2018.2.23 05:52/ Jun
あなたには「我を忘れて、何かに没頭してしまった経験」はありますか?
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よく知られているように、時間を忘れ、いる場所すら忘れ、何らかの活動に没頭している心理的状況のことを「フロー(flow)」とよんだのは、ミハイル・チクセントミハイです。
チクセントミハイは、自他の境界の区別がつかなくなるほど、ある活動に対して極度に没入し、時には、「時間感覚のゆがみ」のようなものすら感じてしまうようなハイピークの心理的状況を、現象学的に記述し、それを「フロー理論」として体系化しました。
多くの人にとって、長く生きていれば、ある特定の活動に対して「フロー」のような心理状態を経験することは、ありうることなのかな、とも思います。
まことに怠惰で凡庸な僕の場合、ひとつだけ、「フロー」に近い状況を経験することがあります。
それは「本や論文の執筆」です
僕の本や論文は、そのほとんどが「書斎」や「研究室」で生み出されたものではありません(我が家に書斎はございません!&研究室では来客や問い合わせが多く原稿執筆はできません!)。
マクドナルド、ミスド、スタバ、電車の中・・・その多くは、街のどこかで、雑踏の中、ラップトップコンピュータで書かれています。
しかし、ここがまことに面白いのですが、僕は、街の雑踏のなかで本を書く方が、集中できるのです。そして、街の喧騒の中で、本を書いているときに経験するのが、この「フロー」という心理状態です。
たとえば、せんだっては、3時にミスドに入り、本を書き始めたのですが、気づいたら、5時30分を超えていて、外は暗くなり、あやうく、お迎えに間に合わないところでした。KENZO、すまん!
この2時間半、僕には、外界のことが「何も聞こえていません」。ハッと気づいた瞬間、時空がねじまがったかのような感覚に襲われ、一瞬、自分がどこにいたのかを忘れていました。
このようなことは「電車の中」でもよく起こります。
電車の中で原稿を書いていると、まわりで何がおきようが、僕は、まったくわからなくなります。隣に人が来ようが、前に新聞をガシャガシャと広げるオジーサマーが立とうが、まったく意識できない(笑)。おまけに、電車のアナウンスもまったく聞こえません。
原稿執筆に没頭しすぎて、5駅ー10駅まで乗り越してしまうことは、1ヶ月に1度くらいはあるような気がします。ハッと気づいたときには、電車の中には、誰もいなくなっているのですが。
興味深いのは、こうしたフローを経験するのは「自分の研究」に関することの執筆プロセスにおいてだけである、ということです。
同じようにラップトップを用いての執筆作業でも、対象が「事務的な書類の作成」や「グラント獲得のためのプロポーザル」だと、恐ろしいほど、フローが1ミリもおきません。
むしろ、周囲が気になり、すべてが気になり、すぐに、ソーシャルメディアに逃げてしまう「逆フロー」が起きるくらいです。パフォーマンス、逆噴射!
人間、向き不向きというのは、あるような気がいたします。
まぁ、それでも、やらなアカンことは、当然、やりますけれども。
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今日は「フロー経験」の話をしました。
多くの人には、ある特定の物事で、時空間がねじれるような思いにかられるほど、何ものかに没頭した経験はおありなのではないか、と思います。
マイ・フローを語り合う場というのも面白そうですね。
あなたは、どんな「風呂体験」じゃなかった・・・(誤変換)
あなたは、どんな「フロー体験」をお持ちですか?
そして人生はつづく
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