NAKAHARA-LAB.net

2017.6.9 05:45/ Jun

あなたの組織は「人手不足」ですか、それとも「人材不足」ですか、その両方にやられて「悶絶」してますか?

 あなたの会社は「人手不足」ですか? それとも「人材不足」ですか?
 その「両方」で「悶絶」してますか?
   
   ・
   ・
   ・
  
 先だって、慶應丸の内シティキャンパスで行われた僕の授業「ラーニングイノベーション論」には、学習院大学の守島基博先生におこしいただき、「人材マネジメントと人材開発のあり方」についてご講義をいただきました。守島先生におかれましては、お忙しいところご出講いただき、本当にありがとうございました。心より感謝いたします。
  
 この授業で、僕は、毎年、守島先生のお話を伺わせていただいております。先生は、年々、新たな発信をなさり、また毎年、多くの気づきを、僕や受講生に与えてくださることに心よりうれしく思います。
  
  ▼
  
 先だっての授業で守島先生から学ばせていただいたことのひとつに、「人手不足」と「人材不足」は違う、というお話がございました。非常に印象的な言葉です。
  
 守島先生によりますと、経営の観点から見ると
  
「人手不足」とは「シンプルな業務を回していってもらえる人が不足していること」
「人材不足」とは「企業が描いた戦略(やりたいこと)をやってくれる人が不足していること」
  
 とも解釈できるそうです。
 なるほどな、と思いました。
  
 ここで「人材」とは「人手」という言葉よりも、より「高次の複雑な仕事を任せられる人」という意味かと思います。より具体的に申し上げますと「企業が、将来をかけて戦略に従った事業や仕事をになってくれる人」というニュアンスになるのかな、と思います。
  
 わかりやすい例でいえば、たとえば、「新規事業を興したいのだけれども、事業創造を行ってくれる人材が不足している」とか「グローバルに市場展開を行いたいのだけれど、海外でマネジメントを行える人材が不足している」ということになるのでしょうか。
「人材不足」とは、企業が将来をかけて「行いたい仕事」にアサインできる人材が不足していることをいいます。人材不足は「企業の中の育成機能」や「職場の育成機能」が中長期にわたって機能不全に陥っている場合に、起こりがちなことなのかな、と思います。
  
 一方、最近は「人手不足倒産」というのも増えているのだといいます。シンプルな業務すら回していってもらえる人すら獲得できず、事業が起こせないばかりか、倒産にまで追い込まれる。こちらも深刻で、今後、今のまま景気が推移すれば、さらに問題が深刻化していくことが予想されます。
  
 今後を考える上でドサイアクで、かつ、なんとしても避けなければならない事態は、「人手不足」と「人材不足」の「両方」にノックアウトされることでしょう。「シンプルな業務」も「将来の事業」もままならない。なかなかスパイシー、かつ、ソルティな状況です(泣)。しかし、この「同時進行パターン」が実に増えている・・・・そんなハダカンを持ちますが、いかがでしょう?
  
 ▼
  
 今日は「人手不足」と「人材不足」のお話をいたしました。
  
 わたしたちが過去に行った共同研究によりますと(パーソルグループ × 中原研)、「人手不足の問題」は一見「採用の問題」にも見えますが、実は「育成」「職場作り」に深く関連することがわかっております。最近の採用では、人は、職場を下見などによって見極め、「成長実感の持てる、安心・安全な職場」を選ぶ傾向があるからです。よって、育成機能の不足している職場には人は集まりません(詳細は、アルバイトパート採用育成入門をご覧ください)。
  

  
 結局、どこかで腹をくくって「決意」することかと思います。
 中長期に、地道に「育成機能」を見直すことにかけるか、否かを。
  
 あなたの組織は「人手不足」ですか? それとも「人材不足」ですか?
 それとも「人手不足」と「人材不足」の「両方」で「悶絶」してますか?(泣)
   
 そして人生はつづく
 一週間、お疲れ様でした。
  
 ーーー
  
注目!
   
 中原研究室のLINEを仮運用することにしました。LINEでも、ブログ更新情報、イベント開催情報を通知させていただきます。もしよろしければ、下記のボタンからご登録をお願いいたします!QRコードでも登録できます!(実は、あまりLINEの仕組みをわかっていないのですが、でも、やってみる!、笑)
   
友だち追加
  

 ーーー
   
【注目情報:人手不足時代をいかに乗り切るか?】
     
 パーソルグループさんとの共同研究の成果が、記事になっています。テーマは【アルバイト・パートの採用・育成:人手不足時代をいかに乗り切るか?】です。どうぞご笑覧ください
  
25,000人の大規模調査から、人手不足を解消する画期的な研修プログラムを実現。 ~テクノロジーを活用し集合研修同等の価値を生む
http://www.hrpro.co.jp/series_detail.php?t_no=1126
   

 ーーー

 ウートピさんに取材いただきました。今回は「組織の中の仕事の割り振り」について語っております。どうぞご笑覧くださいませ!


「社会とつながる仕事がしたい」会社の中でその夢は本当に叶うのか?
http://wotopi.jp/archives/56793

 ーーー

「研修開発ラボ」が生まれ変わりました! 新規・研修開発ラボは「人材育成の基礎」から「研修の設計」、そして「社内講師の養成」までを3コースにわけて、別々に、ご受講いただけるようになります。これまでよりも、きめ細やかに、研修のデザインについて学ぶことができます。教科書は「研修開発入門」(ダイヤモンド社)です。もしご興味があるようでしたら、ぜひお越しください!

研修開発ラボ
https://jinzai.diamond.ne.jp/lab/

ブログ一覧に戻る

最新の記事

あなたの周囲には「チェリーピッキング的学び」が広がっていませんか?:「小難しいこと」に詳しくなるけれど「Dxできない人材」が生まれるメカニズムとは何か?

2021.12.3 08:09/ Jun

あなたの周囲には「チェリーピッキング的学び」が広がっていませんか?:「小難しいこと」に詳しくなるけれど「Dxできない人材」が生まれるメカニズムとは何か?

「グループワークをやるんなら対面で行った方がいい」は僕らのイリュージョン(幻想)だったかもしれない!?

2021.12.1 08:20/ Jun

「グループワークをやるんなら対面で行った方がいい」は僕らのイリュージョン(幻想)だったかもしれない!?

2021.11.30 07:47/ Jun

【イベント参加者募集】働くママパパラボ2「チーム育児と私たちの未来」

2021.11.29 08:21/ Jun

で、結局、人材開発への投資は「儲かる」のか?という「香ばしい問い」への答えとは!?

2021.11.27 15:47/ Jun

「会社を選ぶ就活・採用」よりも「仕事で選ぶ就活・採用」へ!? : HR Youth Camp(エイチアール・ユース・キャンプ)イベント参加者募集中!