NAKAHARA-LAB.net

2005.4.15 19:10/ Jun

多様性のマネジメント

 プロジェクトを行う際の「メンバーの多様性」とは「諸刃の剣」である。
 メンバーの社会的背景、専門性が多様であるが故に、それがうまく調整され、そのチカラが結集したときには、信じられないパワーが生まれる。一人ではできないことが、わかる、できる。
 しかし、多様であるが故に、それはリスクも抱え込む。
 「多様」という言葉が、ある種の「あきらめ」をともなう「逃げ言葉」として語られる状況に陥ったとき、メンバーに共通の目的やタスクは失われる。パフォーマンスなど期待出来る余地もない。集団に生まれる浅慮、極化、無責任については、これまでおびただしい数の研究が生み出されてきた。
 しかし、人間が集まれば、そもそも「多様」になることは否めぬ事実である。どんなに均一なメンバーから構成され、どんなに精密に目的が設定されたとしても、字義通りの意味で「非多様的」な集団は存在しない。
 多様性のマネジメント
 それは極めてチャレンジングな課題でありながら、誰もが挑戦せざるを得ない地平なのかもしれない。プロジェクトが生まれる場所が、実社会になればなるほど、その重要性は増すのではないかと思う。

ブログ一覧に戻る

最新の記事

2024.4.17 23:54/ Jun

給特法、および、それにまつわる中教審審議に対する私見(中原淳)

たかがタイトル、されどタイトル!?: 研究タイトルを「一字一句」正確に書いてきてね!

2024.4.17 08:17/ Jun

たかがタイトル、されどタイトル!?: 研究タイトルを「一字一句」正確に書いてきてね!

2024.4.15 08:05/ Jun

「タイパ重視の時代」だからこそ「時代遅れ!?のラーニング」を楽しむ!

2024.4.15 07:29/ Jun

【参加費無料】リーダー育英塾2024募集開始!:特色ある学校づくり+持続可能な学校づくりを進めたいあなたへ!

日本の企業はホワイトになったのか?:あなたの周りには「ノスタルジー温泉」につかって「昔」を懐かしんでいるひとがいませんか?

2024.4.4 08:57/ Jun

日本の企業はホワイトになったのか?:あなたの周りには「ノスタルジー温泉」につかって「昔」を懐かしんでいるひとがいませんか?