NAKAHARA-LAB.net

2018.11.21 06:48/ Jun

人前で話すのが苦手だけれども、饒舌なプレゼン!?

 大学生(19歳ー20歳の学生)というのは、まことに面白いものです。
     
 僕が、これまでの自分の研究者人生のなかで、「一癖も二癖もある!?愛すべきキャラの大学院生(笑)」だけしか(大学院生と研究しているのは本当に面白いです)、お相手にしてこなかったせいでしょうか。
「ロジカルな大学院生」と比べてると、まだ成熟しきっていない「学部学生」。そんな学部学生とのコミュニケーションが、まことにつっこみどころ満載に見えて、いつも面白がっています。
  
 これは「まぁ、今年が1年目」ということもたぶんにあるのでしょうけれども。その「愛すべき生態」を観察しつつ、毎日のように愉しんでいます(手はかかりますけど・・・)。
  
  ▼
  
 特に、面白いなと思うのが「自己紹介を含んだプレゼンテーション」です。最近、季節柄、様々なかたちで、面接などで「自己紹介のプレゼン」をきくことが多く、そのたびに、ズッコケそうになりながら、話をうかがっております。
  
 大学生の自己紹介というのは、「言語で伝えていること」と「現在の行動で示していること」がときに「矛盾」しているように見えることが、ままあります。これがつっこみどころ満載でおもしろい(笑)。
  
 もっとも典型的なのは、
  
「えっ、実は、わたしは人前で話すのは苦手で、いや、本当に苦手なんです・・・ペラペラペラ(すらすらとしゃべっている・・・ペラペラペラペラ・・・まだしゃべっている。ウケもとって終わる)」
  
 めっちゃ、人前で話すの、うまいやん。
 どこが苦手やねん(笑)
  
 とか。
  
「わたしは、コミュニケーションに自信がなくて、いつも引っ込み思案で・・・・スラスラスラ(よどみなく話し、時折、ジョークまでかましている・・・・スラスラスラ・・・拍手で終わる)」
  
 めっちゃ、コミュニケーション、得意やん!
 どこが引っ込み思案やねん!
  
 とか、よくあります。
  
 もーね、僕には、よくわかんない(笑)。
 しかしながら、ナイス!愛すべきキャラの学生たちです。
  
 きっと、まだ若いので、いろいろなかたちで「予防線」を張りたいのかな、とも思うし、もしかすると、たんに「謙遜」しているだけなのかもしれません。それはそれで「いっぱいいっぱい」で、緊張して話して、話が逆にとまらなくなっているだけなのかもしれません。
  
 もちろん「本当はできる」のに「自信」だけがない子もいます。
  
 そんなとき、自分の仕事は、彼らに「舞台」を提供することであり、そこに「立たせること」なんだろうな、と思ったりもします。「場数」がひとを育てますし、そこでの「フィードバック」と「振り返り」があれば、「伸びしろ」があるので、まだまだ伸びる。
  
「えっ、実は、わたしは人前で話すのは苦手で・・・」
「わたしは、コミュニケーションに自信がなくて・・・」
   
 というプレゼンを聞くたびに、そんなことを考えています。
  
 場数こそが、人を育てる。
 自ら舞台に立って、自ら成長していきな。
    
  ▼
  
 嗚呼、僕自身が、大学生であったのは、もう四半世紀前(25年前)のことです。
 そのとき、自分は、どんな学生であったのか。もう、今の僕には思い出すことすらできません。
   
 でも、ふと、思うときがあります。
  
「えっ、実は、僕は人前で話すのは苦手で・・・」
「僕は、コミュニケーションに自信がなくて・・・」
  
 そんなことを言いながら、僕自身も発表をしてたのかな、と。
 ま、当時はパワーポイントやキーノートはなかったので、透明フィルムにOHPでの発表でしたけれど。
 フィルムを床にぶちまけて、エライ目にあったこともありました(笑)
  
 嗚呼、10年前・・・20年前・・・ひとによっては30年前・・・
  
 あなたはどんな学生生活をおくっていましたか?
  
 嗚呼、歴史は繰り返すのか
 そして人生はつづく 
  
  ーーー
 
追伸.
 今日の話題の「亜種」に、こんなつっこみどころ満載の発表もよくありますよ。
  
「わたしたちは、もう若くないんで・・・」
   
 いや、若いよね。
 まだ、君らは、未成年じゃん(笑)
  
  ーーー
     
新刊「組織開発の探究」発売中、重版3刷決定しました!AMAZONカテゴリー1位「マネジメント・人事管理」を獲得しています。「よき人材開発は組織開発とともにある」「よき組織開発は人材開発とともにある」・・・組織開発と人材開発の「未来」を学ぶことができます。理論・歴史・思想からはじまり、5社の企業事例まで収録しています。この1冊で「組織開発」がわかります。どうぞご笑覧くださいませ!
  

    
 ーーー
    
新刊「女性の視点で見直す人材育成」(中原淳・トーマツイノベーション著)が、ついに刊行になりました。AMAZONカテゴリー1位「企業革新」「女性と仕事」。女性のキャリアや働くことを主題にしつつ、究極的には「誰もが働きやすい職場をつくること」を論じている書籍です。7000名を超える大規模調査からわかった、長くいきいきと働きやすい職場とは何でしょうか? 平易な表現をめざした一般書で、どなたでもお読みいただけます。どうぞご笑覧くださいませ!
    

   
 ーーー
  
【注目!:中原研究室のLINEを好評運用中です!】
 中原研究室のLINEを運用しています。すでに約9400名の方々にご登録いただいております。LINEでも、ブログ更新情報、イベント開催情報を通知させていただきます。もしよろしければ、下記のボタンからご登録をお願いいたします!QRコードでも登録できます! LINEをご利用の方は、ぜひご活用くださいませ!
      
友だち追加
   

ブログ一覧に戻る

最新の記事

「かつての自分の研究」への「懺悔」!? : 「残業学」の背後に隠された著者の「思い」とは何か?

2018.12.14 06:41/ Jun

「かつての自分の研究」への「懺悔」!? : 「残業学」の背後に隠された著者の「思い」とは何か?

2018.12.13 07:07/ Jun

新刊「残業学ー明日からどう働くか、どう働いてもらうのか?」好評発売中!:25000人のデータから解き明かす「残業問題」解決の秘訣とは?

研修メニューの「充実」と「料理の美味しさ」を考える!? : 和洋中何でもOKで、味はイマイチの「残念なレストラン」!?

2018.12.12 06:48/ Jun

研修メニューの「充実」と「料理の美味しさ」を考える!? : 和洋中何でもOKで、味はイマイチの「残念なレストラン」!?

組織開発の難問「クソはオレだった問題」をいかに攻略するか!?

2018.12.11 06:41/ Jun

組織開発の難問「クソはオレだった問題」をいかに攻略するか!?

「アルゴリズム至上主義」にモノ申す!?、人文科学の知の「復権」!? : クリスチャン・マスビアウ著「センスメイキング」書評

2018.12.10 06:52/ Jun

「アルゴリズム至上主義」にモノ申す!?、人文科学の知の「復権」!? : クリスチャン・マスビアウ著「センスメイキング」書評