NAKAHARA-LAB.net

2018.11.8 06:47/ Jun

「アイスブレーキングタイム!」と言われると、余計に緊張して「気恥ずかしく」なっちゃう「困ったちゃん」のボヤキ!?

 研修やワークショップでは、一般に、冒頭に「アイスブレーキング」という時間が設けられます。アイスブレーキングとは、「研修やワークショップなどの参加者の緊張を解きほぐすためのミニワーク」のことですね。
   
「さぁ、ここで、早速なんですが、アイスブレイクをしましょう」
   
 という感じで、研修やワークショップが、ちゃんちゃかちゃーんとはじまった経験をお持ちの方も少なくないのかな、と思います。
 こういうインストラクションを、講師やファシリテータから受けますと、たいてい、研修参加者は、知らないもの同士、気恥ずかしさを抑えながらも、何とかミニワークに取り組みます。
  
「はじめまして・・・じゃ、やれって言ってるんで、なんだかわかんないけど、やりますか? 何からはじめるんでしたっけ・・・」
  
 みたいな感じで(笑)。
  
 ▼
  
 ところで、まことに個人的なことで恐縮なのですが、僕は、この「アイスブレーキング」というのが、どうにも「苦手」です。
 もともと「ネクラ」なせいか(ふだん明るく振る舞っているのは、職業のため「明るい自己」を演じているだけで、超絶ネクラ・オクテです)、アイスブレーキングと言われると、よけいに緊張しちゃって、恥ずかしくって、その場から逃げ出したくなる衝動にかられます。
  
 どうにもこうにも「アイスブレーキング、やるどー」と言われると、余計に意識して、他の参加者に「目が合わせられなくなっちゃう」。なんか、理由をつけて、トイレに立ちたくなっちゃう。まことに困った人間です。
    
 あと、これは、「いちゃもん of いちゃもん」なのですが、「さぁ、今から、アイスブレーキングだよー」と言われてしまうと、
    
 「なるほど、このワークショップに参加している人々のあいだには、巨大なアイス(氷塊)が存在していて、これからガリガリとブレークされちゃうのね」
  
 と思ってしまうのです。
   
 これから「ブレークされる存在としての自分たち」という「喩え」に、どうにも、一瞬、「さみしさ」のようなものを感じてしまいます。実際に、自分たちのあいだには、「アイス(打ち解けない様子)」が存在しているので、ゴリゴリとブレークされてしかるべきなのですが、他には、何か、「よいたとえ」はないのかな、と思ってしまいます。
  
 ▼
   
 誤解を避けるために申し上げますが、研修やワークショップの冒頭で、僕が、他の参加者と打ち解けているわけではない、ということです。むしろ、「打ち解けていない」ので、「打ち解けたい」と思っている(笑)
    
 先ほど申し上げましたので、「ネクラ」で「オクテ」ですので、僕は、研修やワークショップの冒頭では、きっとモジモジしています。この状況を、何とかして欲しい、とは思っています。
   
 つまり、「現象」としては「アイスブレーキングの状態(お互いに打ち解け合った状態)」を求めている。ただ、「アイスブレーキング」と言われると、余計に緊張しちゃう、という感じなのかも知れません。
  
 うわ、超絶、めんど草(笑)。
    
  ▼
   
 無理矢理、抽象化して考えるならば、結局、こういうことなのかな、と思うのです。
  
 アイスブレーキングを「手法」としてとらえるのか?
   
 それとも
  
 アイスブレーキングを「現象」としてとらえるのか?(笑)
   
 すなわち、前者の「手法」としてとらえれば、
  
「さぁ、これからアイスブレーキングをしますよ」というインストラクションをおこない、いわゆる「アイスブレーキング」が生まれることになる。
    
 しかし、アイスブレーキングを、後者の「現象」として把握するのならば、要するに何をやっても、「アイスブレーキングの状態」が生まれればいい、ということになる。アイスブレーキングと言わず、「何らかの活動」を相互に行ったうえで、「その結果」として、「アイスブレーキングの状態(お互いに打ち解け合った状態)」が生まれればいいことになります。
   
 つまり、僕個人は「手法としてのアイスブレーキング」よりは「現象としてのアイスブレーキング」の方が好きだな、ということになるのかな、と思います。
 別の言葉でいいましょう。「アイスブレーキングと言わず、アイスブレーキングの状態をつくりだせないのかな」と妄想してしまうのです。
     
 たとえば、研修室の音楽やしつらえを工夫する、というのもそのひとつかもしれません。全く無味乾燥な研修室で、無音の状況よりは、ずっとそれだけ気が楽になります。
  
 たとえば、研修参加者が、「出会った」瞬間に、話しかけざるをえないようなワークを仕込み、受付でお願いしておくというのもひとつです。「テーブルにいる他の参加者と協力して、このワークに取り組んでみてください」とお願いしておけば、「アイスブレーキングと言わないアイスブレーキング」が可能になります。
  
 ごめんね、本当に面倒くさくって。
 ほっといていい(笑)。
  
  ▼
  
 今日は「アイスブレーキング」という言葉について書きました。
  
 ここまで書いてきて思うのは、「アイスブレーキング」というのは、もともと、「研修やワークショップをデザインする側の言葉」なのではないか、という思いです。もし、それが仮に「是」ならば、それをそのまま研修参加者に申し上げる必要はないのかなとも思います。
 どなたか「アイスブレーキング」について超絶細かく調べていただいて、「アイスブレーキングの歴史学」という本などを書いていただけると、僕は、絶対に購入させていただきます。
  
 ちなみに、僕は、たった今(朝・6時20分)「絶望」しました。
 なんか、このネタを過去にも書いた記憶がしてきて、「アイスブレーキング」という言葉で、自分のブログ記事をググルと、なんと、8年前にも、同じようなことを書いていたことに気がついたことです。しかも、8年前の方が、文章としてはちゃんとしています。朝っぱらから、プチ鬱です。
   
アイスブレイクのデザイン(8年前の記事)
http://www.nakahara-lab.net/2010/07/post_1724.html
  
 とはいえ・・・ここまで書いてしまったのだから、今日の文章も、もったいないので、公開させていただきます。ぜひ読み比べてみてください。
 
 嗚呼、この8年間(当時35歳ー今43歳)で、僕が「何一つ成長していないこと」が、おわかりいただけるかと思います。
 ま、ブレてない、とも言えるけど。
  
 そして人生はつづく
  
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