2017.6.1 05:41/ Jun
「ワークショップ温泉」という言葉があります。
誰が言い始めたのか知りませんが、1年に4回(なぜ4回?)くらい、時折、異なる方から耳にする言葉です。ま、ここでは「ワークショップ温泉」とはいう言葉をご紹介しましたが、他にも「セミナー温泉」でも「研修温泉」でもいいんでしょう。
要するに、「ワークショップ温泉」という言葉の意味するところは、
「ワークショップ・研修に日々参加することが、「温泉」のごとく気持ちよくなってしまい、反面、現場でアクションをとることに、億劫になってしまう状態」
のことでしょう。
別の言葉でいいなおすならば、「現場拒否のワークショップ中毒」といってもいいのかもしれません。「現場でアクションをとらず、ワークショップに参加することで現実を逃避する」というところが問題の所在かもしれまえん。
ものにもよりますが、ワークショップや研修は「感情の浄化(カタルシス)」や「感情の高揚」をおこそうとおもえば、おこすようにデザインすることができます。また、基本的にそれは「日常空間との断絶」を操作的につくりだします。
「ワークショップ温泉」で、そうしたものを体験しているたびに、人によっては、それが「あまりにも気持ちよくなって」しまう方がでてきます。底冷えがするような「現場」でアクションをとるよりは、ワークショップ温泉で今日も明日もあさっても暖まっていたい、と考えるようになってきます。
そうなると「もう一回」「いや、もう一度」と回数が増していき、いわば「温泉」化していきます。別の言葉でいうと、現場を拒否し、いわば「中毒化」していく。
気づけば、「湯治」のようにワークショップに日参していくことになってしまうのです。湯治場には、「いつめん:いつものメンバー」もいらっしゃいます。気づけば、いつめんで「いい湯だな」を繰り返すことになります。
ま、温泉に通うのは、個人の勝手なので、とやかく他人がいうことではありませんけれども、あまりにも続くと心配になってきます。
このあたりのバランスはとても難しいことです。
「日常アクション」をふりかえるためには、「日常」とは断絶した「非日常空間」に身をおくことも大切なことです。それによって、「明日のアクション」を力強く踏み出すことができます。
しかし、それが過剰に行き過ぎてしまうと、「非日常空間こそが日常化する」という倒錯状況が生まれます。
だからこそ、ワークショップも研修も「クロージング」こそが重要なのです。
きちんと、非日常空間とは決別させ、しっかりと「現場」に送り出さなければならないのだと僕は思います。
ワークショップ温泉、たまには、よいのかもしれません。
また、働き過ぎで底冷えを体験している日本の組織で働く人にとっては、温泉につかるくらいが、ちょうどよいのかもしれません
しかし、あんまりつかりすぎていると、ふやけてしまいます。
あんまり入らないでいても、体が冷えてしまいます。
あまりにも凡庸で、あまりにも月並みですが、「何事もバランス」ということなのでしょうか。
そして、このことは、ワークショップを時折なすものとして、心にとめておきたいと思います。
自戒をこめて
そして人生はつづく
ーーー
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