ヒューレットパッカードのコミュニティ・オブ・プラクティス

 The learning organizationという学術雑誌に掲載されていた、コミュニティ・オブ・プラクティスの事例論文を読みました(荒木さんに頂いた)。

 ヒューレットパッカード・コンサルティング・インテグレーションという日本の会社において、「Learning Community」っていう名前のコミュニティ・オブ・プラクティス(実践共同体)をつくりましたよ、という事例論文なんですけど。

 HPさんでは、「知識共有」に関する試みは、従来からいろいろやられていたそうですね。

 年に一度、その年のサクセスストーリーを共有する「ベストプラクティスフォーラム」を開いたりしていた。
 あと、ベテランコンサルタントが、経験のないコンサルタントを救うためにつくったサクセスメソッド集「サービスデリバリーキット」ってのがあるらしい。

 で、それに加えて、先ほど書いた「Learning community」があるわけですね。

 このLearning communityは、同じビジネスユニット内で働く社員がつくる場合もあったし、部門は違うけれど同じ職種(profession)ごとに集まった場合もあった。Webやメーリングリストの仕組みもあって、virtualとrealをむすびつけたような場でったようです。

 ・・・てなことを、事例として紹介する論文だったのですが、特に興味をもったのは、このLearning communityが、KM部門(Knowledge Management部門)のハンドリングというか、支援によって実施されていた、というところなんですよね。どこか自然発生的におこるのが、CoPsの特徴かな、とも思うんですが、この会社ではそれをprofessionに見る人がいて、管理していた。

 うーん、どうなんだろう、やっぱり、社内のナレッジ環流を専門的に見る人って必要なんだろうか、と考え込んでしまいました。でも、なかなかそれぞれの事業部をまたいで活動するのって難しそうですよね。話している内容だって、それぞれコミュニティにspecificな話題になるだろうし。

 そういう部門にいる人は、どういうスキルをスペシャリティとして持てばいいんだろうね、と思うんですよね。やはり、ジェネラルなファシリテーションスキルとかなんだろうか。

 ちょっと昔の本になりますが、名著に「リクルートのナレッジマネジメント」というのがあります。いわゆる「ナレパラ」の事例ですけれども。ここにも、そういう専門の人がいましたね。

 やっぱりそういう風な外部からのお膳立てがあって、CoPってできるものなんだろうかね?・・・もちろん、ほおっておいても、自然発生的にCoPが生まれちゃう会社、あるいは、そもそもCoP的な活動が、ディリーオペレーションの中に埋め込まれている会社はあるんだろうけど、やっぱり、いろいろタネはまかないとアカンのかなぁ。

 ちょっと疑問です・・・モンモン。

  

投稿者 jun : 2007年6月19日 07:00