。学びでイノベーションを起こそうとしている方々とco-baの出会いを良い御縁に育てていければと思っています!  [in reply to maa20XX]
  • 17:38  全く同感です。こりゃ、ウカウカしてられないね(笑)。>EnCamp終了。ただいま自宅。フラフラです。これは後で振り返らなければ。ひと言:学部生のパワーを感じました。やれることは大量にある!  #encamp2012
  • 17:37  春合宿「EnCamp」終了&片付け終了しました。参加いただいた皆様、お疲れ様でした&ありがとうございました。中原研M1・伊勢坊さん、舘野さんをはじめとして、研究室の院生の皆さま、お疲れ様でした。#encamp2012
  • 17:35  羨ましい!ぜひ素晴らしい時間を!RT @t_mochizuki: 夏のアメリカ行きチケットを確保。7/29の夜から8/30の夜まで滞在します。英語を勉強しに行きます〜。
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■2012/03/01 Twitter

  • 07:04  中小企業の人材育成を研究している橋本先生(@satoshi_hashimo)の良記事>「人材育成は「行う」ではなく、組み込む!」http://t.co/5kOkEmMY
  • 07:00  週2回授業とかにするのかな。興味ぶかし>早稲田大学、1年を4学期にわけるクォーター制へ 来年4月から 独自路線で国際化。約2カ月(8週)で終わる短期集中型の授業を増やし、学生が留学しやすくする。(日経)
  • 06:58  【おすらせ】3月13日19時-「インプロ×組織×クリエィティビティ」UST配信。インプロを研究する高尾隆さん(学芸大)、デザイン教育の観点からインプロを用いて組織創造力の向上をめざす上平崇仁さん(専大)と中原とでプレゼン&トーク。その場でインプロも?。
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■2012/02/29 Twitter

  • 05:31  朝から気合い。明日から大学院春合宿「EnCamp」なので、今日は今週のすべての仕事を片付けなければ。EnCampは、すでにFacebookページが盛り上がっています。 事前学習用ビデオなどもあります。http://t.co/MlYcrE8P
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■2012/02/28 Twitter

  • 17:40  地下鉄大手町駅。丸ノ内線から千代田線への乗り換えで、迷子になった。階段上がったり、下がったり、まるで冒険だね。
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■2012/02/27 Twitter

  • 06:45  秋入学問題に関して>基礎教育、実現のチャンス(一橋大学長 山内進氏):従来通り、4月に入学させるが、9月から国際的サイクルの学期運営を行う。4月から9月までは「導入学期」、大学が責任を持って教育する。4年次最後を「修了学期」と設定(日経)
  • 06:40  ほほー興味深い>社会人大学院生、大学院生定員の2割に(5万4994人 / 27万2566人)。社会人大学院生が最も多いのは医療・福祉分野、全体の33.0%。教育、理学・工学・農学は増加。MBAロースクール等の社会科学分野は06年より8.1%減、現在2位(日経)
  • 05:12  へー。びっくり。背景には「本離れ」の問題があるのかなぁ。記事によると最低だったのは15年前だそうですが>様変わりする高校図書館、書店のような飾り付け・企画コーナーなど(asahi): http://t.co/L2a7McMk
  • 04:47  金井先生、ありがとうございます。今度、ぜひ拝見させて下さい!RT @tkanai1954 ロンドンビジネススクールにいたとき、当時の住銀、野村證券、神戸製鋼、パナソニック、富士フイルムの英国現地法人に勤務する50人におこなったインタビュー調査があります。  [in reply to tkanai1954]
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■2012/02/26 Twitter

  • 21:49  全く同感です。特に、最近では、組織の思いどおりにならないことは、すぐに「個人の資質のせい」にしてしまう議論が横行してますので、注意が必要かもしれません。 RT @sakura_osamu 「〇〇しろ」というのは誰でも言えますよね(以下略)RT 海外勤務  [in reply to sakura_osamu]
  • 19:24  なぜ「ポケモン」だけが闘うのか。なぜ人は「ポケモン」に指示するだけで、己は闘おうとしないのか。どうも納得がいかない。今、はじめて見たから事情は知らないけど(笑)。ミジュマル、オマエも大変だなぁ。。。
  • 17:35  なるほど>RT @osk_0328 その通りです。で、行く方も様々。「日本と同じ」って感覚で、行ってから「こんなはずじゃない」と騒ぐヤツもいれば、行く前からあれやこれや「そんなことまで心配しても今は何もできないよ」って言いたくなるヤツもいる RT 海外勤務  [in reply to osk_0328]
  • 17:09  同感です(笑)RT @sakura_osamu 大学も同じですね。RT 「グローバルに活躍せよ」と社員にメッセージを発し、それを求めるのなら、「海外勤務に関する人材マネジメントのあり方」をもっと整備した方がいいように感じます。  [in reply to sakura_osamu]
  • 16:53  「グローバルに活躍せよ」と社員にメッセージを発し、それを求めるのなら、「海外勤務に関する人材マネジメントのあり方」をもっと整備した方がいいように感じます。データを見ていて、海外勤務に関する考え方が「行き当たりばったり感」漂っているように感じるのは、気のせいかな。
  • 16:48  最近「海外勤務に関する調査」の分析をしている。海外勤務の内定・着任・滞在・帰任までを追う研究。それにしても、皆さん突然海外勤務を言い渡されているんですね。準備もクソ(失礼)もないだろうなぁ。10%弱の人々は「約1ヶ月前」3割の人は「約1ヶ月前から3ヶ月前」に「はじめての打診」。
  • 16:44  さっきワークショップコレクションでTAKUZOが体験してきた「対話型鑑賞」を調べていたら(今、TAKUZOは昼寝中)、平野君のスライドが出てきて勉強になった。まだ言説空間の全体像は見えず。とりあえず、アメリア・アレナスさんの本をすべて注文。...
  • 15:18  お疲れ様です!>RT @mikadukihime そして中原センセ&TAKUZOくんに遭遇。RT @mikadukihime: ワークショップコレクション2日目。黄緑色のど派手なウィンブレ着てうろうろしてます、そろそろ子どもスタッフと取材に出かけまーす♪  [in reply to mikadukihime]
  • 15:13  自己メモ:対話型鑑賞。京都造形芸術大学アート・コミュニケーション研究センター: http://t.co/JjBrSlzF ミモカアートカード:https://t.co/mI3M5Qd0
  • 15:08  ワークショップコレクションにTAKUZOと出かける。スゴイ人。平野君、三宅君らが取り組んでいる対話型鑑賞のワークショップにも参加。TAKUZOも愉しんでいました。お疲れさまです。 http://t.co/uKtQxLwD
  • 11:19  TAKUZOでかした。苦節半年。昨日の特訓が報われた。冬のプールは寒かったけど。 http://t.co/wQgKEtkm
  • 10:48  ブログ更新。そもそも「コラボレーション」とは何か? :「みんな仲良くモデル」と「インプロヴィゼーションモデル」。皆さんのコラボレーションのイメージって、どんなものですか> http://t.co/O24FGrs6
  • 10:04  TAKUZOプール教室。僕はカフェで仕事。空いているので、パソコン二台持ち込み中。 http://t.co/UOsYCbmI
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投稿者 jun : 2012年3月 6日 07:01