時代の扉を自分たちで開けたい・・・電子書籍「AiR」を読んでみた

 作家の瀬名秀明さん、桜坂洋さんらが、「出版社を通さず」、自ら会社をつくり発刊した電子雑誌「AiR」が発売になった、というので、早速、ダウンロードしてみました。

denshishoseki.jpg

 現在、キャンペーン価格350円で、iPhone/iPadでのみ閲覧できます。iTunesからの購入になります。アプリのかたちで配布されています。

電子本
http://electricbook.co.jp/

 内容は下記のようなものバラエティに富む内容です。個性的な一流の書き手が、それぞれのテーマで書き綴っています。

■巻頭グラフ「横山裕一、豊潤の世界」
■小説「デビルマン魔王再誕」永井豪=原作/桜坂洋=小説/籬讒贓=画
■評論「平安デジャブ──抱擁国家、日本の未来」
   前野隆司(慶應義塾大学大学院SDM研究科教授)
■小説「魔法」瀬名秀明=文/むらかわみちお=画
■エッセイ「背徳の食卓~"やっちゃいました"と言ってみたくて~」
   岡田有花(ITmedia News)=文・絵
■対談「歴史、政治体制、ロボットアニメ」
   本郷和人(東京大学史料編纂所准教授)
■評論「『電子書籍が儲からない』は嘘である」
   中村祐介(エヌプラス代表)
■エッセイ「IT革命と相撲」
   カレー沢薫=文・漫画
■ノンフィクション「1969 バブル世代に生まれて」
   堀田純司

 個人的には(あくまで僕の趣味)、ちょっと前まで大学院(学環)で同僚であった歴史学者・本郷先生の「歴史、政治体制、ロボットアニメ」、岡田有花さんのエッセイが面白かったです。禁じ手「スタバのカップで、味噌汁を飲む」は、笑えました。

 中村祐介著『電子書籍が儲からない』は嘘である、は勉強になりました。

「これまでは、200ページくらいのボリュームでストーリーを考えるという逆算型の発想で多くの本はつくられてきた。その結果として、伝えたいことはただひとつ。10行程度のものなのに、あの手この手で整理し、簿劉ー無を増やすといったことが行われてきた。(中略)電子書籍なら、極端な話、本質を凝縮した5ページの本でも売ることはできる。コンテンツという素材に適した調理の仕方がよりしやすくなってきたのだ」

 というご指摘は、まさにそのとおりだと感じます。
 おそらく電子書籍化は、コンテンツのモジュール化を推進し、それゆえに、ひとつひとつのコンテンツのエッセンスは、より凝縮したものになる可能性があるのではないか、と感じました。

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 本誌の冒頭、著者らは言います。

「なにかを否定するためではなく
  新しい可能性を肯定するために何かをやりたい」

「時代の扉は自分たちで開けたい」

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 とても、共感できる言葉です。

 このブログですでに紹介したように、今年、僕と重田先生が駒場でやる授業「メディア創造ワークショップ」では、東京大学の学部生12名(上限)が、電子インタビュー雑誌をつくることにチャレンジします。

メディア創造ワークショップ

http://www.nakahara-lab.net/blog/2010/06/ipad_1.html

 雑誌のコンセプトは、「大学生を元気にする」。

「自ら進路や就職を切り開こうとしている20代の同年代の学生、大学院生を勇気づけ、背中を押してあげられるような内容」をめざし、インタビュー相手を決めて、コンテンツを執筆・編集することにチャレンジします。
 
 学生たちが編集したインタビューは、テキストとビデオのかたちにまとめられ、最終的には、ipadで閲覧することができるアプリとして、「AiR」と同じように、配布をするつもりです(無償)。

 学生が取り組むものですから、AiRのようなクオリティは難しいとは思いますが、何とかかんとかやりとげたいな、と思っています。

 今、この授業の準備が水面下で進めています。技術的な問題はクリアしました。あとはカリキュラムの構築です。この授業には、多くのメディア関係者の方々にご協力をいただきたいと考えています。

 なんだか楽しくなってきました。

「時代の扉を、学生と一緒に開けたい」

 そんな風に思います。
 
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■2010年6月16日 中原のTwitterタイムライン

  • 23:18  RT @ShibainuKing: 出版社を通さずiPadに電子書籍 作家の瀬名さんら 既存の出版社を通さず書き手が直接、電子書籍を出す。http://bit.ly/9eMuVA
  • 23:17  RT @clione: Twitterブログ: Twitterに何が起こっているのか? "サイトの安定度とサービス停止頻度の点で、今月はTwitterにとって昨年10月以来最悪の月になっています。" http://bit.ly/aRuwLr
  • 23:17  医療は100%の正解がない世界である。にもかかわらず患者やその家族からは100%を求められる。人間である以上、医者も迷う。RT @gendai_biz: 医者は迷う、医者は間違えるhttp://bit.ly/ay8FEn #iryou
  • 12:34  某教員養成系大学の先生から、12月のシンポジウムへの登壇以来。教員の職能発達を考えるシンポジウムとのこと。謹んで、お引き受けさせていただいた。
  • 12:32  研究室の大学院生と取り組んでいるプロジェクトのため、朝から文献をあさる。昼以降は時間はゼロ。何とか間に合った。嬉しい。
  • 10:32  必見!RT @tomotaniguchi: 1年前、一皮むけた経験のインタビューにおけるリフレクシヴ・インタビューのペーパーを書きました。http://ow.ly/1Z1Lg RT ブログを書きました。インタビューの2つの側面:Reflective Interview /...
  • 09:53  RT @saoino: インタビュイーにとってリフレクティブなインタビューだと、大概、いい原稿ができる気がします。インタビューする側にも変化が生まれるからなのかもしれません。すみません、この話題、ツボです RT インタビューの2つの側面  http://ow.ly/1YYKm
  • 09:52  RT @saoino: 私もインタビューをしていて、インタビュイーの人が「そうか!つまり、そういうことだったんですね」と一人合点する姿を何度か見たことがあります。そんな瞬間を共有できると嬉しくなります RTインタビューの2つの側面  http://ow.ly/1YYKm
  • 09:52  情報ありがとうございます!RT @mizuno_s: インタビューの相互作用に注目すると、調査としてのインタビューも相互行為と捉え、相互作用を盛り込む必要があります。お勧め文献/アクティブ・インタビュー(せりか書房)RT ブログを書きました。インタビューの2つの側面
  • 08:04  RT @thinkingtrier: インタビューをリフレクティブにするにはインタラクティブに刺激しあう必要がある.双方向で刺激しあわないとリフレクティブにならない気がする.RT @nakaharajun インタビューの2つの側面 http://ow.ly/1YYKm
  • 07:26  RT @carzoo_k: Reflexive interview の効用。同意。大学院の授業でも活用しています。RT インタビューの2つの側面:Reflective Interview / Reflexive interview。 http://ow.ly/1YYKm
  • 07:26  RT @TanakaLaJunko: 面談は上司→部下のinterviewだが、部下→上司もやれば相互の学びが深まるかも。RT Reflective Interview/Relfexive interview http://ow.ly/1YYKm
  • 07:02  ブログを書きました。インタビューの2つの側面:Reflective Interview / Relfexive interviewです。 http://ow.ly/1YYKm
  • 07:02  RT @carzoo_k: インターの先生の雇用条件で日本は大きく引き離されている。RT @wakakusamaya: 北京やシンガポールに、先生も生徒もどんどん流出しています。 @nakaharajun @takashiiba @yujin511: 文化が分かる人の有用度
  • 06:32  行政と教育現場を媒介するNPOの活動が日本と米国では相当異なる:米国でもままならない「教育の情報化」「政府投資」と「NPO等による投資・支援」(日経) http://ow.ly/1YXZH
  • 06:30  読んでみたい:マンガの教科書『漫画力』 大学准教授が解説 (ASAHI) http://ow.ly/1YXYU
  • 06:25  ハーバード・エデュケーション・レビューというのがあったんだ!。Harvard Ed. Pub.(http://www.hepg.org/) の発刊。RT @Harvard_Ed_Pub: Harvard Ed Letter wins http://ow.ly/1YKph
  • 06:19  顧客接点のある企業において、ipadのビジネス利用などがすすむ。http://bit.ly/c0UpfU
  • 06:16  ipadを科学の授業で使う RT @NMHS_Principal: Teacher to use iPad to motivate science students (via ASCD Smartbrief) http://bit.ly/cVWcbv #edtech
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投稿者 jun : 2010年6月17日 07:12